ウラニウム兵器禁止キャンペーン(2009年1月)

国連総会で劣化ウラン問題に関する新しい決議が2008年12月2日に採択されました。一昨年の総会決議をほぼ引き継ぎ,加盟各国と国際機関に劣化ウラ ンの危険性についての見解を求め,2009年国連総会でも議題とすることを決めたのです。賛成国は日本,ドイツ,イタリア,オランダほか141ヵ国にのぼ りました。保留34ヵ国,欠席13ヵ国(中国を含む),反対はフランス,イスラエル,イギリス,アメリカの4ヵ国だけでした。なおこの4ヵ国は劣化ウラン 兵器を保有しており,実戦で使用していると考えられています。提案国はインドネシア(非同盟運動諸国の代表)でした。
決議前文には,「人類が,自然環境の保護の手段を講じる必要をますます認識しており,このような努力に逆行するいかなる事柄に対しても必要な措置を実施 するべく重大な関心を払う必要を確信し,劣化ウラン兵器使用が健康と自然環境に及ぼす潜在的影響を考慮し」と明記されています。そして加盟各国に劣化ウラ ン兵器使用の影響に関する見解を提出するように求めています。また事務総長に対しては,関連する国連機関に,劣化ウラン兵器使用が健康と自然環境に及ぼす 影響に関する調査研究を適切に最新のものに更新し,完成させるように要請することを求めました。

ところがイスラエル軍は,まるでこの決議を否定するかのように,ガザへの非人道的攻撃を年の瀬に開始しました。なぜこの攻撃が非人道的かというと,
☆非戦闘員である住民を無差別に攻撃していること。
子どもたちも多く負傷しています。これは明らかな国際法違反であると思います。
☆劣化ウラン兵器を使用した可能性が高いこと。
劣化ウラン弾かどうかの確認はされていませんが,強力な破壊力を持つDIMEという新型爆弾が使用されたことは確かなようです。
☆クラスター爆弾も使用されているらしいこと。
クラスター爆弾については禁止のための国際条約が発効したばかりであり,これに敵対する行為です。
☆白リン弾が殺傷兵器として使用されたらしいこと。
白リン弾は本来,照明弾として認められているものであって,ヒトの殺傷に用いることは想定されていませんでした。今回,白リン弾で街が焼かれたことは確かなようで,明らかな目的外使用です。

今回のイスラエルの残虐行為に対しては,国際的な批判と,徹底した調査,非人道性の証明と断罪がなされるべきだと思います。

2009.1 Y