医問研編集『低線量・内部被ばくは危険―その医学的根拠―』まもなく発行(NEWS No.433 p01)

野田内閣は,原発推進を明言しました。それに対し,9月11-19に全国で反原発の行動が取り組まれ,19日には東京で6万人が立ち上がりました。マスコミはほとんど報道しませんでしたので,多くの方はご存じなかったかも知れませんが,これらの運動にはかってなく若いママたちや学生などが参加しています。
政府の押さえ込み政策は,「心配ない」だけでは通じないため,専門家による「低線量は恐くない」と医学を装った説明をすることと,食品などの汚染が「たいしたことはない」ことを強調することで乗り切ろうとしているように思えます。汚染が少々あっても,低線量なら恐くないから,その対策をしない,補償はしない,というのが,現在の政府のやり方のように思えます。
以前ご紹介しました,低線量・内部被ばくに関する本を急遽準備中でしたが,完成に近くなってきましたので,再びご紹介します。目次の一部をご紹介します。
<内容>
Ⅰ.放射線被曝の基本的知識:単位,種類と特徴,放射性物質の種類,外部被曝,内部被曝,実効線量,半減期,障害の頻度
Ⅱ.だから,放射線被曝は怖い:急性大量被曝
Ⅲ.低線量でも障害は発生する 具体的な放射線被曝による障害の調査の紹介
がん:小児がん,白血病,成人のがん,
次世代への影響:妊娠・出産・子ども,
その他の問題
Ⅳ.原発事故処理労働者の健康被害
Ⅴ.今,考えるべきこと―被曝をめぐる論争点―
ICRPと日本の専門家の違い,
ICRPの被曝障害の区分,
低線量でも起きる急性「確定的影響」,
低線量被曝での発がん性に関する理論,
ICRPの問題点,
自然放射線は安全か,
被曝より生活習慣病が問題か,
健康診断について,
食品汚染基準の考え方
資料.
チェルノブイリと福島の汚染度の比較,
何人が被曝すると1人に障害がでるか(NNH)の一覧表,
各学会などの被曝に関する声明など,統計用語の解説

以上です。雰囲気はわかっていただいたでしょうか?
6月頃より,集ったり,メイルなどで多くの議論を積み重ねてきました。その結果,ICRPなど,世界の原発・核武装推進派の人たちが作り上げてきた,複雑で理解しにくい理論とどう立ち向かうかで,多くの前進をしました。
まだまだ議論がつきないところもあります。しかし情勢に遅れないためにも,一定の相違も残しながらも,発行することとしました。是非一読ください。