浮雲保健師ぶ〜やんの呟き(NEWS No.449 p06)

「生命あることに感謝!」の巻

「しぇんしぇ~!バーこーてもうたんやでぇ~」

(訳;先生!祖母に、これ買ってもらったよ~)

言葉が増え 足取り軽く 元気な笑顔で駆け寄ってくる2歳児君。

お正月明け、集いの広場の子供たちは、成長が目まぐるしい。こちらは すっかりお婆気分で目を細めて見とれてしまう。その上、集まった他の友達に見せてあげられるようにもなっていた。「すごい!お兄ちゃんになったね。貸してあげられるんや~」スタッフは拍手喝采!

でもなぜか、その子のママは「そんなことで褒められるから、ここはいいなぁ~」とやつれた顔でため息。「家や実家では、貸してもすぐ取り返そうとして喧嘩するから、叱られてばかりで情けなくて…」と呟く。《立てば歩めの親心》だけでは無さそう? 年末年始、親戚が集まる中、色々あった様だ。

従妹や友人子供たちと、わが子を比べ、我が子が“出来ないこと”=“母の躾が悪い”と感じてしまうらしい。周りから我が子の事を言われるたびに、自分が責められているように思い、居たたまれなくなって イラつき、些細なことで叱ってしまったり、情けなくなったり。我が子の出来ない事ばかりが目につくようになってくる。

自分たちの子として、授かったことに喜び、無事生まれてくれたことに感謝し、おっぱいを飲んでくれる顔を見て幸せを噛みしめ、視線が合えば笑顔が溢れる…だけのはずが、中々眠らない。寝返りしない。離乳食を食べない~と、次々とハードルが上がっていく。出来ない事が続くと、自分も情けなくなって劣等感や孤独感に包まれる毎日。

ママも、その子も奇跡的に宿った命。出来ても出来なくても、そこに居るだけで良いのに。

いつもの生活が始まってパパを仕事に送り出した後、自宅で甘えてくる我が子と2人っきりになり、お正月疲れがドッと溢れ出す。慌てて朝の家事を済ませて集いの広場にやってくるママ。お弁当も作って頑張って来てくれたことに「お疲れ様!」と声をかける代わりに、子どもの成長を一緒に眺めて喜び合って過ごすと、帰るころにはスッキリした元気な笑顔で我が子を抱き上げる事が出来る。帰ってから疲れた子が愚図ったり、お昼寝

やらで大変なことになるのは分かっているけど、ここで充電し「小さな怪獣」の育児を楽しんでしていけますよう、祈るばかり。「しゅべだ~みーこーか?」(訳;滑り台見に行こうか?) つまり、公園に行きたいと言ってる…。

『ママ!ファイト━━(ノ゚д゚)人(゚Д゚ )ノ━━!!』また明日 待ってるね!

(保健師 川崎恵子)