「うちの子 万華鏡のところに居ないんですけど~何処に行きました?」「えぇっ?」と、驚く場面だが 聞いているママの方は、ほんのり頬が紅く、リラックスした表情。
今日は 『福島避難者こども健康相談会おおさか』の3回目の日。
福島県および東日本から避難された家族のこども健康相談。
初めて参加のママは、様々な不安を抱え 親子で慣れない大阪で やっとドーンセンターまでたどり着き、知らないスタッフが一杯いる中、緊張しつつ問診票を記入。看護師の問診の後、初対面の先生への健康相談に挑む。『どんなことを相談したらいいのか?』『本当に聞いてもらえるのか?』『今までの医療機関の様に、考えすぎと言われるのではないか?』等々。二年間の熱い思いが交錯しつつ、質問を整理していく。そばにいる子どもは、そんなママの緊迫した雰囲気を感じてか不安げな表情。でも、退屈! そこで、ボランティアの保育スタッフが オモチャや本で和ませ、仲良くなっていく。頃合いを見て「万華鏡でも作りに行ってみようか?」とお誘い。ママの顔を覗き込むと、ママは「行っておいで」と。やや不安もあるが、楽しそうな誘惑に乗り 優しいお姉さんと手をつないでスキップで退室。 我が子を気にしつつ選んでいた言葉が 必要なくなったためか 一気に噴き出し 思いが胸に一杯になり、涙をこらえつつ話す場面も。ひとつひとつ相談しながら 今後の事を少し整理できたところで、ほっと一息。相談が終わった後 まだ肩に力が入ったままのママに、ハンドマッサージを勧める。「そんなのしてもらったことないから~」と言いつつ、気持ちよさそうな誘惑に乗り、またまた、知らない人に手を出してみる。アロママッサージをしてもらい、表情は和らぎ 頬は、ほんのりピンク。寛ぎついでに、避難者交流お茶会コーナーを勧められ、ちょっと一服。「ひさしぶりに ゆったりした気がします。」と、言った後で 冒頭のセリフ。「うちの子 万華鏡のところに居ないんですけど~何処に行きました?」
「ご心配なく、保育室で遊んでいますよ。ご案内しますね!」
階下の保育室に行ってみると、数人の子と 保育スタッフが大盛り上がり~。
「○○ちゃ~ん。ママだよ~」と呼ばれて、遊びの輪から汗だくで出てきた女の子。
「えぇ~。もう帰るの?」と不満気。でも、表情は生き生きしていて顔はピンク色
「いっぱい遊んだ?」と聞きながらも、慌てて上着を着せようとしているママに一言。
「そんなに慌てさせないで~。ひさしぶりに楽しかったのに~」
思わず顔を見合わせてしまった大人たち。ママと同じ様に、肩に力を入れて、不安いっぱいで 緊張していたんだね!
「こんなに ゆっくり出来るとは思っていなかったので、次回は、是非...」と、親子仲良く手をつないで、軽やかに帰って行った。次 9月に来た時の合言葉は「ひさしぶりぃ~」
(川崎恵子)