浮雲保健師ぶ〜やんの呟き 「ええ塩梅(アンバイ)に?」の巻(NEWS No.458 p04)

観測史上まれにみる猛暑の夏が過ぎ、運動会も落ち着いた頃、気温が不安定に。
子どもたちは、ちょっと お疲れ気味で 鼻汁が〜タラリ〜ズル〜。
「風邪ひいたのかな?困るぅ〜。」ある日、そうブツブツ言いながら R君の鼻を拭いているママ。

私「どこかへ 出かけるの?」
R君ママ「明日、インフルエンザの予防注射予約してあるんで…受けられるかなぁ?」
そんな季節になってきました。こんなことで季節を感じている場合ではありませんが…。

R君ママは 第2子妊娠中。
産婦人科の主治医から「妊婦がインフルエンザに罹ると怖いので、家族からうつされないように」と、インフルエンザワクチンの予防接種を勧められた様子。
家族全員。当然の様に2歳児のR君も。もちろん任意接種なので有料。
でも『妊娠中にかかると怖い』と主治医から言われているママにとっては、必要経費だ。

パパも受ける事になっているが、以前、インフルエンザワクチン接種後に発熱して、寝込んだことがあるので、仕事に支障のない金曜日(接種後、寝込んでも土日になるように…)に受けることにしている、とのこと。
そんな会話をしていると、居合わせた他の親子も気になるので注目し始め、同じように第2子、3子、4子の妊娠中ママ達も集まり、なんとなく座談会風になってくる。

…と、言う訳で ワクチンのプチセミナー(毎年恒例?)の始まり。
みんなでインフルエンザや予防接種について話し合う。
基本的な「定期接種と任意接種」についても 違いを知らないママが多く、有料・無料についても 主治医の指示の通り、疑問もなく受けていることがほとんど。
当然、接種すれば、他の予防接種も同様に100%罹らないと思っている。

しかし、毎年話している成果か、先輩ママが得意気に説明してくれる場面も見られる様になってきた。

A君ママ「独身の時、会社で毎年(インフルエンザワクチン)受けさせられていたけど、受けた後、必ず熱出て、しんどい思いをしてるのに、インフルに罹っててん。予防接種の話聞いてから、受けてないけど罹って無いねんでぇ〜」
Sちゃんママ「インフルの症状が、出てなくても罹ってる人いるねんでぇ〜」
T君ママ「毎年、家族全員インフルエンザワクチン受けてたけど、話聞いてから私と子どもは接種して無いねん。パパだけ会社で全員受ける様に言われて接種してるけど、家族で一人パパだけ インフルエンザに罹ってるでぇ〜(笑)」
M君ママ「R君パパの 接種後の発熱って 副作用とちゃうん?(副作用じゃないですか?大阪弁訳)」…云々。
Rくんママは、圧倒されて聞くばかり。
私の役割は、ママたちの話を整理整頓しつつ、混乱の無い様、皆さんに予防接種の説明。

R君ママには、接種するか、否かをパパや家族、主治医と相談しなおして判断してもらう。(パパの体調も心配…)
もし接種した場合の注意・観察点も付け加える…等々
インターネットで、ちょっと検索すれば、予防接種を無条件に接種勧奨しているサイトも多くヒットしてしまう、このご時世。
その上、多くの主治医や医療従事者に、当たり前の様に接種を勧められ、何も知らないママたちに判断出来るはずがない。
その上、同意サインをし、理解・納得したと責任を持たせられていることすら、全く気付かないまま、最愛の我が子に様々な予防接種を受けさせてしまっている現状。
常に、新しい、正確な情報を提供しながら、先輩ママたちの力強い伝道を、いい塩梅に醸し出せられる様に頑張らねば…。

保健師 川崎恵子