くすりのコラム プロスタグランジン製剤の便秘薬ルビプロストン(アミティーザカプセル)について(NEWS No.458 p08)

昨年スキャンポファーマが発売開始したルビプロストンの長期投与制限がこの10月末で切れる。
この便秘薬の特徴と問題点を、以下列記する。

〔高価!〕

1日2回1回1カプセル朝夕服用で、薬価1カプセル156.6円と高価な便秘薬である。(マグネシウム製剤;1錠5.6円3錠/日)

〔呼吸困難を生じる恐れあり〕

パブリック・シチズンHPの2012年11月26日「Petition Requesting Enhanced Warnings on Dangers of Lubiprostone (Amitiza)」にはルビプロストンはミソプロストール(サイトテック錠)と同系統のプロストグランディンPG製剤であり様々な臓器に働く可能性や腸管でなく気道に働けば分泌物が増加し呼吸困難を引き起こす可能性があることが書かれていた。

〔流産の危険性あり〕

また同系統のミソプロストールは子宮収縮作用を有し妊娠中絶に適応外使用されていることから流産の危険性についてミソプロストールと同レベルの警告をルビプロストンにも求めていた。

確かに添付文書ではミソプロストールは妊娠する可能性のある婦人には原則禁忌、妊婦禁忌となっているがルビプロストンは妊婦への使用は禁忌のみで記載に違いがある。

〔PG製剤と明記されていない〕

またルビプロストンは「PG製剤」の文字はなく「クロライドチャネルアクチベーター」としてメーカーは売り出している。「PG製剤」と言われればすぐわかるはずの注意点も「クロライド…」ではその注意点はすぐ分かるのだろうか?

以前スキャンポのMRが宣伝活動のため薬局に来たので妊婦だけでなく妊娠する可能性のある女性に対する原則禁忌は必要ないのか聞いてみた。
「動物実験では流産の可能性は低い結果が得られています。」とそのMRは答えた。
承認審査報告書によるとモルモットで行った流産誘発実験でルビプロストン投与による流産発生率は自然流産発生率の範囲内だったとしている。
モルモットは妊娠期間59-72日(平均68日)で難産が多く妊娠中毒症が多い動物種である。
また推定妊娠40-53日の間で反復投与している。この期間はモルモットの安定期ではないだろうか?それにわざわざ自然流産の多いこの動物種を選び実験している。

市場の大きな便秘薬だけに処方件数もこれから伸びてくると思われます。この薬が安全に使われるのかとても心配です。

(薬剤師 小林)