浮雲保健師 ぶ~やんの呟き 「How are you ?」~の巻(NEWS No.460 p05)

今年は非常に不安定な気候が続き、幼い子どもたちにはサバイバルな毎日だった。
いつものつどいの広場に来る子どもたちも体調を崩す子が続出していた。
久しぶりに来た親子が 熱があっただの、下痢をしていただの…子どもの体調経過の話で盛り上がる。
インフルエンザ?ロタ?溶連菌?…一体なんですノン?
子どもの体調の良し悪しがわからない、不調の時 どう対応したらいいのかわからない、と言うママも多い。
何を着せればいい? 何を食べさせたらいい?消化の良いもんってどんなん?鼻水出てたら受診?・・・なんやかんや・・・
プチ座談会が始まり、熱心に聞いてくれる。

ある日、ゆったりのんびり数組の親子と遊んでいて、そろそろお弁当の時間と思っていたころ。遅れて一組の親子が「おはよう!」と元気にやってきた。
いつものように、自然に合流してくるものと思っていると 先に部屋にいたママたちに緊張した空気が広がった。その雰囲気に驚いて慌てて振り返ると、赤い顔をして額に冷却シートを貼った子が 勢いよく駆け寄ってきた。
「おでこ どうしたの?」と言いながら 駆け寄ってきたA君を抱き寄せる。
「昨日から熱出て 病院行ってきた~」と これまた にこやかに言うA君ママ登場。
「熱?大丈夫?」
「昨日39度近くあって吐いていたけど座薬で下がって 吐いてないから大丈夫~」
「受診して来たんだよね?」
「うん、先生は、風邪って。元気やったら寝てなくても普通に遊んでて良いよって言ってた。ここに来たいってA君が言ったから来た~」
「もうすぐお弁当の時間だけど、どうする?」
「うん。商店街で唐揚げ買ってきたぁ~。
A君食べたいって言ったからぁ~」
「唐揚げ…?」
そんな会話をしていると、先に遊んでいた親子で 乳児を連れて来ていたママが、慌てて帰り支度。
他のママも、心配そうに じっとA君を見ている。冷却シートを貼ったA君は、いつもの様に走り回らず 明らかに体が重そうにして、顔色も悪く、目の前にある車を他児と取り合ってグズグズしている。
「昨日は、A君 機嫌悪くて ずっとゴロゴロしてたから、どこにも出かけられなくて、ほんまイライラしてん。」A君の病気でママもストレスが溜まり お疲れ気味。やっと出かけられた受診の帰り、二人の気晴らしに遊びに来たと言う訳。
しかし、先に遊んでいた他の親子は『病気の子が来た』『うつる?』と気にする。
それぞれの事情を考えつつ、子ども達を遊ばせながらスタッフは、舵取りに悩む。
「お腹も風邪ひくから、唐揚げは脂っこすぎるよ。お粥とか、柔らかい饂飩とかにしてあげて様子を見てあげようね。昨日 吐いて熱出てたから、エネルギー消耗してるよ。皆と走り回るのはしんどいかも。」など話していると、案の定A君は、咳をしながらマットの上でゴロゴロし始めた。
『ママの手前、遊びに行きたいって言っちゃったけど、やっぱり、しんどいよね』
他の子に、風邪をうつす と言うことより、病気の子、本人の体が心配。
日頃から、こんなやり取りを見てもらったり、経験した時に話したりしての積み重ねで覚えてもらうしかない。そして、何よりも大切なのが、ママの お疲れを、しっかり共有すること!
A君ママには、消化の良い食べ物の3分クッキングと おうちでの過ごし方を一緒に考えながら、帰り支度をしてもらう。
元気になったら、また一緒に遊ぼうね!

川崎恵子