ドイツで医問研ニュースが紹介 フクシマの影響 フクシマとチェルノブイリの後に増えた甲状腺がん フクシマ原発事故後、数年の間に甲状腺がんが爆発的に増える可能性(NEWS No.460 p06)

ドイツ放射線防護協会発行の『Strahltelex(放射線テレックス)』2013年8月1日号に医問研ニュ-スの6月号「甲状腺がん多発(27例)を受けて」の記事の内容がドイツ語で紹介掲載されました。

この中で、甲状腺がん発生が27例に達し、福島で甲状腺がんの異常多発=アウトブレイクが生じていることが伝えられました。
また、「比較的低線量地域で、本来健康被害が生じない」と言われてきた福島県の中通りで多発が確認され、他の放射能による健康被害も起こる可能性があり、福島県以外の同様の低い線量地域、特に北関東でも同じような健康被害が起こってくる可能性を伝えています。

今後、日本からの甲状腺がんのアウトブレイクをはじめ、健康被害を解明する情報の提供が世界の良識ある人々に積極的に影響を与えていくことを期待しています。
とりわけ、ヨ-ロッパの反原発運動の理論的支柱である欧州放射線リスク委員会(ECRR)の中でも大きな影響力のある「ドイツ放射線防護協会」、「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部」が甲状腺がんの多発に注目し始めていることは注目に値します。

最近、原子放射線の影響に関する国連科学委員会 (UNSCEAR)の国連総会への2013年10月フクシマ報告書に対して、「甲状腺がんの人数は今後増加すると見込まれる」「甲状腺がんは、懸念される人数であり、これほど多い症例数は、誰も予期していなかった」「福島県での甲状腺異常の状況はまだ展開中であり、将来の傾向について現時点で語れることは非常に少ない」・・と「福島原発事故被害は過小評価されている」として明確に批判を展開しています。1)

「福島原発事故被害は過小評価されている」という批判の声に押され、国連科学委員会 (UNSCEAR)内部で議論に火花が散って、国連科学委員会のベルギー代表による批判がなされ、一時期”全会一致”ではない事態にいたっています。2)
また、ドイツテレビの批判的報道:UNSCEARレポート10/1ドイツ放送(日本語字幕)3)も出てきています。
医問研は、福島事故の影響について、世界の良識ある人々に訴え、国際原子力マフィアの横暴を許さない反原発勢力との国際連帯が重要と考えています。

<参考資料>
1)UNSCEARの国連総会への2013年フクシマ報告書についての論評の概要
社会的責任を果たすための医師団(PSR)米国と国際核戦争防止会議(IPPNW)ドイツ支部 2013年10 月18日
http://fukushimavoice2.blogspot.jp/2013/10/unscear.html
2)国連科学委員会のベルギー代表による批判:UNSCEAR、怒るベルギー代表:『福島原発事故被害は過小評価されている』
http://vogelgarten.blogspot.de/2013/08/unscear.html
3)ドイツのテレビも批判的に報道
UNSCEARレポート10/1ドイツ放送(日本語字幕)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3324.html

(たかまつこどもクリニック高松 勇)