浮雲保健師ぶ〜やんの呟き 「毎日がサバイバル」〜の巻(NEWS No.461 p05)

ある朝の通勤電車でのこと。

いつもの様に、座っていると 向かいの席に 一組の親子が座った。

ママは、ばっちりメイクにネイル、ファッション。子どもは3歳ぐらいの男の子。
横長シートにドカッと座り、荷物も置いて占領。
子どものスクール鞄には、ネームホルダーもついている。
どこかのキンダースクールへの通園らしい。

「パン食べる~」と男の子。毎朝の習慣の様だ。
「こぼさないで食べて」と、ママがビニール袋から、ウインナーロールパンを渡した。
スティックに刺してあるウインナーにパンを巻きつけてあるもの。

そこで私は、ちょっと『ドキッ!!』

男の子は慣れた感じで食べ始めるが案の定、ウインナーばかりを食べるため、スティックの尖がった先が早々に見えてきた。

それでも もっとウインナーを食べたい男の子は、大きく口を開け、スティックの尖ったとこを、一気に突っ込んだが、ウインナーに届かない。
一旦、スティックを口から出しママに訴えるが、スマホに夢中のママは「ちょっと待ち!」と一括。
しかたなく再びスティックを突っ込みトライ!

道ではなく、ここは電車の中。ガタンゴトン~と揺れている。いつ急ブレーキがかかるか分からぬ状況。でも隣のママは、スマホに夢中で、全く見ていない。

ふと気づくと、同じ車両に乗り合わせた回りの乗客達は、ハラハラドキドキ。
つい体を乗り出してしまった私に注目している。

様々なところで『ドキッ!!』する場面に遭遇する今日この頃。
駅のホームで、幼児が一人で歩いていたり、2,3歳の子が走っていたり。車が多く行きかう道路で、ヨチヨチ一人で歩いていたり。離れたところにママらしき人がスマホに夢中。

つどいの広場では、基本 親の責任で見守ってもらうことが原則。

しかし『ドキッ!!』とする場面が増えた。

他のママ友とのおしゃべりに夢中で子どもたちから目を離してしまうことはよくあった。
それは「つどいの広場」に参加する利点のひとつ。
ストレス発散・友達作り…と大目に見てスタッフである私たちがフォローしてきた。

ところが、最近はちょっと違う。

子どもを遊ばせ、ママは携帯電話やスマホを持って離れたところで座り込んでいることが多い。
他のママ達とも交流しない。我が子と、他児との関わりを見ることも、危ないことをしていても、昨日できなかったことが出来るようになって得意げな笑顔を見ることもなくなった。

広場では、急用でない限り携帯電話やスマホは置いておいてもらって、我が子の近くに居て、一緒に遊んでもらう様に声を掛けさせてもらっている。

私は、職業病とでも言うのか、仕事以外で日常出かけた時にも、つい目について気になってしまうことが多い。
『大ケガをしません様に』『毎日 危険が一杯の子どもたち 頑張って~』と心で祈ってしまう。

さて、先ほどの通勤電車での私。

黙っていられず言ってしまった。

「おかあさん。パンのスティックを口に突っ込んで 電車揺れた時 刺さるかもしれないから危ないよ。」

私なりに、やんわり、優しく気を使ったつもり。
ママは、眉間にしわを寄せ無言でパンを持ち、いきなり「ウインナーだけじゃなく、パンも一緒に食べ!(怒)」周りの乗客は『ドキッ!!』としたが、言われた子は慣れているのか、平気でパクパク食べている。

ウインナーが無くなり、スティックがはずれ、パンだけを持たされて、再び、ママは無言でスマホに向かう。

『朝から疲れる (;´д`)= トホホ・・』

(保健師 川崎恵子)