3月11日報道ステーション:甲状腺がんの特別番組に対する福島県立医大の反論 被曝と関係していないと再度強調(福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センターの見解:2014年3月12日)(NEWS No.463 p07)

この番組は、多くの方が見られたと思いますが、これに対する反論が翌日に出されました。よほどあわてたものと思われます。
以下反論の内容、特に被ばくと関係ないとする点の反論に対する反論を書きます。
「甲状腺検査について実施や判定の権限を当大学に集中させているとの指摘がございました。」への反論は、福島県や「健康管理調査」検討委員会でやっている、来年度は、県指定の県内医療機関でも検査ができる体制が整っていく、などと計画の変更をしないことを表明しています。また、「甲状腺がんと診断された方の相談窓口について 甲状腺がんと診断された方のご不安やご心配に対して相談窓口がないとの指摘がございました。」「検査結果についての説明不足について指摘されました。」についても、計画の変更はない由を表明しています。
「甲状腺がんの発症と原発事故との因果関係について」の反論
番組では被ばく線量についてほとんど触れられなかったが、現在の被ばく線量推計では、チェルノブイリに比較して福島における県民の皆様の被ばく線量が低いことが分かっている、から被ばくと関係ないとしています。しかし、これまでの調査がいかにずさんで被ばく線量を低く見せようとしたものだったかは、3月25日に毎日新聞が報道した「避難指示の解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査」で「内閣府原子力被災者生活支援チームが」「当初の想定より高い数値が出たため、住民の帰還を妨げかねないとの意見が強まり」「調査結果を隠したうえ、操作した疑いが」あったことでも明らかです。さらに、チャルノブイリでの被ばく線量に比較して被ばく線量が低かったとしても、現在の福島での甲状腺がん「発見率」は、チェルノブイリの多発集団と同様の高い「発見率」(対10万に30人前後)であり、逆にわずかしか被ばくしていない集団(発見率は約7万人に1人)と比べて極めて高いものです。このことをどう説明するのでしょうか。
また、「・・現在見つかっている甲状腺がんの方の平均年齢が16.9歳(・・)であり、従来より知られている小児甲状腺がんの年齢分布に非常に似通っていること。チェルノブイリでは・・0~5歳(被ばく時年齢)の層に多くの甲状腺がんの方が見つかったのに対し、福島では現在のところ、その年齢層には甲状腺がんの方は見つかっていないこと。甲状腺がんの発見率に地域差がみられないこと。このようなことを考え合わせ、・・福島第一原発事故の影響によるものとは考えにくいとの見解を持っております。<(・・)省略した部分>
この見解については、県民健康管理調査検討委員会や、2月に開催された「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」でも検討され、一致した見解となっております。」としています。しかし、前ページで書いたように、この事実をもって被ばくと関係ないとは言えません。
さらに、「地域差がみられない」としていますが、雑誌「科学」3月号に、岡山大学津田教授が地域差があることを証明されています。福島医大でも計算すればわかる、こんなウソを平気でついているのです。
ところで、この「見解」には、「国際ワークショップ」で、鈴木氏が主張した、「チェルノブイリで甲状腺がんが増加したのは、事故後4-5年以後」と「甲状腺がんのタイプが違う」という理由は省かれています。特に、前者は以前からことあるごとに強調されていたものです。よほどあわててこのことを忘れたのでしょうか、それともこの理屈は通らないと思い始めたのでしょうか。
はやし小児科 林

この番組は、多くの方が見られたと思いますが、これに対する反論が翌日に出されました。よほどあわてたものと思われます。以下反論の内容、特に被ばくと関係ないとする点の反論に対する反論を書きます。
「甲状腺検査について実施や判定の権限を当大学に集中させているとの指摘がございました。」への反論は、福島県や「健康管理調査」検討委員会でやっている、来年度は、県指定の県内医療機関でも検査ができる体制が整っていく、などと計画の変更をしないことを表明しています。また、「甲状腺がんと診断された方の相談窓口について 甲状腺がんと診断された方のご不安やご心配に対して相談窓口がないとの指摘がございました。」「検査結果についての説明不足について指摘されました。」についても、計画の変更はない由を表明しています。
「甲状腺がんの発症と原発事故との因果関係について」の反論番組では被ばく線量についてほとんど触れられなかったが、現在の被ばく線量推計では、チェルノブイリに比較して福島における県民の皆様の被ばく線量が低いことが分かっている、から被ばくと関係ないとしています。しかし、これまでの調査がいかにずさんで被ばく線量を低く見せようとしたものだったかは、3月25日に毎日新聞が報道した「避難指示の解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査」で「内閣府原子力被災者生活支援チームが」「当初の想定より高い数値が出たため、住民の帰還を妨げかねないとの意見が強まり」「調査結果を隠したうえ、操作した疑いが」あったことでも明らかです。さらに、チャルノブイリでの被ばく線量に比較して被ばく線量が低かったとしても、現在の福島での甲状腺がん「発見率」は、チェルノブイリの多発集団と同様の高い「発見率」(対10万に30人前後)であり、逆にわずかしか被ばくしていない集団(発見率は約7万人に1人)と比べて極めて高いものです。このことをどう説明するのでしょうか。
また、「・・現在見つかっている甲状腺がんの方の平均年齢が16.9歳(・・)であり、従来より知られている小児甲状腺がんの年齢分布に非常に似通っていること。チェルノブイリでは・・0~5歳(被ばく時年齢)の層に多くの甲状腺がんの方が見つかったのに対し、福島では現在のところ、その年齢層には甲状腺がんの方は見つかっていないこと。甲状腺がんの発見率に地域差がみられないこと。このようなことを考え合わせ、・・福島第一原発事故の影響によるものとは考えにくいとの見解を持っております。<(・・)省略した部分>この見解については、県民健康管理調査検討委員会や、2月に開催された「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」でも検討され、一致した見解となっております。」としています。しかし、前ページで書いたように、この事実をもって被ばくと関係ないとは言えません。さらに、「地域差がみられない」としていますが、雑誌「科学」3月号に、岡山大学津田教授が地域差があることを証明されています。福島医大でも計算すればわかる、こんなウソを平気でついているのです。
ところで、この「見解」には、「国際ワークショップ」で、鈴木氏が主張した、「チェルノブイリで甲状腺がんが増加したのは、事故後4-5年以後」と「甲状腺がんのタイプが違う」という理由は省かれています。特に、前者は以前からことあるごとに強調されていたものです。よほどあわててこのことを忘れたのでしょうか、それともこの理屈は通らないと思い始めたのでしょうか。
はやし小児科 林