政府・福島県などの、美味しんぼ批判は、科学的データを無視したもの(NEWS No.465 p03)

福島原発で苦しむ人の実情を取材し、コミック漫画にした「美味しんぼ」が、安倍首相をはじめとする閣僚などからバッシングを受けました。批判は福島に取材に行った人物が鼻血をだしたり、疲労感を覚えたりする場面があり、それが被曝によるものだとする場面に集中しています。
いわく、鼻血は大量の被曝をした時のみに生じるものであり、福島県人の被曝は極めて少ないので、鼻血など出るはずがない、というものです。
私も大阪に避難されていた方から、爆発直後からお子さんが鼻血をよく出す、疲れやすい、などと相談されたことがあります。
この事件のあと、改めて調べなおしたところ、医学雑誌ではみつかりませんでしたが、いくつかのデータや記載を見つけましたので、紙面の都合でごく簡単にご紹介します。
1、当の福島県双葉町、福島県に隣接する宮城県丸森町筆甫地区、対照として滋賀県長浜市木之本町での質問票調査(事故後1年半に津田岡山大学教授などが実施)鼻血は双葉町で対照の3.8倍(オッズ比)、丸森町で3.5倍でした。その他多くの書状が被曝との関連性を否定できない、としている。(主に大人)
2、チェルノブイリ事故後の調査
1)高汚染地域ゴメリ(それでも年間0.13-2.24mSvのeffecrive dose)の子どもから133人と対照地域の子どもから186人を、ランダムに選出し、前方視敵に診察や検査をした、相当厳密な調査(1991-2001年)鼻血は4.6倍、疲れは3.3倍、その他心血管系など様々な障害が出ていることが証明され、しかも2年後の調査でも減らないどころを増えている症状もある。
Arynchyn 2002
2)チェルノブイリ事故直後と10年後の調査事故から1週間以内に原発から約3kmの市では鼻血がでた19.3%、疲労感を覚えた56.3%、17km離れた市では、それぞれ21.6%と61.7%、対照のモスクワ市では、それぞれ3.2%と21.2%でした。(広瀬氏らの調査)
3)チェルノブイリ事故を総括した、ニューヨーク科学アカデミーの出版(ヤブラコフ)での記載、が見つかりました。
この文章では、事故による放射性物資の粒子「チェルノブイリダスト」によって、鼻血をはじめさまざまな症状が生じ、それが続いていることが記載されています。
(3、4は人数や年齢、調査方法などの詳しいことはわかりませんでした。)
はやし小児科 林

福島原発で苦しむ人の実情を取材し、コミック漫画にした「美味しんぼ」が、安倍首相をはじめとする閣僚などからバッシングを受けました。批判は福島に取材に行った人物が鼻血をだしたり、疲労感を覚えたりする場面があり、それが被曝によるものだとする場面に集中しています。いわく、鼻血は大量の被曝をした時のみに生じるものであり、福島県人の被曝は極めて少ないので、鼻血など出るはずがない、というものです。私も大阪に避難されていた方から、爆発直後からお子さんが鼻血をよく出す、疲れやすい、などと相談されたことがあります。この事件のあと、改めて調べなおしたところ、医学雑誌ではみつかりませんでしたが、いくつかのデータや記載を見つけましたので、紙面の都合でごく簡単にご紹介します。1、当の福島県双葉町、福島県に隣接する宮城県丸森町筆甫地区、対照として滋賀県長浜市木之本町での質問票調査(事故後1年半に津田岡山大学教授などが実施)鼻血は双葉町で対照の3.8倍(オッズ比)、丸森町で3.5倍でした。その他多くの書状が被曝との関連性を否定できない、としている。(主に大人)2、チェルノブイリ事故後の調査1)高汚染地域ゴメリ(それでも年間0.13-2.24mSvのeffecrive dose)の子どもから133人と対照地域の子どもから186人を、ランダムに選出し、前方視敵に診察や検査をした、相当厳密な調査(1991-2001年)鼻血は4.6倍、疲れは3.3倍、その他心血管系など様々な障害が出ていることが証明され、しかも2年後の調査でも減らないどころを増えている症状もある。Arynchyn 20022)チェルノブイリ事故直後と10年後の調査事故から1週間以内に原発から約3kmの市では鼻血がでた19.3%、疲労感を覚えた56.3%、17km離れた市では、それぞれ21.6%と61.7%、対照のモスクワ市では、それぞれ3.2%と21.2%でした。(広瀬氏らの調査)3)チェルノブイリ事故を総括した、ニューヨーク科学アカデミーの出版(ヤブラコフ)での記載、が見つかりました。 この文章では、事故による放射性物資の粒子「チェルノブイリダスト」によって、鼻血をはじめさまざまな症状が生じ、それが続いていることが記載されています。(3、4は人数や年齢、調査方法などの詳しいことはわかりませんでした。)

はやし小児科 林