AKCDF園児 新年度健診に参加して(NEWS No.468 p04)

7月11日から14日まで、医療問題研究会が毎年取り組んでいるAKCDF*園児の健康診断に同行させていただきました。出発の前日は、出発日に台風8号がちょうど大阪を直撃するのではないかという状況で、飛行機が飛ぶのか飛ばないのかとハラハラドキドキしていたのを思い出します。
今回の園児健診のためのフィリピンへの渡航は、私の2回目の海外でした。1回目の海外は、心臓移植希望の患者をアメリカの病院へ送ることでした。この時は、看護師という役割で患者に同行し渡航中のサポートをするという立場も役割も明確でした。今回は、園児の健診ということで、私自身未知の分野であり、自分に何ができるのか、みんなの役に立てるのか、海外という言語的コミュニケーションが通じないという不安も感じながら、そして未知の経験ができることに対し期待も抱きながらの出立でした。
フィリピンに到着して驚いたことは、街中のあちこちで工事現場がみられること、建物の塀の高さ、塀で町が仕切られていることなどでした。建物の様子も様々で、治安の悪さや貧富の格差などを目の当たりにしました。そして、道路の路肩にはごみが散乱していました。今回のスタディツアー中に、イーストリバーサイドに見学に行く機会がありました。そこでは、日本では考えつかない不衛生の場所に住居を構えて多くの人が住んでいることに驚き、川沿いの塀を挟んで貧困地区イーストリバーサイド集落と富裕層の建物が並んで建っている風景に、フィリピンの現状を実感しました。
AKCDF園児の健診では、新入園時を含む約140名の子どもたちの健診を行いました。ほとんどの子どもに虫歯があることが普通であり、すべて虫歯になっている子どもも何人かいました。そして、健診時に昨年、心雑音を指摘され大丈夫かと相談してきたお母さんもいました。普通に病院にかかることや、口腔衛生を保つことも難しく、日本との違いを実感させられた時間でした。
今回、AKCDF園児健診に参加した経験は、看護師として私自身 今後何ができるのか考える機会を与えてくれました。
また、このスタディツアーで出会ったフィリピンの子どもたちやみんなの素敵な笑顔にたくさんの元気をもらいました。
そして今後、海外を視野に入れた活動も考えたいと思いました。

渡邉 陽子 看護師

*AKCDF(アバカダ・カユマンギ地域発展基金)
イーストリバーサイドラーニングセンター

http://akay.web.fc2.com/akcdf/index.html