浮雲保健師ぶ~やんの呟き 「イクメンって実は…」〜の巻(NEWS No.471 p06)

「Aくん 夜泣きして眠らん…涙」
と目の下にクマを作ったAくんママ。
「Bちゃんも 朝ぐずって 保育園に行かない!言うよ~。病気か?」Aくんの姉は、今年度から保育園に行き始めた。
私「登園前にBちゃんにも会ったけど、ご機嫌そうだったよね?」
Aくんママ「家出るまで、怖い顔。」
私「ママ しんどそうだね」
Aくんママ「眠れん!」
『睡眠不足?夜泣きで?ひょっとして…』
ゆっくり経過を聞いていく。

Aくんママは、中国人
中国から日本に留学していた時 日本で知り合った中国人のパパと結婚し日本に住んでいる。
Bちゃんが赤ちゃんの時 知り合いが欲しくて つどいの広場に来るようになった。Bちゃんの子育ては 初めての出産の上 なれない日本でのこと毎日不安。保育園でママ友を作りながら、一つ一つ解決し頑張ってきた。そんな時 いつもパパが登場し、家事に育児に大活躍。
「中国では 当たり前よ」とBくんママ。
いつも仕事から帰ったら すぐ子どもを抱き夕食を用意するママを気遣うパパ。
子ども達のお風呂は 当然、寝かしつけるのもパパ。休日は 朝から二人を連れて公園へ。帰ってから昼寝させ お掃除に料理もしてくれる。満点パパ❢
ただ唯一減点は パパのお仕事。中国との関連があるため会社でも大活躍で 中国への出張が多い。パパが居ないとママは、たちまち大忙しで パニックになるのも仕方が無い。毎月のように寂しそうなママの顔を見てきた。今回も 子ども達の不調の時期を遡って行くと ちょうどパパが出張に出かけた頃からと判明!実は子ども達より早くママのご機嫌が悪くなっていることも明白に。話をしながら少し落ち着き始めるママの傍ら笑顔で遊ぶAくん。他のママ達も 子どもを遊ばせながら話し始める。
「いいなぁ~。イクメンパパで」
「うちのパパなんか何にもしてくれへん」「子ども泣いているのに『ご飯まだか!』って言われて焦る」「ちょっと公園連れてったただけで『おれイクメンやろ?』みたいな顔されたらメッチャムカつく-」…
Aくんママ「何?イクメンって?」「パパに『ご飯まだか!』なんか言われたら泣いてしまうよぉ」Aくんママにはシゲキが強すぎる会話かもしれないが、皆さんはパパへの愚痴になると一気に賑やかに。

イクメン=子育てする男子(メンズ)
子育てする女子は、何も言い方がないのに何故 イクメンが出現したのか?
2010年に少子化打開策としてイクメンプロジェクト発足。男子の育児休業取得促進、育児参加への意識啓発で第一子出産後の離職が多い女子の継続就業率アップも目指した厚労省から出た周知啓発用語で その年の流行語大賞にもなった。少子化打開には繋がっているように思えないが、言葉はすっかり定着した。巷ではパパが一人で赤ちゃんを連れて出かけている場面が増え、公共の男子トイレにもおむつ替え台や子供用便座が設置されるようになった。

「いいなぁ~。出張が有って。うちなんか ずっと居るもん」とまで出てくる会話の中 第3子のCちゃんママが呟いた。
「パパに『かっこいい~イクメンだぁ~』って言ってあげたら 嬉しそうにCちゃんのオムツ替えるし、抱っこ紐に入れて 出かけてくれるようになったで。3人目にしてはじめてだけどね~笑」
私「イクメンって 育児をする男子 じゃなくて 育てられる男子のことかもね」
第2子Dくんママが ぽつりと
「もう一人 がんばれってことかぁ~」
イクメンプロジェクト 大成功か?

川崎恵子