浮雲保健師ぶ~やんの呟き 「確かに、麻疹!?」~の巻(NEWS No.476 p06)

新年度になり 慌ただしい中、各大学も新入生を迎えて 行事に追われている。
学生たちの健康診断の実施もその一つ。
新入生は もちろんのこと 在学生 大学院生まで健康診断を受けてもらう。
大きな私学の大学などでは 健診機関に委託し4月に実施。
検尿→身体測定→視力検査→問診→診察→胸部レントゲン
そして、必要な学生には 学内の健康管理センター保健師が追跡フォローするために振り分ける。

その問診業務を今年も お手伝い。

学生証を 端末にかざしてもらうと 各自で入力してもらった問診票4ページが、パソコン画面に現れる。
① 自覚症状の有無
特に 胸痛・動悸・長く続く咳などを重点的に
② 喫煙の有無、既往
禁煙の勧め
③ 病気の既往歴
細かく分類、特に 心疾患・てんかん・糖尿病・難聴・精神疾患を確認
④ 麻疹・風疹の予防接種の既往
罹患の有無・接種の有無・回数・時期・ 等など

数人の看護師や保健師で1日に約1000人の学生に問診。つまり1人が100人ほどの学生に聞き取りを行う。
素早く 聴取していきたいところだが、色々と主訴があり 時間がかかる。
予防注射などは 本人は覚えていないことが多いので後日保護者などに確認してもらうことに。最近は 携帯電話のLINEなど、その場ですぐ聞いて(見て?)いる学生も増え 時代の流れを感じる一コマも。
そんな中、年々増えてきた留学生も受診。
ある中国人の留学生への問診。日本語が上手で安心して 本人が入力してある予防接種のページを見ながら尋ねていくと
私「麻疹風疹の予防注射受けているけど、麻疹にかかったの?」
学生「受けたけど 麻疹 かかったよー」
私「本当に?」
学生「うん。日本来てから。お医者さんが麻疹って言ったから、痒かった!」
私「いつ?」
学生「去年。」
…詳しく聞いてみて 気がついた。
私「もしかしたら こんな字だった?」
パソコン画面に『蕁麻疹』と入力してみる。
学生「そうそう麻疹!!」
なるほどね。手短に麻疹との違いを話して修正入力し 診察に行ってもらった。
確かに漢字は『麻疹』ね。と感心していて ふと気になった。日本の学生でも 予防注射も麻疹も既往アリと入力していた生徒がいた。発症が減少しているとはいえ間違いとは言いきれないので 保留していたが、もしかして…?
その後に来た学生に、麻疹罹患と 入力していたので早速 聞いてみた。
私「蕁麻疹じゃなかった?」
学生「蕁麻疹と麻疹は 違うん?」

翌日 親子教室でも聞いてみた。
20~30歳代のママたち。
やはり、蕁麻疹と麻疹 同じだと思っていたママが居た。他に蕁麻疹の重症なのが麻疹と思っていたママ、インフルエンザのAとBのようなものと思っていたママも。
その日は、ワクチンの勉強会となったのは 当然の成り行きというもの。

そして、新たな衝撃発言!
Aママ「この子が生後5ヶ月で突発性発疹になった時、病院の先生が『3日ばしか』って言ってたぁ~」

川崎恵子