医療トピックス:日本脳炎予防接種の情報操作 微小な発生は過大に、甚大な被害は過小に(NEWS No.484 p07)

今年8月に千葉県で25年ぶりに日本脳炎患者が発生したとして、予防接種が喚起されています。
患者は0歳男 児で、担当医師は「命に別条はない」と報告しています。
ブタの日本脳炎抗体保有状況を調査した結果、千葉県は8月時点では0%でしたが、最近感染したことを示す抗体(2ME感受性抗体)が検出されていたそうです。
患者は今のところ1例だけですが、県や国は「日本脳炎の予防にはワクチンの予防接種が有効」として呼び掛けを強化するとしています。

日本脳炎の患者は実質中止期間を含め20年以上、接種年齢を含む20歳未満の年代で毎年0から2名で推移し、2012年、2013年は連続して発生はゼロでした。
しかしその両年に、日本脳炎の予防注射に関連した死亡事件が連続して起こりました。

2012年には、7月に10歳未満の児童が、接種2 日後にけいれん重積のため入院し、1週間後に急性脳症で死亡。
10月には、接種を受けた10歳の児童が2時間後に急死する事態が発生しました。
患児は発達障害として向精神薬を服用していたため、その副作用の心伝導障害と接種のストレスによる心停止と考えられました。
2013年には8月に、10歳の女児が接種6日後に死亡。抗日本脳炎ウイルスエンベロープE糖蛋白IgG抗体マウスモノクローナル抗体陽性を示す脳血管内皮細胞が免疫組織学的に証明されました。
病理解剖の結果から、死因は急性散在性脳脊髄炎(ADEM)とされ、報告した病院担当医は、ワクチン接種と死因との因果関係は関連ありとし、報告を受けて検討した調査会の専門家3名の全員が、因果関係を否定できない、と結論づけました。

死亡に至らない副反応は、2010年の接種再開とともに表のように、脳炎・脳症、けいれんなどの重篤な精神・神経系の副作用が患者発生を大きく上回り、入院事例も激増しています。

日本脳炎の予防接種は、患者発生よりも接種による被害が比較にならないほど多いのが特徴です。
近年の急性脳炎は全体で毎年おおむね300件ほどですが、その中の、年に有るか無いかの、命に別状の無い日本脳炎ウイルスのワクチンのために、毎年何百万人の健康な小児が危険にさらされていることになります。

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