「第7回避難者こども健康相談会きょうと」開催される(NEWS No.490 p06)

6月12日に「第7回避難者こども健康相談会きょうと」が京都文教大学の会館を会場に開催されました。
京都に避難されている福島県や東日本からの避難者とご家族の子どもさんが対象です。午前中の相談会には、今回も7家族の相談会への参加がありました。
京都の相談会では、京都の小児科の有志の先生方が、毎回相談に来ていただいています。先生方のご協力で成り立っている相談会であり、ご尽力に感謝です。
さて、毎回昼休みに「ランチョン交流会」と称して昼食をかねて情報交流会をしています。Dr.同士の貴重な情報交流の機会として活用させて頂いています。今回は、避難者の今置かれている現状を考える-として避難者自らの訴えを聞く機会を設けました。
政府は、東京オリンピック開催の2020年を見すえて、避難指示解除や賠償の打ち切り、そして自主避難者の住宅支援を打ち切る方針を進めています。今回は「原発避難者の住いの問題について」と題して、報告をいただきました。原発賠償京都訴訟原告団共同代表で、大飯原発差止訴訟、京都脱原発原告団の福島さんが報告されました。
避難者の住いへの思いは、全ての原発事故避難者に対し、避難者向けの住宅を無償で長期間提供することを求めて活動されています。事故から3年目の2014年の要請書では、1)年1ミリシ-ベルト以上の被ばくの恐れのある地域を支援対象地域とすること、2)国の責任で希望する全員に放射能健診と必要な治療を無償で実施すること、3)支援対象地域からの避難者に対して、期限を切らずに無償で住宅を提供すること、などを求めておられます。国・復興庁、福島県、京都府、京都市などとの交渉も繰り返されています。全国の避難者と手を結び、東京まで出かけ、院内集会や国・復興庁交渉を積み上げられています。
現在の帰還政策は棄民政策であり許せないとの怒りを胸に起ちあがっておられます。避難用住宅の無償提供の打ち切り撤回を求め、全国的なそのタフな活動に頭が下がる思いです。聞かせていただいたDr.一同は、健康相談会が、踏ん張る避難者と家族の思いを支えることが出来ればと強く思った報告でした。

たかまつこどもクリニック  高松 勇