医問研の1年を振り返って(NEWS No.496 p01)

医問研として、この1年間に多数の課題にチャレンジし、多くの成果を上げてきました。以下、活動を簡単に振り返り、来年の方針をみなさまと共に考えていきたいと思います。

医問研ニュース関連では、耕文社のご協力でホームページが画期的に充実できました。ニュースの内容だけでなく、様々な取り組みがよくわかり、資料の添付もして、反応が多数になりました。講演会のお知らせなどはフェイスブックを活用していただけるようになりました。編集を林から梅田氏に代わり、内容の充実と月内発行をほぼ達成しました。様々な活動でふれあった皆さんに定期購読をお願いし、少数とはいえ購読人数が増加しました。

例会は、寺岡氏の「臨床薬理論文を批判的に読む」シリーズが大きな力となり、薬剤評価研究の多数の問題点が明確にされました。また、「薬のコラム」の小林氏が司会に加わり、現在最も重要な薬剤について活発に議論することができました。一時期、参加人数が少なくなっていましたが、今年は盛況な例会が多くなりました。

福島原発事故関連では、昨年8月に発行した本『甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える』を、一部訂正すると共に、内容を充実させて2月に第2版を発行しました。ドイツの著名な専門家と医問研会員の連携で周産期死亡率の増加を証明した論文を10月に国際的医学雑誌Medicineに掲載でき、今後の協力関係の端緒を作れました。その内容は共同通信社配信により少なくとも9新聞(発行部数270万部)に掲載され、社会的に大きな影響を与えました。会員による学会発表を継続しました(日本小児科学会、大阪小児科学会)。日本小児科学会での委員会活動、自由集会で松崎道幸氏・公衆衛生学会で津田敏秀氏・大阪小児科学会で井戸謙一氏、今中哲二氏の講演会などの成功に尽力しました。避難者健康相談会の大阪開催、京都開催に協力しました。

フィリピンの就学前幼児の健診を例年通り成功させ、フィリピンでの健康・教育・平和の運動との連帯を継続しました。
平和と民主主義の運動では「平和と民主主義をめざす全国交歓会」への参加、医療・介護集会での報告、週刊MDSへの寄稿などの活動をしました。

課題は、医問研活動を担ってゆく若い世代の参加を拡大することです。そのためには、今後の活動は多くのみなさんと共に取り組むものにしてゆくことが強く求められていますのでよろしくお願いします。

それでは良いお年をお迎え下さい。

はやし小児科 林敬次