福島原発事故6年 避難者こども健康相談会おおさか ― 活動5周年「避難者と共に、原発事故を考える集い」開催される(NEWS No.499 p04)

2月19日(日)開催され、避難者、市民が多数参加しました。
第一部:健康相談会活動5年をふり返って

1)「健康相談会活動が果たす役割、期待されるもの」が事務局より報告。
原発事故により大量の避難者が発生し現在も福島県内外で約8万人の避難者が存在しています。「原発事故により健康被害は発生しない、分からない」と言う誤った「安全神話」が公然と語られています。それに、わが国の医学会も追随し、医療機関では低線量被ばくによる危険性に対する無理解が多く、今まで医療機関にも相談できなかった不安や心配が相談会で初めて語られています。5年間のまとめでは、合計46家族91名、福島県内32家族66名、県外14家族25名から相談がありました。年齢は、乳幼児が44%、小学生が39%で、8割以上が小学生以下の子どもたちでした。相談内容では、初期の相談会には、微熱、鼻出血、倦怠感、頭痛、喘息の悪化、胃腸炎や口内炎の反復、子どもの成長と共に出現する身体的・精神的な不安定さなど、多様な子どもの症状の訴えがありました。甲状腺がんの発見が報じられ発見数が増えるに従い、甲状腺検査への要望が増え、また複数回の検査を受ける経過での結果説明や再検査の要望が多くなっていました。健康相談会は、1)健康管理の窓口を設定し、避難者の声に耳を傾け、悩みや心配、健康不安を受け止める場、2)必要な子ども達に、医療機関紹介などの医学的支援が可能となる機会、3)健康被害の究明に役立つ機会、4)避難者にとっては、ともに悩み、ともに歩む仲間と知り合う場、となっていました。今後とも、避難者に寄り添い、健康問題を支えていく必要があると結ばれました。

2)「福島からの避難者の訴え」が避難者の方お二人から報告されました。
避難者が100人いれば100通りの避難の生活があります。その現実を踏まえて聞いてくださいと始められました。事故後、初めは関東地方に避難されたが、母子の体調不良が多く、息子さんには様々な症状が現れ、随分心配されたこと。水道水や砂場の放射能汚染が報道され、ここでも安心できない、関西に避難しようと決意されたこと。関西に避難され徐々に症状が落ち着いてきたが、「これから先に身体に異常が現れるのではないか、健康不安がつきまとう日々となった」、「どこに相談したらいいのだろう」と悩んでいた際に、避難者の現状を知り、寄り添ってもらえる健康相談会の存在は、安心して健康の異常や心配が相談できるところであり、大変支えられ、安心できると語れらました。
もう一方は、現在京都に住まわれています。政府は、避難指示解除や賠償の打ち切りを進めています。原発事故の区域外避難者への住宅無償提供が本年3月で打ち切られようとしています。いのちと避難生活をまもり、事故原因の究明と、賠償、「避難の権利」を認めさせるために、避難者は取り組みを進められています。京都では、原発賠償訴訟・京都原告団を作って東電と国の責任を追及しています。避難者原告が一人ずつ証言台に立ち、堂々と証言していると報告されました。また、京都でも健康相談会が行われており、本年夏は、福島県に居住の方の夏休み保養と兼ね合わせた相談会を実現すべく準備をしていると報告されました。

たかまつこどもクリニック 高松