6・4尊厳ある暮らしを守る集い報告(NEWS No.502 p07)

6月4日(日)に大阪市城東区のクレオ大阪東で「もう黙ってられへんで!!尊厳ある暮らしを守る集い」が開かれました。主催は「尊厳ある暮らしを!」連絡会と平和と民主主義をともにつくる会・大阪(山川会)です。
基調報告では、2025年問題が近づき、介護保険料の高騰、介護の労働力不足が問題化していること、政府は、特養入所要件を引き上げたり、要支援者のサービスを介護保険から外して自治体事業に移行したりしていて、介護難民の増大や事業所の経営悪化が必至だということ、生きていていいのだと思える尊厳ある暮らしを守るために、従事者、利用者、家族がつながってネットワークをつくり、みんなで声を上げていこうと提起されました。
介護従事者からは利用者の介護事例が報告されました。要介護4の98歳の女性ですが、本人や家族の思いがあり、1日3回ヘルパー訪問を受けながら独居されています。本人とのやり取りで体調や思いを確認しながら時間や労力はかかるが、尊い仕事と思えてくる、しかし安倍政権は人生の最後を支える介護を切り捨てており、怒りを感じるとの報告でした。
その後、利用者、家族、事業者、従事者、その他の関係者から多くの発言がありました。障害者の女性は生活保護担当職員の不誠実な対応に怒りを述べていました。山川会の山川氏は、徹底した民営化、効率化を進める大阪市に対して、当事者として障害者や家族、事業者も行政交渉しよう、と提起されました。介護従事者は、重度者を無資格者がみることの危険性や自治体事業化による経営困難化の危機感を述べました。枚方市民の会からは、医療法人が介護施設もつくって法人内で利用者を循環させている実態と、丁寧に関わっている小規模事業所が大切にされるべきことを報告されました。
参加者からは、医師はどうして独居を希望する利用者や家族を怒るのかと疑問が挙がり、梅田と森さんとが対応しました。一般的な医師は自己決定権とか当事者の思いについての理解が乏しく、生活を支えるという視点もないのだろう、しかし医師にもっと当事者や家族の思いや実情を伝えて医師を教育するくらいのつもりがいいのではないかと回答しました。
利用者、家族、事業者、従事者、それ以外にも関わる人が怒りを共有して、みんな当事者となってネットワークをつくり、行政交渉や署名などの行動を拡げていこうという思いを一つにできた、大変内容の濃い集いでした。

いわくら病院 梅田