「ワクチントーク全国」に参加して(NEWS No.503 p04)

7月9日、東京日本教育会館で「ワクチントーク全国・コンシューマネット・ジャパン」共催「そのワクチンほんとに必要ですか?―予防接種問題の最前線―」に参加しました。
昨年も参加したのですが、今年は私もタミフルのことで少し報告させていただきました。

この集会の前に、研修医の森本氏とお会いし、ご一緒に参加しました。彼は、ハワイで母里(もり)啓子先生の本を読んだことがあり、一度お会いしたいとのことでした。

今年も内容は盛りだくさんで、まずは母里先生のお話で、レジュメでは「ワクチンは不完全なもの」「病気の撲滅はワクチンでできたのではない」「同時接種はやめるべき」「子どもは感染症の盾でない」という基本的な内容を、様々なエピソードをふんだんに交えながらお話しいただきました。私は診療所では同時接種は例外的にしかしていませんが、単独接種の利点が本当にあるのか悩んでいるところで、今後より詳しく検討が必要かと思いました。

続いて、HPV(子宮頸がん)ワクチンの被害者の親御さんお二人(HPV薬害訴訟原告団長・酒井七海さん、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会神奈川支部長・山田真美子さん)から、お子さんの症状、それに対する医療機関の理不尽な対応、ワクチン救済制度の極めて反被害者的内容が切々と訴えられました。私は、長期に続くつらい症状と立ち向かってゆかなければならない娘さんとご家族などの気持ちを強く感じて涙がでました。医問研はこの問題には小林さんの文献調査報告などを中心にしながら、いっそうの取り組みをしなければならないと感じました。

昨年、数十年全く患者の出ていない北海道への日本脳炎ワクチンの導入に反対する署名活動などを報告された北海道ワクチントーク代表荻原敏子さんから、その後の誤接種問題への取り組みや学習会開催などの報告がされました。

青野典子さんから副作用の報告がなされました。当日の資料には具体的な副作用のデータが掲載されています。

古賀真子さんは次々と出てくるワクチンと予防接種制度の問題点を報告されました。私が以前からお母さん方に説明する項目の一つに「予防接種は義務か?」がありますが、この問題についても明確にしていただきました。今後診療で活用したいと思っています。

栗原敦氏は審査請求からみた被害者救済と題して、被害が出ても認否についての審議が極めて遅いこと、迅速化を求めて活動されていることなどを盛りだくさんに報告されました。

最後に私がタミフルなどのWHOの決定について報告させていただきました。貴重な時間をいただきありがとうございました。

その後に開かれた懇親会では、養護教員の方々とお話できる機会を得ました。ワクチン問題についても、労働組合を構成している養護教員の方々の参加を大変力強く思いました。それは、英国医師会雑誌BMJがストライキ・デモをしている公務員である医師に支えられて、この種の雑誌としては世界で最も科学的な立場を続けていることへの思いもあり、養護教員組合の方々が、今後の医療内容を科学的にするための大きな力となってくれると感じました。

はやし小児科 林