声を上げる福島の人たち! 立ち上る避難者!(NEWS No.504 p07)

7月29日、30日に東京で開催された2017 Zenko in 東京(平和と民主主義をめざす全国交歓会主催)集会で、第4分科会「福島とともに、放射能被曝と再稼働に反対する」に参加してきました。

原発事故から6年がたち健康被害が隠されているのが現状です。その中で、放射能の健康被害を可視化し、福島や高汚染地域で健康被害を当事者が自由に訴えられる機会と条件を作る努力が積み上げられている報告があり励まされました。
飯舘村の方からは、「避難指示解除は白紙に」と昨年村長選を闘った報告がありました。福島県では、健康被害を「隠す、嘘をつく、だます」ことが行われている。樹木や小動物には目に見えた被害が生じている。飯舘村の住民はモルモットにされている。ぜひとも、健康被害を実証し、被ばくの実相を明らかにする取り組みを行っていくと力強い決意が語られました。

また、ZENKOでは福島の人々に放射能健診署名、健康アンケ-トを街頭で取り組みました。福島の人たちの健康異変を心配する声と健康被害対策を求める声が返ってきています。福島の人たちとの直接対話から「福島と共に」声を上げる自信が得られ、沖縄と福島への共通の圧政を描くミュージカルコメディ『ガマ人間あらわる』の福島公演を2回成功させました。公演終了後の交流では、現地の高校生から「生きている意味がある」「すごいなと思った」など福島の現実と向かい合い、深める中から多くの共感、感動が寄せられたと報告がありました。
この中から郡山市で「沖縄と福島をつなぐ実行員会・福島」の運動が始まり、福島から声を上げる福島の人々の運動が生まれてきています。
福島原発かながわ訴訟原告団の方から全国に避難した避難者現状の報告がありました。避難者は、避難生活の苦労、住宅打ち切り、様々ないじめなど、真綿(まわた)で首を締めるように、遠まわしにじわじわと責めつけられ、痛めつけられている状況を報告されました。そのような中でも全国の避難者は、原発被害の損害賠償裁判で立ち上がっている。目的は、国と東電の責任を明確にし、責任を問うこと。事故被害の実態を明らかにし、健康被害の回復をめざし、踏みにじられた人権の回復を目指すものであると。前橋地裁判決に続き、来年の3月までに、千葉、福島、京都等の地裁で判決が下される予定であり、司法判断を固めて、安倍政権の避難者を踏みつける政策を変えたいと決意が語れました。
福島県などの避難者向け住宅支援は本年4月に一斉に打ち切られ、さらに今後も避難区域解除や民間賃貸住宅の家賃補助打ち切りなどが狙われています。避難者の困難が大きくなることに対して、当事者を孤立させない運動、「住宅裁判を準備する会」への支援訴えがありました。
そのほかにも多くの福島の人たちとの共感を広げ、理不尽な原発政策、避難者棄民政策に対する怒りや憤り、そして現状を変えるための地道で力強い報告がなされ励まされました。健康被害の解明、健康被害の現状を伝える講演会など、医問研の取組が求められていると感じられる分科会でした。

たかまつこどもクリニック・高松勇