AKCDFプリスクールラーニングセンター30周年記念ピースフォーラム報告 (NEWS No.510 p06)

AKCDF preschool leaning centerはフィリピンにある未就学児対象の通園施設で、1988年にフロールデリサ・ガランさんによって設立されました。設立当時はコミュニティの住人の生活は貧しく、その子供たちの栄養と健康状態は悪く、教育を受ける権利も保証されていない状況でした。AKCDFへの医療問題研究会による医療協力(健診)は1992年に始まり、現在も継続されています。今年(2018年)で創立30周年ということで例年より大規模なピースフォーラムが開催され、日本からは総勢約30名が参加しました。以前参加した2012年のフォーラムと比較すると、やはり30周年ということで、非常に規模も大きく、フィリピンサイドも日本サイドも心をこめた準備をされていたことが印象的でした。
ピースフォーラムにはフィリピン大学のローランド・シンブラン教授をはじめとしたフィリピンサイドから複数名の報告、日本サイドからも沖縄問題、避難者の声、健診の報告等複数の報告がありました。フォーラム会場のデ・ラサール・アラネタ大学の学生もかなり多数参加されており、熱心に話を聞いている学生さんもいました。私もこのフォーラムにて、AKCDFにおける健診が始まった経緯やその歴史、AKCDFで行っている健診結果の特徴と傾向をお話しさせていただきました。それに加えて、来年度の健診前日に保護者や先生を対象とした講義を行う機会があるため、その内容についてのアンケート調査も行わせていただきました。
2日目午後のピースフェスティバルはフィリピンサイド、日本サイドともにこどもたちが楽しめる遊びをたくさん用意した非常に充実した内容でした。フェスティバル後のセレモニーにおけるスピーチで、AKCDF卒業生が教育支援によって貧困からぬけだし自立して活躍していること、「AKCDFのおかげで勉強だけなく、人としてのありかたを学ぶことができた」と言っていたことはとても感動しました。マミーさんの設立当初からの思いが受け継がれ、実際に実を結び、さらに現地の人々の行動も引き出しながら引き継がれているということは本当にすごいことであると思います。また、AKCDFの保護者への就労支援を行っているAKAYの方々についてやその活動についても詳しく知ることができた良い機会となりました。日本サイドの運営をしてくださった皆様にもこの場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。
NPO法人リハケア神戸 神戸大学大学院保健学研究科 山本