424公的病院再編中止し、無効・危険な薬剤の追放と、医師など医療・介護従事者の充実を!(NEWS No.531 p06)

9月、厚労省は突然に全国424の国・公立病院の再編計画を発表しました。各地の医療事情を無視しているため、ほとんどの自治体はこれに対し反対の立場をとっています。

同時に、政府は医師の削減のため、「専門医」枠の縮小を図ろうとしています。大都会に集中している医師を地方に分散するとのこの計画の名目と、主に地方の公的病院を縮小することは相反します。また、介護保険の改悪をすすめ介護施設からの締め出しをはかろうとしていることとも反します。

要は、「医療費」を削減し、軍事費や大企業のために国費を使おうとしているのです。

それでは、日本の医療費はそれほど削減しなければならないのか、OECDのデータから、「先進7カ国」での日本の位置を見てみます。(矢印が日本)

<医療費全体:一人当たり米ドルの比較>図1

日本は7か国中5位です。イギリスと違い無駄な医療費を使っていることを考えれば下から2位と言っても過言でありません。

<薬剤費比率:医療費全体の%>図2

日本は18.6%でトップ、イギリス11.9%の1.56倍です。アメリカは相対的には少ないのです。

<医療機器の代表CT/MRI:百万人当>図3

アメリカに続いて2位、イギリスの2.2倍です。

薬剤費と医療機器に多くの医療費が使われているのが、日本の特徴です。

<医師数:国民千人当>

7か国中最低の2.4、ドイツ4.2、イギリス2.9です。

<医学部卒業生数:国民千人当>

今後の医師数が決まる卒業生は、OECD35か国中、下から2番目、35か国平均13.0の約2分の1です。

以上より、日本の多くない医療費は、薬剤や医療機器に浪費され、医師を徹底して少なくしていることが分かります。急性期病院廃止、不要な医薬品・医療機器優遇ではなく、医師の増員、医療・介護従事者の充実が目標となるべきと思われます。

はやし小児科 林