新型コロナウイルスCOVID-19流行に乗じた原発事故隠しと緊急事態・憲法改悪を止めよう(NEWS No.535 p01)

新型コロナウイルス問題を考える上で、2009年の新型インフルエンザ(2009H1N1pdm)を利用して、無用有害のタミフルなどの備蓄や大量使用が世界的に行われたことを思い起こすのは重要と思われます。とりわけ日本は、タミフル・リレンザに加え、イナビルやゾフルーザ、アビガンなど「抗インフルエンザ薬」世界最悪の使用国になっています。その上、2011年3月の東日本大震災と福島原発事故の恐怖と混乱の中、2012年4月に科学ではなく権力の判断により基本的人権をはく奪する緊急事態を盛り込んだ「インフルエンザ特措法」を成立させています。

現政権は、まる10年目を迎えた原発事故問題が、あたかもすでに解決したかのように、年間20mSv/年近い高被曝地域にまで帰還を強要し、延期にはなりましたが、オリンピックを利用して原発事故を覆い隠そうとしてきました。住民のためでなく、除染や多くの施設を建設することでゼネコンなど大企業に主な巨額の利益を与えています。周産期死亡・低出生児や心臓など奇形の増加、甲状腺がんの増加など、すでに明らかになっている人体への被害さえ、御用学者を使い隠そうとしています。仕事や生活を奪われた被害者への補償を渋り、住宅からの追い出しまで強行しています。その上で、各地の原発の再稼働が強行されているのです。

今回のコロナウイルスCOVID-19に関しても、政府の対策方法は以下のようでした。

1)ダイヤモンドモンドプリンセス号では、あたかもウイルス培養のように乗客の2割619人に感染させ、下船した検査陰性や検査もれの人を公共交通などで帰し、多くの市民に接触した後に発病させています。

2)PCR検査の保険適応でいつでも実施可能かのように発表しました。しかし、検査をできる基準は大変厳しいため必要な検査ができません。この病気の患者との接触者の検査は、相当な症状がなければされていません。クルーズ船での感染者の症状が半数だった事実から無症状・軽症者からの感染もあり得ます。原発事故被害者と同様、全てを闇に葬ろうとしているように思えます。

3)休校が、根拠なしに「専門家」の判断ではなく安倍首相の独断で強行されました。児童の感染者はたった数人、学童での集団感染の事実がない、中国での調査で19歳以下の患者はわずか2%、子どもから大人への感染はほぼなかった、インフルエンザでさえも学童の患者がいない場合の休校の効果は不明であり、休校の効果は全く望めなく、子どもをはじめ社会への多大な悪影響を与えています。

4)「薬剤開発」でのひどい非科学性を露呈しました。研究している薬は色々挙げられていますが、日本単独の研究は「使った」「治った」「効いた」のいい加減なものです。催奇性などでお蔵入りだった抗インフルエンザ「アビガン」の中国での研究なども、さらなる批判的吟味が必要です。このような「研究」を根拠に実地の使用はすべきでありません。

5)さらに重要なことは、安倍内閣が制定したコロナ特措法を利用し、「緊急事態」から憲法改悪に突き進むことを阻止することと思います。

COVID-19に関しても、インフルエンザや原発事故と同様、「専門家」にまかせず、批判的検討が必要です。この取り組みに、多くの方のご参加をお願いいたします。

はやし小児科 林
(医問研ニュース2020年3月号掲載)