子どもたちに新型コロナワクチン接種は必要ない(NEWS No.550 p01)

covid-19 vaccine

子どもたちに新型コロナワクチンを接種することのリスクと利益を慎重に計算してみれば、リスクが利益をはるかに上回っている。子どもたちへの接種は、利益は極めて少なく害反応は確実に出現するので、接種は推奨しない。

1)子どもたちの新型コロナ感染症は非常に低いリスクである。したがって、ワクチン接種によって得られる利益はとても少ない。

「幸いなことに、このパンデミックに関する数少ない良いことの一つは、子供たちがこの感染症によって非常に深刻な影響を受けることはめったにありません」(英国の予防接種と予防接種に関する合同委員会・アダム・フィン教授)。小児の感染はほぼ常に軽度または無症候性であり、ワクチン接種キャンペーンによって優先されている高齢の年齢層とは対照的である1)

ランセットに掲載された7カ国にわたる研究では、パンデミック中にCOVID-19で死亡した子供の中で100万人に2人未満が死亡したと推定されている。具体的には、2020年3月1日から2021年2月1日までの子どもの死亡率の分析で、米国、英国、イタリア、ドイツ、スペイン、フランス、韓国では、COVID-19による死亡はまれであり、2021年2月まで、人口100万人当たり1.7で、通常の年のすべての原因による推定総死亡率の0·48%を占めていた。COVID-19の死亡に対して、下気道感染症(主として肺炎)死亡は約5倍、不慮の事故での死亡は約17倍でした2)。このように、子どもたちはCOVID-19から深刻な影響を受けることは少ないのである。

日本小児科学会の見解においても、我が国の小児のCOVID-19の現状では、流行第4波でも小児患者の割合はわずかな増加にとどまり、感染した場合も多くが無症状から軽症で経過しており、死亡リスクは極めて低く、幸い日本では20歳未満で死亡者はゼロである。

2)社会の感染防止のために子どもに接種することは必要ない。「子どもが広げる」事実はない。

感染経路は約 80%が家庭内での感染だ。まずは社会で広がり、家庭の中で子どもたちに広がっているのが実態だ。子どもが感染を広げやすいといった科学的な根拠はない。小児患者の大部分が成人からの感染で、小児の感染予防には成人が家庭内に持ち込まないことが重要だ5)6)。 社会の感染防止のために子どもに接種する利益は「これまでのところ、パンデミックでは、この役割に関する証拠はほとんどない」4)と言われている。

3)青年層に緊急使用許可が下りたワクチン臨床試験結果は、これまでのところ、実証されたリスクは、子どもにおける実証された利益をはるかに上回っている。

現在、Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccineが米国で緊急使用承認(EUA)を得て小児に摂取されている。小児のCOVID-19ワクチンに関してFDAの諮問委員会で、メリーランド大学薬学部准教授でBMJの上級編集者であるピーター・ドシ博士は、小児のワクチンは不利益がはるかに利益を上回ると講演されており参考になる。

12〜15歳のファイザーの試験では、COVID-19は接種群1005名中0名、非接種群978名中16名であった。COVID-19は試験ではまれなイベントで、利益を受けるのは2%未満(978名中16名=1.7%)の子どもたちであった。副作用が短期的なものであったが多く発生し、長期的な影響については何も分かっていないと主張されている。

報告の中では、

“「5.3既知のリスク」で非接種群よりも接種群で、局所副作用/全身性有害事象およびリンパ節腫脹の頻度が高かった。全体として、ワクチン接種後の一般的な副作用およびイベントには、注射部位の痛み(90.5%)、倦怠感(77.5%)、頭痛(75.5%)、寒気(49.2%)、筋肉痛(42.2%)が含まれていた。発熱(24.3%)、関節痛(20.2%)、注射部位の腫れ(9.2%)、注射部位の発赤(8.6%)、これらはすべて一般的に軽度から中等度で、数日続きました”

と記載されている。

小児科学会も「小児では副反応頻度が比較的高い」と認めている。国外での小児を対象とした接種経験等では、ワクチン接種後の発熱や接種部位の疼痛等の副反応出現頻度が比較的高いことが報告されている。十分な接種前の説明がないまま副反応が発生することがないようにすることが重要だ。

以上の様に、子どもたちへの接種は、利益は極めて少なく、害反応は確実に出現するので、接種は推奨しないし、接種の必要性はないと考える。

参考文献:

1)Covid-19: Should all children get a vaccine? – BBC News May 22,2021
2)Children and young people remain at low risk of COVID-19 mortality The Lancet Infectious Disease March 10, 2021DOI: https://doi.org/10.1016/S2352-4642(21)00066-3
3)Vaccinating children against SARS-CoV-2 BMJ 2021; 373 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.n1197
4)Should we vaccinate children against SARS-CoV-2? The Lancet Infectious Disease June 10, 2021 DOI: https://doi.org/10.1016/S1473-3099(21)00339-X
5)小児における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現状と感染対策についての見解 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会 20210520 http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20210520_corona_genjo_taisaku.pdf
6)20210421-朝日新聞 私は一斉休校に反対する 小児科医が語る変異株の事実 https://www.asahi.com/articles/ASP4P12ZDP4NUTFL003.html?iref=pc_photo_galler
7) FDA EUA memorandum: Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine EUA Amendment Review Memorandum 05262021 (fda.gov)
8)Contact: Peter Doshi, PhD, https://faculty.rx.umaryland.edu/pdoshi/
Public statement at FDA VRBPAC advisory committee meeting to discuss Covid-19 vaccines in children, June 10, 2021
9)新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~日児-予防接種・感染症対策委員会 20210616 http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=374