ワクチン業界の「専門家」でも反対するコロナワクチン3回目接種(NEWS No.553 p05)

専門家は基本反対なのに65歳以上や医療従事者へは賛成かの様に報道

1面でも触れましたように、コロナワクチンの3回目(ブースター)接種が強引に進められています。これまでも、「緊急承認」という、効果が科学的に証明されているという厳密な証拠もなしに、世界中の人々に接種をしてきましたが、それをさらに中和抗体の減少を根拠にして、3回目を強行し、さらにインフルエンザの様に、毎年接種しようとしている戦略が明白になってきました。そのためには、少なくともこれまでのRCTや観察研究程度のデータが必要なはずです。しかし、現在のマスコミ報道にはそんなこととは関係なしに、65歳以上や医療従事者への3回目の接種を当然かのように報道しています。今回の3回目接種には、アメリカFDAやCDCの専門家の対応はこれまでと違っています、

FDA・CDC専門家も反対

FDAでは、専門家たちが基本的に反対しました。「ファイザーが提供したデータや、イスラエルで3回接種した人たちの状況が報告されたが、16歳以上の全員を対象とする3回目接種に大半の委員が反対した。65歳以上、リスクの高い人や医療従事者らに限り3回目の緊急使用許可を出すことに全員一致で賛成した。」(朝日新聞デジタル9/18)と報道されています.これでは、高齢者・医療従事者への3回目接種は当然のような報道です。

しかし、ワクチン大好きの米CDCでも、「接種を受けるべき」としたのは65歳以上の人と、基礎疾患などがあり重症化リスクが高い50歳以上の人で、「接種を受けてもよい」としたのは18歳から49歳の間で重症化リスクの高い人と、感染リスクが高い職場で働く人などです。他方で、CDCの専門家の諮問委員会は65歳以上には賛成したが、医療従事者などが3回目の接種の効果を示す証拠が十分ではないなどとして対象から外したのです。ワクチン接種を強引に進めてきたCDCやそれを「緊急認可」してきたFDAでも、3回目の接種はワクチン推進派の専門家もこれまでの様には賛成できない、ひどいことだと判断しているわけです。

専門家たちは3回目接種に基本的に反対:ランセット論文の内容

英国ランセット誌は、FDAの中などで3回目接種に反対してきた専門家など18人が連名の意見を掲載しています。その内容は、マスコミ報道でのFDAやCDCの諮問委員の意見と違い、高齢者や医療従事者への接種にも基本的に反対であり、これが専門家の本音と思われます。

著者達は、まず「予防接種をすでに受けた人の免疫力を高めることでCOVID-19例を減らすことは考えとしては魅力的だが、そうする決定は証拠に基づいているべきであり、個人や社会の利益とリスクを考慮する必要がある。」しかも、「COVID-19チンがデルタ株でも重症化の予防に引き続き有効という結論が基づいている観察研究のほとんどは、予備的で、潜在的な交絡因子と選択的報告であることにより、正確に評価することは困難」だとしています。また、mRNAワクチンの心筋炎などの免疫系の害作用があり、3回目など繰り返されるとリスクが増加する可能性があることを指摘しています。

著者らはコロナワクチンが「効いた」との観察研究結果を疑問視

彼らは、RCTによる研究の確実性は認めた上での話ですが、「信頼性が低い観察研究」では感染に対して効果は不透明であることを、公然と強調しています。「感染者数を抑制した」という観察研究には、前述のように様々な交絡やバイアスがかかっている。例えば、ワクチンの「接種開始時の患者の特徴」、COVID-19の症状(多くの症状が含まれる)があったため予防接種が延期され(コロナにかかりやすい人がワクチン群から抜けること:以下カッコ内は林の説明)(これは、前月号で林が解説したearly effectワクチンの効かないはずの期間に効いたことになっていることなども含むものです。)さらに、インフルエンザワクチンで「効果あり」の「証明」に多用されてきたテスト・ネガティブデザイン研究が、コロナワクチンでも同様の目的で使われています。しかし、著者らは、ワクチン接種をした人は、軽症や無症状の場合は(ワクチン接種者は、コロナにかからないはずだから)と考えて、受診しない人が多いので、ワクチン群では患者が少なくなったと判断される、などの例が挙げられています。これらの記述は、RCTはともかく、コロナワクチンに関する観察研究での、「効果あり」との結論は基本的には信頼できないということです。

重症化予防には効果がある可能性大

しかし、著者たちは、患者が重症化した場合は大抵が受診するので、前述のワクチン群は受診する人が少なくなるとの「診断依存的バイアス」の影響は少ないので、観察研究の結果がより信頼性できるとしています。その一方で、イスラエルでの3回目の接種の重症化への効果の研究について疑問点を指摘しています。これと関連して、現在のコロナの株が変化してゆき、大きく変化し、現在のワクチンでは効かなくなったら、それに合わせたワクチンを作れば良いとします。インフルエンザワクチンと同様に前年度の流行株から推定して今年のワクチンを製造すれば効果的をとしているわけです。(ここが、良心的とは言えワクチン専門家が限界点と思われます。)

RCTで3回目の効果と有害作用を明白にすべき

その上で、この論文の著者達は、最後にブースターが明らかに有用なのはどんな条件であるのかを示す必要があり、それを害作用を合わせて、RCTでしっかり確認しなければならないこと、「現在、入手可能な証拠は、効果的な・・・ブースターワクチン接種の広範な使用の必要性を示さない」と再度強調しています。

しかし、厚労省は22日、「新型コロナウイルスワクチンの3回目接種(追加接種)について、自治体向けのオンライン説明会を開いた。今年3~4月に2回目の接種を受けた医療従事者ら104万人について、早ければ12月に追加接種するという想定を示した。高齢者らの接種は年明けからの見通しで、自治体に準備を求めた。」とのことです。

要するに、現在の3回目接種には何の科学的根拠もなく、ワクチン業界の専門家でも反対する代物にもかかわらず、政治とワクチン企業の利益のために強行されているのです。

はやし小児科 林