コロナワクチン「モデルナ」の異物混入事件はコロナワクチン行政の象徴(NEWS No.553 p06)

「8月25日、武田薬品工業KK(以下、武田)が販売しているモデルナ製の「同じロットで異物が混入していると疑われるバイアルが39本確認された、との報告を受けました。」「ワクチン自体の有効性・安全性への影響はありません。」(厚労省9月1日報道発表資料)8月26日の日経新聞、毎日新聞など「異物は金属か」と報道し、厚労省もモデルナワクチンの異物、一部は金属の可能性ありとしています。

ところが、この時に、首相と官房長官のもみ消し宣言といえる発言がされます。官房長官は「健康被害の報告なし。」、首相は「接種に大きな影響を与えない。」とまで言い切っています。当然、基本的にはその後はこれらの発言内容に沿ってことが運ばれようとします。

事件は8月中旬に武田に報告されていた

この事件は、8月中旬に医療従事者が気づいて武田に報告され、厚労省は25日に把握したとされています。その後、スペインで製造された<ロット番号>を使用停止にして(9月2日より自主回収に着手する予定。)異物が見つかったロット番号は3004667(約57万回分)で、その他に異物混入の可能性ありが、3004734(約52万回分)と3004956(約54万回分)であった、としています。

武田はこの時点で、一部製品の使用見合わせのお知らせを出しています。このお知らせを基に、例えば立教大学は、「本学で使用しているワクチンのロット番号を確認、8月30日、9月4日も予定通り接種する。」と、まるでこれらのロット以外が安全だとする通知を発表しています。

使用停止のロット番号接種者の死亡

8月28日に、厚労省は、混入の報告はないが2例の死亡事故の報告があると発表しています。(ロット番号3004734)官房長官の健康被害なし発言はまるきりウソだったのです。

これらを既に知っていたと思われる武田は同じ時期に、同じ製造ラインで製造されたロットも中止と8月26日に決定しています。重要な、異物「粒子状異物」に関連した品質情報は報告されていません。

別の黒い異物の報告

厚労省は、8月29日に沖縄で黒い異物が見つかったがロット番号は3005293で、見合わせを要請した製造番号ではなかったとしています。8月30日には群馬県でも異物が見つかったが、これも見合わせを要請した製造番号(3005236)ではなく、4500人が接種済みでした。9月1日には神奈川でロット番号(3005286)にも同様の異物が発見されました。しかし、これらはワクチンのビンのゴム栓に対して針を斜めにさすと、ゴムが注射針に削られて注射液中に入る「穿刺コーマリング」であるから、針のさし方に注意してください、として幕引きとなりました。

使用停止ロットからの死者は3人に増加

9月1日には、武田・モデルナの共同ステートメント、「スペインのROVI Pharma Industrial Service, S.A 社は、金属異物を「316ステンレススチール」と同定、リスクはなく「また、ワクチンのベネフィット・リスク評価に悪影響を及ぼすことはありません。」と発表しています。

9月7日に武田は3人目の死亡を発表、ロットは異物が見つかっていない3004734だった、と記載しています。

死亡者3人の概略

厚労省8月28日発表

【38歳男性】
基礎疾患及びアレルギ—疾患なし。1回目接種7月18日、2回目(ロット番号3004734)8月18日、8月16日38.5度、17日解熱、18日自宅で死亡を確認、報告8月21日(解剖施行)

【30歳男性】
基礎疾患及びアレルギ—疾患なし
1回目7月18日、2回目8月22日(ロット番号3004734)、8月23日発熱、24日回復・出勤、25日朝死亡確認、27日都道府県(ママ)から報告。(上の2人は下の人の2回目と「同じ製造番号3004734を接種し、」読売新聞9/7)

【49歳男性】
そばアレルギーあり、
1回目(ロット番号3003657)、接種日?、
8月11日(ロット番号3004734)2回目、8月12日死亡、9月4日企業から報告

厚労省は「接種と死亡の因果関係は不明」との見解を示した。また「審議会で検討していく必要がある」とする同省専門調査会長で埼玉県立小児医療センターの岡明病院長のコメントも発表した。(共同通信)

mRNAワクチンの品質への影響は?

まず、mRNAワクチンは、大変繊細な性質であり、そのためファイザー製などは、極低温度での保管が必要です。モデルナ製は、ファイザー製ほど温度管理は厳しくないとしても、その品質は非常に環境に影響されやすいことが考えられます。

BMJの記事からmRNAワクチンの問題点

今年3月10日のBMJ記事によれば、品質に関しての問題点が、欧州の薬剤監視当局EMAの内部文書の流出で明らかになりました。その内容は、そもそも異物混入などでない正常なワクチンでさえ、変性していないmRNAがどれほど残っているか不明。完全なmRNAが何パーセントあるべきかでさえファイザーはコメントを拒否している。この完全性は、極低温保存の失敗や異物の混入で破壊されるのではないか?との疑問がある。ナノ粒子がどこへ行き、何をするのかよくわかっていないことは、3回目4回目の接種が予想される中でより一層大きな問題となる、などです。

それらから考えれば、ステンレスが混入することにより、または混入するような生産ラインでの製造により、ワクチンが本当に健康障害がなく、効果も保たれるのかわかりません。何を根拠に問題がないかのように発表するのかわかりません。

異物の解明なしの武田との新たな契約

これらの事件の精査もしないままに、武田は「Novavax社製と1億5千万人分の購入の契約を締結したと、発表しています。

また、今回の対応は、小児用「アクトヒブ」というワクチンでの事件の経緯と比較してみると、コロナワクチンは特別に、いい加減な対応で済まされていることが、わかりますので、参考としてその概略を書きました。

ヒブワクチンでの注射針の錆問題

サノフィKKは、2019年12月「シリンジ注射針に錆が1件報告されました。現在、製造販売業者は、シリンジ容器の製造工程等における原因究明を行っています。」と発表しました。

2020年1月には「同様の報告を複数件頂いており、現在調査中です。」「現在市場に流通している製品に関しましては、引き続き、注射針の状態を確認の上、ご使用いただくようお願い申し上げます。」と発表しています。

この時点では、コロナワクチンとあまり違いがないが、1月27日に厚労省は、一時的に供給が遅延すること、調査が完了するまで、溶剤と針の異常の確認をするようにとしながら、全面的な出荷停止状態が1か月間続けました。

2月25日になり、厚労省は「今般、製造販売業者による調査等が完了し、アクトヒブの供給遅延が解消されることとなりましたので、ご連絡します。」と出荷停止を解除しました。取引卸からの受注が一時的に見合わされます。(在庫は出荷可となっていた。)注射針だけで、注射液自体の異常はなかったとされましたが、原因は発表されていません。

似たり寄ったりとはいえ、少なくとも1か月程の全面的出荷停止があったことは、今回のコロナワクチンとは基本的に違う扱いでした。

はやし小児科 林