あるRCTによれば、コロナワクチン接種者と非接種者の全死亡率は同じ!(NEWS No.556 p08)

新型コロナ(COVID-19)ワクチンは当初、ファイザーとモデルナのランダム化比較試験(RCT)で、症状があるコロナ感染を9割以上減少させるとして、緊急認可されました。当時、無症候性の感染や死亡の予防、効果の持続期間が不明であることは、認可した米FDAも認めていました。

続いて、イスラエル等から、感染・入院・死亡を90%以上減らすとのリアルワールドデータが続々とNEJMやLANCETなどに発表されてきました。しかし、最初から様々な問題点を抱えたデータでした。(BMJ 2020;370:m3260)

しかし、その後、感染予防が不確かであることが次々と明らかにされました。例えば、マサチューセッツ州で469人の新型コロナ感染があり、うち74%の346人が2回目接種後の人たちでした。

そこで、ワクチン企業は、重症化や死亡予防には効果があるとの見解をうち出してきました。

<コロナワクチンは死亡率を減らすのか?>

ワクチンはコロナ感染による死亡を防ぐかもしれませんが、その有害作用による死亡も合わせるとどうなるかのRCT論文をこれまで知りませんでした。コホルト研究、TND 研究などリアルワールド調査でも、コロナでの重症化率や死亡率は減ったとしていますが、有害作用を加えた研究は読んだことがありません。ワクチンの正確な評価は、コロナ感染も含めて全ての原因での入院率や死亡率も比較しなければ正確でないのに、隠されているように思えます。

<本当のことを「記載してしまった」RCT>

ところが、ファイザー製コロナワクチンの効果を証明したとして、2021年11月4日に掲載された「BNT162b2mRNAの接種後6ヶ月までの安全性と有効性」と題したRCT(N Engl J Med 2021;385: 1761-73.)に以下のデータが出ていました。(この論文が示した安全性の問題が週刊誌に紹介されたことを滝本氏に教えていただきました。)

この論文は、プラセボを対照にして、12才以上の46429人をランダムに2群に分け、病気かどうかなどの判断をする人にどの患者がワクチン接種者かを知らせない(目隠し)で、比較的平等な判断を保証する方法で実施されました。

著者たちの結論は「BNT162b2は良好な安全性プロファイルを有し、高い予防効果を示しました。」です。(なにしろ、BioNTech社およびPfizer社が資金提供した研究論文ですから、この結論でなければ掲載されなかったと思われます。)

ところが、論文の補足資料Supplementary Appendixには有害事象の表が2つありました。

BMT162b2placebo
全ての重篤7166
(うち、重度)2126
(うち、命を脅かす)2126
死亡35

一つ目の表(元文献TabeS3)には、上の表のように「全有害事象」の「重篤」の数字が載っています。「全ての重篤」はワクチン群が少し多く、「重度」と「命を脅かす」はいずれも少しワクチン群が少し少なくなっています。死亡数はワクチン群が3人、プラセボ群が5人になっておりワクチン群の方が良いのかな?と思わせます。

しかし、実はもう一つの表(同TableS4)が掲載されています。下の表は、それから作成しました。死亡がワクチン群15人、プラセボ群14人になっているのです。上の表よりワクチン群が5倍、プラセボ群が3倍弱になっています。この違いは、観察期間の違いによるようです。上の表はワクチン1回目接種後から2回目接種後1か月間、下表は1回目接種から目隠し終了まで(4-6か月?)の観察です。

BMT162b2placebo
全死亡1514
うち循環器疾患死亡99
うち心停止41

2万人以上を観察しても、死亡者はほぼ同数ですから、ワクチン群でもしコロナ感染での死亡が少なくなったのなら、その他の死亡が増加したと言えます。それは、ワクチンの害が増加していること以外に考えにくいことです。

また、コロナワクチン後の死因のうち循環器疾患が多いとの「薬のチェック」誌の分析を参考に、元の表の死因の循環器疾患を、上の表に加えています。ワクチン群9件、プラセボ群6件で有意差はありませんが、ワクチン群に多い傾向があり、かつ「心停止」がワクチン群4人、プラセボ群1人でした。これについて12月例会で、浜六郎氏からワクチン接種後には突然亡くなっていた例が多く報告されていることと合致しているとの指摘がありました。

このデータが信用できるのは、RCTであることです。しかも、ファイザーの資金による研究だから、治験の不正(BMJ 2021;375:n2635)から考えても、ワクチンに都合の悪いことは隠される可能性がある中で、公開されたデータです。ですから、少なくともワクチン後の死亡はその効果を消すほどの有害作用を出していることを示唆しています。

RCT以外でも、今回のデータを補強するデータがあります。今後、お伝えしようと考えています。

はやし小児科 林