医問研2月例会報告2「ワクチン接種者からの影響はあり得るのか?」(NEWS No.558 p04)

昨年12月号医問研ニュースでも触れましたが、ワクチン接種者の体内から放出された細胞外小胞である「エキソソーム(Exosome)」が、周囲の人々に何かしらの影響を与えているのではないか、ということに関して、再度ここで考察してみたいと思います。先日の定例会では、ワクチン接種者からの影響を受けたということで当院に実際に受診された患者を3名紹介させていただきましたが、その際に他の参加者から指摘されていたように、これらの患者に現れた症状は、ストレスによって引き起こされた可能性は捨てきれません。確かにハンス・セリエのストレス学説やその後のストレスに関する研究などで、日常的なストレスが患者に多彩な症状が現れることは科学的にも明らかになっています。しかし、定例会で紹介した患者は以前とほとんど変わりない生活をされており、強いていうならある患者ではワクチンを打っていないことによる周囲からの同調圧力がある、というストレスがあるくらいでした。そのような方がワクチン接種者と密室で濃厚に長時間接した後に、突然不正出血が現れたり、落ち着いていたアトピー症状が急激に増悪して入院するほどまでになったり、今まで感じたことのない寝込むほどの激しい頭痛や、倒れるほどの眩暈が突然出現した。これは因果関係として明らかではないが、ワクチン接種者が関係しているのでは?と考えることには一定の妥当性があると私は感じています。さらに、徐々に改善した人が多かったことを考えれば(当院で漢方治療をしていたことを除けば)、mRNAワクチン接種後の代謝産物が放出・伝播されたものの影響を受けていたが、徐々に接種者において代謝・排泄されていく間に影響は少なくなった、と考えることもできます。それではそのワクチン接種者から放出・伝播されたものとは何かと考えれば、「エキソソーム」などの細胞外小胞が大きな役割を果たしているのではないか、と私は考察しています。

ところで、「mRNAワクチン接種者からの他者への伝播」に関連する話として、過去のメルク社のエボラmRNAワクチン“ERVEBO”の添付文書に興味深い文言がありました(https://www.merck.com/product/usa/pi_circulars/e/ervebo/ervebo_pi.pdf)。それによると「7つの臨床試験に登録され、ERVEBOまたは低用量製剤を接種された299名の被験者において、尿または唾液中へのワクチンウイルスの排出が評価されました。ワクチン接種後1日目から14日目までのタイムポイントにおいて、一部の被験者の尿または唾液中に、RT-PCRによりワクチンウイルスRNAが検出されました。28日目の排出を評価した2つの研究では、陽性と判定されたサンプルはありませんでした」ということでした。さらにこの添付文書には、「ワクチンウイルスRNAは、血液、唾液、尿およびワクチン接種を受けた成人の皮膚小胞液から検出されており、ワクチンウイルスの伝播は理論的に可能である」ということが注意書きにも記載されています。これは紛れもなくmRNAワクチン接種者の体内でウイルスRNAが循環し体外にも排泄されており、少なくとも2週間は排出が続くこと、そして開発者側はそれによるワクチンウイルスの環境中あるいは他者への伝播の可能性を把握しているということが明らかです。だからこそ、今回のCOVID-19mRNAワクチンを開発したファイザー社の臨床試験プロトコールにも、遺伝子ワクチン接種者には注意するべきだとする旨の記載があるのでしょう(https://cdn.pfizer.com/pfizercom/2020-11/C4591001_Clinical_Protocol_Nov2020.pdf)。また、実際にウイルスRNAやタンパクを含んだエキソソームが、SARS-CoV-2感染者の体内で循環し、その病態に影響していることも明らかになっており(E Barberis et al. 2021)、ウイルス遺伝子が細胞内で宿主の遺伝子とキメラ遺伝子を形成することも明らかになっています(L Zhang et al. 2021)。これらのことからも、COVID-19mRNAワクチン接種者の体内でも同様にウイルスRNAが宿主遺伝子に取り込まれキメラ遺伝子を形成し、それがエキソソームの形で循環して体外・環境中に排泄され、他者に伝播していくということは十分あり得るということがわかります。「ワクチン接種者からの影響」に関しては、今後の更なる検証が必要だと思います。

医療法人聖仁会松本医院 院長 松本有史

<編集より>松本氏の見解であり、今後検証の議論が必要と考えています。