新型コロナワクチンは(意図的に)毒性が残されている!(NEWS No.563 p07)

ワクチンは健康な人を対象とした予防のために使用されるものですから、患者を対象とした治療薬とは異なり、原則としてその毒性は極力取り除かれていなければなりません。しかし、今回のCOVID-19ワクチンとして用いられているスパイクタンパクは、様々なメカニズムで毒性を発揮することがよく知られています。その中でも何より重要なのは、スパイクタンパクがACE2に結合することによって、血管内皮細胞を含むACE2発現細胞を傷害したり、炎症を引き起こしたりすることです(Y Lei et al. 2021, P Albornoz et al. 2022)。では、そもそもこのような毒性のあるタンパクをワクチンとして使用する場合、その毒性をなくす方法はないのでしょうか?

例えば、ジフテリア毒は酵素毒で非常に強力であり、ヒトでの致死量は0.1μg/kgとされています。この猛毒のジフテリア毒素をワクチンとして使用する場合、その酵素活性を除去するような工夫がされています。1971年、ハーバード大学の内田剛博士は、ジフテリア毒素の変異体を作成し、「CRM(Cross Reacting Materials:交差反応性材料)」と名づけました。そのジフテリア毒素の変異体であるCRM197は、ジフテリア毒素のアミノ酸配列のうち、たった一つのアミノ酸置換により完全に無害化したものでした。このように、わずかなアミノ酸配列の置換だけでそのタンパク質の活性がなくなることは分子生物学などを専門とする研究者の間ではよく知られていますし、実際にそうしてできた変異体は細胞生物学や分子生物学の実験でもよく使用されています。

上記のジフテリア毒と同様、スパイクタンパクのACE2結合部位の一部にアミノ酸変異を入れるだけでも、スパイクタンパクが持つ毒性の大部分を排除できる可能性があります。そもそも体内で産生されたスパイクタンパクに対する中和抗体が認識するのは、5〜10個のアミノ酸配列だけです。タンパク全体のうち何箇所かの

アミノ酸を置換・変異させたところで、その毒性機能が失われることはあっても、有効な中和抗体誘導に必要な抗原性まで失われるわけではありません。実際に、変異型スパイクタンパクを作製すること自体は世界中のラボで行われていることですし、無毒化したスパイクタンパク配列を抗原として用いることなど遺伝子操作でいくらでも簡単にできたはずです。また、欲を言えばその遺伝子操作でADE(抗体依存性感染増強)が起こりにくい配列を予測して遺伝子ワクチンに使用するべきだったとも思います(W S Lee et al. 2020, Y Liu et al. 2021)。つまり、本来ならば抗原性が高く、毒性はなく、ADEが起こりにくい変異型スパイクタンパクを作製し、その配列を遺伝子ワクチンとして用いるべきだったということです。

さらに、スパイクタンパクに対する中和抗体を誘導するためには、感染性や病原性にも関与する「フリン(furin)切断部位」が必要ないことや、スパイクタンパクの受容体結合ドメイン(RBD)部分だけでも抗体が誘導できるため、必ずしも完全長のスパイクタンパクは必要ないことが示唆されています(D Laczkó et al. 2020)。これらのことからも、毒性がないスパイクタンパク(の一部)を産生させ、それに抗体を作らせるような遺伝子ワクチンの設計は十分可能であったと考えられます。

一方で、モデルナ社やファイザー社製のmRNAワクチンの設計では、スパイクタンパクのmRNA配列の始点(5’末端)にキャップ構造が付加されていたり、終点(3’末端)にポリA配列が付加されていたり、RNAの塩基であるウリジンが1-メチル-シュードウリジンに変換させられており、RNAの安定性が飛躍的に高められています。また、アミノ酸に翻訳されるコドンの塩基配列がタンパク変換効率が良くなる配列に置き換わっています。さらに、mRNAが宿主の遺伝子に取り込まれる危険性を回避する工夫も全く見受けられません。すなわち、スパイクタンパク自体の毒性は全く除去されておらず、mRNAが遺伝子に取り込まれる危険性も全く考慮されていないにも関わらず、毒性のあるスパイクタンパクを延々と体内で産生させる工夫はきっちりされているということです。これに何らかの悪意があるのではないかということを疑われても仕方ありません。今回の様な「ワープスピード」の名の下に短期間で開発されたワクチンは、上記のような意味でも(意図的に)安全性確認を怠っていると言わざるを得ないのです。

医療法人聖仁会松本医院 院長 松本有史

(編集より:新型コロナワクチンは、拙速な開発のため、スパイクタンパクの毒性害反応除去の努力が、意図的かどうかはともかく、まともにされていないのではないかとの問題提議と受け取りました。)