小児へのコロナワクチンの推奨を中止すべき (2024全交で交流会)(NEWS No.588 p05)

これまでの全交では、医問研グループは健康相談や全交集会での病人への対応などの役割をしていました。今年は、何らかのテーマで意見交換をしてはどうかと、「交流会」の時間に、全交参加の医療関連の方々で、集まることになりました。

報告は4月の日本小児科学会(以下:日児)の代議員会で配布して、それに基づいて同会で発言した、以下のパンフレットの内容の紹介・討議をしました。このパンフレットは、医問研ニュースと共に読者の皆さんに同封したものです。まだお読みになっていない方は一読をお願いします。

<パンフレットの表題>

2024年日本小児科学会通常総会 討議資料 「小児への新型コロナワクチン令和5年度秋冬接種に対する考え方」(2023年10月3日)への反論
「考え方」の①から⑤までの推奨の根拠に対して反論し、小児への新型コロナワクチンの推奨を止めるように要請します。 小児科医有志

これまで、パンフレットの内容の紹介はしていませんでしたので、内容を簡単にご紹介します。

<日児は、既感染率を低く見せている>

まず、日児の「考え方」には事実のすり替えがあります。それは、「日本でのN抗体保有率(コロナウイルスの既感染を示す:林)が、32.1%と42.8%」としている点です。実は、このデータは大人のものですが、まだ免疫がある子が少ないので、ワクチンが必要と思わすために、大人の数字と子どもの数字をすり替えているようです。

子どもでは7割が既感染とのデータがあるのですが、このすり替えを正当化するために、「こちらは対象者が限られており、我が国全体のN抗体保有割合と異なる可能性があります。」と切り捨てています。しかし、「考え方」が引用する献血者のデータも含めた調査を全部見ますと、

1)15歳ではすべてのデータで、55%から65%。2)若いほど感染が高く、10歳以下では70%を超えていることを示唆している。3)調査時期が2-3か月毎に、10%程増加していました。

ですから、最近の10歳以下のデータは、大変高くなっている可能性があります。ちょうど、この学会に、子どもの調査では80%を超えているとの学会発表がありました。

そういえば、HPV(「子宮頸がん」)ワクチンのパンフレットでは、ある論文の都合の悪いところを切り取って紹介していたことは、以前紹介しました。【HPVワクチン宣伝パンフレットの疑惑(NEWS No.525 p08))】

「考え方」が既に感染した小児はまだまで少ないことを強調しなければならなかったのは、コロナに感染したお子さんが増えるほど、ワクチンによる予防効果が減ることが明らかだから、「まだまだ感染していない子がたくさんいる」ことを強調しなければならなかったためだと思われます。なお、「考え方」が紹介している文献でさえ、既感染者へのコロナワクチンの再感染を防ぐ率は10%程度となっています。

<基礎疾患なし小児の死亡率は極めて低い>

小児科学会は、以前は子どもへのコロナワクチンの推奨を、基礎疾患を持っている場合に限定していました。子どもでの死亡者はほとんどなかったからです。しかし、国立感染研が突然発表したデータで基礎疾患なしの小児へのワクチン接種を正当化しています。この50人中基礎疾患ありが21人、なしが29人です。「なし」の分母は圧倒的に多いので、基礎疾患なしでは、死亡率が極めて低くなるはずです。

さらに、亡くなった19人が中枢神経系疾患でした。うち、13人が坑ウイルス剤を使われています。コロナ治療薬と中枢疾患との関連を検討する必要もあります。

<子どものRCT試験の論文著者の多数が、製造販売企業の関係者>

そもそも、小児への効果があるとした臨床試験RCTの論文の著者たちの69%(ファイザー製)、45%(モデルナ製)が、その製造販売企業と明白な利益相反がありました。そんな人たちが作ったデータが信頼できるのでしょうか?

2022年の超過死亡とワクチンの関連>

コロナワクチンの世界有数の追加接種がされた2022年に日本では戦後最大の超過死亡があったこと、日本でのワクチンによる死亡の報告は氷山の一角の可能性があることを指摘しています。

最後に、世界の趨勢は小児への推奨をしない国が大多数になっていることを紹介しています。

内容の報告のあとの交流で、参加者の医師・看護師さんからの意見を出していただき、有意義な交流会でした。

はやし小児科 林敬次