2024 年 10 月 13 日、東京で開催された「コロナワクチンを疑うー副反応救済への道」と題したワクチントーク全国集会で報告した。
集会では名古屋大名誉教授の小島勢二氏、ワクチントーク理事長の古賀真子氏、青野典子氏、全国有志の会藤澤明徳氏、新型コロナワクチン後遺症患者の会の木村、神谷氏、ワクチントーク北海道の萩原敏子氏などから報告があり、メイン会場、Zoom 会場含め約 100 名が参加した。私は「コロナワクチン接種の問題点―子どもへのワクチン接種を中心に」について発表した。以下私の発表概略を述べる。
1.いまだワクチン接種に固執する日本
95%の有効率を誇るとして 2020 年末から世界での接種が始まった新型コロナワクチンは接種開始から数か月のうちに 70%を超えるブースター接種でも流行を防げないことが明らかとなり各国では接種が頭打ちとなった。世界中のコロナ流行を UptoDate で見ると、ブースター接種を含め接種率が 6-70%を超えた UK,USA,オーストラリアなどにとどまらず、30%の南アフリカでも 2022 年からそれぞれ接種率と無関係に流行を繰り返していることが判明してきた。
日本と韓国は、2022 年にはワクチン接種率が世界 1,2 となったが、それでも新規感染率も世界 1,2 となった。そのため韓国は 2022 年 7 月以降、初回、ブースター接種とも中止した。しかるに日本ではその後も政府はワクチン拡大一辺倒の方針をとり続け、ブースター接種が 140%を超え、さすがに住民の側から接種率は頭打ちとなった。が、 2023 年 5 月以降でも政府の政策は同じである。(図 1)に日本の接種率と新規感染者率を示す。
2.小児のコロナ死亡が強調され始め、小児ワクチン接種拡大の大合唱が始まる
2023 年成人でのワクチン接種が頭打ちとなった後、国立感染症研究所は 2024 年4月、19 歳未満のコロナ感染死を発表した。約 1 年間の致死率累計が 0-9 歳 6.4/同世代人口 100 万、10-18 歳 4.9/100 万、それに対し全世代人口では 1586.2/100 万であった。この感染研からの発表は、18 歳以下の観察期間が実際は 1 年を超えること、基礎疾患の言及がなくコロナ感染死かどうかが不明であることなどもあり、小児ワクチン接種拡大には結びついていない。
小児科学会もワクチン接種推奨を後押ししている。2022 年 1 月、日本小児科学会、予防接種・感染症対策委員会は 5 歳以上への接種は「意義がある」と発表。その後オミクロン系統の流行などで世界中での小児へのワクチン接種推奨が後退する中でも小児科学会は 2023 年秋冬期の「6 か月以上のすべての小児への」ワクチン接種推奨を提言した。ところが、国が 2024 年 10 月以降、ワクチン接種は 65 歳以上+重い基礎疾患のある 60 歳以上に対象を制限した。我々も加わった 2024 年小児科学会での有志提案パンフ配布などもあり、2024 年から小児科学会からの小児へのワクチン接種推奨方針は梯子を外されたままである。
3.コロナワクチン被害は予想を超えるコロナワクチン接種後の副作用報告は予 想をはるかに超える規模となってきた。
ワクチン健康被害者は死亡だけでなく副作用について任意でPMDA(医薬品医療機器総合機構)に請求をする。この請求受理については申請先自治体からの用紙発行のやり取りを含めてハードルは高いが、受理された副作用については PMDA から厚労省に判定を申し出、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で論議し審議結果が公表される。一方、接種後死亡については、製造業者、医療機関の双方から厚労省のワクチン副作用審議会に提出、審議会で論議し、「専門家」が評価をα、β、γとし、ワクチン被害かどうかの認定論議(認定、否認、保留)を行う。
2021 年 12 月から2024 年10 月の審議会までに製造業者ないし医療機関から提出された死亡事例の進達受理件数は 12195 件、認定は 8267 件、否認件数は 2492 件、保留は19 件である。比較として、1978 年から 2021年末までの新型コロナワクチン死亡以外のワクチン死亡については、総計で進達受理件数は 151 件である。コロナワクチン後の死亡が如何に多いかがわかる。
4.ワクチンは死亡阻止効果もない
実践的な流行阻止効果のないコロナワクチンであるが、死亡阻止効果はあるといわれてきた。これを検証するため、年ごとの種々死亡原因に対する年齢群別死亡率を比較した。2018-20 年の死亡率に対する 2021-23 年の死亡率の比較をした。(表1)に結果をしめす。(表1)には0-39 歳群と 80 歳以上群について示したが、40-64、65-79 歳群でも同じ有意差を示した。死亡阻止効果もない。
(表 1)2018-20 年を対照とした 2021-23 年のe-Stat 死亡簡単分類の死因「不整脈および伝導障害」についての年齢群別の致死率の比較
| 2018-20 年 | 2021-23 年 | リスク比 | 95%信頼区間 |
---|---|---|---|---|
0-39 歳 死亡数 | 814 | 869 | 1.10241 | 1.0998-1.105 |
同人口 | 14411800 | 13956300 | ||
80 歳以上死亡数 | 64497 | 73611 | 1.0488 | 1.04877-1.04883 |
同人口 | 3382900 | 3681300 |
5.コロナワクチンで超過死亡が増えたのではないか?
(図 2)に 2011-2 年と 2021 年以降の日本の超過死亡を示す。このようなジャンプアップはそれぞれ東日本大震災、コロナワクチン接種で説明可能である。
6.レプリコンワクチンについて
2024 年 5 月、製薬会社Meiji Seika ファルマから 95%以上の感染阻止を誇るmRNA ワクチンとしてコスタイベが PMDAに治験Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ相試験結果で申請、認可された。ベトナムで16000 名を超える二重目隠し試験で効果があったとしたデータに基づく。2 重目隠し試験であるという点について、未接種者の脱落が 17%と多すぎること、未接種者は生食を注射しているためワクチン接種者に比べ痛みの違いですぐどちらを接種したかがかがわかることなどから疑問がわく。査読者からも症状があっても、対照群からは無症状と申請しがちであるなどの疑問が出ている。治験時期はちょうど日本でもコロナ感染者が 10%くらいであり、ベトナムと同じくらいであることを考慮しても 2 重目隠し試験が崩れている可能性が高い。
もっとも能書をみると、有効性といっても未接種の対照群に対し 56.6%(48.7-63.3)というだけの効果である。最近のオミクロン系統の株でなく当時のデルタ株流行時の有効性評価であることも考慮すると、声高に効果を唱えるものではない。コスタイベ認可の数日前、コロナワクチン多施設共同研究からコロナはインフルより怖いとしてワクチン接種を後押しする報告が出たのも笑止であろう。
安全性評価も不明であり、コスタイベに飛びつく根拠はどこにもないと考える。
7.最後に
本稿は 10 月 13 日のワクチントーク全国集会での発言を抜粋したものである。他氏の講演内容も含めて、以下にアクセスし、
v_talk_2024_handout.
全ての資料をアップデートしてお使いください。
山本