2024年10月13日ワクチントーク全国で「コロナワクチン接種の問題点 子どもへのワクチン接種を中心に」と題し発表した。その内容を医問研ニュース2024年10月号に投稿した。その時mRNAワクチンの一つである「コスタイベ」についての論議があり、一部に触れたが本11月号で、改めてコスタイベについて詳説する。
2019年末から始まったCOVID-19の流行に対し、世界では2020年12月から、日本では2021年2月から(医療従事者対象にファイザー社のコミナティー、4月から高齢者に)ワクチン接種が始まった。ワクチンのブースター接種が増加するにつれ、すでに2021年後半には流行が防げるどころか、感染、重症化も防げず、むしろ感染、重症化とも増悪していることがわかってきた。一方、死亡も含め他ワクチンと比べてけた違いの接種後副作用の多さが明らかとなってきた。すでに2022年当初には、COVID-19の急速な流行型変異も絡み、全世界で実社会での有効率の低さが明らかとなり、ワクチン依存が頭打ちとなってきた。ところが日本の施政者は2024年に入ってもワクチン接種一辺倒の政策を続け、成人での接種率低下を補う形で接種対象を幼小児にまで拡大してきた。
2023年5月以降、日本でもCOVID-19が2類相当から5類相当疾患となり、厚労省はワクチンの有効率に対する評価の変更もないままに秋以降、ワクチンの定期接種(努力義務接種や奨励接種)対象は65歳以上や60-64歳の基礎疾患を有する人に限ることとした。一方小児科学会は、感染及び重症化を防ぐとして生後6か月以降の小児への初回及びブースター接種を推奨したままであった。梯子を外された感のある小児科学会は、さすがに2024年秋以降の接種方針については現在まで黙ったままではあるが。
このような中で今業者の側から焦点化されてきているのが「Meiji Seika ファルマ」のコスタイベである。
コスタイベはワクチンの種類としてはmRNAワクチンの一種に過ぎないが、「自己増殖型」のmRNAワクチンをうたい、安定なワクチンであり、少量で十分な効果をきたすと宣伝されている。mRNAワクチンはワクチンとしての抗原性を持たせるだけの長さの安定が必要である一方で、安全なためには早く分解しなければならないという矛盾を抱えている代物である。もともとmRNAは血液内だけでなく、細胞内でも早期に分解されるため、ワクチンとして製品化するためにmRNAを安定化させ早期分解を防ぐために脂肪滴に包み、抗原性を高めるためにアルミ塩などのアジュバントを必要としている。安定化に不可欠な脂肪滴は、誰でも骨折時に骨髄中の脂肪滴が血中に流出し血栓症の原因となる現象でもわかるように有害である。アジュバントも添加物であり、例えば子宮頸がんワクチンの激しい痛みの原因として疑われているなど、安全性の問題は大きい。
ここではMeiji Seika ファルマの「コスタイベ筋注用に関する資料」及びNature communicationsに掲載された「Meiji Seika ファルマ」論文について評価し、ベトナム、日本でのコスタイベ宣伝の非科学性について論じた。
① ベトナムにおける第三相bの有効性及び安全性試験の結果
解析対象はコスタイベ筋注群7787例、プラセボ(生理食塩水筋注)群7723例の二重目隠し試験であり、二回目接種7日後から2か月後までの期間でのCOVID-19の発症率で有効率を比較した。有効率は56.6%(95%信頼区間:48.7:63.3%)だったとされる。この場合の有効率とはefficacyのことであり、最も効果が大きくなる理想的条件下での有効率であり、現実世界での有効率effectivenessではない。通常目隠し群での有効率は60%程度であることを考えると?と思える効果に過ぎない。さらに注目すべきは一回目、二回目接種とも接種後の局所症状(痛みなど)がコスタイベ接種群、プラセボ群で明らかに異なる点である。例えば接種後局所痛で自分がワクチン接種をしたかどうかがわかる。接種後コロナ感染を疑う症状があれば報告しCOVID-19検査を実施する決まりであり、その結果感染が判明すれば治験対象から外されるため、症状があっても報告しない可能性が高い。そのため見かけ上のワクチン接種群が実際より少なくなる可能性が高い。つまり、二重目隠し試験が崩れている可能性が高い。
② 日本国内での第三相b試験の結果
国内での第三相b試験の結果はコロナ起源株に対するワクチン群385例とコミナティー接種群374例の平均抗体価を比較したものにすぎない。
③ Nature communicationsでのコスタイベレプリコンワクチンのベトナムでの治験評価について、
Nature communications では、ベトナムでの第三相b二重目隠し試験対象者を、2021年8月から2023年1月までのワクチン群8056名、プラセボ群8044名について掲載。査読者からの意見として、安全性についての観察期間が短すぎる、当初の脱落者が14%で多すぎる、参加前のコロナ罹患者が少なすぎる、プラセボ群には症状を報告しない選択をした可能性がぬぐえないなどが提起された。
④ 結論
有効性から見て、コスタイベは二重目隠し試験から外れている非科学的なワクチンであり、また安全性からみても担保できる期間をクリアできない「ワクチン」である。