衆院選結果は自民党が316議席と、単独で全議席の3分の2以上を獲得した。高市政権は「国論を二分するような政策」つまり大軍拡を先頭に武器輸出、スパイ防止法制定、情報機関創設、憲法「改正」、非核三原則見直し、外国人政策厳格化などに邁進するだろう。今回の選挙は、社民党福島氏の言葉を借りれば、憲法改悪か護憲か、戦争か平和か、国民が塗炭の苦しみを味わう社会か国民の生活を大事にする社会か、差別排外主義か、共に生きられる人権のある社会か、が争点でなければならなかったが、軍拡に賛成する政党が多く、立憲民主党が安保法制(戦争法)・原発反対の政策を捨て、自民党と差がなくなり、選挙の争点が大軍拡か国民生活を守るのかとならなかった。また、若者らはかつてないほど苦しい生活の中から変化を求め、〝新しい女性首相〟に変化への期待をかけた。だが、自民の小選挙区獲得議席割合は86.2%に対して絶対得票率(有権者総数に占める、ある候補者や政党の得票数の割合)26.9%と、支持は3割に満たない。比例代表でも全国11ブロック合計で36.72%と4割に満たない。高市自維政権の軍拡・排外主義では円安・インフレが進み市民生活は医療を含む社会保障も一層悪化する。
自公維3党は昨年6月、11万床の病床削減やOTC類似薬の保険適用除外など「4兆円の医療費削減」で合意したが、高市自維政権は、解熱剤など約1100品目のOTC類似薬の費用の25%を患者に追加負担させる改悪案を選挙後の通常国会に提出するだろう。OTC類似薬の追加負担は差額ベッド代などと同様の選定療養に位置づけられる。たとえば薬剤費が1000円で3割負担だと、現状は3割負担の300円を支払うが、新たな制度では、500円が自己負担となる。計算は、 まず、薬剤費1000円の25%にあたる250円を「特別料金」とし、それに消費税25円を上乗せした275円が自己負担額となる。次に、残りの75%である750円の3割負担分である225円が自己負担額となる。これらを合算した500円が最終的な自己負担額となる。自己負担額は大幅に増える。また、高市自維政権は、国民の強い批判で“凍結”された高額療養費の患者負担増も復活させ、来年度予算に盛り込んだ。2月3日判明した政府が検討する医療保険制度改革の関連法案では、「高額療養費制度」の患者負担額を少なくとも2年ごとに検証する規定を創設する。自己負担額が定期的に引き上げられる可能性がある。2026年8月からは2段階で月額上限を引き上げ、最大38%の負担増を押しつける。自維連立政権合意(昨年10月)は、医療費窓口負担について「年齢によらない真に公平な応能負担の実現」と称して高齢者医療2割、3割負担の拡大導入を狙う。超党派(共産党などは排除されうる)かつ有識者を交えた「国民会議」を設置し、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し、電子カルテを含む医療機関の電子化、データヘルス等を通じた効率的で質の高い医療の実現といった課題について、迅速に検討を加速するだろう。高齢化に対応した医療体制の再構築を進めるため、入院医療だけでなく、外来・在宅医療や介護との連携を含めた新たな地域医療構想を策定し、地域での協議を促し、病床削減にも突き進むと考えられる。
自維は医療費を削れば国民の負担が減るかのように言うが、実際には患者負担はむしろ増える。大軍拡をやめさせ、大企業・金持ち優遇税制を見直し、539兆円もの内部留保の一部を活用すれば、公費負担拡大して患者負担増なしに医療費をもっと増やしたり、病床削減をやめさせ、人員増で医療の供給体制を充実させたりすることは十分可能だ。疲弊している医療現場と負担増にあえぐ国民の怒りの声で医療改悪を頓挫させよう。