大企業・富豪への課税強化、軍事費削減、製薬企業の不当利益削減で 医療費削減でなく改善を!(NEWS No.608 p01)

高市内閣は、大幅な医療費削減政策を強行しています。「現役世代の負担を抑えるため」とのデマで高齢者と若い世代との分断も図ろうとして、以下のような医療改悪の実行を加速しました。

<高額療養費制度の負担増>

医療費が高額になった際に一定の自己負担で済む高額療養費制度が、2026年8月から自己負担限度額が一律で7%引き上げられ、2027年8月から所得区分の現行4区分から12区分への再編などでさらに負担増とされます。この改悪で政府が狙っている医療費削減額は2450億円に上ります。この問題の医療内容への影響は、経済的負担により患者やその家族の生活が成り立たないために、治療をあきらめなければならない方が多数増えることなどです。(当ニュース昨年5月号参照)

<高齢者の窓口負担の見直し>

75歳以上の後期高齢者の窓口負担が見直されています。年収170万円以上の単身世帯などを対象に、窓口負担が従来の1割から2割へ引き上げられた流れが継続・拡大されています。2年ごとの検証規定: 患者負担額を少なくとも2年ごとに検証し、必要に応じて改定する仕組みの創設も検討されています。

OTC類似薬(市販薬と似た薬)の給付制限>

風邪薬や湿布など約1100品目77成分の薬剤費の25%を保険適応からはずし、患者負担とすることを、2027年3月から開始しようとしています。これは、医療保険の適応を入院室料・食費のように医療本体から外していくもので、医療保険の根幹を破壊するものです。100%外すとの従来の方針の第一歩と考えられます。

<診療報酬の改定>

2026年度は賃上げ対応などでは多少プラス改定となる一方、薬価(薬の公定価格)はわずかに引き下げられる見込みです。現在の多くの医療機関が抱える困難を解決できるものではありません。

より、根本的な解決には、以下の視点が必要と思われます。

1)医療保障費を削減するのでなく、大企業の巨大な「内部留保」も医療を含めた社会保障に使うべきです。企業の内部留保金は2010年ごろから急速に増加し、約300兆円から700兆円を超えています。この間人件費は全く増加していません。雇用される人たちの健康保険料は賃金と企業から折半で支払われますから、賃金が増えなければ当然、健康保険収入は増えず、赤字になります。内部留保金で賃金を大幅に増やし、留保金と富豪への大幅課税増が必要です。アメリカでは、ニューヨーク市長ゾーラン・マムダニ(DSAアメリカ民主主義的社会主義者)は富豪への課税を中心に社会保障を充実させる闘いを進めています。

2)空前の軍事費増は2023年6.8兆円、24年7.9兆円、25年8.7兆円、26年9.353兆円昨年、23年度より37.5%増、昨年度比7.5%増です。これを、医療に使うべきです。パレスチナやイランへの攻撃などを煽るのではなく、平和外交を強化すべきです。戦争は医療の努力をあっという間に台無しにします。

3)製薬企業の利益率は高く、20%程度で全産業4-5%をはるかに上回っています。このことは長年指摘されてきました。日本の製薬企業だけで1.8兆円の利益、外国製薬企業もぼろ儲けです。医療機器メーカーも一般製造業より高い利益率を維持しています。医薬品では、例えば、年間一人300万円必要とされている、認知症の進行を意味ない程度抑えるが脳出血などの副作用のあるレカネマブのように、むしろ使用すべきでないものが、2025年の4~9月だけで117億円も使われています。効かない薬の追放や高すぎる薬価を止めることが、医療の内容を高め保険財政と患者の健康を守るために必要です。

老いも若きも懸命に働いても、今回の改悪で、費用負担増を押し付けられます。また、親の医療費負担増は子どもの負担にもつながります。

医療改悪を止めることは老若共通の課題です。