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	<title>医療問題研究会 &#187; 490号2016年6月発行</title>
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	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
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		<title>臨床薬理研・懇話会5月例会報告（NEWS No.490 p02）</title>
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		<pubDate>Thu, 01 Sep 2016 09:12:18 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[490号2016年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[Ⅰ．シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第15回 HPVワクチン・ガーダシルの安全性に関連する動物実験論文 今回は「臨床薬理論文」ではなく関連文献となるが、渦中にあるHPVワクチン「ガーダシル」の安全性に関し、Vaccine誌電子版に掲載されたが、その後強引に撤去された動物実験論文をとりあげました。論文のCorresponding authorはアジュバントによる自己免疫疾患の研究者Shoenfeld教授（イスラエル）です。論文はVaccine 誌の査読を経て、副編集長Altmann教授により受理され電子版に掲載されましたが、その後ワクチンメーカーと利益相反のあるPoland編集長によって撤去されました。 撤去は著者たちに連絡なく一方的になされ、PubMedに掲載された撤去理由は、正式に掲載した論文の撤去説明として普通には考え難い攻撃的なもので、「その科学的健全性について深刻な懸念がある」「研究方法に深刻な欠陥があり、論文の主張は正当化できないと確認された」「国際的な査読ジャーナルとして、これ以上閲覧されないようにする義務がある」と記されていました。撤去の1週間後に、強制撤去正当化のためと解される一度掲載した論文に対する3名の無記名講評文書が著者に送られてきました。 撤去された論文は、若い雌マウスにガーダシル、アルミニウム、溶媒（対照）を、マウス20g、ヒト（少女）40kgとして体重当たりで等量を1日おきに3回筋肉内投与し、3か月、6か月の時点で運動機能、認知機能などに及ぼす影響をみるとともに、一部の動物から採取した血液を血清学的に分析、また脳の免疫組織学的検査を行った結果をまとめています。 結果は、強制水泳試験、Y迷路試験、階段装置試験で行動科学的ないし認知異常が観察されました。血清学的分析、脳の免疫染色はガーダシル、アルミニウム投与により海馬CA1領域が神経炎症の害を受けやすいことを示唆していました。またガーダシルを投与したマウスから得た抗HPV L1抗体は、HPV L1抗原のみならず脳の複数の神経組織抗原と免疫交差反応を示すことが示唆されました。これらのことからガーダシルは、そのアルミニウムアジュバントとHPV抗原の媒介で、神経炎症と自己免疫反応を引き起こし、行動変化に至るものと考えるとの内容です。 当日の討論の際、参加されていた浜六郎さんから動物実験の基本的な考え方についてレクチャーいただきました。ロッシュ社の研究者Zbindenが動物実験の基本について Advances in Pharmacology 1963； 2： 1-112にまとめており、そこでは動物毒性試験の目的はヒトでの毒性を予測しヒトを傷害から守ることにあり、限られた動物数でヒトでのまれな害作用を予測するためにも、治療量よりも多くの投与量を用いる重要性が書かれています。また、比較的最近の2005年7月にFDAが公刊した “Guidance for Industry”においても、ヒトと動物の用量の対応について、AUC（血中濃度曲線下面積）での比較が可能でない場合、体重当たりの換算でなく体表面積での換算が適切であり、より多くの投与量が適切であるとし、換算係数を示しています。今回のShoenfeldたちの実験は体重当たりの換算投与量が用いられており、そうした少量でも強制水泳試験、Y迷路試験、階段装置試験で行動科学的ないし認知異常が観察されていることは注目され、さらに多量を用いると今回差が出なかった回転軸試験などでも差がみられるのでないかとのことでした。 血清学的分析、脳の免疫組織染色は、ガーダシル、アルミニウム投与により脳の海馬CA1領域が神経炎症の害を受けやすいことを示唆していましたが、著者たちがこれはHPVワクチンに限られた話でないとし、ワクチンの「マス接種」に警告を発していることも傾聴する必要があるのでないかとも話し合われました。 [訂正]　医問研ニュース489号掲載の、抗がん剤オブジーボの例会報告2ページ右下から4行目を「&#8212;受容体であるPD-1に対するモノクローナル抗体です。がん細胞に発現し、PD-1に結合するリガンド（特定の受容体に特異的に結合する物質）PD-L1とPD-1との結合を阻害することで抗腫瘍効果を期待して開発されています（PD-L1発現がバイオマーカー）。」と訂正、また3ページ左上3-4行目の「PD-1発現」は「PD-L1発現」に謹んで訂正します。 薬剤師　寺岡]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong>Ⅰ．シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第15回<br />
HPVワクチン・ガーダシルの安全性に関連する動物実験論文</strong><span id="more-2957"></span></p>
<p>今回は「臨床薬理論文」ではなく関連文献となるが、渦中にあるHPVワクチン「ガーダシル」の安全性に関し、Vaccine誌電子版に掲載されたが、その後強引に撤去された動物実験論文をとりあげました。論文のCorresponding authorはアジュバントによる自己免疫疾患の研究者Shoenfeld教授（イスラエル）です。論文はVaccine 誌の査読を経て、副編集長Altmann教授により受理され電子版に掲載されましたが、その後ワクチンメーカーと利益相反のあるPoland編集長によって撤去されました。</p>
<p>撤去は著者たちに連絡なく一方的になされ、PubMedに掲載された撤去理由は、正式に掲載した論文の撤去説明として普通には考え難い攻撃的なもので、「その科学的健全性について深刻な懸念がある」「研究方法に深刻な欠陥があり、論文の主張は正当化できないと確認された」「国際的な査読ジャーナルとして、これ以上閲覧されないようにする義務がある」と記されていました。撤去の1週間後に、強制撤去正当化のためと解される一度掲載した論文に対する3名の無記名講評文書が著者に送られてきました。</p>
<p>撤去された論文は、若い雌マウスにガーダシル、アルミニウム、溶媒（対照）を、マウス20g、ヒト（少女）40kgとして体重当たりで等量を1日おきに3回筋肉内投与し、3か月、6か月の時点で運動機能、認知機能などに及ぼす影響をみるとともに、一部の動物から採取した血液を血清学的に分析、また脳の免疫組織学的検査を行った結果をまとめています。</p>
<p>結果は、強制水泳試験、Y迷路試験、階段装置試験で行動科学的ないし認知異常が観察されました。血清学的分析、脳の免疫染色はガーダシル、アルミニウム投与により海馬CA1領域が神経炎症の害を受けやすいことを示唆していました。またガーダシルを投与したマウスから得た抗HPV L1抗体は、HPV L1抗原のみならず脳の複数の神経組織抗原と免疫交差反応を示すことが示唆されました。これらのことからガーダシルは、そのアルミニウムアジュバントとHPV抗原の媒介で、神経炎症と自己免疫反応を引き起こし、行動変化に至るものと考えるとの内容です。</p>
<p>当日の討論の際、参加されていた浜六郎さんから動物実験の基本的な考え方についてレクチャーいただきました。ロッシュ社の研究者Zbindenが動物実験の基本について Advances in Pharmacology 1963； 2： 1-112にまとめており、そこでは動物毒性試験の目的はヒトでの毒性を予測しヒトを傷害から守ることにあり、限られた動物数でヒトでのまれな害作用を予測するためにも、治療量よりも多くの投与量を用いる重要性が書かれています。また、比較的最近の2005年7月にFDAが公刊した “Guidance for Industry”においても、ヒトと動物の用量の対応について、AUC（血中濃度曲線下面積）での比較が可能でない場合、体重当たりの換算でなく体表面積での換算が適切であり、より多くの投与量が適切であるとし、換算係数を示しています。今回のShoenfeldたちの実験は体重当たりの換算投与量が用いられており、そうした少量でも強制水泳試験、Y迷路試験、階段装置試験で行動科学的ないし認知異常が観察されていることは注目され、さらに多量を用いると今回差が出なかった回転軸試験などでも差がみられるのでないかとのことでした。<br />
血清学的分析、脳の免疫組織染色は、ガーダシル、アルミニウム投与により脳の海馬CA1領域が神経炎症の害を受けやすいことを示唆していましたが、著者たちがこれはHPVワクチンに限られた話でないとし、ワクチンの「マス接種」に警告を発していることも傾聴する必要があるのでないかとも話し合われました。</p>
<p>[訂正]　医問研ニュース489号掲載の、抗がん剤オブジーボの例会報告2ページ右下から4行目を「&#8212;受容体であるPD-1に対するモノクローナル抗体です。がん細胞に発現し、PD-1に結合するリガンド（特定の受容体に特異的に結合する物質）PD-L1とPD-1との結合を阻害することで抗腫瘍効果を期待して開発されています（PD-L1発現がバイオマーカー）。」と訂正、また3ページ左上3-4行目の「PD-1発現」は「PD-L1発現」に謹んで訂正します。</p>
<p style="text-align: right;">薬剤師　寺岡</p>
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		<title>福島県での甲状腺がんに関する、金谷医師の「大阪保険医雑誌・寄稿」に対する批判的検討（NEWS No.490 p04）</title>
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		<pubDate>Thu, 01 Sep 2016 09:12:04 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[490号2016年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[大阪府保険医協会発行の『大阪保険医雑誌』2016年4月号に「福島・子どもの甲状腺がんに関する一考察 （1）―非専門家から見た疑問と実感」と題する寄稿が掲載されました。著者は大阪・うえに生協診療所の金谷邦夫医師です。 著者は、本年2月15日に発表された県民健康調査「甲状腺検査（本格検査）」実施状況（2015年12月31日現在）を「整理してみました。その結果、『放射線暴露による影響が出始めているのではないか』という結論に至りました。」と述べ、この寄稿の最後も「つまり多発傾向が出始めていると考えられます。」で終えています。「出始めている」という言葉を何故いま発せられたのかな？と、著者の論拠を考えてみました。 「福島で甲状腺がんは多発しているか？」について、著者は「多発を判断する方法は？」として （ア）放射線（I131）被ばくでない「自然発生」率と比較する方法 （イ）「同一地域で時間の経過の中で比較して判断する」方法 （ウ）「同じ時期で、被ばく濃度差のある地域間で比較する」方法を挙げています。 （ア）は「少なくとも放射線暴露でない地域でこの18歳以下全体を対象にした超音波検査による健診結果から導かれる『自然発生率』の基礎となる数はいまのところありません。従ってこの方法は適切ではありません」と判断しています。 （イ）の方法について「チェルノブイリで示されました」「福島の場合はまだこれに該当するデータはありません」「今後三巡目、四巡目と重ねる中で明らかになるものと考えます」と書いています。 しかし、多発を認めることに抵抗する力が存在する限り、自然と「明らかになる」ものではないと思われます。ベラルーシでの1990年以降の甲状腺がん多発が1992年に発表されたにも関わらず、著者の言う「国際社会」すなわち国連放射線影響科学委員会（UNSCEAR）が「原発事故による被ばくと甲状腺がん多発の関係」を認めるに至ったのは2000年でした。 著者は「福島原発事故の影響で多発しているかどうか、『量・反応関係』があるかどうかを判断する方法として」、（ウ）を採用しています。 2015年8月31日発表の甲状腺検査（先行検査）結果【確定版】より著者は、発見された甲状腺がん患者数（疑いも含む）の一次検査受診者数に対する率を算出して、「100万人当たり会津地域で326人、中通り地域で370人、避難指示地域＋浜通り地域で394人と、若干の差はあるものの全県で大きな差はないようです」と述べます。 次に、この先行検査結果と本年2月発表の二巡目で発見されたがん患者の合計数から、「この5年間あまりで会津地域は100万人あたり356人、中通り地域では552人、避難指示地域では718人という甲状腺がんの発生数（注）になっています」という結果を得て、この数値を基に「福島県の避難指示地域の甲状腺がんは会津地方の2倍に達して」いるので放射線物質曝露の「『量・反応関係』を示しています」「被ばくが甲状腺がん発生に影響を与え始めているように見えます」との結論を導きだしています。（注：正しくは発見数です。） 以上のように捉え得る著者の結論への道筋には、私も「非専門家」ですが、異論を呈さざるを得ません。 私が最も驚いたのは、会津地方の発見数を根拠に、「過去の福島県を含め日本での甲状腺がんの18歳以下の自然発生は、多分2桁から300人前後という数字の中におさまるものと考えられます」と表明されたことでした。すなわち、先行検査での発見数を「日本での甲状腺がんの18歳以下の自然発生」数と考えられるとしています。一巡目の検査結果を福島県のベースラインと評価する国や県と変わりのない立場を取っておられることでした。著者の言う「超音波検査による健診結果から導かれる『自然発生率』の基礎となる数」が見つからないため、このように判断されたのかもしれません。 しかしチェルノブイリでは、I123に被ばくしていない子ども（I123が消失した後の妊娠で出生）や低汚染地域の子ども約7万人を超音波検査して、甲状腺がんは1人しか見つかっていません。18歳以下の子どもでは、甲状腺がんは「被ばくしていなければ、ほとんど見つからない」と言えます。このデータに言及することなく、被ばくの明らかな福島での発見率を日本の「ベースライン」としています。 著者は、先行検査での「全県で大きな差はないようです」を根拠にして、本格検査で初めて地域差が明らかになったとして「放射線暴露による影響、多発傾向が出始めている」と述べています。 しかし、3年度に亘って施行された先行検査に関しては、各年度の「被ばくから発見までの期間」を考慮に入れて年間発見率を算定すると地域差は明らかになっていました。また同年度調査の地域間の比較でも、地域差が認められていました。 医療機関を受診して診断された甲状腺がんの全国的な発生（罹患）率と比べて、福島の検診での発見率（ガンで有る状態が発見された率=有病割合）が、どの程度多いかを明らかにする方法が疫学の教科書には載っています。その方法は、津田敏秀氏と山本英二氏共著の「多発と因果関係」（科学2013年5月号）のなかでK.J.RothmanのEpidemiology；An Introduction （日本語版：「ロスマンの疫学 科学的思考への誘い」）から引用して説明されている有病割合（有病率）≒発生率×平均有病期間です。すでに一巡目の先行検査で甲状腺がん多発を明らかにすることが可能であったのに、何故この方法を除外されたのかは判りません。 また手術率は「発症し手術を受けた率」で、全国的な甲状腺がん発生（罹患）率と比較できますが、著者は、先行検査以降明らかになっている福島県での甲状腺がんの年間手術実施率の増加には言及していません。 著者は続いて、同誌5月号に「考察（2）」を寄稿されています。その結論部分でも0歳から18歳までの甲状腺がんの自然発生率を100万人当たり約300人までとして、「先行検査結果＝日本の自然発生率」を容認し、「放射性ヨウ素被曝による『上乗せ』効果が出始め、『量・反応関係』が出始めているようです。」と述べています。ここで私が思い出したのは、文科省による航空機モニタリングのセシウム134、137堆積マップです。プルトニウム、ストロンチウムの土壌沈着も確認されています。「放射線管理区域」以上の汚染環境での生活を強いられていることを忘れておられるのでは？と感じます。 以上、本格検査で「多発傾向が出始めている」とする著者の論拠の誤りを提起しましたが、詳しくは、医問研・編著「甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える」第1、2、3章を参照して頂きたく思います。 政府は6月14日、居住制限区域の避難指示を初めて解除し、避難者への住宅援助は2017年3月で打ち切る予定です。被ばくを強要する政策への反対運動を強めなければと、つくづく思います。 小児科医　伊集院]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>大阪府保険医協会発行の『大阪保険医雑誌』2016年4月号に「福島・子どもの甲状腺がんに関する一考察 （1）―非専門家から見た疑問と実感」と題する寄稿が掲載されました。著者は大阪・うえに生協診療所の金谷邦夫医師です。<span id="more-2960"></span></p>
<p>著者は、本年2月15日に発表された県民健康調査「甲状腺検査（本格検査）」実施状況（2015年12月31日現在）を「整理してみました。その結果、『放射線暴露による影響が出始めているのではないか』という結論に至りました。」と述べ、この寄稿の最後も「つまり多発傾向が出始めていると考えられます。」で終えています。「出始めている」という言葉を何故いま発せられたのかな？と、著者の論拠を考えてみました。<br />
「福島で甲状腺がんは多発しているか？」について、著者は「多発を判断する方法は？」として<br />
（ア）放射線（I131）被ばくでない「自然発生」率と比較する方法<br />
（イ）「同一地域で時間の経過の中で比較して判断する」方法<br />
（ウ）「同じ時期で、被ばく濃度差のある地域間で比較する」方法を挙げています。</p>
<p>（ア）は「少なくとも放射線暴露でない地域でこの18歳以下全体を対象にした超音波検査による健診結果から導かれる『自然発生率』の基礎となる数はいまのところありません。従ってこの方法は適切ではありません」と判断しています。<br />
（イ）の方法について「チェルノブイリで示されました」「福島の場合はまだこれに該当するデータはありません」「今後三巡目、四巡目と重ねる中で明らかになるものと考えます」と書いています。<br />
しかし、多発を認めることに抵抗する力が存在する限り、自然と「明らかになる」ものではないと思われます。ベラルーシでの1990年以降の甲状腺がん多発が1992年に発表されたにも関わらず、著者の言う「国際社会」すなわち国連放射線影響科学委員会（UNSCEAR）が「原発事故による被ばくと甲状腺がん多発の関係」を認めるに至ったのは2000年でした。<br />
著者は「福島原発事故の影響で多発しているかどうか、『量・反応関係』があるかどうかを判断する方法として」、（ウ）を採用しています。<br />
2015年8月31日発表の甲状腺検査（先行検査）結果【確定版】より著者は、発見された甲状腺がん患者数（疑いも含む）の一次検査受診者数に対する率を算出して、「100万人当たり会津地域で326人、中通り地域で370人、避難指示地域＋浜通り地域で394人と、若干の差はあるものの全県で大きな差はないようです」と述べます。<br />
次に、この先行検査結果と本年2月発表の二巡目で発見されたがん患者の合計数から、「この5年間あまりで会津地域は100万人あたり356人、中通り地域では552人、避難指示地域では718人という甲状腺がんの発生数（注）になっています」という結果を得て、この数値を基に「福島県の避難指示地域の甲状腺がんは会津地方の2倍に達して」いるので放射線物質曝露の「『量・反応関係』を示しています」「被ばくが甲状腺がん発生に影響を与え始めているように見えます」との結論を導きだしています。（注：正しくは発見数です。）</p>
<p>以上のように捉え得る著者の結論への道筋には、私も「非専門家」ですが、異論を呈さざるを得ません。<br />
私が最も驚いたのは、会津地方の発見数を根拠に、「過去の福島県を含め日本での甲状腺がんの18歳以下の自然発生は、多分2桁から300人前後という数字の中におさまるものと考えられます」と表明されたことでした。すなわち、先行検査での発見数を「日本での甲状腺がんの18歳以下の自然発生」数と考えられるとしています。一巡目の検査結果を福島県のベースラインと評価する国や県と変わりのない立場を取っておられることでした。著者の言う「超音波検査による健診結果から導かれる『自然発生率』の基礎となる数」が見つからないため、このように判断されたのかもしれません。<br />
しかしチェルノブイリでは、I123に被ばくしていない子ども（I123が消失した後の妊娠で出生）や低汚染地域の子ども約7万人を超音波検査して、甲状腺がんは1人しか見つかっていません。18歳以下の子どもでは、甲状腺がんは「被ばくしていなければ、ほとんど見つからない」と言えます。このデータに言及することなく、被ばくの明らかな福島での発見率を日本の「ベースライン」としています。</p>
<p>著者は、先行検査での「全県で大きな差はないようです」を根拠にして、本格検査で初めて地域差が明らかになったとして「放射線暴露による影響、多発傾向が出始めている」と述べています。<br />
しかし、3年度に亘って施行された先行検査に関しては、各年度の「被ばくから発見までの期間」を考慮に入れて年間発見率を算定すると地域差は明らかになっていました。また同年度調査の地域間の比較でも、地域差が認められていました。</p>
<p>医療機関を受診して診断された甲状腺がんの全国的な発生（罹患）率と比べて、福島の検診での発見率（ガンで有る状態が発見された率=有病割合）が、どの程度多いかを明らかにする方法が疫学の教科書には載っています。その方法は、津田敏秀氏と山本英二氏共著の「多発と因果関係」（科学2013年5月号）のなかでK.J.RothmanのEpidemiology；An Introduction （日本語版：「ロスマンの疫学 科学的思考への誘い」）から引用して説明されている有病割合（有病率）≒発生率×平均有病期間です。すでに一巡目の先行検査で甲状腺がん多発を明らかにすることが可能であったのに、何故この方法を除外されたのかは判りません。<br />
また手術率は「発症し手術を受けた率」で、全国的な甲状腺がん発生（罹患）率と比較できますが、著者は、先行検査以降明らかになっている福島県での甲状腺がんの年間手術実施率の増加には言及していません。</p>
<p>著者は続いて、同誌5月号に「考察（2）」を寄稿されています。その結論部分でも0歳から18歳までの甲状腺がんの自然発生率を100万人当たり約300人までとして、「先行検査結果＝日本の自然発生率」を容認し、「放射性ヨウ素被曝による『上乗せ』効果が出始め、『量・反応関係』が出始めているようです。」と述べています。ここで私が思い出したのは、文科省による航空機モニタリングのセシウム134、137堆積マップです。プルトニウム、ストロンチウムの土壌沈着も確認されています。「放射線管理区域」以上の汚染環境での生活を強いられていることを忘れておられるのでは？と感じます。</p>
<p>以上、本格検査で「多発傾向が出始めている」とする著者の論拠の誤りを提起しましたが、詳しくは、医問研・編著「甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える」第1、2、3章を参照して頂きたく思います。<br />
政府は6月14日、居住制限区域の避難指示を初めて解除し、避難者への住宅援助は2017年3月で打ち切る予定です。被ばくを強要する政策への反対運動を強めなければと、つくづく思います。</p>
<p style="text-align: right;">小児科医　伊集院</p>
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		<title>「第７回避難者こども健康相談会きょうと」開催される（NEWS No.490 p06）</title>
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		<pubDate>Thu, 01 Sep 2016 09:11:46 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[490号2016年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[6月12日に「第7回避難者こども健康相談会きょうと」が京都文教大学の会館を会場に開催されました。 京都に避難されている福島県や東日本からの避難者とご家族の子どもさんが対象です。午前中の相談会には、今回も7家族の相談会への参加がありました。 京都の相談会では、京都の小児科の有志の先生方が、毎回相談に来ていただいています。先生方のご協力で成り立っている相談会であり、ご尽力に感謝です。 さて、毎回昼休みに「ランチョン交流会」と称して昼食をかねて情報交流会をしています。Dr．同士の貴重な情報交流の機会として活用させて頂いています。今回は、避難者の今置かれている現状を考える－として避難者自らの訴えを聞く機会を設けました。 政府は、東京オリンピック開催の2020年を見すえて、避難指示解除や賠償の打ち切り、そして自主避難者の住宅支援を打ち切る方針を進めています。今回は「原発避難者の住いの問題について」と題して、報告をいただきました。原発賠償京都訴訟原告団共同代表で、大飯原発差止訴訟、京都脱原発原告団の福島さんが報告されました。 避難者の住いへの思いは、全ての原発事故避難者に対し、避難者向けの住宅を無償で長期間提供することを求めて活動されています。事故から3年目の2014年の要請書では、1）年1ミリシ－ベルト以上の被ばくの恐れのある地域を支援対象地域とすること、2）国の責任で希望する全員に放射能健診と必要な治療を無償で実施すること、3）支援対象地域からの避難者に対して、期限を切らずに無償で住宅を提供すること、などを求めておられます。国・復興庁、福島県、京都府、京都市などとの交渉も繰り返されています。全国の避難者と手を結び、東京まで出かけ、院内集会や国・復興庁交渉を積み上げられています。 現在の帰還政策は棄民政策であり許せないとの怒りを胸に起ちあがっておられます。避難用住宅の無償提供の打ち切り撤回を求め、全国的なそのタフな活動に頭が下がる思いです。聞かせていただいたDr.一同は、健康相談会が、踏ん張る避難者と家族の思いを支えることが出来ればと強く思った報告でした。 たかまつこどもクリニック　　高松　勇]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>6月12日に「第7回避難者こども健康相談会きょうと」が京都文教大学の会館を会場に開催されました。<span id="more-2962"></span><br />
京都に避難されている福島県や東日本からの避難者とご家族の子どもさんが対象です。午前中の相談会には、今回も7家族の相談会への参加がありました。<br />
京都の相談会では、京都の小児科の有志の先生方が、毎回相談に来ていただいています。先生方のご協力で成り立っている相談会であり、ご尽力に感謝です。<br />
さて、毎回昼休みに「ランチョン交流会」と称して昼食をかねて情報交流会をしています。Dr．同士の貴重な情報交流の機会として活用させて頂いています。今回は、避難者の今置かれている現状を考える－として避難者自らの訴えを聞く機会を設けました。<br />
政府は、東京オリンピック開催の2020年を見すえて、避難指示解除や賠償の打ち切り、そして自主避難者の住宅支援を打ち切る方針を進めています。今回は「原発避難者の住いの問題について」と題して、報告をいただきました。原発賠償京都訴訟原告団共同代表で、大飯原発差止訴訟、京都脱原発原告団の福島さんが報告されました。<br />
避難者の住いへの思いは、全ての原発事故避難者に対し、避難者向けの住宅を無償で長期間提供することを求めて活動されています。事故から3年目の2014年の要請書では、1）年1ミリシ－ベルト以上の被ばくの恐れのある地域を支援対象地域とすること、2）国の責任で希望する全員に放射能健診と必要な治療を無償で実施すること、3）支援対象地域からの避難者に対して、期限を切らずに無償で住宅を提供すること、などを求めておられます。国・復興庁、福島県、京都府、京都市などとの交渉も繰り返されています。全国の避難者と手を結び、東京まで出かけ、院内集会や国・復興庁交渉を積み上げられています。<br />
現在の帰還政策は棄民政策であり許せないとの怒りを胸に起ちあがっておられます。避難用住宅の無償提供の打ち切り撤回を求め、全国的なそのタフな活動に頭が下がる思いです。聞かせていただいたDr.一同は、健康相談会が、踏ん張る避難者と家族の思いを支えることが出来ればと強く思った報告でした。</p>
<p style="text-align: right;">たかまつこどもクリニック　　高松　勇</p>
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		<title>大阪小児科学会 第5回低線量被ばくを考えるセミナー報告（NEWS No.490 p07）</title>
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		<pubDate>Thu, 01 Sep 2016 09:11:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[490号2016年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[今回セミナーの講師に依頼され、テーマを「ドイツKiKK研究に学ぶ」としてお話しました。 KiKK研究は、2007年にドイツ環境省・連邦放射線防護庁により報告され、住居が通常稼働中の原子力発電所に近いほど小児のがん・白血病が明らかに増加することを証明した疫学調査です。事故のないレベル0の原発が排出する微量な放射性物質が原因と考えられ、大事故でレベル7となった日本の現状を理解する上で、知っておかねばならない重要な調査結果です。 研究の結論は、原発5km圏内の5歳未満の子どもは、がん全体で1.61倍、白血病で2.19倍のリスク増加があり、白血病では原発に近いほど高くなるというものです。調査は、がんになったこども（症例）1592人とがんにならなかった子ども（対照）4735人の計6372人の個々人を比較し、ドイツ政府の後ろ盾で行われた大規模なもので、科学的に証明された結論は公式見解となっています。 このリスク値を、日本の子どもたちにシミュレーションしました。全国で原発54基が稼動していた1980年から2010年の間、原発10km圏内で白血病が毎年1人、5km圏内で小児がんが毎年1～2人、5歳未満の子どもたちに発生したことになります。 KiKK研究のリスク値は、ICRPの内部被ばくモデル（シーベルト換算）によるリスク評価の千倍の値であり、疫学的事実が従来の知見とされる科学的根拠のないICRPの申し合わせを根底から覆すものとなっています。その根拠として、電磁波放射線（ガンマ、X線）と荷電粒子線（アルファ、ベータ線）の生体内の作用、エネルギー付与の違いがあげられます。ICRPは泉質係数としてベータ線1、アルファ線20を荷重していますが、生体内の数ミクロン～数ミリの範囲で全エネルギーを付与して消失し、たんぱく質を変性させ（ベータ線）たり、がん細胞を破壊（アルファ線）する強力な作用とに、現実と理論に千倍レベルの違いがあることをKiKK研究は証明したことになります。 通常稼動（レベル0）における原発の明らかなリスクは、レベル7の深刻な放射能の外部放出（空中拡散、土壌沈着、食物連鎖など）の下にある日本の子どもたちの危機的状況を教えています。甲状腺がんの多発、鼻血、出生率の低下など、子どもたちにみられる健康上の異変は「命の線量計」として、従来の固定観念にとらわれず、ありのままの現実を科学的に分析し、起こりうる被害を最小限に抑えることが、将来の世代に対する大人の責任であることを訴えました。 会場には大阪小児科学会会員ほか、物理学の専門家、一般市民の皆さんが多数参加いただきました。 入江]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>今回セミナーの講師に依頼され、テーマを「ドイツKiKK研究に学ぶ」としてお話しました。<span id="more-2965"></span><br />
KiKK研究は、2007年にドイツ環境省・連邦放射線防護庁により報告され、住居が通常稼働中の原子力発電所に近いほど小児のがん・白血病が明らかに増加することを証明した疫学調査です。事故のないレベル0の原発が排出する微量な放射性物質が原因と考えられ、大事故でレベル7となった日本の現状を理解する上で、知っておかねばならない重要な調査結果です。<br />
研究の結論は、原発5km圏内の5歳未満の子どもは、がん全体で1.61倍、白血病で2.19倍のリスク増加があり、白血病では原発に近いほど高くなるというものです。調査は、がんになったこども（症例）1592人とがんにならなかった子ども（対照）4735人の計6372人の個々人を比較し、ドイツ政府の後ろ盾で行われた大規模なもので、科学的に証明された結論は公式見解となっています。</p>

<table id="wp-table-reloaded-id-45-no-1" class="wp-table-reloaded wp-table-reloaded-id-45">
<thead>
	<tr class="row-1 odd">
		<th class="column-1"></th><th class="column-2">オッズ比</th><th class="column-3">下限値</th><th class="column-4">症例数</th>
	</tr>
</thead>
<tbody>
	<tr class="row-2 even">
		<td class="column-1">全小児がん</td><td class="column-2">1.61</td><td class="column-3">1.26</td><td class="column-4">77</td>
	</tr>
	<tr class="row-3 odd">
		<td class="column-1">全白血病</td><td class="column-2">2.19</td><td class="column-3">1.51</td><td class="column-4">37</td>
	</tr>
</tbody>
</table>

<p>このリスク値を、日本の子どもたちにシミュレーションしました。全国で原発54基が稼動していた1980年から2010年の間、原発10km圏内で白血病が毎年1人、5km圏内で小児がんが毎年1～2人、5歳未満の子どもたちに発生したことになります。<br />
KiKK研究のリスク値は、ICRPの内部被ばくモデル（シーベルト換算）によるリスク評価の千倍の値であり、疫学的事実が従来の知見とされる科学的根拠のないICRPの申し合わせを根底から覆すものとなっています。その根拠として、電磁波放射線（ガンマ、X線）と荷電粒子線（アルファ、ベータ線）の生体内の作用、エネルギー付与の違いがあげられます。ICRPは泉質係数としてベータ線1、アルファ線20を荷重していますが、生体内の数ミクロン～数ミリの範囲で全エネルギーを付与して消失し、たんぱく質を変性させ（ベータ線）たり、がん細胞を破壊（アルファ線）する強力な作用とに、現実と理論に千倍レベルの違いがあることをKiKK研究は証明したことになります。</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/490-7graph.jpg"><img class="alignnone size-medium wp-image-2966" title="490-7graph" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/490-7graph-300x158.jpg" alt="" width="300" height="158" /></a></p>
<p>通常稼動（レベル0）における原発の明らかなリスクは、レベル7の深刻な放射能の外部放出（空中拡散、土壌沈着、食物連鎖など）の下にある日本の子どもたちの危機的状況を教えています。甲状腺がんの多発、鼻血、出生率の低下など、子どもたちにみられる健康上の異変は「命の線量計」として、従来の固定観念にとらわれず、ありのままの現実を科学的に分析し、起こりうる被害を最小限に抑えることが、将来の世代に対する大人の責任であることを訴えました。<br />
会場には大阪小児科学会会員ほか、物理学の専門家、一般市民の皆さんが多数参加いただきました。</p>
<p style="text-align: right;">入江</p>
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		<title>くすりのコラム　かかりつけ薬剤師（NEWS No.490 p08）</title>
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		<pubDate>Thu, 01 Sep 2016 09:11:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[くすりのコラム]]></category>
		<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[490号2016年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[かかりつけ薬剤師制度がこの春から始まりました。担当薬剤師は患者さんから24時間電話相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先や勤務表を患者さんに渡すことが算定の要件にあります。つまり、かかりつけ薬剤師制度とは患者と薬剤師個人の結びつきを求めたものなのです。薬剤師としての職責を全うするための良い制度ができたという意見がある一方で、現場の薬剤師たちからは困惑の声が聞かれました。しかし、現場の声に誰もまともに取り合おうとしていません。 「介護労働学入門　ケア・ハラスメントの実態をとおして」八戸大学講師、篠崎良勝著によると介護労働者の4割が利用者から性的嫌がらせを受けたことがあると答えています。薬剤師は介護労働者のように患者の身体に直接触れることが職務ではありませんし社会的立場も恵まれています。しかし患者さんと単独で接する機会が増える薬剤師にとって性的嫌がらせはより身近なものになってきます。文科省は高校生の学外における学修単位として介護ボランティアを認めていますが、このような生身の人間がもつ「性」の問題には無関心です。「性」を公に語ることを忌避する社会状況の中で労働者が遭遇する「性」の問題について議論・研修・対策をせずにプライベートな問題として個人に押し付けたり無視することは間違っています。「患者さんから手を握られた・キスされそうになった・ベットに誘われた・体を触られた・性器を見せられた…こんなことが起きたらどうしますか？」そんな問いかけが必要なのです。 以前勤めていた薬局で車椅子の男性患者にトイレ介助を頼まれたことがありました。当時トイレ介助は技術が必要であること下手な介助は怪我をさせてしまう可能性があることなど知らなかったため、急を要する場面で私はただ混乱していました。すると咄嗟に同僚がでてきて、トイレに案内してすぐ扉を閉めて出てきました。その患者さんは本当は歩けることや、薬局に来てはトイレ介助を頼み服を脱がせ便座に座らせたら今度は性器を触るよう言われると教えてくれました。その時この出来事が女子高生を狙った性犯罪に似ていると思いました。その高校生の運が悪かったから起きたのではなく、学校が「ひとには優しく」と教育しておきながら身を守るために必要な知識を教えていないから起きたのです。 2005年の「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について（通知）」により薬剤師もバイタルサインをとりフィジカルアセスメントを行うことができるようになりました。「性」の問題がなかったとして、薬の整理のため患家訪問時に坐薬挿入を頼まれた場合どうしますか？では、坐薬挿入を目的に自宅を訪問を頼まれたらどうしますか？患者さんには看護師と薬剤師の区別ができない人がたくさんいます。薬剤師の本来の職域を明確にし患者側に理解されなければ、かかりつけ薬剤師制度は双方にとって不幸な制度になるかもしれません。 薬剤師　小林]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/490-8.jpg"><img class="aligncenter size-medium wp-image-2969" title="490-8" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/490-8-300x200.jpg" alt="" width="300" height="200" /></a></p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/490-8.jpg"></a>かかりつけ薬剤師制度がこの春から始まりました。<span id="more-2968"></span>担当薬剤師は患者さんから24時間電話相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先や勤務表を患者さんに渡すことが算定の要件にあります。つまり、かかりつけ薬剤師制度とは患者と薬剤師個人の結びつきを求めたものなのです。薬剤師としての職責を全うするための良い制度ができたという意見がある一方で、現場の薬剤師たちからは困惑の声が聞かれました。しかし、現場の声に誰もまともに取り合おうとしていません。</p>
<p>「介護労働学入門　ケア・ハラスメントの実態をとおして」八戸大学講師、篠崎良勝著によると介護労働者の4割が利用者から性的嫌がらせを受けたことがあると答えています。薬剤師は介護労働者のように患者の身体に直接触れることが職務ではありませんし社会的立場も恵まれています。しかし患者さんと単独で接する機会が増える薬剤師にとって性的嫌がらせはより身近なものになってきます。文科省は高校生の学外における学修単位として介護ボランティアを認めていますが、このような生身の人間がもつ「性」の問題には無関心です。「性」を公に語ることを忌避する社会状況の中で労働者が遭遇する「性」の問題について議論・研修・対策をせずにプライベートな問題として個人に押し付けたり無視することは間違っています。「患者さんから手を握られた・キスされそうになった・ベットに誘われた・体を触られた・性器を見せられた…こんなことが起きたらどうしますか？」そんな問いかけが必要なのです。</p>
<p>以前勤めていた薬局で車椅子の男性患者にトイレ介助を頼まれたことがありました。当時トイレ介助は技術が必要であること下手な介助は怪我をさせてしまう可能性があることなど知らなかったため、急を要する場面で私はただ混乱していました。すると咄嗟に同僚がでてきて、トイレに案内してすぐ扉を閉めて出てきました。その患者さんは本当は歩けることや、薬局に来てはトイレ介助を頼み服を脱がせ便座に座らせたら今度は性器を触るよう言われると教えてくれました。その時この出来事が女子高生を狙った性犯罪に似ていると思いました。その高校生の運が悪かったから起きたのではなく、学校が「ひとには優しく」と教育しておきながら身を守るために必要な知識を教えていないから起きたのです。</p>
<p>2005年の「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について（通知）」により薬剤師もバイタルサインをとりフィジカルアセスメントを行うことができるようになりました。「性」の問題がなかったとして、薬の整理のため患家訪問時に坐薬挿入を頼まれた場合どうしますか？では、坐薬挿入を目的に自宅を訪問を頼まれたらどうしますか？患者さんには看護師と薬剤師の区別ができない人がたくさんいます。薬剤師の本来の職域を明確にし患者側に理解されなければ、かかりつけ薬剤師制度は双方にとって不幸な制度になるかもしれません。</p>
<p>薬剤師　小林</p>
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