<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>医療問題研究会 &#187; 531号2019年11月発行</title>
	<atom:link href="http://ebm-jp.com/tag/531%e5%8f%b72019%e5%b9%b411%e6%9c%88%e7%99%ba%e8%a1%8c/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>http://ebm-jp.com</link>
	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
	<lastBuildDate>Thu, 26 Mar 2026 06:57:20 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
	<generator>http://wordpress.org/?v=3.0.3</generator>
		<item>
		<title>手作り自由集会参加報告　第8回低線量被曝と健康被害を考える集い（NEWS No.531 p01）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p01/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p01/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:27:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4210</guid>
		<description><![CDATA[第78回日本公衆衛生学会が10月25日に高知市で開催されました。昨年の福島県郡山市の学会では､東電福島第1原発事故に関して3つのシンポジウムがあり､リスクの評価や甲状腺がん多発の解釈を巡り､会場との活発な議論があり､学会としての更なる課題が示されましたが今学会には､それを引き継ぐ講演やシンポジウムは一切ありませんでした｡この自由集会は､放射線と健康を考える学会期間中の唯一の企画となりました｡ 集会では､はじめに山本英彦氏（医療問題研究会）から「福島の原発事故後の甲状腺がん検出率と外部被ばく線量率との関係」について､本年9月に英文雑誌Medicineに掲載された論文の紹介として報告されました｡福島県の甲状腺検査が進むに従い､がん多発の地域差が誰の眼にも明らかになる中､福島医大や検討委員会は､それを否定しようと躍起になっています｡この論文は「福島の小児甲状腺がん多発が原発事故により起こった」という科学的証明を与え､そのことを先駆的に示した岡山大学の津田敏秀氏のEpidemiology論文を補完するものである､と解説されました｡ 続いて山内知也氏（神戸大学大学院 海事科学研究科教授）より「宮崎・早野論文と東大・福島医科大の倫理指針違反・研究不正調査から見えてくる住民のこれからの過剰被曝」について講演を受けました｡事故後にフィルムバッチで測定された伊達市民の個人被ばく線量のデータを基に､英科学誌に発表された早野龍五東大名誉教授らの2本の論文の研究不正内容が説明されました｡被験者である伊達市民の同意を得ていない､掲載のグラフに捏造がある､線量評価を4分の1に過小評価した誤魔化しなどについて､これらを見破った高エネルギー加速器研究機構名誉教授黒田真一氏の指摘内容を､専門の放射線計測学をもとに参加者に解りやすく説明していただきました｡ 質疑応答に入るなり参加者からは積極的な発言が続きました｡支援で現地を訪れた保健師さんは､ガラスバッチを付けた子どもたちを見て､モルモットにされていると異様に感じていたが､これらが本人の同意なしになぜ使われたのか､との不信を述べました｡宮城出身の保健師さんからの「伊達市の責任」にされ許せない､との意見には､この調査が原子力行政の高いレベルからの指示があった可能性がある､との意見がありました｡看護大学教員からは､現在は研究不正に対し倫理委員会など厳しい制裁があるのに､こんなことをして何のメリットがあるのか､と疑問が出されました｡これには､除染に効果があるといっていた早野氏が､2015年を境に同じグラフを使い効果はみられないに変わる､いろんな意見があるはずの福島医大から､放射能の影響を否定する論文しか出てこないなど､意図的に真実を隠し科学を冒とくするもので､これらを批判しきることが福島医大の若い研究者を助けることになる､と述べられました｡山梨の若手医師からは､事故後には各地の放射能汚染を伝えていたメディアが､数年してめっきり減ってきているとの疑念には､太平洋の汚染は一回りして戻ってきて瀬戸内海も汚染が進んでいること､台風19号など水害によるダム底に沈殿していた放射性セシウムの動態､除染されていない東京都などの現状が示されました｡最後に長年にわたり日本の公衆衛生に尽力されてきた大先輩の先生から､科学者の誠実さが問われている問題なので参加した､一緒に地道な努力をしていきたい､との感想をいただきました｡ 制約の多い「学会後援の自由集会」と異なり､自由闊達な意見交換ができる､8回も継続している「手作りの自由集会」に､初参加の皆さん方から高い評価をいただきました｡事故後10年を迎える「第9回低線量被曝と健康被害を考える集い」は､来年10月に京都市で開催されます｡ともに創り上げていきましょう｡]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>第78回日本公衆衛生学会が10月25日に高知市で開催されました。<span id="more-4210"></span>昨年の福島県郡山市の学会では､東電福島第1原発事故に関して3つのシンポジウムがあり､リスクの評価や甲状腺がん多発の解釈を巡り､会場との活発な議論があり､学会としての更なる課題が示されましたが今学会には､それを引き継ぐ講演やシンポジウムは一切ありませんでした｡この自由集会は､放射線と健康を考える学会期間中の唯一の企画となりました｡<br />
集会では､はじめに山本英彦氏（医療問題研究会）から「福島の原発事故後の甲状腺がん検出率と外部被ばく線量率との関係」について､本年9月に英文雑誌Medicineに掲載された論文の紹介として報告されました｡福島県の甲状腺検査が進むに従い､がん多発の地域差が誰の眼にも明らかになる中､福島医大や検討委員会は､それを否定しようと躍起になっています｡この論文は「福島の小児甲状腺がん多発が原発事故により起こった」という科学的証明を与え､そのことを先駆的に示した岡山大学の津田敏秀氏のEpidemiology論文を補完するものである､と解説されました｡<br />
続いて山内知也氏（神戸大学大学院 海事科学研究科教授）より「宮崎・早野論文と東大・福島医科大の倫理指針違反・研究不正調査から見えてくる住民のこれからの過剰被曝」について講演を受けました｡事故後にフィルムバッチで測定された伊達市民の個人被ばく線量のデータを基に､英科学誌に発表された早野龍五東大名誉教授らの2本の論文の研究不正内容が説明されました｡被験者である伊達市民の同意を得ていない､掲載のグラフに捏造がある､線量評価を4分の1に過小評価した誤魔化しなどについて､これらを見破った高エネルギー加速器研究機構名誉教授黒田真一氏の指摘内容を､専門の放射線計測学をもとに参加者に解りやすく説明していただきました｡<br />
質疑応答に入るなり参加者からは積極的な発言が続きました｡支援で現地を訪れた保健師さんは､ガラスバッチを付けた子どもたちを見て､モルモットにされていると異様に感じていたが､これらが本人の同意なしになぜ使われたのか､との不信を述べました｡宮城出身の保健師さんからの「伊達市の責任」にされ許せない､との意見には､この調査が原子力行政の高いレベルからの指示があった可能性がある､との意見がありました｡看護大学教員からは､現在は研究不正に対し倫理委員会など厳しい制裁があるのに､こんなことをして何のメリットがあるのか､と疑問が出されました｡これには､除染に効果があるといっていた早野氏が､2015年を境に同じグラフを使い効果はみられないに変わる､いろんな意見があるはずの福島医大から､放射能の影響を否定する論文しか出てこないなど､意図的に真実を隠し科学を冒とくするもので､これらを批判しきることが福島医大の若い研究者を助けることになる､と述べられました｡山梨の若手医師からは､事故後には各地の放射能汚染を伝えていたメディアが､数年してめっきり減ってきているとの疑念には､太平洋の汚染は一回りして戻ってきて瀬戸内海も汚染が進んでいること､台風19号など水害によるダム底に沈殿していた放射性セシウムの動態､除染されていない東京都などの現状が示されました｡最後に長年にわたり日本の公衆衛生に尽力されてきた大先輩の先生から､科学者の誠実さが問われている問題なので参加した､一緒に地道な努力をしていきたい､との感想をいただきました｡</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-01.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-4211" title="531-01" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-01.png" alt="" width="522" height="268" /></a></p>
<p>制約の多い「学会後援の自由集会」と異なり､自由闊達な意見交換ができる､8回も継続している「手作りの自由集会」に､初参加の皆さん方から高い評価をいただきました｡事故後10年を迎える「第9回低線量被曝と健康被害を考える集い」は､来年10月に京都市で開催されます｡ともに創り上げていきましょう｡</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p01/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>臨床薬理研・懇話会10月例会報告（NEWS No.531 p02）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p02/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p02/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:27:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4213</guid>
		<description><![CDATA[臨床薬理研・懇話会10月例会報告 シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第51回 SSRIセルトラリンとうつ病・不安障害症状の治療 今回は､ SSRIセルトラリンが、｢真性｣のうつ病に対してはあまり効果を示さず、不安障害の症状には投与後早期に改善を示したと言う、Lancet Psychiatryの文献を取り上げます。筆者たちは、セルトラリンに代表されるSSRIは世界的に最も多く処方される抗うつ薬でありながら、われわれ医療者はその臨床効果については十分な知識を得ていない、SSRIの薬理作用と臨床効果には見直しが必要と述べています。 またこの臨床試験で報告されているSSRIセルトラリンの有害事象はあまりに少なく、この点でpragmatic RCTと銘打たれているこの臨床試験の問題点も、注意して見ていきます。 Lewis Gほか(ロンドン大学).　The clinical effectiveness of sertraline in primary care and the role of depression severity and duration (PANDA): a pragmatic, double-blind, placebo-controlled randomised trial. Lancet Psychiatry online. Sept19, 2019. (フリーオープンアクセス) なお、セルトラリン(ファイザー)の英国での効能効果は、major depressive episode(DSM-精神疾患の分類と診断の手引、米国精神医学会-の精神障害の「大うつ病性障害」)、パニック障害、強迫性障害、社交不安障害、外傷後ストレス障害(PTSD)です。日本での効能効果は、うつ病、うつ状態、パニック障害/外傷後ストレス障害で、「うつ状態」が入っています。 トライアルは英国の4都市の179プライマリケアクリニックで行われ、日常的にSSRIが処方される患者を対象としました。プライマリーアウトカムはランダム割り付け6週後の患者健康質問票9 (PHQ—9)スコアによるうつ症状です。セカンダリーアウトカムは2、6、12週におけるうつ症状と寛解 (remission)( PHQ—9とBeck...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong>臨床薬理研・懇話会10月例会報告<br />
シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第51回<br />
SSRIセルトラリンとうつ病・不安障害症状の治療<span id="more-4213"></span><br />
</strong></p>
<p>今回は､ SSRIセルトラリンが、｢真性｣のうつ病に対してはあまり効果を示さず、不安障害の症状には投与後早期に改善を示したと言う、Lancet Psychiatryの文献を取り上げます。筆者たちは、セルトラリンに代表されるSSRIは世界的に最も多く処方される抗うつ薬でありながら、われわれ医療者はその臨床効果については十分な知識を得ていない、SSRIの薬理作用と臨床効果には見直しが必要と述べています。</p>
<p>またこの臨床試験で報告されているSSRIセルトラリンの有害事象はあまりに少なく、この点でpragmatic RCTと銘打たれているこの臨床試験の問題点も、注意して見ていきます。</p>
<p>Lewis Gほか(ロンドン大学).　The clinical effectiveness of sertraline in primary care and the role of depression severity and duration (PANDA): a pragmatic, double-blind, placebo-controlled randomised trial. Lancet Psychiatry online. Sept19, 2019. (フリーオープンアクセス)</p>
<p>なお、セルトラリン(ファイザー)の英国での効能効果は、major depressive episode(DSM-精神疾患の分類と診断の手引、米国精神医学会-の精神障害の「大うつ病性障害」)、パニック障害、強迫性障害、社交不安障害、外傷後ストレス障害(PTSD)です。日本での効能効果は、うつ病、うつ状態、パニック障害/外傷後ストレス障害で、「うつ状態」が入っています。</p>
<p>トライアルは英国の4都市の179プライマリケアクリニックで行われ、日常的にSSRIが処方される患者を対象としました。プライマリーアウトカムはランダム割り付け6週後の患者健康質問票9 (PHQ—9)スコアによるうつ症状です。セカンダリーアウトカムは2、6、12週におけるうつ症状と寛解 (remission)( PHQ—9とBeck Depression Inventory-Ⅱ)、全般性不安症状、精神および身体健康関連QOL、自己申告改善でした。2015年1月1日から2017年8月31日までに、655例の患者を326例のセルトラリン、329例のプラセボに割り付けました。プライマリーアウトカム対象は550例 (セルトラリン266例、プラセボ284例)でした。この臨床試験は、英国National Institute for Health Research (NIHR )の資金によるもので、著者たちは製薬企業の資金によらない研究と強調しています。</p>
<p>この論文の結果は、</p>
<p>1)	SSRIはうつ病 (major depressive episode) にほとんど効果がない　(6週では効果がない。12週では弱い効果を示す)<br />
2)	抑うつ症状よりも不安症状に対して早い効果がある　(不安症状、QOL関連の精神症状、自己申告に基づくメンタルヘルスは6週で効果を示す。しかしQOL関連の身体症状は12週でも改善しない)<br />
3)	有害事象は、7個(セルトラリン4、プラセボ3)で、両群で変わらなかった。1個のseriousな有害事象がセルトラリンに関係していた</p>
<p>と要約されます。</p>
<p>著者たちは、「抑うつは通常プライマリケアで管理される。しかしほとんどの抗うつ剤の臨床試験はセカンダリーケア・メンタルヘルスサービスの患者で行われ、受け入れ基準は抑うつ症状の診断と重症度に基づいたものである。現在抗うつ剤は過去のレギュラトリートライアルよりも広い範囲の患者に用いられる。われわれはセルトラリンの臨床効果を軽症から重症の範囲にわたるプライマリケアで検討した。また治療反応における重症度と持続の役割を検討した」と述べています。</p>
<p>結果について著者たちは、「セルトラリンはプライマリケアで6週以内にうつ症状を減じなかった。しかし不安、QOL、自己申告メンタルヘルスが観察され、臨床的に重要な所見であった。われわれの所見はSSRI抗うつ剤のこれまで考えられていたよりも広範な患者グループへの処方を支持するものであった。これらの患者にはうつ病　(depression)または全般性不安障害 (generalized anxiety disorder) の診断基準に該当しない軽症 から中等度の症状をもつ患者が含まれていた」としています。</p>
<p>SSRIは有害事象が問題となったパキシル (パロキセチン)と同じなかまの薬剤です。それにもかかわらず、この臨床試験の有害事象が非常に少ないのがまず気になりました。それでこの臨床試験の登録先が「EudraCT2013-003440-22」と明記されていますので見てみました。驚いたことは、scope of the trial (試験の範囲)が「Safety: No, Efficacy: Yes」となっていることです。おそらく研究者たちは、有効性への関心のみで、安全性には関心がないということを示しているのでないかと思われます。しかし、安全性に関心のない医薬品評価の臨床試験があり得るのだろうかと思いました。ロンドン大学の研究者たちによるNIHRが資金を出している臨床試験なので唖然としました。</p>
<p>一方、有効性に関する試験結果は、筆者には比較的妥当な成績のようにも思われました｡　SSRIは｢セロトニン仮説｣という製薬会社の販売戦略のもとで大々的に売り出された経緯があります。しかしこの仮説に該当する症例は一部の症例にとどまるのでないかと考えられ、今回のSSRIの「真性」のうつ病に対する低い有効性は現実を反映した数字とも考えられます。</p>
<p>不安障害に対する早い時期からの有効性も、今後のさらなる研究が必要ですが、あり得ることとも考えます。しかし、不安障害症状にSSRIを用いるのが適当か、安全性問題を含めて慎重な検討が必要と思われます。</p>
<p>著者たちが強調している「SSRIは不安、メンタルな面での生活の質、精神衛生に関する患者の自己評価に対し、臨床的に意味のある効果を示す」、「われわれの所見はSSRI抗うつ剤のこれまで考えられていたよりも広範な患者グループへの処方を支持する」、「SSRIの効能については評価し直す必要がある」といった主張は、SSRIの販路をさらに広げたい製薬企業に都合のよい結果として利用されないかの懸念があります。今後の慎重な検討が望まれます。<br />
全体討論では、「うつ病」と「不安障害」の違いが分かりにくい、質的に違ったものなのだろうかとの疑問・感想が出されました。うつ病患者の約半数が不安障害の症状を示すとの文献もあります。一般人のみならず医師など専門家の間でも、抑うつ障害と不安障害とは並べてセットとしている感じもあります。</p>
<p>どのような抑うつ症状や不安障害症状にはSSRIを用いるのが適当か、あるいは不適当かなど、今後の課題が大きい印象を受けました。例会後、グーグルや医中誌で検索してみましたが、若干これに近いかとも思われた Williams LMの Depress Anxiety 2017; 34(1): 9-24 の neural circuit dysfunction に基づいた分類の試みの文献程度しか容易には見つけられませんでした。</p>
<p>なお、例会当日の参加の方から、うつ病でのセロトニンやSSRIの位置づけ、「うつ」についての新しい考え方などを知るうえで次の書籍が参考になるとのご紹介がありました。</p>
<p>エドワード・ブルモア著、藤井良江訳「「うつ」は炎症で起きる」草思社2019. 1600円+税</p>
<p style="text-align: right;">薬剤師　寺岡章雄</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p02/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>Medicare for Allの実現を!（NEWS No.531 p04）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p04/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p04/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:27:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4217</guid>
		<description><![CDATA[米国では2018年に無保険者が2750万人に達した。被保険者でも高額医療費が破産の原因となっている。民主党の次期米国大統領候補に名乗りを上げているバーニー･サンダース上院議員は4月10日、「Medicare for All(MfA、すべての人への公的医療保険)」という包括的な公的医療保険制度を創設する法案を上院に提出。米国民主主義的社会主義者(DSA)、民主党左派、医療関係者の団体などもMfA導入を求める運動に活発に取り組んでおり、全米で議論の的になっている。 MfAはメディケア、メディケイドなどの医療保険と医療扶助の制度を統合し、すべての米国居住者が加入する単一の公的医療保険制度の創設をめざす。入院治療、外来診療、処方薬、検査などの費用、高齢者ケアと障害者ケアをも保険対象に含む。医療やサービス利用時の自己負担は原則として発生せず、費用のほとんどがMfAから支払われる。民間医療保険にある免責額の制度(保険からの給付がなく被保険者の自己負担となる金額)もない。 サンダースはMfAの主な財源として以下を挙げている。(1)被雇用者は所得の4%を新たに創設される基金に保険税として納める。(2)雇用主は収入の7.5%を基金に納める。(3)連邦所得税の累進性を高めて税収を増やす。(4)相続税の累進性を高めて税収を増やす。 米国には包括的な公的医療保険制度がない。民間企業従業員は、民間保険会社の医療保険に加入しており、総人口の約64%を占める。民間医療保険の55%が加入するのが雇用主提供医療保険。個人向け保険では保険料の約18%を、家族向け保険では保険料の約28%を従業員が負担しなければならない。 民間医療保険の対象外となる人々に対しては、準・公的医療保険制度である高齢者･障害者対象のメディケアと低所得世帯向けの医療扶助制度メディケイドがある。メディケアは連邦政府が運用、メディケイドは州政府が運用する。 2010年にオバマ政権のもとで成立した患者保護および医療負担適正化法（「オバマケア」）は無保険者問題に対応しようとした。これまで、自営業者か中小企業の従業員は、民間保険加入ができない上にメディケアやメディケイドの受給もできなかった。オバマケアは、従業員50人以上の企業に対して民間保険提供を義務づけ、無保険の自営業者等に対しては補助金を支給することで民間保険加入を義務づけた。オバマケアはまた、メディケイドの対象となる世帯の所得を連邦貧困ラインの138%に拡げ、男性が世帯主の低所得家庭にもメディケイドを支給する(それまでは母子家庭のみ)こととした。 しかし、オバマケアは米国の医療保障制度を大きく変えるものではなかった。第1に、オバマケアには補助金支給制限条項があり、無保険者は減ってもなくならない。第2に、オバマケアは高い免責額や窓口自己負担額のせいで、民間保険に加入していても十分な医療サービスを受けられない低保険者問題に対処することができない。米国では5人に1人が、高額なせいで処方箋薬が買えず、4人に1人が高額な自己負担のせいで受診抑制している。オバマケアは民間保険加入を促したが、民間保険では高い免責額や窓口自己負担額を設けた保険プランが減っていない。 民間保険に依存する米国の医療保障制度には多くの問題点がある。 第1に、米国の雇用主と従業員は高額の保険料を納めているが、民間医療保険は保険会社の巨額の利潤(トップ5社の利潤は210億ドル)とも相まって膨大なコストを生んでいる。第2に、メディケアとメディケイドの受給者は｢福祉依存｣のレッテルを貼られる。第3に、民間保険に依存したオバマケアは無保険者や低保険者に対応ができていない。 こうした諸問題をすべて解決できるのが、すべての居住者が加入する単一公的医療保険制度MfAである。また、MfAには免責額も窓口自己負担も存在せず、企業や個人に追加的な保険料負担を強いるわけでもない。MfAは米国の医療制度に｢革命｣的な変化をもたらす。一方、その制度設計は単純で、現在保険会社や雇用者、政府などが支払っている仕組みを単一事業体、連邦政府のみが支払う仕組みに変えるのだが、財政面における持続可能性を備えている。 MfAの構想は公的保険が機能不全に陥ろうとしている日本の医療保険制度の民主的変革の方向性を考えるうえでも大いに参考になる。 いわくら病院　梅田 主に以下を参考にした。 https://www.healthline.com/health/what-medicare-for-all-would-look-like-in-america http://www.mdsweb.jp/doc/1582/1582_03n.html]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} -->米国では2018年に無保険者が2750万人に達した。<span id="more-4217"></span>被保険者でも高額医療費が破産の原因となっている。民主党の次期米国大統領候補に名乗りを上げているバーニー･サンダース上院議員は4月10日、「Medicare for All(MfA、すべての人への公的医療保険)」という包括的な公的医療保険制度を創設する法案を上院に提出。米国民主主義的社会主義者(DSA)、民主党左派、医療関係者の団体などもMfA導入を求める運動に活発に取り組んでおり、全米で議論の的になっている。</p>
<p>MfAはメディケア、メディケイドなどの医療保険と医療扶助の制度を統合し、すべての米国居住者が加入する単一の公的医療保険制度の創設をめざす。入院治療、外来診療、処方薬、検査などの費用、高齢者ケアと障害者ケアをも保険対象に含む。医療やサービス利用時の自己負担は原則として発生せず、費用のほとんどがMfAから支払われる。民間医療保険にある免責額の制度(保険からの給付がなく被保険者の自己負担となる金額)もない。</p>
<p>サンダースはMfAの主な財源として以下を挙げている。(1)被雇用者は所得の4%を新たに創設される基金に保険税として納める。(2)雇用主は収入の7.5%を基金に納める。(3)連邦所得税の累進性を高めて税収を増やす。(4)相続税の累進性を高めて税収を増やす。</p>
<p>米国には包括的な公的医療保険制度がない。民間企業従業員は、民間保険会社の医療保険に加入しており、総人口の約64%を占める。民間医療保険の55%が加入するのが雇用主提供医療保険。個人向け保険では保険料の約18%を、家族向け保険では保険料の約28%を従業員が負担しなければならない。</p>
<p>民間医療保険の対象外となる人々に対しては、準・公的医療保険制度である高齢者･障害者対象のメディケアと低所得世帯向けの医療扶助制度メディケイドがある。メディケアは連邦政府が運用、メディケイドは州政府が運用する。</p>
<p>2010年にオバマ政権のもとで成立した患者保護および医療負担適正化法（「オバマケア」）は無保険者問題に対応しようとした。これまで、自営業者か中小企業の従業員は、民間保険加入ができない上にメディケアやメディケイドの受給もできなかった。オバマケアは、従業員50人以上の企業に対して民間保険提供を義務づけ、無保険の自営業者等に対しては補助金を支給することで民間保険加入を義務づけた。オバマケアはまた、メディケイドの対象となる世帯の所得を連邦貧困ラインの138%に拡げ、男性が世帯主の低所得家庭にもメディケイドを支給する(それまでは母子家庭のみ)こととした。</p>
<p>しかし、オバマケアは米国の医療保障制度を大きく変えるものではなかった。第1に、オバマケアには補助金支給制限条項があり、無保険者は減ってもなくならない。第2に、オバマケアは高い免責額や窓口自己負担額のせいで、民間保険に加入していても十分な医療サービスを受けられない低保険者問題に対処することができない。米国では5人に1人が、高額なせいで処方箋薬が買えず、4人に1人が高額な自己負担のせいで受診抑制している。オバマケアは民間保険加入を促したが、民間保険では高い免責額や窓口自己負担額を設けた保険プランが減っていない。</p>
<p>民間保険に依存する米国の医療保障制度には多くの問題点がある。</p>
<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} -->第1に、米国の雇用主と従業員は高額の保険料を納めているが、民間医療保険は保険会社の巨額の利潤(トップ5社の利潤は210億ドル)とも相まって膨大なコストを生んでいる。第2に、メディケアとメディケイドの受給者は｢福祉依存｣のレッテルを貼られる。第3に、民間保険に依存したオバマケアは無保険者や低保険者に対応ができていない。</p>
<p>こうした諸問題をすべて解決できるのが、すべての居住者が加入する単一公的医療保険制度MfAである。また、MfAには免責額も窓口自己負担も存在せず、企業や個人に追加的な保険料負担を強いるわけでもない。MfAは米国の医療制度に｢革命｣的な変化をもたらす。一方、その制度設計は単純で、現在保険会社や雇用者、政府などが支払っている仕組みを単一事業体、連邦政府のみが支払う仕組みに変えるのだが、財政面における持続可能性を備えている。</p>
<p>MfAの構想は公的保険が機能不全に陥ろうとしている日本の医療保険制度の民主的変革の方向性を考えるうえでも大いに参考になる。</p>
<p style="text-align: right;">いわくら病院　梅田</p>
<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} p.p2 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica; min-height: 11.0px} -->主に以下を参考にした。</p>
<p><a href="https://www.healthline.com/health/what-medicare-for-all-would-look-like-in-america">https://www.healthline.com/health/what-medicare-for-all-would-look-like-in-america</a></p>
<p><a href="http://www.mdsweb.jp/doc/1582/1582_03n.html">http://www.mdsweb.jp/doc/1582/1582_03n.html</a></p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p04/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>いちどくを この本『なぜ、人は操られ支配されるのか』（NEWS No.531 p05）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p05/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p05/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:26:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[本の紹介]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4220</guid>
		<description><![CDATA[『なぜ、人は操られ支配されるのか』 西田 公昭 著 さくら舎　1500円＋税 2019年9月発行 実は｢支配する/される｣の関係は、国家や政治体制、経済的な支配だけでなく、職場や仲間内、家族間にもある。力関係で下位の者が上位の者の意のままにされて、自分の意見や疑問を言うこともできず、自分で行動を決めることができないとなると｢支配する/される｣の関係になっている。心を操作されるのは、悲しいことや苦しいことがあって心が弱っていたり、不安だったりする時だ。そして心を支配され、操られる危険性は誰にでもある。 人は線引きしたがる。線引きして自分をどこかのグループに入れると｢内｣のグループと｢外｣のグループができる。所属集団があることで自分自身の安心感が得られ、一人ではできないことが集団ではできて強くなれる。｢内集団｣を高く評価し、｢外集団｣を低く評価しようとする心理は｢敵｣をつくるために利用される。線引きの基準は自分と集団だけの正義なのだが、深化すると｢外集団｣を、自分たちの命や財産を脅かす存在に仕立て上げる。行きつくと戦争が勃発する。イラクを｢悪の枢軸｣と呼んで米国が侵略を正当化したのが端的な例だ。 ｢いじめ｣の問題を線引きという視点で見ると、いじめられる相応な理由があるのではなく、単にグループから線を引かれて外側に追いやられたという解釈になる。線引きに絶対的な正しさはなく、集団の力関係は突然変化する。従って道徳教育は無意味である。 人は線引きして内と外を分けたがるが、分けすぎると、分断、対立、不寛容につながる。また分類して楽になると自己の判断の放棄にもつながり、支配されやすくなる。 人間にはもともとなにかを信じたい気持ちが備わっている。本来の意味ではカルトは｢比較的少人数で何かを信じている信者グループ｣を意味するが、カルトは｢こうしたら幸せになれる｣という条件を示す一方で、｢無視したり従わなかったりしたら地獄に堕ちる｣と脅し、不幸をダシに縛る。 騙しのテクニックとして、五感やビリーフ(自分が正しいと信じていること)、あるいはその両方を操作して人の思考を操る。入信して間もない信者が神秘体験して、周囲の先輩信者たちが支持したらビリーフは堅くなる。人間の思考や意思決定は自由意志だけで決めているのではなく｢状況の力｣が働いている。不安をあおるテクニックや権威づけも騙しによく利用される。また人間は自分以外の全員が同じ行動をとっている場に放り込まれると、｢変だ｣と思いながらも周囲と同じ行動をとる傾向がある。集団心理を持続させるために、ターゲットを外部の情報から隔絶して閉鎖空間に入れることもある。 社会全体が不安化につつまれると、その不安に応える、あるいはつけ込むような勢力や思想が登場して人々を支配する。不安定な状況に耐えられないとき、人は絶対的な支配を求めることがある。なにかにすがって楽になりたいと思う。いわゆる全体主義・独裁は意思決定が早く、ある程度効果はあげることから、不安から脱出したい人には魅力的に映る。いまの日本は生きるうえでの道標がない状態なので、政治も含めて詐欺や騙しが横行する。支配されることで楽になる代わりに自由を失う。 本書では支配から自分を守る10の方法が提示されているが、根幹は自分で考える姿勢を放棄しないことだ。迷いや悩みを受容し、曖昧な事態への寛容さを育み、能動的に意思決定する体験を重ねることが回り道であっても騙しや支配に対抗する力となることを教えてくれていると感じた。 いわくら病院　梅田]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-02.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-4181" title="なぜ、人は操られ支配されるのか" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-02.jpg" alt="" width="187" height="300" /></a>『なぜ、人は操られ支配されるのか』<br />
西田 公昭 著<br />
さくら舎　1500円＋税<br />
2019年9月発行<span id="more-4220"></span><br />
実は｢支配する/される｣の関係は、国家や政治体制、経済的な支配だけでなく、職場や仲間内、家族間にもある。力関係で下位の者が上位の者の意のままにされて、自分の意見や疑問を言うこともできず、自分で行動を決めることができないとなると｢支配する/される｣の関係になっている。心を操作されるのは、悲しいことや苦しいことがあって心が弱っていたり、不安だったりする時だ。そして心を支配され、操られる危険性は誰にでもある。<br />
人は線引きしたがる。線引きして自分をどこかのグループに入れると｢内｣のグループと｢外｣のグループができる。所属集団があることで自分自身の安心感が得られ、一人ではできないことが集団ではできて強くなれる。｢内集団｣を高く評価し、｢外集団｣を低く評価しようとする心理は｢敵｣をつくるために利用される。線引きの基準は自分と集団だけの正義なのだが、深化すると｢外集団｣を、自分たちの命や財産を脅かす存在に仕立て上げる。行きつくと戦争が勃発する。イラクを｢悪の枢軸｣と呼んで米国が侵略を正当化したのが端的な例だ。</p>
<p>｢いじめ｣の問題を線引きという視点で見ると、いじめられる相応な理由があるのではなく、単にグループから線を引かれて外側に追いやられたという解釈になる。線引きに絶対的な正しさはなく、集団の力関係は突然変化する。従って道徳教育は無意味である。</p>
<p>人は線引きして内と外を分けたがるが、分けすぎると、分断、対立、不寛容につながる。また分類して楽になると自己の判断の放棄にもつながり、支配されやすくなる。</p>
<p>人間にはもともとなにかを信じたい気持ちが備わっている。本来の意味ではカルトは｢比較的少人数で何かを信じている信者グループ｣を意味するが、カルトは｢こうしたら幸せになれる｣という条件を示す一方で、｢無視したり従わなかったりしたら地獄に堕ちる｣と脅し、不幸をダシに縛る。</p>
<p>騙しのテクニックとして、五感やビリーフ(自分が正しいと信じていること)、あるいはその両方を操作して人の思考を操る。入信して間もない信者が神秘体験して、周囲の先輩信者たちが支持したらビリーフは堅くなる。人間の思考や意思決定は自由意志だけで決めているのではなく｢状況の力｣が働いている。不安をあおるテクニックや権威づけも騙しによく利用される。また人間は自分以外の全員が同じ行動をとっている場に放り込まれると、｢変だ｣と思いながらも周囲と同じ行動をとる傾向がある。集団心理を持続させるために、ターゲットを外部の情報から隔絶して閉鎖空間に入れることもある。</p>
<p>社会全体が不安化につつまれると、その不安に応える、あるいはつけ込むような勢力や思想が登場して人々を支配する。不安定な状況に耐えられないとき、人は絶対的な支配を求めることがある。なにかにすがって楽になりたいと思う。いわゆる全体主義・独裁は意思決定が早く、ある程度効果はあげることから、不安から脱出したい人には魅力的に映る。いまの日本は生きるうえでの道標がない状態なので、政治も含めて詐欺や騙しが横行する。支配されることで楽になる代わりに自由を失う。</p>
<p>本書では支配から自分を守る10の方法が提示されているが、根幹は自分で考える姿勢を放棄しないことだ。迷いや悩みを受容し、曖昧な事態への寛容さを育み、能動的に意思決定する体験を重ねることが回り道であっても騙しや支配に対抗する力となることを教えてくれていると感じた。</p>
<p style="text-align: right;">いわくら病院　梅田</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p05/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>424公的病院再編中止し、無効・危険な薬剤の追放と、医師など医療・介護従事者の充実を!（NEWS No.531 p06）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p06/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p06/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:26:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4224</guid>
		<description><![CDATA[9月、厚労省は突然に全国424の国・公立病院の再編計画を発表しました。各地の医療事情を無視しているため、ほとんどの自治体はこれに対し反対の立場をとっています。 同時に、政府は医師の削減のため、「専門医」枠の縮小を図ろうとしています。大都会に集中している医師を地方に分散するとのこの計画の名目と、主に地方の公的病院を縮小することは相反します。また、介護保険の改悪をすすめ介護施設からの締め出しをはかろうとしていることとも反します。 要は、「医療費」を削減し、軍事費や大企業のために国費を使おうとしているのです。 それでは、日本の医療費はそれほど削減しなければならないのか、OECDのデータから、「先進7カ国」での日本の位置を見てみます。(矢印が日本) &#60;医療費全体:一人当たり米ドルの比較&#62;図1 日本は7か国中5位です。イギリスと違い無駄な医療費を使っていることを考えれば下から2位と言っても過言でありません。 &#60;薬剤費比率:医療費全体の%&#62;図2 日本は18.6%でトップ、イギリス11.9%の1.56倍です。アメリカは相対的には少ないのです。 &#60;医療機器の代表CT/MRI:百万人当&#62;図3 アメリカに続いて2位、イギリスの2.2倍です。 薬剤費と医療機器に多くの医療費が使われているのが、日本の特徴です。 &#60;医師数:国民千人当&#62; 7か国中最低の2.4、ドイツ4.2、イギリス2.9です。 &#60;医学部卒業生数:国民千人当&#62; 今後の医師数が決まる卒業生は、OECD35か国中、下から2番目、35か国平均13.0の約2分の1です。 以上より、日本の多くない医療費は、薬剤や医療機器に浪費され、医師を徹底して少なくしていることが分かります。急性期病院廃止、不要な医薬品・医療機器優遇ではなく、医師の増員、医療・介護従事者の充実が目標となるべきと思われます。 はやし小児科　林]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} p.p2 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica; min-height: 11.0px} -->9月、厚労省は突然に全国424の国・公立病院の再編計画を発表しました。各地の医療事情を無視しているため、ほとんどの自治体はこれに対し反対の立場をとっています。<span id="more-4224"></span></p>
<p>同時に、政府は医師の削減のため、「専門医」枠の縮小を図ろうとしています。大都会に集中している医師を地方に分散するとのこの計画の名目と、主に地方の公的病院を縮小することは相反します。また、介護保険の改悪をすすめ介護施設からの締め出しをはかろうとしていることとも反します。</p>
<p>要は、「医療費」を削減し、軍事費や大企業のために国費を使おうとしているのです。</p>
<p>それでは、日本の医療費はそれほど削減しなければならないのか、OECDのデータから、「先進7カ国」での日本の位置を見てみます。(矢印が日本)</p>
<h3>&lt;医療費全体:一人当たり米ドルの比較&gt;図1</h3>
<p>日本は7か国中5位です。イギリスと違い無駄な医療費を使っていることを考えれば下から2位と言っても過言でありません。</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-03.png"><img class="aligncenter size-large wp-image-4225" title="531-03" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-03-1024x555.png" alt="" width="614" height="333" /></a></p>
<h3>&lt;薬剤費比率:医療費全体の%&gt;図2</h3>
<p>日本は18.6%でトップ、イギリス11.9%の1.56倍です。アメリカは相対的には少ないのです。</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-04.png"><img class="aligncenter size-large wp-image-4227" title="531-04" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-04-1024x614.png" alt="" width="614" height="368" /></a></p>
<h3>&lt;医療機器の代表CT/MRI:百万人当&gt;図3</h3>
<p>アメリカに続いて2位、イギリスの2.2倍です。</p>
<p>薬剤費と医療機器に多くの医療費が使われているのが、日本の特徴です。</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-05.png"><img class="aligncenter size-large wp-image-4228" title="531-05" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-05-1024x711.png" alt="" width="614" height="427" /></a></p>
<h3>&lt;医師数:国民千人当&gt;</h3>
<p>7か国中最低の2.4、ドイツ4.2、イギリス2.9です。</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-06.png"><img class="aligncenter size-large wp-image-4229" title="531-06" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-06-1024x549.png" alt="" width="614" height="329" /></a></p>
<h3>&lt;医学部卒業生数:国民千人当&gt;</h3>
<p>今後の医師数が決まる卒業生は、OECD35か国中、下から2番目、35か国平均13.0の約2分の1です。</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-07.png"><img class="aligncenter size-large wp-image-4230" title="531-07" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/531-07-1024x587.png" alt="" width="614" height="352" /></a></p>
<p>以上より、日本の多くない医療費は、薬剤や医療機器に浪費され、医師を徹底して少なくしていることが分かります。急性期病院廃止、不要な医薬品・医療機器優遇ではなく、医師の増員、医療・介護従事者の充実が目標となるべきと思われます。</p>
<p style="text-align: right;">はやし小児科　林</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p06/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>文献紹介（その1）「なぜこれまで一度も、がん検診による救命が示されていないのか」（NEWS No.531 p07）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p07/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p07/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:26:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4232</guid>
		<description><![CDATA[医問研ニュース 第527号「いちどくを この本」に取り上げた「健康診断は受けてはいけない」(近藤誠 著)のなかに、「欧米では、がん検診を否定する大きな潮流が生まれている」「医学界でも『がん検診は無効』が常態化しました」との記述がありました。しかし日本では、がん検診事業が国家的に推進されています。自分自身は受けるつもりが無くても、知人からがん検診の要否を問われた時、自分の受けない理由を説明できる力量アップの必要性を感じさせられました。 上記の著書には、多くの引用文献が根拠として挙げられていますが、その「典型」としてBMJ（British Medical Journal:イギリス医師会雑誌）2016年1月掲載の論文「なぜこれまで一度も、がん検診による救命が示されていないのか」（日本語訳:近藤氏）が特記されていました。 原題は「Why cancer screening has never been shown to “save lives”—and what we can do about it」です。「がん検診が命を救うという主張は検診目的のがんによる死亡が減る事に基づいている。Vinay Prasad（論文の筆頭著者名）と共著者らは、総死亡率の減少がbenchmark(判断の基準)であるべきと主張する、がん検診の根拠に対してより高度な基準を要求する」と書かれています。がん検診は寿命を延ばさない・当該がん死亡が減少しても他の原因での死亡が増えることを、豊富な根拠文献を基に展開する内容です。 引用された54文献は2010年以降のものが多く、日本からの報告は2004年、神経芽細胞腫検診の停止についての文献のみでした。前著のなかの「じつは日本人は、健康診断やがん検診に関して”井の中の蛙”状態です」を実感した次第です。 第一節「なぜ、がん検診は総死亡数を減少しないのだろうか?」 ミネソタ結腸がん検診(便潜血検査を毎年実施) 30年間の観察では、結腸がん死について、検診参加群の死亡者数は128人/1万人、対照群では192人/1万人。その差は64人/1万人だったが、総死亡数は検診群7111人/1万人、対照群7109人/1万人で、総死亡率には差異はないとの確認あり。(N Engl J Med:New England Journal of Medicineマサチューセッツ内科外科学会発行　2013年掲載) 2006年の文献では、便潜血検査をまとめて分析(meta-analyses)した結果で、検診に伴って結腸がんとは関係のない死亡(off-target death)が僅かだが増加したことの報告あり。 米国で2008年と2011年に公表された、前立腺がんを目的とするPSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検査の調査では、この検査が年間100万件以上の前立腺生検の一因となったが、おびただしい数の偽陽性結果をもたらし、前立腺生検には入院や死亡を含む重篤な有害事象が伴っていると報告されている。 根拠文献を提示して以下の評価がだされています。 *肺がん検診の胸部レントゲン検査と神経芽細胞腫のための尿検査は、診断と検査の有害事象を増加させたが、それぞれのがん死亡を減らさなかった。 *PSA検査は有害事象を増加させたが、総死亡率を変化させることはなかった。前立腺がん死亡の変化については論争されている。 第二節「スクリーニング検査による死亡率改善効果には綿密な調査が必要である」 National...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} p.p2 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica; min-height: 11.0px} -->医問研ニュース 第527号「いちどくを この本」に取り上げた「健康診断は受けてはいけない」(近藤誠 著)のなかに、「欧米では、がん検診を否定する大きな潮流が生まれている」「医学界でも『がん検診は無効』が常態化しました」との記述がありました。<span id="more-4232"></span>しかし日本では、がん検診事業が国家的に推進されています。自分自身は受けるつもりが無くても、知人からがん検診の要否を問われた時、自分の受けない理由を説明できる力量アップの必要性を感じさせられました。</p>
<p>上記の著書には、多くの引用文献が根拠として挙げられていますが、その「典型」としてBMJ（British Medical Journal:イギリス医師会雑誌）2016年1月掲載の論文「なぜこれまで一度も、がん検診による救命が示されていないのか」（日本語訳:近藤氏）が特記されていました。</p>
<p>原題は「Why cancer screening has never been shown to “save lives”—and what we can do about it」です。「がん検診が命を救うという主張は検診目的のがんによる死亡が減る事に基づいている。Vinay Prasad（論文の筆頭著者名）と共著者らは、総死亡率の減少がbenchmark(判断の基準)であるべきと主張する、がん検診の根拠に対してより高度な基準を要求する」と書かれています。がん検診は寿命を延ばさない・当該がん死亡が減少しても他の原因での死亡が増えることを、豊富な根拠文献を基に展開する内容です。</p>
<p>引用された54文献は2010年以降のものが多く、日本からの報告は2004年、神経芽細胞腫検診の停止についての文献のみでした。前著のなかの「じつは日本人は、健康診断やがん検診に関して”井の中の蛙”状態です」を実感した次第です。</p>
<p><strong>第一節「なぜ、がん検診は総死亡数を減少しないのだろうか?」</strong></p>
<p>ミネソタ結腸がん検診(便潜血検査を毎年実施) 30年間の観察では、結腸がん死について、検診参加群の死亡者数は128人/1万人、対照群では192人/1万人。その差は64人/1万人だったが、総死亡数は検診群7111人/1万人、対照群7109人/1万人で、総死亡率には差異はないとの確認あり。(N Engl J Med:New England Journal of Medicineマサチューセッツ内科外科学会発行　2013年掲載)</p>
<p>2006年の文献では、便潜血検査をまとめて分析(meta-analyses)した結果で、検診に伴って結腸がんとは関係のない死亡(off-target death)が僅かだが増加したことの報告あり。</p>
<p>米国で2008年と2011年に公表された、前立腺がんを目的とするPSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検査の調査では、この検査が年間100万件以上の前立腺生検の一因となったが、おびただしい数の偽陽性結果をもたらし、前立腺生検には入院や死亡を含む重篤な有害事象が伴っていると報告されている。</p>
<p>根拠文献を提示して以下の評価がだされています。</p>
<p>*肺がん検診の胸部レントゲン検査と神経芽細胞腫のための尿検査は、診断と検査の有害事象を増加させたが、それぞれのがん死亡を減らさなかった。</p>
<p>*PSA検査は有害事象を増加させたが、総死亡率を変化させることはなかった。前立腺がん死亡の変化については論争されている。</p>
<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} --><strong>第二節「スクリーニング検査による死亡率改善効果には綿密な調査が必要である」</strong></p>
<p>National Lung Cancer Screening Trial (NLST:全国肺がん検診)では、53,454人のヘビースモーカーが無作為に分けられて、低線量CT検査または胸部レントゲン(X-P)検査を受けた。CT群では、X-P群と比較して肺がん死の20%減少と総死亡数の6.7%減少した事が大きく報告された。NLSTは単一のがん検診が救命できることの強力な証拠となっている。(N Engl J Med 2011年掲載) しかし総死亡率の絶対的な減少率は0.46%のみであった。</p>
<p>肺がん検診としての胸部レントゲン検査は標準的なケアではない・・・肺がん死亡率や総死亡率を改善しないことは良く知られている。制限を伴うエビデンス(根拠)ではあるが、胸部レントゲン検査が肺がん死亡率を増やすことさえあり得ることが示されている。X-P群よりも、もっと適切な比較対象は検診をしない群(コントロール群)であろう。2012年に報告された、4104人を対象としたデンマーク肺がん検診では、検診群の死亡率は2.97%、コントロール群は2.05%(P=0.059)であった。(次号に続く)</p>
<p style="text-align: right;">小児科医　伊集院</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p07/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>抗生物質濫用の根本責任は製薬会社、より根本的な制度改革が必要!（NEWS No.531 p08）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p08/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p08/#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 20 Jan 2020 02:26:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[531号2019年11月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4234</guid>
		<description><![CDATA[&#60;35.9%が急性上気道炎に抗菌薬投与&#62; 9月2日の毎日新聞は、協会けんぽの発表で、本来抗菌薬注が不要な「急性上気道炎」の患者に、2017年で抗菌薬使用が全国平均35.9%、多い奈良県で48.9%、少ない福井県でも26.6%使われている、との報道をしています。極めて多くの医師が「急性上気道炎」に抗菌薬が必要という間違った認識を持っている可能性はあります。これは、医者が不勉強だからですが、それだけではありません。制度的に急性上気道炎には抗菌薬の使用が当然なこととなっているのです。 実は、健康保険の料金を請求する際にその患者の病名を「感冒」とする抗菌薬の料金は支払われませんが、「急性上気道炎」としておくと抗菌薬の料金が支払われる制度になっています。したがって、日本の健康保険制度そのものが「急性上気道炎」に抗菌薬を推奨している制度なのです。 注（抗生物質+合成抗菌薬の意味で使用） &#60;抗菌薬濫用の責任は製薬会社にある&#62; このことは、公文書である抗菌薬の「添付文書」に、｢適応症｣として、「咽頭・喉頭炎、扁桃炎」が書かれており、これらの総称である「急性上気道炎」に使用することが、明記されているのです。ということは、抗菌薬濫用の制度を作ってきたのは製薬会社と厚労省だったのです。私が医者になりたてのころ当時「プロパー」、今「MR」の年配の方が「かぜにケフレックスをどうぞ」という挨拶代わりの言葉を思い出します。 &#60;学会や医師も責任は免れない&#62; そしてそれを「学術的に」支えてきたのが各種学会です。日本小児科学会の広報誌でかぜに抗菌薬を推奨する文章を権威筋が書き、私との間で論議になったこともありました。日本小児科学会は、その反省もなにも公表していません。 そして、抗菌薬を使わなければならない病気とそうでない病気を鑑別しなく、なんでも抗菌薬を出しておきたい医師たち（本当に患者のためになると考えているかどうかに関わりなく）が、抗菌薬濫用世界トップの日本医療を創ってきたのです。その結果が、2018年4月号でもお伝えしましたように、肺炎球菌ペニシリン耐性世界ナンバー1、耐性ぶどう球菌MRSAはナンバー5、という情況を作ってしまったのです。それに対して、世界の医学会からの批判があり、WHOなども加わった日本に対する圧力が強まました。そのような中で、厚労省は世界的な医学の流れにある程度沿った対応をせざるを得なくなったことは、2018年3月号の高松勇論文に明らかです。その結果のひとつが以下の「手引き」などの政策です。 &#60;厚労省「手引き」は積極的側面が強い&#62; 2017年6月1日に厚労省が乱用を抑えるためのかなり積極的な「抗微生物薬適正使用の手引き」（以後「手引き」）第1版が出しました。また、小児科で3歳未満の子の感冒や上気道炎、急性副鼻腔炎などに抗菌薬が不要である由を書いた文章を渡して説明すると料金が800円つくようになりました。私自身はその以前と処方内容は変わらないのですが、これを出すようになり、増収とともに、耳鼻科などで不要な抗菌薬を処方されている方に説明するのが楽になりました。 &#60;製薬会社は知らん顔では許されない&#62; この問題の根本的な責任を負っている、製薬会社の対応はどうでしょうか?抗菌薬の添付文章に2017年12月「効能・効果に関連する使用上の注意」に、「咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、厚労省「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切判断される場合に投与すること。」と書くようにはなりましたが、何の責任もとっていません。 &#60;保団連の撤回申し入れは撤回すべき&#62; 全国保団連は2018年2月27日に、先の急性上気道炎などに抗菌薬は不要とした厚労省の「手引き」に対し、その撤回を申し入れました。多くの医者の人気取りに出したのでしょうが、これは反患者、反医学の内容であり、製薬会社と国、そして間違っている医者を擁護する内容です。早急に撤回すべきです。(2018年4月号参照) &#60;科学的使用に向けて一層の闘いが必要&#62; この問題は、単に「手引き」発行・小児科への保険料金増額に終わらせずに、現在と未来の市民のための大きな課題です。学会もより積極的対応をするための努力が必要であり、昨年の日本小児科学会でのシンポジウムだけに終わらないより活発な取り組みが求められています。 【2016年2月号・5月号でいち早くこの問題をしてきしていた小林論文、2018年3月高松論文、2018年8月林論文も御参照ください（医問研ホームページ）。なお、「抗生物質から、広い意味で「抗菌薬」に訂正しました。】 はやし小児科　　林]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} p.p2 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica; min-height: 11.0px} --></p>
<h3>&lt;35.9%が急性上気道炎に抗菌薬投与&gt;</h3>
<p>9月2日の毎日新聞は、協会けんぽの発表で、本来抗菌薬注が不要な「急性上気道炎」の患者に、2017年で抗菌薬使用が全国平均35.9%、多い奈良県で48.9%、少ない福井県でも26.6%使われている、との報道をしています。<span id="more-4234"></span>極めて多くの医師が「急性上気道炎」に抗菌薬が必要という間違った認識を持っている可能性はあります。これは、医者が不勉強だからですが、それだけではありません。制度的に急性上気道炎には抗菌薬の使用が当然なこととなっているのです。</p>
<p>実は、健康保険の料金を請求する際にその患者の病名を「感冒」とする抗菌薬の料金は支払われませんが、「急性上気道炎」としておくと抗菌薬の料金が支払われる制度になっています。したがって、日本の健康保険制度そのものが「急性上気道炎」に抗菌薬を推奨している制度なのです。</p>
<p>注（抗生物質+合成抗菌薬の意味で使用）</p>
<h3>&lt;抗菌薬濫用の責任は製薬会社にある&gt;</h3>
<p>このことは、公文書である抗菌薬の「添付文書」に、｢適応症｣として、「咽頭・喉頭炎、扁桃炎」が書かれており、これらの総称である「急性上気道炎」に使用することが、明記されているのです。ということは、抗菌薬濫用の制度を作ってきたのは製薬会社と厚労省だったのです。私が医者になりたてのころ当時「プロパー」、今「MR」の年配の方が「かぜにケフレックスをどうぞ」という挨拶代わりの言葉を思い出します。</p>
<h3>&lt;学会や医師も責任は免れない&gt;</h3>
<p>そしてそれを「学術的に」支えてきたのが各種学会です。日本小児科学会の広報誌でかぜに抗菌薬を推奨する文章を権威筋が書き、私との間で論議になったこともありました。日本小児科学会は、その反省もなにも公表していません。</p>
<p>そして、抗菌薬を使わなければならない病気とそうでない病気を鑑別しなく、なんでも抗菌薬を出しておきたい医師たち（本当に患者のためになると考えているかどうかに関わりなく）が、抗菌薬濫用世界トップの日本医療を創ってきたのです。その結果が、2018年4月号でもお伝えしましたように、肺炎球菌ペニシリン耐性世界ナンバー1、耐性ぶどう球菌MRSAはナンバー5、という情況を作ってしまったのです。それに対して、世界の医学会からの批判があり、WHOなども加わった日本に対する圧力が強まました。そのような中で、厚労省は世界的な医学の流れにある程度沿った対応をせざるを得なくなったことは、2018年3月号の高松勇論文に明らかです。その結果のひとつが以下の「手引き」などの政策です。</p>
<p><!-- p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica} p.p2 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 9.0px Helvetica; min-height: 11.0px} --></p>
<h3>&lt;厚労省「手引き」は積極的側面が強い&gt;</h3>
<p>2017年6月1日に厚労省が乱用を抑えるためのかなり積極的な「抗微生物薬適正使用の手引き」（以後「手引き」）第1版が出しました。また、小児科で3歳未満の子の感冒や上気道炎、急性副鼻腔炎などに抗菌薬が不要である由を書いた文章を渡して説明すると料金が800円つくようになりました。私自身はその以前と処方内容は変わらないのですが、これを出すようになり、増収とともに、耳鼻科などで不要な抗菌薬を処方されている方に説明するのが楽になりました。</p>
<h3>&lt;製薬会社は知らん顔では許されない&gt;</h3>
<p>この問題の根本的な責任を負っている、製薬会社の対応はどうでしょうか?抗菌薬の添付文章に2017年12月「効能・効果に関連する使用上の注意」に、「咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、厚労省「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切判断される場合に投与すること。」と書くようにはなりましたが、何の責任もとっていません。</p>
<h3>&lt;保団連の撤回申し入れは撤回すべき&gt;</h3>
<p>全国保団連は2018年2月27日に、先の急性上気道炎などに抗菌薬は不要とした厚労省の「手引き」に対し、その撤回を申し入れました。多くの医者の人気取りに出したのでしょうが、これは反患者、反医学の内容であり、製薬会社と国、そして間違っている医者を擁護する内容です。早急に撤回すべきです。(2018年4月号参照)</p>
<h3>&lt;科学的使用に向けて一層の闘いが必要&gt;</h3>
<p>この問題は、単に「手引き」発行・小児科への保険料金増額に終わらせずに、現在と未来の市民のための大きな課題です。学会もより積極的対応をするための努力が必要であり、昨年の日本小児科学会でのシンポジウムだけに終わらないより活発な取り組みが求められています。</p>
<p>【2016年2月号・5月号でいち早くこの問題をしてきしていた小林論文、2018年3月高松論文、2018年8月林論文も御参照ください（医問研ホームページ）。なお、「抗生物質から、広い意味で「抗菌薬」に訂正しました。】</p>
<p style="text-align: right;">はやし小児科　　林</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/01/news-531-2019-11-p08/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
	</channel>
</rss>
