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	<title>医療問題研究会 &#187; 536号2020年4月発行</title>
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	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
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		<title>新型コロナウイルス感染症COVID-19への科学的政策と医療支援政策の実現を!（NEWS No.536 p01）</title>
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		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 08:35:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[536号2020年4月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[東京オリンピックの延期決定後、「感染源不明の患者が急増した」として、4月7日5都府県に、4月16日には全国一律に緊急事態宣言が実施されました。医療も危機的になっています。 日本のVOVID-19検査の少なさが際立っています。オリンピック延期決定の時は、1人の患者を発見するのに24人の検査をしていますが、緊急事態宣言が出た後は、4月10日は同11人に、20日には同8.9人程（東京は3人以下、大阪4人と極端に低い）に減少しています。 このことは、さまざまな検査抑制が続いていることを示しており、「広くテストしないとの日本政府の決定は、COVID-19の有病率を正確に評価することを困難にしている」と駐日アメリカ大使館さえ明言しています。ベトナムは患者数当りで50倍ほど、人口当たり2倍以上（4月11日現）の検査をできるのに、日本がどうしてできないのか不思議です。こうして、緊急事態宣言の効果判定はできないまま、さらに延期が決定されています。 GPSなどスマートフォンの利用に関しては、「制圧」に大成功した韓国などを例に上げ、導入を急ごうとしています。しかし、検査により患者を把握できなければ意味がありません。また、GPS問題は深刻なプライバシー・人権侵害を引き起こすことは必至です。 長引く休校は様々な悪影響を与えています。現在までの疫学調査結果では、子どもからの感染拡大の報告は世界的にもほぼありません。多くは家庭内感染や狭い環境で3密状態で過ごすことから感染しています。学童保育では児童の多くは、通常の学級以上に狭い空間で生活せざるを得ません。政府は早すぎで長い休校の上に、9月新学期方針を打ち出し現場をよけいに混乱させています。 COVID-19「治療薬」として多数の「薬」が治験されています。その中で、「アビガン」は安倍首相が音頭をとり進めており、RCTも開始されています。これが、日本の薬剤認可システムを破壊することの危険性もあります。 病院は医療崩壊に直面しています。日本の病院は、容赦ない合理化で、ぎりぎりまで患者を入院させるよう追い込まれたうえ、10年間で2万1千床が減らされています。さらに、昨年、全公的・公立病院の約3分1,424病院の統廃合が発表されました。なんと中国でCOVID-19の流行が明らかになり、日本に最初の中国からの患者が確認された2日後の1月17日に統廃合の目標を440病院に増やしています。 人口当たりのICU病床はドイツの4分の1,イタリアの6割弱です。医師数はG7最下位、医学部卒業生はOECD35カ国中下から2番目です。 感染症で重要な役割を果たす公衆衛生行政も保健所・保健センター・衛生研究所などが予算も大合理化されてきました。それを最も強硬に実施したのは維新の大阪府・市政です。元大阪府知事・大阪市長が「反省」せざるを得ないほどです。 しかも、今回も医療機関への資金投入は極めて少ないようです。この危機を乗り切るためには、医療専門職の増員を図り、専門職を補助する人員を今すぐ増員すること、感染予防などの医療材料や医療機器の購入など、COVID-19を受け入れるための十分な公的資金の投入が必要です。しかし、これには一時的な資金だけでなく、医療機関の合理化の停止と拡充の補償でその実現を確実なものにされなければなりません。 はやし小児科　林]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>東京オリンピックの延期決定後、「感染源不明の患者が急増した」として、4月7日5都府県に、4月16日には全国一律に緊急事態宣言が実施されました。医療も危機的になっています。<span id="more-4364"></span></p>
<p>日本のVOVID-19検査の少なさが際立っています。オリンピック延期決定の時は、1人の患者を発見するのに24人の検査をしていますが、緊急事態宣言が出た後は、4月10日は同11人に、20日には同8.9人程（東京は3人以下、大阪4人と極端に低い）に減少しています。</p>
<p>このことは、さまざまな検査抑制が続いていることを示しており、「広くテストしないとの日本政府の決定は、COVID-19の有病率を正確に評価することを困難にしている」と駐日アメリカ大使館さえ明言しています。ベトナムは患者数当りで50倍ほど、人口当たり2倍以上（4月11日現）の検査をできるのに、日本がどうしてできないのか不思議です。こうして、緊急事態宣言の効果判定はできないまま、さらに延期が決定されています。</p>
<p>GPSなどスマートフォンの利用に関しては、「制圧」に大成功した韓国などを例に上げ、導入を急ごうとしています。しかし、検査により患者を把握できなければ意味がありません。また、GPS問題は深刻なプライバシー・人権侵害を引き起こすことは必至です。</p>
<p>長引く休校は様々な悪影響を与えています。現在までの疫学調査結果では、子どもからの感染拡大の報告は世界的にもほぼありません。多くは家庭内感染や狭い環境で3密状態で過ごすことから感染しています。学童保育では児童の多くは、通常の学級以上に狭い空間で生活せざるを得ません。政府は早すぎで長い休校の上に、9月新学期方針を打ち出し現場をよけいに混乱させています。</p>
<p>COVID-19「治療薬」として多数の「薬」が治験されています。その中で、「アビガン」は安倍首相が音頭をとり進めており、RCTも開始されています。これが、日本の薬剤認可システムを破壊することの危険性もあります。</p>
<p>病院は医療崩壊に直面しています。日本の病院は、容赦ない合理化で、ぎりぎりまで患者を入院させるよう追い込まれたうえ、10年間で2万1千床が減らされています。さらに、昨年、全公的・公立病院の約3分1,424病院の統廃合が発表されました。なんと中国でCOVID-19の流行が明らかになり、日本に最初の中国からの患者が確認された2日後の1月17日に統廃合の目標を440病院に増やしています。</p>
<p>人口当たりのICU病床はドイツの4分の1,イタリアの6割弱です。医師数はG7最下位、医学部卒業生はOECD35カ国中下から2番目です。</p>
<p>感染症で重要な役割を果たす公衆衛生行政も保健所・保健センター・衛生研究所などが予算も大合理化されてきました。それを最も強硬に実施したのは維新の大阪府・市政です。元大阪府知事・大阪市長が「反省」せざるを得ないほどです。</p>
<p>しかも、今回も医療機関への資金投入は極めて少ないようです。この危機を乗り切るためには、医療専門職の増員を図り、専門職を補助する人員を今すぐ増員すること、感染予防などの医療材料や医療機器の購入など、COVID-19を受け入れるための十分な公的資金の投入が必要です。しかし、これには一時的な資金だけでなく、医療機関の合理化の停止と拡充の補償でその実現を確実なものにされなければなりません。</p>
<p style="text-align: right;">はやし小児科　林</p>
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		<title>臨床薬理研・懇話会3月例会報告（NEWS No.536 p02）</title>
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		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 08:35:02 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[536号2020年4月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[臨床薬理研・懇話会3月例会報告 シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第56回 抗うつ剤サブグループの大うつ病(MDD) への反応性 51回でSSRIセルトラリンが「真性」の大うつ病に対してはあまり効果を示さず、不安障害の症状には投与後早期に改善を示したという Lancet Psychiatry 2019の文献をとりあげました。 JAMA  Psychiatry 電子版2020.2.19 に「抗うつ剤に対する反応の個体差: プラセボ対照ランダム化臨床試験のメタアナリシス」の論文と、関連論評「これは大うつ病に対するここ何十年かのより個別化した治療をめざす研究を経て、われわれが立つところなのか?」が掲載されたのでとりあげました。筆頭著者はカナダ・トロント、依存精神衛生センターのMaslei MM氏、2人目にあげられている共著者は京都大学公衆衛生大学院(SPH)健康増進・行動学の古川壽亮 (としあき) 氏 で、「エビデンス精神医療: EBPの基礎から臨床まで」(2000年)の著作があります。 「大うつ病」 (major depressive disorder; MDD) は、情動 、認知 、身体および行動症状によって特徴づけられる、よくみられる (common) 不均質な (heterogenous) 精神衛生状態 /精神の健康状態(mental health condition) です。なお大うつ病(MDD)は、米国精神医学会が発行し世界標準規格とされるDSM (精神障害の診断と統計マニュアル )診断体系による診断名です。WHOによる ICD (国際疾病分類)-10ではうつ病エピソードと反復性うつ病性障害にほぼ該当します。大うつ病というのは気分変調症を小うつ病として別に分類するための概念と考えられます。ほぼ日本の従来診断でのうつ病ともみられますが、メランコリー親和型性格という特徴的な性格傾向をもつ人にみられる古典的なうつ病を中核に、神経症的要因が主なもの、状況反応性のものを含むと理解されています。内因・心因・状況因などを考慮に入れずに症状と経過によって定義する操作的診断基準であるのがDSM体系で、症状による分類のため、DSM診断は均質性が保証されません。 大うつ病が単一の疾患でないことは多くの臨床家が感じていますが、何十年もの努力にかかわらず、さらにサブグループに明確に分類する試みはうまくいっていません。 抗うつ剤は抑うつ (depression) に対する第一線介入 (the first-line intervention)...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong>臨床薬理研・懇話会3月例会報告<br />
シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第56回<br />
抗うつ剤サブグループの大うつ病(MDD) への反応性</strong><span id="more-4366"></span></p>
<p>51回でSSRIセルトラリンが「真性」の大うつ病に対してはあまり効果を示さず、不安障害の症状には投与後早期に改善を示したという Lancet Psychiatry 2019の文献をとりあげました。</p>
<p>JAMA  Psychiatry 電子版2020.2.19 に「抗うつ剤に対する反応の個体差: プラセボ対照ランダム化臨床試験のメタアナリシス」の論文と、関連論評「これは大うつ病に対するここ何十年かのより個別化した治療をめざす研究を経て、われわれが立つところなのか?」が掲載されたのでとりあげました。筆頭著者はカナダ・トロント、依存精神衛生センターのMaslei MM氏、2人目にあげられている共著者は京都大学公衆衛生大学院(SPH)健康増進・行動学の古川壽亮 (としあき) 氏 で、「エビデンス精神医療: EBPの基礎から臨床まで」(2000年)の著作があります。</p>
<p>「大うつ病」 (major depressive disorder; MDD) は、情動 、認知 、身体および行動症状によって特徴づけられる、よくみられる (common) 不均質な (heterogenous) 精神衛生状態 /精神の健康状態(mental health condition) です。なお大うつ病(MDD)は、米国精神医学会が発行し世界標準規格とされるDSM (精神障害の診断と統計マニュアル )診断体系による診断名です。WHOによる ICD (国際疾病分類)-10ではうつ病エピソードと反復性うつ病性障害にほぼ該当します。大うつ病というのは気分変調症を小うつ病として別に分類するための概念と考えられます。ほぼ日本の従来診断でのうつ病ともみられますが、メランコリー親和型性格という特徴的な性格傾向をもつ人にみられる古典的なうつ病を中核に、神経症的要因が主なもの、状況反応性のものを含むと理解されています。内因・心因・状況因などを考慮に入れずに症状と経過によって定義する操作的診断基準であるのがDSM体系で、症状による分類のため、DSM診断は均質性が保証されません。</p>
<p>大うつ病が単一の疾患でないことは多くの臨床家が感じていますが、何十年もの努力にかかわらず、さらにサブグループに明確に分類する試みはうまくいっていません。</p>
<p>抗うつ剤は抑うつ (depression) に対する第一線介入 (the first-line intervention) ですが、その有効性 (efficacy) にはばらつきがあります。多くの患者は治療で寛解 (remission) を経験しますが、患者の50%以上がほんのわずかの寛解しか経験しなく、悪くなる人もいる実情があります。そしてさまざまな抗うつ剤がどのように症状に効果的に対応するかも明確になっていません。これらはいまなお精神医学が直面する薬物療法の大きな課題ともなっています。</p>
<p>今回の論文の著者たちは、これまで得られている大うつ病を対象としたプラセボ (擬薬) コントロール二重遮蔽ランダム化比較試験を総合分析し、1) 抗うつ剤投与群(全体) とプラセボ群との間に大うつ病でのそれらの反応に変動性/ばらつき (variability) の違いがあるか、平たく言えば抗うつ剤(全体)の効果はあるか、2) あるとして各種抗うつ剤の変動性/ばらつきには違いがあるか、つまり各種抗うつ剤の効き方に違いがあるか、調べました。併せて、変動性/ばらつきが大うつ病の重症度 (severity) と関連するかを評価しました。</p>
<p>用いたデータは大うつ病をもった成人における、既承認抗うつ剤での急性治療についての最近のネットワーク・メタアナリシス (この方法については45回例会報告をご参照ください) からのものです。抗うつ剤とプラセボに対する変動係数　(coefficients of variation) を算出し、抗うつ剤とプラセボとのアウトカムの変動性を比較するために、それらの割合 (ratios) を計算しました。割合は、プラセボよりも抗うつ剤に対する反応がより変動すると予想してランダム効果モデルにとりこみました。なお、メタアナリシスで用いられる重みづけ平均の手法には固定効果モデルとランダム効果モデルの2つがあります。真実の効果が単一であると考えられる場合は固定効果モデルを用い、真実の結果が複数存在すると考えられる場合にはランダム効果モデルが用いられます。各研究が均一であれば、両者の結果はほぼ同じになりますが、不均一の場合には、ランダム効果モデルの信頼区間は広くなる傾向があります。</p>
<p>解析は抑うつ (depression) のベースライン重症度、抗うつ剤クラス (選択的セロトニン再取込み阻害剤SSRI: シタロプラム (citalopram)、エスシタロプラム (escitalopram)、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ビラゾドン; セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害剤SNRI: デスベンラファキシン、ベンラファキシン; ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害剤: ブプロピオン; ノルアドレナリン作動剤 (NAs): アミトリプチリン、レボキセチン; その他の抗うつ剤: アゴメラチン、ミルタザビン、トラゾドン)、で層別化して繰り返されました。</p>
<p>結果は 87の適合したランダム化プラセボコントロール臨床試験 (17540例の参加者 unique participants) において、プラセボに対する反応よりも抗うつ剤に対する反応に、有意に多くの変動性/ばらつきがありました ( 変動割合の係数 coefficients of variation ratio 1.14; 95%信頼区間 1.11-1.17; p&lt;.001)。抑うつ(depression)のベースライン重症度は抗大うつ病に反応する変動性/ばらつきを加減しませんでした (did not moderate) 。SSRIに反応する変動性はノルアドレナリン作動性薬剤に反応する変動性/ばらつきよりも低く ( 変動割合の係数 0.88; 95%信頼区間 0.80-0.97; p=.01)、他の抗うつ剤に反応する変動性/ばらつきはノルアドレナリン作動性薬剤に反応する変動性/ばらつきよりも低い結果でした  ( 変動割合の係数 0.87; 95%信頼区間 0.79-0.97; p=.001)。</p>
<p>このように、主要解析はプラセボと比較して抗うつ剤に対する反応に14%のより多くの変動性/ばらつきがあり、抗うつ剤(全体)が有効なことが示されました。ベースラインの抑うつの重症度は変動性/ばらつきに影響しませんでした。2次解析は、抗うつ剤のクラスは反応の変動性/ばらつきに有意に影響しませんでした。しかし、SSRIはシナプスのノルアドレナリン (synaptic norepinephrine) に影響する薬剤 (NAs, NDRIs, SNRIs) よりも有効性が低いことが示唆され、著者たちはこれらノルアドレナリンに関連する性質の抗うつ剤をグルーピンクして解析を繰り返しました。グルーピングによりこの抗うつ剤クラスの反応変動性(反応のばらつき)は有意に大きくなり、セロトニンのみをターゲットとするSSRIなど他のクラスの抗うつ剤よりもより有効性が高い結果でした。著者たちは、プラセボと比較して抗うつ剤に対する反応における変動性/ばらつきが増加することを確認し、さらにこれまで特異的な抗うつ剤に対する反応に関係する因子を同定する努力が成功していない中で著者たちの所見はこの方面での研究の前進のための励みになると述べています。</p>
<p>併せて掲載された論説は、Maslej たちのメタ解析論文の所見は大うつ病と診断されるひとのなかに臨床的に意味のある不均質性が存在することを示すエビデンスを提供するとともに、将来の個々の患者へのより良い抗うつ剤の選択治療の可能性を開いた意義が大きいと述べています。</p>
<p>日本のガイドラインなどで、SSRIはすでに抗不安剤としても第一選択剤となっているようです。SSRIには攻撃性を高めることが知られてきているなどの問題点があります。抗うつ剤・抗不安剤については、その使用の適正化に関連して、今後も新たな文献に注意して取り上げてゆきたいと考えています。</p>
<p style="text-align: right;">薬剤師　寺岡章雄</p>
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		<title>アビガンの効果はまだなにも証明されていない、入院や死亡数を減らすか全く不明（NEWS No.536 p04）</title>
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		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 08:34:46 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[536号2020年4月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[3月31日に、製造販売元の富士フイルムがアビガンの国内治験を開始、安倍政権はこの効くか効かないさっぱり分からない｢物質｣を200万人分、139億円で備蓄するとのことです。マスコミでは、コロナウイルスで一躍有名になった、岡田晴恵氏やノーベル賞受賞者本庶佑氏などがさかんに売り込んでいます。岡田氏は、元感染研職員でデマの本「新型インフルエンザ恐怖のXデー」を書いた人です。当然、このアビガンも厳しい「批判的評価」が必要です。 １．アビガンとはどんな「物質」 アビガンとは、元々抗インフルエンザ薬として開発されました。抗ウイルス作用の機序がタミフルなどのノイラミニラーゼ阻害とは違い、「ウイルスの複製に関するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている」（添付文書案）そうです。これまでの抗インフルエンザ薬との機序の違い、耐性のなさなどを売り文句に承認を目指しましたが、動物実験で「初期胚の致死及び催奇性が確認され、精液にも移行するために男女共に危険なために、使用すると国が判断した場合のみ使用可能と考えられる。」とされ、実際には使用されませんでした。当初は、200万人分の備蓄が目標とされました。 ここまでは多くのメディアで知られていると思われます。 ２．アビガンはインフルエンザにも無効? アビガンがインフルエンザに対して、効果があったとするデータも出されていますが、「添付文書」の「試案｣には、以下の様な、まるきり効いたとは言えないデータが記載されていたのです。（下表） このように、使用量や対象を色々変えて実験し、その中の効いたとするものを選んで認可された模様です。こんな物がどうして認可されたのか不思議ですが、これを開発した富山化学の親会社富士フイルムの会長は安倍首相の財界お友達として有名な人だったことから「安倍印の国策薬」として承認されたのではないかとの報道があります（週刊文春） ３．アビガンは新型コロナウイルスに効くのか? 知っている限りでは、中国での臨床試験が日本に先駆け実施され、そのうち2つの報告が論文として雑誌に投稿されています。 日本のメディアに載ったのはたぶんそのうちの1つで、これは、「Lopinavir/ritonavir」というHIV（エイズ）の薬との対照試験でランダム化試験ではありません。この論文では、図のように大変効果があるようになっています。 日本のメディアも安倍首相もこれに飛びついたのかも知れません。しかし、この論文は、撤回されています。よほど重大な問題があり、効果がなかった可能性大です。 もう一つの論文は、中国で使われているインフルエンザ｢薬｣Arbidolとのランダム化比較試験です。これは、medRxivに投稿され、レビューされており、論文ドラフトとレビューアーの意見が公開されています。（*） ｢それはまだ評価されていない新しい医療研究を報告しているので、臨床診療を導くために使用されるべきではありません。｣（medRxiv）という段階です。（結果は下表） (注:原著ではRR: ‘Rate Ratio’) この雑誌のレビューアーのコメントでは。主要結果が事前に登録されてなかったこと、ランダム化した患者群の比較をするのではなく、当初決められていなかった患者の一部だけを取り出して比較したことがだめ、とされています。この方法ですと、実験終了後いろいろな群を比較して有意差が出る結果を拾い上げて、効果をでっち上げることも可能です。 次に、ランダム化した方法が詳しく書かれていないため、ランダム化が正確でありません。患者の配分がアビガンに有利になるようにされている可能性が残されます。 また、このRCTはどの患者にどちらの試験「薬」が投与されたのかが、医者にも患者にもわかる方法でした。そのために、例えばCT所見や症状をアビガンにひいきして判定することもできます。アビガン群の患者も「アビガンの方が良く効く」とささやかれ、患者自身も症状が少ないように思えるかも知れません。 この研究が目標にしていた効果の指標（プライマリーアウトカム）は投与7日目の治癒率です。先のような問題点があるにもかかわらず、この目標では両者には統計的有意差がありませんでした。効果を証明できなかったのです。 そこで、著者達は、患者の中の軽症グループに限った「Subgroup analysis」による結果を主な結果として、効果があったかのように報告しているのです。統計的手法にも問題があると指摘されています。 以上のように、どう考えても科学的にアビガンの効果を証明してとは言い難い研究だっとといえます。 なお、以上の治験はアビガンの「物質特許」が切れているため、中国企業が製造・販売しているアビガンのジェネリックを使っています。安倍政権が、気前よくアビガンを諸外国へ「提供」していると報道されていますが、それはアビガンにCOVID-19への効果がある程度証明できれば中国との競争に勝つための事前のサービスを国費で行っているとも考えられます。 ４．日本での臨床試験の質は? 以上の様に、あまり芳しくない中国での治験の状況ですが、2月29日に安倍首相が日本で「観察研究」が行われていると宣伝しました、その後、RCTが採用され、6月末を目途に実施されています。先の、中国の論文を参考にしたのか、対象を「酸素吸入が不要な肺炎」患者だけを対象として、医師はどの薬と使っているか分かる「単目隠し方」を採用しています。 これならば、医師の主観で効果を判定することをプライマリーアウトカムにすれば「効果あり」の判定ができます。安倍政権が開発すると明言していることですから、「効果がなかった」とは治験担当者もよほどのことがないと言えないと思います。「安倍案件」として、効かない・危ないアビガンが認可されてはたまりません。さらに、これを突破口として「早く使わなければならない薬」が次々に早急に認可されることが危惧されます。 最後に、「命を救うために早くアビガンを承認すべき」という本庶氏の意見）はまるきり間違っています。（彼は知っていて言っているのでしょうが。） 現在までの治験では命を救うような結果は期待できません。とはいえ、日本の治験ではそのような結果も出る危険性があります。 （*）最近このように掲載される前のレビュー中の論文が公開されているようです。私も共著者である、福島原発事故後の低出生体重児の率と被曝量の関連を示した論文も現在レビュー中で公開されています。 4月28日　はやし小児科　林]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>3月31日に、製造販売元の富士フイルムがアビガンの国内治験を開始、安倍政権はこの効くか効かないさっぱり分からない｢物質｣を200万人分、139億円で備蓄するとのことです。<span id="more-4368"></span>マスコミでは、コロナウイルスで一躍有名になった、岡田晴恵氏やノーベル賞受賞者本庶佑氏などがさかんに売り込んでいます。岡田氏は、元感染研職員でデマの本「新型インフルエンザ恐怖のXデー」を書いた人です。当然、このアビガンも厳しい「批判的評価」が必要です。</p>
<h6>１．アビガンとはどんな「物質」</h6>
<p>アビガンとは、元々抗インフルエンザ薬として開発されました。抗ウイルス作用の機序がタミフルなどのノイラミニラーゼ阻害とは違い、「ウイルスの複製に関するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている」（添付文書案）そうです。これまでの抗インフルエンザ薬との機序の違い、耐性のなさなどを売り文句に承認を目指しましたが、動物実験で「初期胚の致死及び催奇性が確認され、精液にも移行するために男女共に危険なために、使用すると国が判断した場合のみ使用可能と考えられる。」とされ、実際には使用されませんでした。当初は、200万人分の備蓄が目標とされました。</p>
<p>ここまでは多くのメディアで知られていると思われます。</p>
<h6>２．アビガンはインフルエンザにも無効?</h6>
<p>アビガンがインフルエンザに対して、効果があったとするデータも出されていますが、「添付文書」の「試案｣には、以下の様な、まるきり効いたとは言えないデータが記載されていたのです。（下表）</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-01.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-4369" title="536-4-01" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-01.png" alt="" width="520" height="307" /></a></p>
<p>このように、使用量や対象を色々変えて実験し、その中の効いたとするものを選んで認可された模様です。こんな物がどうして認可されたのか不思議ですが、これを開発した富山化学の親会社富士フイルムの会長は安倍首相の財界お友達として有名な人だったことから「安倍印の国策薬」として承認されたのではないかとの報道があります（週刊文春）</p>
<h6>３．アビガンは新型コロナウイルスに効くのか?</h6>
<p>知っている限りでは、中国での臨床試験が日本に先駆け実施され、そのうち2つの報告が論文として雑誌に投稿されています。</p>
<p>日本のメディアに載ったのはたぶんそのうちの1つで、これは、「Lopinavir/ritonavir」というHIV（エイズ）の薬との対照試験でランダム化試験ではありません。この論文では、図のように大変効果があるようになっています。</p>
<div id="attachment_4370" class="wp-caption aligncenter" style="width: 551px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-02.png"><img class="size-full wp-image-4370" title="536-4-02" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-02.png" alt="" width="541" height="348" /></a><p class="wp-caption-text">上図:Y軸はウイルスの陽性率、X軸は投与後の期間、実線のアビガンの方が早くウイルスが陰性化している。</p></div>
<p style="text-align: center;">
<div id="attachment_4371" class="wp-caption aligncenter" style="width: 570px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-03.png"><img class="size-full wp-image-4371" title="536-4-03" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-03.png" alt="" width="560" height="346" /></a><p class="wp-caption-text">下図:投与14日目のCTでの肺炎改善率:左はウイルスが7日以内に無くなったグループでは、7日以上ウイルスがなくならないグループより多くが良くなっている。変な比較と思いますが。</p></div>
<p style="text-align: center;">
<p>日本のメディアも安倍首相もこれに飛びついたのかも知れません。しかし、この論文は、撤回されています。よほど重大な問題があり、効果がなかった可能性大です。</p>
<p>もう一つの論文は、中国で使われているインフルエンザ｢薬｣Arbidolとのランダム化比較試験です。これは、medRxivに投稿され、レビューされており、論文ドラフトとレビューアーの意見が公開されています。（*）</p>
<p>｢それはまだ評価されていない新しい医療研究を報告しているので、臨床診療を導くために使用されるべきではありません。｣（medRxiv）という段階です。（結果は下表）</p>
<p style="text-align: center;"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-04.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-4372" title="536-4-04" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/536-4-04.png" alt="" width="560" height="256" /></a></p>
<p style="text-align: center;">(注:原著ではRR: ‘Rate Ratio’)</p>
<p>この雑誌のレビューアーのコメントでは。主要結果が事前に登録されてなかったこと、ランダム化した患者群の比較をするのではなく、当初決められていなかった患者の一部だけを取り出して比較したことがだめ、とされています。この方法ですと、実験終了後いろいろな群を比較して有意差が出る結果を拾い上げて、効果をでっち上げることも可能です。</p>
<p>次に、ランダム化した方法が詳しく書かれていないため、ランダム化が正確でありません。患者の配分がアビガンに有利になるようにされている可能性が残されます。</p>
<p>また、このRCTはどの患者にどちらの試験「薬」が投与されたのかが、医者にも患者にもわかる方法でした。そのために、例えばCT所見や症状をアビガンにひいきして判定することもできます。アビガン群の患者も「アビガンの方が良く効く」とささやかれ、患者自身も症状が少ないように思えるかも知れません。</p>
<p>この研究が目標にしていた効果の指標（プライマリーアウトカム）は投与7日目の治癒率です。先のような問題点があるにもかかわらず、この目標では両者には統計的有意差がありませんでした。効果を証明できなかったのです。</p>
<p>そこで、著者達は、患者の中の軽症グループに限った「Subgroup analysis」による結果を主な結果として、効果があったかのように報告しているのです。統計的手法にも問題があると指摘されています。</p>
<p>以上のように、どう考えても科学的にアビガンの効果を証明してとは言い難い研究だっとといえます。</p>
<p>なお、以上の治験はアビガンの「物質特許」が切れているため、中国企業が製造・販売しているアビガンのジェネリックを使っています。安倍政権が、気前よくアビガンを諸外国へ「提供」していると報道されていますが、それはアビガンにCOVID-19への効果がある程度証明できれば中国との競争に勝つための事前のサービスを国費で行っているとも考えられます。</p>
<h6>４．日本での臨床試験の質は?</h6>
<p>以上の様に、あまり芳しくない中国での治験の状況ですが、2月29日に安倍首相が日本で「観察研究」が行われていると宣伝しました、その後、RCTが採用され、6月末を目途に実施されています。先の、中国の論文を参考にしたのか、対象を「酸素吸入が不要な肺炎」患者だけを対象として、医師はどの薬と使っているか分かる「単目隠し方」を採用しています。</p>
<p>これならば、医師の主観で効果を判定することをプライマリーアウトカムにすれば「効果あり」の判定ができます。安倍政権が開発すると明言していることですから、「効果がなかった」とは治験担当者もよほどのことがないと言えないと思います。「安倍案件」として、効かない・危ないアビガンが認可されてはたまりません。さらに、これを突破口として「早く使わなければならない薬」が次々に早急に認可されることが危惧されます。</p>
<p>最後に、「命を救うために早くアビガンを承認すべき」という本庶氏の意見）はまるきり間違っています。（彼は知っていて言っているのでしょうが。）</p>
<p>現在までの治験では命を救うような結果は期待できません。とはいえ、日本の治験ではそのような結果も出る危険性があります。</p>
<p>（*）最近このように掲載される前のレビュー中の論文が公開されているようです。私も共著者である、福島原発事故後の低出生体重児の率と被曝量の関連を示した論文も現在レビュー中で公開されています。</p>
<p style="text-align: right;">4月28日　はやし小児科　林</p>
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		<title>PCR検査抑制は明らか　必要な検査を行える体制を国に要求しよう（NEWS No.536 p06）</title>
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		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 08:34:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[536号2020年4月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[4月20日、新型コロナウイルス感染症COVID-19の院内感染防止のため、無症状患者の感染の有無を調べる検査に公的医療保険を適用することを求める声明を、全国医学部長病院長会議が出した。同会議は、手術や分娩の前にPCR検査ができる体制の整備が必要として、「各病院で院内感染を防ぐ水際対策が遅れれば、医療崩壊につながる」と強調している。 慶応大学附属病院などで院内感染が相次いでおり、一部の大学病院では、外科手術を受ける患者に対し無症状でも検査しているという。新型コロナウイルス感染者は無症状の場合があるが、何割の人が無症状か正確には分かっていない。COVID-19のPCR検査は｢実施に関しては保健所へ相談すること｣となっているが、なかなか保健所に電話がつながらなかったり断られたりという実態があり、発熱のない咳や3日以下の発熱・咳などの軽症者は検査されていないのが実態だ。 日常診療に携わっている医師は、新たに受診する患者さんのうち誰がCOVID-19感染者か分からないので、初診外来では誰が感染しているかわからないという前提で対策をとらざるを得ない。 世界の中でも日本のCOVID-19の検査数の少なさは異常だ。米国などとは2桁違うし、日本より人口の少ない韓国でも6倍、ドイツで21倍などと比較にもならない。そこから導き出される感染者数も不正確だし、死者数も肺炎などCOVID-19感染の疑いのある患者を全て検査していない以上、全く信用がおけない。 東京五輪を開催するために感染者数を少なくしたかったことが疑われる。安倍や小池は、検査を絞って公表される日本の感染者数を増やさなければ、予定通り7月に東京五輪が開催できると高をくくっていたと思われる。3月24日の東京五輪開催延期の決定で態度を変え、それまで全く増えていなかった検査数も増え出した。 ｢専門家会議｣は3月28日の基本的対処方針では「積極的疫学調査等の蔓延防止策により、各地域において感染経路の不明な患者やクラスターの発生を封じ込めること・・」としていた。クラスター対策であれば、感染者の早期発見と感染者の周辺の追跡をしっかり行うべきなのに、ほとんどしていない。濃厚接触者でも症状がなければ、保健所や保健所内に設置された帰国者･接触者相談センターに個人や医師が検査依頼しても検査されなかった。基本方針を怠ったといえるのだ。しかしCOVID-19は軽症や不顕性感染も多く市中感染が不可避な感染症だ。どんどん検査をして少しでも早く感染者を見つけて隔離や治療をしていかないと感染拡大を防げないということになる。だから韓国やドイツなど日本以外の国は積極的に検査をしている。 また、そもそも検査が出来なかった。日本の感染研究所や防疫所、保健所などの多くは20年以上も前の古い診断機器を使っていたり、検査技師などの人員も削減される一方だったりという状況だ。また1994年の｢地域保健法｣改定前は全国で847カ所あった保健所が2019年には472カ所と半減させられている。大阪では橋下府政の前には府内28カ所あった保健所を14カ所に半減。さらに人手も減らした。大阪市では保健所をたった一つにし、残りを医師がいなくてもいい保健センターに改組した。ほかの政令市でも同様のようだ。 新型コロナの検査を受ける時に個人の意思や医師の判断でもできずに、すべて保健所や「帰国者・接触者相談センター」の許諾が必要という検査抑制の仕組みが問題だ。そもそも予算も人手も数も減らされた中では検査そのものが難しい。保健所などで非正規雇用化が進行し、これも検査などのCOVID-19対策を脆弱にしているだろう。さらに、医療費や病床の削減という流れの中で、全国の｢感染症指定医療機関｣の数も100以上減らされているし、ICUの病床数に限れば、ドイツの6分の1、イタリアの半分などと非常に脆弱だ。 症状があってCOVID-19疑いケースには積極的にPCR検査を行い、必要な治療を含めた感染対策につなげる体制を早急に整備するように国に求める必要がある。 いわくら病院　梅田]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>4月20日、新型コロナウイルス感染症COVID-19の院内感染防止のため、無症状患者の感染の有無を調べる検査に公的医療保険を適用することを求める声明を、全国医学部長病院長会議が出した。<span id="more-4374"></span>同会議は、手術や分娩の前にPCR検査ができる体制の整備が必要として、「各病院で院内感染を防ぐ水際対策が遅れれば、医療崩壊につながる」と強調している。</p>
<p>慶応大学附属病院などで院内感染が相次いでおり、一部の大学病院では、外科手術を受ける患者に対し無症状でも検査しているという。新型コロナウイルス感染者は無症状の場合があるが、何割の人が無症状か正確には分かっていない。COVID-19のPCR検査は｢実施に関しては保健所へ相談すること｣となっているが、なかなか保健所に電話がつながらなかったり断られたりという実態があり、発熱のない咳や3日以下の発熱・咳などの軽症者は検査されていないのが実態だ。</p>
<p>日常診療に携わっている医師は、新たに受診する患者さんのうち誰がCOVID-19感染者か分からないので、初診外来では誰が感染しているかわからないという前提で対策をとらざるを得ない。</p>
<p>世界の中でも日本のCOVID-19の検査数の少なさは異常だ。米国などとは2桁違うし、日本より人口の少ない韓国でも6倍、ドイツで21倍などと比較にもならない。そこから導き出される感染者数も不正確だし、死者数も肺炎などCOVID-19感染の疑いのある患者を全て検査していない以上、全く信用がおけない。</p>
<p>東京五輪を開催するために感染者数を少なくしたかったことが疑われる。安倍や小池は、検査を絞って公表される日本の感染者数を増やさなければ、予定通り7月に東京五輪が開催できると高をくくっていたと思われる。3月24日の東京五輪開催延期の決定で態度を変え、それまで全く増えていなかった検査数も増え出した。</p>
<p>｢専門家会議｣は3月28日の基本的対処方針では「積極的疫学調査等の蔓延防止策により、各地域において感染経路の不明な患者やクラスターの発生を封じ込めること・・」としていた。クラスター対策であれば、感染者の早期発見と感染者の周辺の追跡をしっかり行うべきなのに、ほとんどしていない。濃厚接触者でも症状がなければ、保健所や保健所内に設置された帰国者･接触者相談センターに個人や医師が検査依頼しても検査されなかった。基本方針を怠ったといえるのだ。しかしCOVID-19は軽症や不顕性感染も多く市中感染が不可避な感染症だ。どんどん検査をして少しでも早く感染者を見つけて隔離や治療をしていかないと感染拡大を防げないということになる。だから韓国やドイツなど日本以外の国は積極的に検査をしている。</p>
<p>また、そもそも検査が出来なかった。日本の感染研究所や防疫所、保健所などの多くは20年以上も前の古い診断機器を使っていたり、検査技師などの人員も削減される一方だったりという状況だ。また1994年の｢地域保健法｣改定前は全国で847カ所あった保健所が2019年には472カ所と半減させられている。大阪では橋下府政の前には府内28カ所あった保健所を14カ所に半減。さらに人手も減らした。大阪市では保健所をたった一つにし、残りを医師がいなくてもいい保健センターに改組した。ほかの政令市でも同様のようだ。</p>
<p>新型コロナの検査を受ける時に個人の意思や医師の判断でもできずに、すべて保健所や「帰国者・接触者相談センター」の許諾が必要という検査抑制の仕組みが問題だ。そもそも予算も人手も数も減らされた中では検査そのものが難しい。保健所などで非正規雇用化が進行し、これも検査などのCOVID-19対策を脆弱にしているだろう。さらに、医療費や病床の削減という流れの中で、全国の｢感染症指定医療機関｣の数も100以上減らされているし、ICUの病床数に限れば、ドイツの6分の1、イタリアの半分などと非常に脆弱だ。</p>
<p>症状があってCOVID-19疑いケースには積極的にPCR検査を行い、必要な治療を含めた感染対策につなげる体制を早急に整備するように国に求める必要がある。</p>
<p style="text-align: right;">いわくら病院　梅田</p>
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		<title>日本版CDC創設に反対しよう（NEWS No.536 p07）</title>
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		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 08:34:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[536号2020年4月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[安倍首相は3月3日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症(COVID19)拡大を受けた政府の今後の体制整備について「米国の疾病対策センター（CDC）のような組織も念頭に置きながら、組織を強化していくことは重要な視点だ」と述べた。首相は「感染症の危機管理体制の不断の見直しを進め、対応力を一層高めていきたい」とも語った。 COVID-19への対応において、日本には米国や中国にあるCDCのような司令塔がないために対策が効果的に行なわれていないのではないかという議論が起こっている。『Voice』2020年5月号に掲載された渋谷 健司氏（英キングス・カレッジ・ロンドン教授）の主張を見てみよう。 ｢まず、健康危機対応は国家安全保障であること、そのためには「想定外を想定できる組織」、すなわち、自己完結しインテリジェンスとロジスティックスを兼ね備えた軍隊的組織が必要であること、の二点である。（中略）米国CDCはまさに軍隊的組織形態になっており、幹部は制服を着ている。日本には感染症研究所があるという議論があるが、研究所では国を守ることはできない。感染研スタッフの大半は基礎研究者であり、CDCのように健康危機対応のためのインテリジェンスや感染制御を担当するスタッフはほとんどいない。｣｢日本版CDCが機能するためには、三つの条件がある。まず、自己完結した軍隊的組織であること。次に、ガバナンス的に独立したプロ集団であり、科学が政治に左右されることなく提言ができること。そして、インテリジェンスとロジスティックスにおいて圧倒的なリソースをもつこと、である。この三つを満たす組織は、日本には存在しない。（中略）また、政治と科学の分離も必要であろう。米国CDCは保健福祉省に属しているが、科学的提案のための意思決定は独立している。日本の場合、新型コロナウイルスの専門家会議は官邸につくられており、その機能は不明瞭だ。｣ 感染症対策を含めて健康危機対応は国家安全保障であり、軍隊的組織であるCDCが危機管理のために必要があるという主張であり、CDCの本質をあけすけに語っている。 米国CDCの組織を概観してみよう。年間予算約8000億円､海外の支部も含めた総職員数は約1万4000人｡因みに日本の国立感染症研究所は人員が約300人、予算が約80億円。 CDCは公式には第2次世界大戦中の「国防マラリア対策活動局」などがその起源とされているようだ。その中枢組織が「感染症情報局（EIS）」で、情報機関の機能を持つ。EISは1951年､朝鮮戦争で高まったバイオテロの脅威に備えて医師らを訓練したのが始まりで､いまもバイオテロへの対応を視野に置いている｡毎年約70人が2年間の任期で採用され､訓練を受けつつ活動する｡常時150人規模の態勢になっている｡国際機関や各国政府･研究機関に人材を輩出し､グローバルな人脈と情報網を築いている｡米国は脅威が叫ばれ始めた90年代から新興･再興感染症対策を本格化させ､2001年､同時多発テロ後の炭疽菌事件を機にバイオテロ対策を一段と強化した｡CDCは21世紀の使命の一つに｢国境に到達する前に疾病と戦う｣と掲げ､｢米国の安全保障のために世界中の新たな病原体や疾病に立ち向かう｣としている｡感染症を安全保障上の脅威だと位置づけている｡現場にいち早く入って病原体を入手すればバイオテロ対策などでも世界的に優位に立てる｡他国の医師らから｢米国は現場にはすぐ来て､検体を集めるのには熱心だが､治療はそれほどでもない｣といった批判が出ている。 生物、化学、核兵器防護を任とする陸上自衛隊・化学科隊員を経て、イラク先遣隊長となった佐藤正久参院議員は、｢感染症対策は国家の危機管理であり、国民の命と生活を守る「国防」そのもの｣と主張している。COVID-19対策における自衛隊の出動も増えている。3月28日、河野防衛相が水際対策強化のため、自衛隊に災害派遣命令を出した。海外からの帰国便が相次ぐ成田、羽田両空港に医官や看護官を派遣し、PCR検査を担当、帰国者を滞在施設に送る業務を含め、約120人の隊員が働いた。今回は緊急を要するという口実で自衛隊の自主派遣となっている。集団感染したクルーズ船の対処では延べ5千人の隊員が任務に当たった。4月4日には長崎、宮城両県知事の要請を受け、長崎では感染者を海自のヘリコプターで搬送し、宮城では仙台の自衛隊病院で一部のPCR検査を実施した。今後、患者の搬送はもとより、医薬品や緊急物資の輸送、ホテルのゾーニング(清潔区域と不潔区域の区分け)、消毒作業や生活支援などでの自衛隊の出番をうかがっているようだ。 安倍首相が想定している日本版CDCは感染症に対する危機管理を最大使命として、緊急事態宣言や私権抑制のために機能する恐れがつよい。科学的根拠に基づく感染症対策を提言するような専門家が主導権を持ち、市民が組織を監視しうるような体制をとらなければ、日本版CDC創設は人権上も感染症対策としても危険だと思われる。 いわくら病院　梅田]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>安倍首相は3月3日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症(COVID19)拡大を受けた政府の今後の体制整備について「米国の疾病対策センター（CDC）のような組織も念頭に置きながら、組織を強化していくことは重要な視点だ」と述べた。<span id="more-4376"></span>首相は「感染症の危機管理体制の不断の見直しを進め、対応力を一層高めていきたい」とも語った。</p>
<p>COVID-19への対応において、日本には米国や中国にあるCDCのような司令塔がないために対策が効果的に行なわれていないのではないかという議論が起こっている。『Voice』2020年5月号に掲載された渋谷 健司氏（英キングス・カレッジ・ロンドン教授）の主張を見てみよう。</p>
<p>｢まず、健康危機対応は国家安全保障であること、そのためには「想定外を想定できる組織」、すなわち、自己完結しインテリジェンスとロジスティックスを兼ね備えた軍隊的組織が必要であること、の二点である。（中略）米国CDCはまさに軍隊的組織形態になっており、幹部は制服を着ている。日本には感染症研究所があるという議論があるが、研究所では国を守ることはできない。感染研スタッフの大半は基礎研究者であり、CDCのように健康危機対応のためのインテリジェンスや感染制御を担当するスタッフはほとんどいない。｣｢日本版CDCが機能するためには、三つの条件がある。まず、自己完結した軍隊的組織であること。次に、ガバナンス的に独立したプロ集団であり、科学が政治に左右されることなく提言ができること。そして、インテリジェンスとロジスティックスにおいて圧倒的なリソースをもつこと、である。この三つを満たす組織は、日本には存在しない。（中略）また、政治と科学の分離も必要であろう。米国CDCは保健福祉省に属しているが、科学的提案のための意思決定は独立している。日本の場合、新型コロナウイルスの専門家会議は官邸につくられており、その機能は不明瞭だ。｣</p>
<p>感染症対策を含めて健康危機対応は国家安全保障であり、軍隊的組織であるCDCが危機管理のために必要があるという主張であり、CDCの本質をあけすけに語っている。</p>
<p>米国CDCの組織を概観してみよう。年間予算約8000億円､海外の支部も含めた総職員数は約1万4000人｡因みに日本の国立感染症研究所は人員が約300人、予算が約80億円。</p>
<p>CDCは公式には第2次世界大戦中の「国防マラリア対策活動局」などがその起源とされているようだ。その中枢組織が「感染症情報局（EIS）」で、情報機関の機能を持つ。EISは1951年､朝鮮戦争で高まったバイオテロの脅威に備えて医師らを訓練したのが始まりで､いまもバイオテロへの対応を視野に置いている｡毎年約70人が2年間の任期で採用され､訓練を受けつつ活動する｡常時150人規模の態勢になっている｡国際機関や各国政府･研究機関に人材を輩出し､グローバルな人脈と情報網を築いている｡米国は脅威が叫ばれ始めた90年代から新興･再興感染症対策を本格化させ､2001年､同時多発テロ後の炭疽菌事件を機にバイオテロ対策を一段と強化した｡CDCは21世紀の使命の一つに｢国境に到達する前に疾病と戦う｣と掲げ､｢米国の安全保障のために世界中の新たな病原体や疾病に立ち向かう｣としている｡感染症を安全保障上の脅威だと位置づけている｡現場にいち早く入って病原体を入手すればバイオテロ対策などでも世界的に優位に立てる｡他国の医師らから｢米国は現場にはすぐ来て､検体を集めるのには熱心だが､治療はそれほどでもない｣といった批判が出ている。</p>
<p>生物、化学、核兵器防護を任とする陸上自衛隊・化学科隊員を経て、イラク先遣隊長となった佐藤正久参院議員は、｢感染症対策は国家の危機管理であり、国民の命と生活を守る「国防」そのもの｣と主張している。COVID-19対策における自衛隊の出動も増えている。3月28日、河野防衛相が水際対策強化のため、自衛隊に災害派遣命令を出した。海外からの帰国便が相次ぐ成田、羽田両空港に医官や看護官を派遣し、PCR検査を担当、帰国者を滞在施設に送る業務を含め、約120人の隊員が働いた。今回は緊急を要するという口実で自衛隊の自主派遣となっている。集団感染したクルーズ船の対処では延べ5千人の隊員が任務に当たった。4月4日には長崎、宮城両県知事の要請を受け、長崎では感染者を海自のヘリコプターで搬送し、宮城では仙台の自衛隊病院で一部のPCR検査を実施した。今後、患者の搬送はもとより、医薬品や緊急物資の輸送、ホテルのゾーニング(清潔区域と不潔区域の区分け)、消毒作業や生活支援などでの自衛隊の出番をうかがっているようだ。</p>
<p>安倍首相が想定している日本版CDCは感染症に対する危機管理を最大使命として、緊急事態宣言や私権抑制のために機能する恐れがつよい。科学的根拠に基づく感染症対策を提言するような専門家が主導権を持ち、市民が組織を監視しうるような体制をとらなければ、日本版CDC創設は人権上も感染症対策としても危険だと思われる。</p>
<p style="text-align: right;">いわくら病院　梅田</p>
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		<title>文献紹介（NEWS No.536 p08）</title>
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		<pubDate>Tue, 02 Jun 2020 08:33:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[536号2020年4月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[がん検診を受ける目的は、「がんで死亡するリスクを減らすこと」にあると考えられます。昨年11月以来紹介しています文献(bmj.h6080で検索可能)では、がん検診に関する「大多数の調査では、検診のターゲットになっている当該のがん死亡率が減少しているにもかかわらず、総死亡率(全ての原因による死亡率)は不変、あるいは増加している」と述べています。何故、この様な現象が生じるのでしょうか? その原因として以下の点が挙げられています。第一に、調査研究では僅かな総死亡率の改善を見つけようとする力が削がれているかも知れない。第二に、当該のがん死亡率の減少が、検診に引き続く影響(更なる精密検査や加療など｟筆者の追記｠)による死亡(off-target deaths)により相殺されうる。 「off-target deaths」は、偽陽性結果・有害でないがんの過剰診断・付随的な所見でのがん発覚などをもたらすがん検診で特に起こりえる。 そのようながん検診の例として、PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検査による前立腺がん検診が挙げられています。 PSA検査結果をもとに施行される「前立腺生検には、入院や死亡を含む重篤な有害事象(harms)を伴っている」「その上、前立腺がんの診断を受けた男性はその後、心臓発作を呈したり、自殺したり、或いは、症状を引き起こすことのないがんに対しての治療の合併症のために死亡することなどが生じやすくなっている」ことの根拠として引用された文献の一つを、部分的ですが紹介します。 「Mortality at 120 days after prostatic biopsy:A population-based study of 22,175 men (前立腺生検後120日での死亡率:22,175人の男性を母集団とする調査) がんコントロールを目的とする国際団体が発行する学術雑誌International Journal of Cancer:123(2008年)に公表された論文です。 前立腺がん(Prostate cancer Ca)は、北米・米国で最も一般的な男性の悪性腫瘍の一つで、経直腸的な超音波(trans-rectal ultrasound:TRUS)ガイド下で行われる前立腺生検は、PCaリスクのある患者では基礎的な診断手技です。TRUS生検の実施適応は過去20年間で大幅に拡大しました。直腸指診で異常のない男性が、PSA検査のだんだん低くなる基準値で、ますます多くTRUS生検を受けており、その結果が、より明白な数の合併症でありえるでしょう。 感染性合併症が最も一般的であり、敗血症性ショックや、他の生命を脅かす合併症をもたらす可能性があります。重篤な出血、恥骨の骨髄炎、膿瘍形成、心内膜炎、多剤耐性菌感染、敗血症や敗血症性ショックの実例が報告されています。これらの合併症は稀ですが、それにもかかわらず生検に関連した死亡に帰着する可能性があります。 著者らの知る限りでは、個別の症例報告を除いて、TRUSでの前立腺生検後の死亡率を扱った大規模な分析が以前にはありませんでした。この欠如に対処するために、著者らは人口集団を基礎にした調査研究を実施しました。 「Quebec Health Plan(ケベック保健計画)」はケベック州だけに限られた保険企業であり、そのデータベースにより、「Plan」の対象となる全ての保健サービスを確認でき、その中には前立腺生検が含まれます。 また患者それぞれのCharlson comorbidity index scores (チャールソン併存疾患指数スコア:複数の合併症がある場合、病状の見通しを点数化して表したもの)を明らかにすることもできます。 そのデータベースから、1989年から2000年の間に前立腺生検を受けた男性を特定し、その中から調査可能であった22,175人の男性を対象としています。各人のデータには、生検時の年齢、生検回数、生検後120日間での身体状況、そしてCharlson comorbidity index scoresが含まれています。120日間の終了日以前に前立腺がんの治療を受けた患者はいませんでした。 比較のために、前立腺生検を受けていない65歳から85歳(平均71歳、中央値69歳)の男性1,778人を対照群(コントロール群)としています。コントロール群は1989年から1995年の間に「Health...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>がん検診を受ける目的は、「がんで死亡するリスクを減らすこと」にあると考えられます。<span id="more-4379"></span>昨年11月以来紹介しています文献(bmj.h6080で検索可能)では、がん検診に関する「大多数の調査では、検診のターゲットになっている当該のがん死亡率が減少しているにもかかわらず、総死亡率(全ての原因による死亡率)は不変、あるいは増加している」と述べています。何故、この様な現象が生じるのでしょうか?</p>
<p>その原因として以下の点が挙げられています。第一に、調査研究では僅かな総死亡率の改善を見つけようとする力が削がれているかも知れない。第二に、当該のがん死亡率の減少が、検診に引き続く影響(更なる精密検査や加療など｟筆者の追記｠)による死亡(off-target deaths)により相殺されうる。</p>
<p>「off-target deaths」は、偽陽性結果・有害でないがんの過剰診断・付随的な所見でのがん発覚などをもたらすがん検診で特に起こりえる。</p>
<p>そのようながん検診の例として、PSA(Prostate Specific Antigen:前立腺特異抗原)検査による前立腺がん検診が挙げられています。</p>
<p>PSA検査結果をもとに施行される「前立腺生検には、入院や死亡を含む重篤な有害事象(harms)を伴っている」「その上、前立腺がんの診断を受けた男性はその後、心臓発作を呈したり、自殺したり、或いは、症状を引き起こすことのないがんに対しての治療の合併症のために死亡することなどが生じやすくなっている」ことの根拠として引用された文献の一つを、部分的ですが紹介します。</p>
<p>「Mortality at 120 days after prostatic biopsy:A population-based study of 22,175 men (前立腺生検後120日での死亡率:22,175人の男性を母集団とする調査) がんコントロールを目的とする国際団体が発行する学術雑誌International Journal of Cancer:123(2008年)に公表された論文です。</p>
<p>前立腺がん(Prostate cancer <img src='http://ebm-jp.com/wp-includes/images/smilies/icon_razz.gif' alt=':P' class='wp-smiley' /> Ca)は、北米・米国で最も一般的な男性の悪性腫瘍の一つで、経直腸的な超音波(trans-rectal ultrasound:TRUS)ガイド下で行われる前立腺生検は、PCaリスクのある患者では基礎的な診断手技です。TRUS生検の実施適応は過去20年間で大幅に拡大しました。直腸指診で異常のない男性が、PSA検査のだんだん低くなる基準値で、ますます多くTRUS生検を受けており、その結果が、より明白な数の合併症でありえるでしょう。</p>
<p>感染性合併症が最も一般的であり、敗血症性ショックや、他の生命を脅かす合併症をもたらす可能性があります。重篤な出血、恥骨の骨髄炎、膿瘍形成、心内膜炎、多剤耐性菌感染、敗血症や敗血症性ショックの実例が報告されています。これらの合併症は稀ですが、それにもかかわらず生検に関連した死亡に帰着する可能性があります。</p>
<p>著者らの知る限りでは、個別の症例報告を除いて、TRUSでの前立腺生検後の死亡率を扱った大規模な分析が以前にはありませんでした。この欠如に対処するために、著者らは人口集団を基礎にした調査研究を実施しました。</p>
<p>「Quebec Health Plan(ケベック保健計画)」はケベック州だけに限られた保険企業であり、そのデータベースにより、「Plan」の対象となる全ての保健サービスを確認でき、その中には前立腺生検が含まれます。</p>
<p>また患者それぞれのCharlson comorbidity index scores (チャールソン併存疾患指数スコア:複数の合併症がある場合、病状の見通しを点数化して表したもの)を明らかにすることもできます。</p>
<p>そのデータベースから、1989年から2000年の間に前立腺生検を受けた男性を特定し、その中から調査可能であった22,175人の男性を対象としています。各人のデータには、生検時の年齢、生検回数、生検後120日間での身体状況、そしてCharlson comorbidity index scoresが含まれています。120日間の終了日以前に前立腺がんの治療を受けた患者はいませんでした。</p>
<p>比較のために、前立腺生検を受けていない65歳から85歳(平均71歳、中央値69歳)の男性1,778人を対照群(コントロール群)としています。コントロール群は1989年から1995年の間に「Health Plan」に登録されました。120日間のフォローアップは登録日を起点としています。</p>
<p>120日間で、前立腺生検を受けた22,175人(調査対象群)のうち279人が死亡した結果、総死亡率は1.3%でしたが、コントロール群では1,778人のうち、6人が死亡、総死亡率0.3%(p&lt;0.001)でした。66歳から85歳の5歳毎の層別死亡率は、生検を受けた対象群では0.6~4.4%であったのに対し、コントロール群では0.2~0.8%でした。</p>
<p>この両群の違いは、チャールソン指数による併存症のない男性および85歳以下の男性に限って分析した場合にも認められました。</p>
<p>また生検後120日での死亡リスクは、年齢とチャールソン併存症指数とともに増加していました。</p>
<p style="text-align: right;">伊集院</p>
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