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	<title>医療問題研究会 &#187; 538号2020年6月発行</title>
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	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
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		<title>受ける?/受けない?　予防接種　知っておきたい副作用と救済制度２（NEWS No.538 p06）</title>
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		<pubDate>Sat, 15 Aug 2020 03:01:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[本の紹介]]></category>
		<category><![CDATA[538号2020年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[赤ちゃんが生まれ、成長発育をみながら楽しい子育てが始まろうとする時、お母さん方に突きつけられるのが、赤ちゃんへの予防接種の選択です。 定期接種だけでも13種類で、さらに増えようとしています。一つひとつの意味を考える余裕もなく開始され、その悩みについてよく相談を受けます。すべて受ける/すべて受けない、との主張は、どちらも思考を停止する同じ立場であり、よく調べて選択することをお勧めしています。 そういう方への心強い味方となる本で、「予防接種反対」の本ではありません。予防接種を「受ける側」に立ち、子どもの健康を守る子育ての科学的知識を提供しています。 受ける前に読む「予防接種と子供の健康」のパンフには大事なことが書かれていますが、「勧める側」の立場に偏っており、その読み方を丁寧に説明しています。このパンフでは、自然に感染して獲得する免疫力（抗体）は非常にしっかりして、二度とかからないものであること（自然感染）、また感染しても病気の症状が出ないまま（不顕性）抗体を獲得して病気にならないこと（不顕性感染）、の大事な内容が抜け落ちている点についても触れています。 ワクチンを選ぶ判断としてメリット/デメリットを天秤にかける5つの判断基準が示されています。 どのくらい怖い病気?:毎年どのくらいの人がかかるか?死ぬ確率は?予後は? ワクチンの効果は?:効かない人の割合は?効果の持続は? ワクチン以外の対策の有無:予防法やかかってからの治療法は? 副作用のリスクは?:重い副作用の有無とその頻度は? 重い副作用への救済はあるか? 定期接種の中の日本脳炎予防接種は、2018年度の患者発生はゼロにもかかわらず、その年に接種された子どもに死亡例がみられ、重篤な脳症やけいれんの副作用が多数みられており、天秤にもかけられない危険なものもあります。 対象となる個々のワクチンについて、この5つの判断基準をもとに選択が可能となります。 同時に現行のすべてのワクチンについての評価が載っており参考になります。 しっかり勉強して自分なりに自信をもって選択しても、かかりつけ医や行政の保健師、保育所などで、意に反する「限りなく強制に近い勧奨」に出会います。 その時に、挫折したりケンカにならないための心準備として、「同調圧力対策マニュアル」があり、この本の勘どころといえます。 異なる意見の相手の立場を、まず理解してあげること。受けたくない理由を焦らず、冷静に解りやすく伝える。それでも頑なな人には、最後は法律論を準備しておく。 これらをしっかり身につけることで不愉快な思いを残さずに、親としての選択権を守るための心遣いには救われる思いがします。 また、副作用にあった時の、救済のための手続きも解りやすく解説されています。 子どものことを第一に思い、責任をもって子育てを行っていこうとするご家族には強力な助っ人になり、是非お薦めいたします。 入江診療所　入江 『受ける／受けない 予防接種』（増補改訂版） コンシューマネットジャパンBooks 税込み900円 https://consumernet.jp/?p=6640]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>赤ちゃんが生まれ、成長発育をみながら楽しい子育てが始まろうとする時、お母さん方に突きつけられるのが、赤ちゃんへの予防接種の選択です。<span id="more-4418"></span></p>
<p>定期接種だけでも13種類で、さらに増えようとしています。一つひとつの意味を考える余裕もなく開始され、その悩みについてよく相談を受けます。すべて受ける/すべて受けない、との主張は、どちらも思考を停止する同じ立場であり、よく調べて選択することをお勧めしています。</p>
<p>そういう方への心強い味方となる本で、「予防接種反対」の本ではありません。予防接種を「受ける側」に立ち、子どもの健康を守る子育ての科学的知識を提供しています。</p>
<p>受ける前に読む「予防接種と子供の健康」のパンフには大事なことが書かれていますが、「勧める側」の立場に偏っており、その読み方を丁寧に説明しています。このパンフでは、自然に感染して獲得する免疫力（抗体）は非常にしっかりして、二度とかからないものであること（自然感染）、また感染しても病気の症状が出ないまま（不顕性）抗体を獲得して病気にならないこと（不顕性感染）、の大事な内容が抜け落ちている点についても触れています。</p>
<p>ワクチンを選ぶ判断としてメリット/デメリットを天秤にかける5つの判断基準が示されています。</p>
<ol>
<li>どのくらい怖い病気?:毎年どのくらいの人がかかるか?死ぬ確率は?予後は?</li>
<li>ワクチンの効果は?:効かない人の割合は?効果の持続は?</li>
<li>ワクチン以外の対策の有無:予防法やかかってからの治療法は?</li>
<li>副作用のリスクは?:重い副作用の有無とその頻度は?</li>
<li>重い副作用への救済はあるか?</li>
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<p>定期接種の中の日本脳炎予防接種は、2018年度の患者発生はゼロにもかかわらず、その年に接種された子どもに死亡例がみられ、重篤な脳症やけいれんの副作用が多数みられており、天秤にもかけられない危険なものもあります。</p>
<p>対象となる個々のワクチンについて、この5つの判断基準をもとに選択が可能となります。</p>
<p>同時に現行のすべてのワクチンについての評価が載っており参考になります。</p>
<p>しっかり勉強して自分なりに自信をもって選択しても、かかりつけ医や行政の保健師、保育所などで、意に反する「限りなく強制に近い勧奨」に出会います。</p>
<p>その時に、挫折したりケンカにならないための心準備として、「同調圧力対策マニュアル」があり、この本の勘どころといえます。</p>
<p>異なる意見の相手の立場を、まず理解してあげること。受けたくない理由を焦らず、冷静に解りやすく伝える。それでも頑なな人には、最後は法律論を準備しておく。</p>
<p>これらをしっかり身につけることで不愉快な思いを残さずに、親としての選択権を守るための心遣いには救われる思いがします。</p>
<p>また、副作用にあった時の、救済のための手続きも解りやすく解説されています。</p>
<p>子どものことを第一に思い、責任をもって子育てを行っていこうとするご家族には強力な助っ人になり、是非お薦めいたします。</p>
<p style="text-align: right;">入江診療所　入江</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-7.png"><img class="alignleft size-medium wp-image-4419" title="538-7" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-7-220x300.png" alt="" width="220" height="300" /></a>『受ける／受けない 予防接種』（増補改訂版）<br />
コンシューマネットジャパンBooks<br />
税込み900円<br />
<a href="https://consumernet.jp/?p=6640">https://consumernet.jp/?p=6640</a></p>
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		<title>文献紹介「『生活習慣』と『早期発見』が鍵」（NEWS No.538 p08）</title>
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		<pubDate>Sat, 15 Aug 2020 03:00:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[538号2020年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[先月25日毎日新聞のコラム「Dr.中川の がんのヒミツ」に「『生活習慣』と『早期発見』が鍵」と題する中川恵一・東大准教授の提言が掲載されました。「私はがん治療専門医で、東京大病院で放射線治療や緩和ケアの臨床を35年も行っています」、厚労省や文科省の「公職も務めてきました」との自己紹介のあと、「完全無症状」であった自身の膀胱がん発見の経緯を述べています。 約5年前に、自身の脂肪肝を自分で超音波(エコー)検査にて発見して以来、毎月のエコー検査を続けて昨年12月に膀胱がんの発見に至ります。「早期発見は当面の生活の質の悪化と引き換えに、将来の時間を手にする行為です」「がんにならない生活習慣(大事なのは禁煙、節酒、運動、体形の維持)を心掛けることがまず大事・・(中略)・・運悪くがんになった場合に備えておく必要があります。それが早期発見です。」と述べていました。 一個人の「症例報告」を根拠材料の一つとして取り上げ、一般の新聞読者に「がんの早期発見」、即ち「がん検診」を推奨していることに「そんなこと、していいの?」と感じました。なお、Trisha Greenhalgh著「HOW TO READ A PAPER」(論文の読み方:和訳本『EBMがわかる』)では、臨床実践の証拠(エビデンス)は7段階で評価されており、最上位に「体系的評価(システマティックレビュー)とメタ分析(複数の試験の数値結果を統計学的に統合したデータ)」、最下位は「症例報告」と位置づけています。 この記事のころ、「Does screening for disease save lives in asymptomatic adults? Systematic review of meta-analyses and randomized trials (疾病検診は無症状の成人を救命するのか? メタ分析と無作為化試験の体系的評価)」を読んでいたので、より強く違和感を抱いたのかもしれません。出典はInternational Journal of Epidemiology(国際疫学協会の公用誌) 掲載で、引用文献は110件、著者らはStanford Prevention Research(予防研究) Center所属です。 昨年来取り上げていますBMJ(イギリス医師会雑誌)掲載の「がん検診は命を救うと、なぜ今までに証明されたことがないのか—我々がその状況に関して出来ることは何か」(bmj.h6080で検索可能)の中で述べられていた次の指摘の引用文献です。「がんスクリーニング試験のメタ分析を集めてシステマティックレビューすると、メタ分析10件のうち3件が疾患特異的死亡率の減少を示したが、総死亡率の減少を示したメタ分析はなかった。」 著者らは死亡が一般的な結果である疾患群での死亡率がスクリーニング（検診）によって減少するかどうかに関して、無作為化比較試験(RCT)によるエビデンス(証拠)を体系的に評価しました。調査した文献検索サイトはUS Preventive Services Task Force(USPSTF:米国予防医学専門委員会)、体系的評価に関するコクランデータベース 、およびPubMed(パブメド)で、各サイトでの検索経緯は図示されていました。 USPSTFは成人の疾病を様々な臨床範囲に分類して検診の推奨を行っていました。著者らは、がん・心臓血管系疾患・2型糖尿病・慢性閉塞性肺疾患に焦点を当てました。これらの疾患にとって死亡は一般的なアウトカム(結果)だからです。取り上げた疾患についての検診リストをまとめ、USPSTFがどの検診を推奨しているか、検診には死亡をアウトカムとするランダム化(無作為化)した証拠があるかどうかを評価しました。 USPSTFは19の疾患群に対する39種のスクリーニング検査の評価を提供しています。その中でスクリーニングを勧める6疾患に対して14種の検査がある中で12種を推奨していましたが、死亡率をRCTで調査しているのは5疾患(乳がん・子宮頸がん・結腸直腸がん・腹部大動脈瘤・2型糖尿病)に対する検査で、スクリーニング検査39種のなかでは11種の検査のみでした。 メタ分析に関するコクランとパブメドの検索では、それぞれ595および125の項目が提示され、その内コクランより12、パブメドからは44のメタ分析が採用基準(クライテリア)に合致。最終的には8種のスクリーニング検査を含む8件のメタ分析、および著者らが独自にメタ分析をしたCTによる肺がん検診のデータが追加されます。 スクリーニング検査に対する個々の試験(トライアル)はパブメドで検索されます。ヒットした590項目の中から,83の試験が評価対象となり(もちろん、除外理由とそれぞれの除外対象試験数は図示あり)、その中から40試験がクライテリアを通過。先に挙げた8件のメタ分析に含まれていた36試験とも照合して、最終的には48のランダム化試験がシステマティックレビューの対象文献となっていました。...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>先月25日毎日新聞のコラム「Dr.中川の がんのヒミツ」に「『生活習慣』と『早期発見』が鍵」と題する中川恵一・東大准教授の提言が掲載されました。<span id="more-4421"></span>「私はがん治療専門医で、東京大病院で放射線治療や緩和ケアの臨床を35年も行っています」、厚労省や文科省の「公職も務めてきました」との自己紹介のあと、「完全無症状」であった自身の膀胱がん発見の経緯を述べています。</p>
<p>約5年前に、自身の脂肪肝を自分で超音波(エコー)検査にて発見して以来、毎月のエコー検査を続けて昨年12月に膀胱がんの発見に至ります。「早期発見は当面の生活の質の悪化と引き換えに、将来の時間を手にする行為です」「がんにならない生活習慣(大事なのは禁煙、節酒、運動、体形の維持)を心掛けることがまず大事・・(中略)・・運悪くがんになった場合に備えておく必要があります。それが早期発見です。」と述べていました。</p>
<p>一個人の「症例報告」を根拠材料の一つとして取り上げ、一般の新聞読者に「がんの早期発見」、即ち「がん検診」を推奨していることに「そんなこと、していいの?」と感じました。なお、Trisha Greenhalgh著「HOW TO READ A PAPER」(論文の読み方:和訳本『EBMがわかる』)では、臨床実践の証拠(エビデンス)は7段階で評価されており、最上位に「体系的評価(システマティックレビュー)とメタ分析(複数の試験の数値結果を統計学的に統合したデータ)」、最下位は「症例報告」と位置づけています。</p>
<p>この記事のころ、「Does screening for disease save lives in asymptomatic adults? Systematic review of meta-analyses and randomized trials (疾病検診は無症状の成人を救命するのか? メタ分析と無作為化試験の体系的評価)」を読んでいたので、より強く違和感を抱いたのかもしれません。出典はInternational Journal of Epidemiology(国際疫学協会の公用誌) 掲載で、引用文献は110件、著者らはStanford Prevention Research(予防研究) Center所属です。</p>
<p>昨年来取り上げていますBMJ(イギリス医師会雑誌)掲載の「がん検診は命を救うと、なぜ今までに証明されたことがないのか—我々がその状況に関して出来ることは何か」(bmj.h6080で検索可能)の中で述べられていた次の指摘の引用文献です。「がんスクリーニング試験のメタ分析を集めてシステマティックレビューすると、メタ分析10件のうち3件が疾患特異的死亡率の減少を示したが、総死亡率の減少を示したメタ分析はなかった。」</p>
<p>著者らは死亡が一般的な結果である疾患群での死亡率がスクリーニング（検診）によって減少するかどうかに関して、無作為化比較試験(RCT)によるエビデンス(証拠)を体系的に評価しました。調査した文献検索サイトはUS Preventive Services Task Force(USPSTF:米国予防医学専門委員会)、体系的評価に関するコクランデータベース 、およびPubMed(パブメド)で、各サイトでの検索経緯は図示されていました。</p>
<p>USPSTFは成人の疾病を様々な臨床範囲に分類して検診の推奨を行っていました。著者らは、がん・心臓血管系疾患・2型糖尿病・慢性閉塞性肺疾患に焦点を当てました。これらの疾患にとって死亡は一般的なアウトカム(結果)だからです。取り上げた疾患についての検診リストをまとめ、USPSTFがどの検診を推奨しているか、検診には死亡をアウトカムとするランダム化(無作為化)した証拠があるかどうかを評価しました。</p>
<p>USPSTFは19の疾患群に対する39種のスクリーニング検査の評価を提供しています。その中でスクリーニングを勧める6疾患に対して14種の検査がある中で12種を推奨していましたが、死亡率をRCTで調査しているのは5疾患(乳がん・子宮頸がん・結腸直腸がん・腹部大動脈瘤・2型糖尿病)に対する検査で、スクリーニング検査39種のなかでは11種の検査のみでした。</p>
<p>メタ分析に関するコクランとパブメドの検索では、それぞれ595および125の項目が提示され、その内コクランより12、パブメドからは44のメタ分析が採用基準(クライテリア)に合致。最終的には8種のスクリーニング検査を含む8件のメタ分析、および著者らが独自にメタ分析をしたCTによる肺がん検診のデータが追加されます。</p>
<p>スクリーニング検査に対する個々の試験(トライアル)はパブメドで検索されます。ヒットした590項目の中から,83の試験が評価対象となり(もちろん、除外理由とそれぞれの除外対象試験数は図示あり)、その中から40試験がクライテリアを通過。先に挙げた8件のメタ分析に含まれていた36試験とも照合して、最終的には48のランダム化試験がシステマティックレビューの対象文献となっていました。</p>
<p>レビューでは各スクリーニングのRCTトライアルのメタ分析が表示されていました。その中での総死亡率のリスク評価は全て、その95%信頼区間に「1」を含んでおり、総死亡率の減少は証明されていませんでした。</p>
<p>一つの結論に到達するまでの膨大な調査活動に圧倒されました。</p>
<p style="text-align: right;">（伊集院）</p>
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		<title>新型コロナに対する政府の政策は正しくなかった（NEWS No.538 p01）</title>
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		<pubDate>Tue, 14 Jul 2020 07:04:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[538号2020年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[医問研は、新型コロナウイルス感染症に対する、日本政府の政策について検討してきました。情報の洪水の中で、正確な判断ができる資料を探して評価することはなかなか難しく、情勢に後れをとることがありましたが、主な政策について以下の様にまとめてきました。 PCR検査の少なすぎ 国民当たりでも患者数当たりでも、日本のPCR検査人数は極めて少ないことは、世界的にも突出しています。他方で、「医療崩壊」を防ぐための戦略だ、とする主張も出ていました。しかし、クラスターを作らないための患者の早期発見とその周辺の検査が十分にできなかったことは隠せない事実です。今後は、特に介護施設や病院などの周辺を中心に、すぐに検査が実施することが求められています。 休校は間違い 日本では2月27日に突然3月22からの休校が何の根拠もなしに強行されました。この時、中国の調査で子どもの患者数が極めて少ないこと、日本では児童の患者はほぼゼロ、子どもから子どもや大人への感染は極めてまれであることから早期の休校の間違いは明らかでした。今日では、休校がかえって子どもたちに害を与えることがさらに明らかになり、5月20日には日本小児科学会もその意見を表明しました。中学以下の休校をしなかったスウェーデンで子どもの感染者が大変少なかったことが証明されています。過密な日本の学級とはいえ、子どもと家族に負担をかけないために無駄な休校は止め、教育の充実を図るべきです。 緊急事態宣言 5月1日と14日に発表された政府の諮問機関「専門家会議」報告では、「感染した日」の人数のピークは3月27日でした。緊急事態宣言が出されたのは4月7日（7都道府県）、16日（全国）ですから、その時は、すでにそれぞれピークの2分の1と4分の1に減少していたのです。多くの人を苦しめた緊急事態宣言が感染制御に役立たなかったことを政府の諮問機関のデータが証明しているのです。医療機関への物資供給など必要な政策が行われなかったことが明らかになりました。従って、何十万人もの解雇など市民の多大な犠牲に対して十分な補償と、宣言を含め新型インフルエンザ等措置法の廃止と民主的で効果的な対策方針が求められます。 医療崩壊 この間の医療破壊の実態が明白になりました。現在計画中の例えば公的・公立病院合理化などを直ちに止め、儲ける医療でなく本当に市民の健康に役立つ医療機関の充実が必要です。 薬務行政の破壊 薬務行政もコロナのどさくさで一層破壊されようとしています。典型例は、「アベガン」とも呼ばれるアビガンを「観察研究だけで承認」し、それをその他の薬にも拡大使用としていることを止め、逆に2009年のタミフル問題のように、薬剤評価の科学性の強化を提議しなければなりません。 スマホアプリ・GPS 今政府と自治体は、コロナ対策に、IT巨大産業の利益に奉仕すると共に、政策の失敗を隠すためにもスマホアプリ利用を宣伝しています。他の医療機器と同様、効果と害を科学的に評価すべきであり、より根本的には保健所など公衆衛生現場の力を強化しなければスマホアプリは役にも立たないことはNatureの論説などで証明されています。このことを周知しなければなりません。 今後も、様々なコロナに対する医療政策が打ち出されてくるかと思いますが、皆さんと共に力を合わせて科学的な評価をして、多くの皆さんに訴えてゆきたいと思いますので、よろしくお願いします。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>医問研は、新型コロナウイルス感染症に対する、日本政府の政策について検討してきました。<span id="more-4407"></span>情報の洪水の中で、正確な判断ができる資料を探して評価することはなかなか難しく、情勢に後れをとることがありましたが、主な政策について以下の様にまとめてきました。</p>
<h6>PCR検査の少なすぎ</h6>
<p>国民当たりでも患者数当たりでも、日本のPCR検査人数は極めて少ないことは、世界的にも突出しています。他方で、「医療崩壊」を防ぐための戦略だ、とする主張も出ていました。しかし、クラスターを作らないための患者の早期発見とその周辺の検査が十分にできなかったことは隠せない事実です。今後は、特に介護施設や病院などの周辺を中心に、すぐに検査が実施することが求められています。</p>
<h6>休校は間違い</h6>
<p>日本では2月27日に突然3月22からの休校が何の根拠もなしに強行されました。この時、中国の調査で子どもの患者数が極めて少ないこと、日本では児童の患者はほぼゼロ、子どもから子どもや大人への感染は極めてまれであることから早期の休校の間違いは明らかでした。今日では、休校がかえって子どもたちに害を与えることがさらに明らかになり、5月20日には日本小児科学会もその意見を表明しました。中学以下の休校をしなかったスウェーデンで子どもの感染者が大変少なかったことが証明されています。過密な日本の学級とはいえ、子どもと家族に負担をかけないために無駄な休校は止め、教育の充実を図るべきです。</p>
<h6>緊急事態宣言</h6>
<p>5月1日と14日に発表された政府の諮問機関「専門家会議」報告では、「感染した日」の人数のピークは3月27日でした。緊急事態宣言が出されたのは4月7日（7都道府県）、16日（全国）ですから、その時は、すでにそれぞれピークの2分の1と4分の1に減少していたのです。多くの人を苦しめた緊急事態宣言が感染制御に役立たなかったことを政府の諮問機関のデータが証明しているのです。医療機関への物資供給など必要な政策が行われなかったことが明らかになりました。従って、何十万人もの解雇など市民の多大な犠牲に対して十分な補償と、宣言を含め新型インフルエンザ等措置法の廃止と民主的で効果的な対策方針が求められます。</p>
<h6>医療崩壊</h6>
<p>この間の医療破壊の実態が明白になりました。現在計画中の例えば公的・公立病院合理化などを直ちに止め、儲ける医療でなく本当に市民の健康に役立つ医療機関の充実が必要です。</p>
<h6>薬務行政の破壊</h6>
<p>薬務行政もコロナのどさくさで一層破壊されようとしています。典型例は、「アベガン」とも呼ばれるアビガンを「観察研究だけで承認」し、それをその他の薬にも拡大使用としていることを止め、逆に2009年のタミフル問題のように、薬剤評価の科学性の強化を提議しなければなりません。</p>
<h6>スマホアプリ・GPS</h6>
<p>今政府と自治体は、コロナ対策に、IT巨大産業の利益に奉仕すると共に、政策の失敗を隠すためにもスマホアプリ利用を宣伝しています。他の医療機器と同様、効果と害を科学的に評価すべきであり、より根本的には保健所など公衆衛生現場の力を強化しなければスマホアプリは役にも立たないことはNatureの論説などで証明されています。このことを周知しなければなりません。</p>
<p>今後も、様々なコロナに対する医療政策が打ち出されてくるかと思いますが、皆さんと共に力を合わせて科学的な評価をして、多くの皆さんに訴えてゆきたいと思いますので、よろしくお願いします。</p>
]]></content:encoded>
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		<item>
		<title>アビガン「5月中承認」成らず─コロナ感染症緊急事態で問われる新薬・ワクチンの承認とEBM（NEWS No.538 p02）</title>
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		<pubDate>Tue, 14 Jul 2020 07:04:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[538号2020年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) が市民の生命と生活を脅かす、これまで経験したことのない緊急事態となっています。この中でCOVID-19治療剤について、安倍首相は2020年5月4日に国産の抗ウイルス剤アビガン (一般名ファビピラビル)の「今月中の承認をめざしたい」と宣言しました。またCOVID-19予防ワクチンについて、厚生労働省が東京五輪・パラリンピックの開催前の2021年前半から接種が可能となる体制作りをめざすことを6月はじめの国会で明らかにし、安倍首相は6月15日「年末にはワクチン接種できるかも」と前のめりの発言をしています。 抗ウイルス剤アビガン アビガンは2014年3月に抗インフルエンザ剤として承認されました。承認薬といっても有効性と安全性が確認されて承認された医薬品ではありません。毒性が強く顕著な催奇性があり、動物試験での無毒性量がヒト臨床用量以下 (ラット、イヌ)、ないし1.2倍程度(サル) 、死亡が臨床用量の1.2倍 (ラット)、3.1倍 (イヌ)で認められており、臨床応用の危険性が示されています。有効性ではタミフルとの比較で非劣性が示せなかったばかりか、プラセボと比較した堅固な有効性の証明にも失敗しました。普通であれば承認などありえないところでしたが、備蓄用の医薬品として、一般に流通させないことを前提にして、異例の手続で承認された「医薬品」です。それがCOVID-19に対する治療剤として科学的根拠のない過剰な期待を集めています。 安倍首相は2020年3月7日、アビガンを臨床試験でなく「観察研究」の仕組みの中で希望する患者への使用を可能とすると述べました。5月4日、「薬事承認を5月中にはしたい」として、企業の臨床試験が進んでいないため、一般の企業治験とは違う形の承認手続きを急ぐよう厚生労働省に指示しました。 このような科学を無視した政府とそれに追従する厚生労働省の動きに対し、広範な人々から批判が寄せられました。5月1日薬害オンブズパースン会議は、医薬品の有効性安全性は対照群を置いたRCTでないとわからないため、アビガンの臨床試験以外の使用 (「観察研究」として行われている適応外使用）や承認申請された場合の対応については、慎重に行うことを求める意見書を厚生労働省に提出しました。 2020年5月12日厚生労働省は、薬機法では申請前に治験による有効性確認は必須ではないとして、COVID-19に対する医薬品の承認審査について企業治験が完遂できてなくとも、観察研究などのデータで補完し承認につなげられるという、医薬品審査管理課長・医療機器審査管理課長連名の2課長通知を発出しました。公的な研究で一定の有効性安全性が確認されている場合は、申請添付資料に臨床試験のデータの添付を必要としないとしています。国会で厚生労働大臣はこれらの規定はCOVID-19ワクチンにも適用されると答弁しています。 2020年5月18日、日本医師会のCOVID-19有識者会議が「新型コロナウィルス感染パンデミック時における治療薬開発についての緊急提言」を出し、 科学的根拠の不十分な薬を承認すべきでない、十分な科学的エビデンスが得られるまで、臨床試験や適応外使用の枠組みで安全性に留意した投与を継続すべきなどを提言しました。 これらが貢献し、RCTでの有効性安全性を示すことなしにアビガンの承認ができなくなりました。アビガンのRCT(特定臨床研究)は、「観察研究」との名目でアビガンを多量に配布したため、RCT参加者確保が困難な状況にあり進展していません。このためアビガン承認の見通しは立っていません。 多くのひとびとの意識に医薬品の承認にはRCTでの有効性安全性の実証が必要なことが根付きました。 なし崩し的に医薬品承認に必要な臨床試験をなくし、リアルワールドデータ(観察研究)でよいとする方向に突き進んでいましたが、COVID-19危機を通じ、歯止めがかかった意義は大きいと考えます。 COVID-19予防ワクチン 一方、COVID-19予防ワクチンについては良くない状況です。治療剤と異なりワクチンは、多数の正常人を対象とするものだけにとりわけ安全性について慎重な扱いが必要なことは言うまでもありません。ところが、政府は猛スピードでの開発を推進しており、厚生労働省はこれに追随する通達を次々と出しています。 米国でもホワイトハウスと製薬企業が猛スピードでの開発を推進しています (Operation Warp Speed)。しかし世論調査はこれに不安をもつ国民が増えていることを示しています。ホワイトハウスと製薬企業は2020年内にコロナウイルスワクチンを実用化するとしています。しかし世論調査によれば多くの国民は、早くて2021年、それよりも遅れるのでないかと予測しています。開発のスピードとワクチンへの信頼は反比例の関係にあります。FDAの生物製剤評価研究センタートップのピーター・マーク氏は、米国人の3分の1はコロナウイルスワクチンの接種に非常に懐疑的という世論調査を引用し、市民の信頼を得るために科学を尊重した健全な開発を行うのがFDAと他の関係機関の仕事と語っています (Pink Sheet.2020.6.14) 一方日本はどうでしょうか。「ワクチンができるまでの辛抱」という世論形成のもとで、COVID-19ワクチンは慎重にという声は影を潜めているようにも見えます。 臨床試験を必要としない条件付き早期承認制度は予防薬も対象としています。承認申請時に臨床試験データを必要としないとの2課長通達がワクチンにも適用されると国会で答弁されています。治験届を出して30日間は治験を開始してはならないとのルールも、COVID-19ワクチン・治療剤には適用されないという2課長通知が出されています。そうした中でCOVID-19に対するこれまでに使用前例のないDNAワクチンの、大阪大学のベンチャー企業アンジェスによる日本で初めての治験が2020年6月30日開始されます。吉村洋文大阪府知事によると、治験は10月には数百人に拡大、年内に20万人のワクチンが製造可能で、2021年春~秋の実用化がめざされています 治療剤と異なりワクチンは多数の正常人に接種されるだけに、ワクチンについてのこの猛スピードは、とりわけ安全性面での危惧があります。注視を強める必要があると考えます。 薬剤師　寺岡章雄]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) が市民の生命と生活を脅かす、これまで経験したことのない緊急事態となっています。<span id="more-4409"></span>この中でCOVID-19治療剤について、安倍首相は2020年5月4日に国産の抗ウイルス剤アビガン (一般名ファビピラビル)の「今月中の承認をめざしたい」と宣言しました。またCOVID-19予防ワクチンについて、厚生労働省が東京五輪・パラリンピックの開催前の2021年前半から接種が可能となる体制作りをめざすことを6月はじめの国会で明らかにし、安倍首相は6月15日「年末にはワクチン接種できるかも」と前のめりの発言をしています。</p>
<h6>抗ウイルス剤アビガン</h6>
<p>アビガンは2014年3月に抗インフルエンザ剤として承認されました。承認薬といっても有効性と安全性が確認されて承認された医薬品ではありません。毒性が強く顕著な催奇性があり、動物試験での無毒性量がヒト臨床用量以下 (ラット、イヌ)、ないし1.2倍程度(サル) 、死亡が臨床用量の1.2倍 (ラット)、3.1倍 (イヌ)で認められており、臨床応用の危険性が示されています。有効性ではタミフルとの比較で非劣性が示せなかったばかりか、プラセボと比較した堅固な有効性の証明にも失敗しました。普通であれば承認などありえないところでしたが、備蓄用の医薬品として、一般に流通させないことを前提にして、異例の手続で承認された「医薬品」です。それがCOVID-19に対する治療剤として科学的根拠のない過剰な期待を集めています。</p>
<p>安倍首相は2020年3月7日、アビガンを臨床試験でなく「観察研究」の仕組みの中で希望する患者への使用を可能とすると述べました。5月4日、「薬事承認を5月中にはしたい」として、企業の臨床試験が進んでいないため、一般の企業治験とは違う形の承認手続きを急ぐよう厚生労働省に指示しました。</p>
<p>このような科学を無視した政府とそれに追従する厚生労働省の動きに対し、広範な人々から批判が寄せられました。5月1日薬害オンブズパースン会議は、医薬品の有効性安全性は対照群を置いたRCTでないとわからないため、アビガンの臨床試験以外の使用 (「観察研究」として行われている適応外使用）や承認申請された場合の対応については、慎重に行うことを求める意見書を厚生労働省に提出しました。</p>
<p>2020年5月12日厚生労働省は、薬機法では申請前に治験による有効性確認は必須ではないとして、COVID-19に対する医薬品の承認審査について企業治験が完遂できてなくとも、観察研究などのデータで補完し承認につなげられるという、医薬品審査管理課長・医療機器審査管理課長連名の2課長通知を発出しました。公的な研究で一定の有効性安全性が確認されている場合は、申請添付資料に臨床試験のデータの添付を必要としないとしています。国会で厚生労働大臣はこれらの規定はCOVID-19ワクチンにも適用されると答弁しています。</p>
<p>2020年5月18日、日本医師会のCOVID-19有識者会議が「新型コロナウィルス感染パンデミック時における治療薬開発についての緊急提言」を出し、 科学的根拠の不十分な薬を承認すべきでない、十分な科学的エビデンスが得られるまで、臨床試験や適応外使用の枠組みで安全性に留意した投与を継続すべきなどを提言しました。</p>
<p>これらが貢献し、RCTでの有効性安全性を示すことなしにアビガンの承認ができなくなりました。アビガンのRCT(特定臨床研究)は、「観察研究」との名目でアビガンを多量に配布したため、RCT参加者確保が困難な状況にあり進展していません。このためアビガン承認の見通しは立っていません。</p>
<p>多くのひとびとの意識に医薬品の承認にはRCTでの有効性安全性の実証が必要なことが根付きました。</p>
<p>なし崩し的に医薬品承認に必要な臨床試験をなくし、リアルワールドデータ(観察研究)でよいとする方向に突き進んでいましたが、COVID-19危機を通じ、歯止めがかかった意義は大きいと考えます。</p>
<h6>COVID-19予防ワクチン</h6>
<p>一方、COVID-19予防ワクチンについては良くない状況です。治療剤と異なりワクチンは、多数の正常人を対象とするものだけにとりわけ安全性について慎重な扱いが必要なことは言うまでもありません。ところが、政府は猛スピードでの開発を推進しており、厚生労働省はこれに追随する通達を次々と出しています。</p>
<p>米国でもホワイトハウスと製薬企業が猛スピードでの開発を推進しています (Operation Warp Speed)。しかし世論調査はこれに不安をもつ国民が増えていることを示しています。ホワイトハウスと製薬企業は2020年内にコロナウイルスワクチンを実用化するとしています。しかし世論調査によれば多くの国民は、早くて2021年、それよりも遅れるのでないかと予測しています。開発のスピードとワクチンへの信頼は反比例の関係にあります。FDAの生物製剤評価研究センタートップのピーター・マーク氏は、米国人の3分の1はコロナウイルスワクチンの接種に非常に懐疑的という世論調査を引用し、市民の信頼を得るために科学を尊重した健全な開発を行うのがFDAと他の関係機関の仕事と語っています (Pink Sheet.2020.6.14)</p>
<p>一方日本はどうでしょうか。「ワクチンができるまでの辛抱」という世論形成のもとで、COVID-19ワクチンは慎重にという声は影を潜めているようにも見えます。</p>
<p>臨床試験を必要としない条件付き早期承認制度は予防薬も対象としています。承認申請時に臨床試験データを必要としないとの2課長通達がワクチンにも適用されると国会で答弁されています。治験届を出して30日間は治験を開始してはならないとのルールも、COVID-19ワクチン・治療剤には適用されないという2課長通知が出されています。そうした中でCOVID-19に対するこれまでに使用前例のないDNAワクチンの、大阪大学のベンチャー企業アンジェスによる日本で初めての治験が2020年6月30日開始されます。吉村洋文大阪府知事によると、治験は10月には数百人に拡大、年内に20万人のワクチンが製造可能で、2021年春~秋の実用化がめざされています</p>
<p>治療剤と異なりワクチンは多数の正常人に接種されるだけに、ワクチンについてのこの猛スピードは、とりわけ安全性面での危惧があります。注視を強める必要があると考えます。</p>
<p style="text-align: right;">薬剤師　寺岡章雄</p>
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		<title>新型コロナの抗体検査について（NEWS No.538 p04）</title>
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		<pubDate>Tue, 14 Jul 2020 07:03:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[538号2020年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[抗体検査（IgM、IgG、IgAなどの血液中の免疫グロブリンタンパクの検査）は最近までの罹患履歴を示す検査であり、公衆衛生上も、個人の感染を振り返る意味でも重要な検査である。一方、ウィルスのどこに対する抗体を測っているのか（例えばコロナの突起か、膜タンパクかなど）や中和抗体なのか、いつ測ったのか（早すぎると陽性にならないし、遅すぎると陰性になるかもしれない）、検査キットによる陽性閾値や感度特異度の問題、測定した抗体は中和抗体か、抗体陽性なら二度と罹らないのかなど、多くの不確定要素も含む（例えば100検査キットが15万円など、商業ベースで用いられるため、品質の差も大きい）。これらも踏まえて、現在まで明らかになってきた点を紹介したい。NEJM, Lancet, JAMA, Nature, ScienceなどのSARS-CoV-2/COVID-19関係論文を中心に、PubMedからCOVID-19/SARS-CoV-2、antibody, seroprevalence、serology surveillance などの抽出論文タイトル900くらいから約50論文をhand　searchし検討した。 １．感染後どのくらいで陽性となるか? 図1は中国3病院での有症状者263名、313サンプルでのIgG,　IgM 抗体の出現日時、頻度である。症状出現後20日までにIgG 抗体の100%、IgM抗体の94%が陽性となる。また、IgG抗体の30%は症状出現2-4日で抗体陽性化する。 ２．抗体上昇でウィルスは消えるか 図2はウィルス培養を基準にした場合の抗体価との関係を示した。明らかに抗体価が100%近くでウィルスは培養されなくなる。蛇足になるが、右は症状出現後の日数とウィルス培養の関係を示している。症状出現後10日までにウィルスは培養されなくなる。 ３． 厚労省の抗体検査 6月1日から7日にかけて、厚労省主導で新型コロナウィルス感染の実態を把握するため、東京都、大阪府、宮城県の無作為抽出7950名に新型コロナウィルスの抗体検査が実施された。3社の検査キットを用い、対象とした宮城県の陽性率の高かった検査キットを除き、抗体陽性率は東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03%という結果であった。人口に対するPCR累積陽性結果からの5月31日までの感染率はそれぞれ0.04%、0.02%、0.004%であり、数字上はPCRに比べ抗体からの新型コロナり患は10-20倍高いという結果であった。が、抗体陽性数は全体でも6名であり、こういった評価は不正確であるが、大半の人は抗体を保有していない（罹っていない)ことは明らかとなった。 ４．各国の献血者の抗体陽性率からみた感染の広がり推定 献血者の血液抗体は、年齢の画一性、健康体であること、定期的な検体採取が必要などから各国や同じ国の罹患情報の比較をしやすい。 4月実施した日本の日赤献血検体での陽性者は2/500=0.4%であった。 4月から5月にかけてのイングランドでは毎週地方ごとに1000検体を検査し、経時的にフォローしている。それを見るとロンドンでは約14%が抗体陽性を示した（図3）。 デンマークでは4月6-17日9496検体での陽性率は1.7%だった。 以上のように、欧州でも国の差はあるが、おおむね日本より新型コロナウィルス感染が広がっていることが推定される。 ５．都市レベルの陽性率 ロサンゼルスでは863名中35名が陽性、陽性率0.04%とされた。が、この35名の中には発熱+咳10名、味覚異常7名を含む25名の有症状者が含まれている。 スイスのジュネーブでは広範囲な地域と年齢層で、4月6日から5週間、計2766名に抗体検査、279名の陽性（10%）を得た。対象者選出規模と方法、範囲により陽性率はかなり異なるので、地域の陽性率を比較する場合は条件を均等にする必要がある。なお参考までにジュネーブのPCR実施率は70/1000人である。 ６．医療機関での抗体検査 神戸中央市民病院では3月31日から4月6日までに通院し年齢層別化した患者さん1000人の血液抗体を調べ、33/1000名が陽性だった。 スウェーデンのカロリンスカ医科大学では11000人の病院職員からPCR5500、抗体3200を採取し、PCRは7%、抗体は10%、両者陽性が2.4%と報告した。医療職員での感染者の多さを示すものと思われる。 ７．PCRと抗体の関係 クラスターでの濃厚接触者164例の分析で、PCR陽性は16例9.7%、そのうち13例は症状を示し、3名は無症状だった。この16例はいずれも抗体陽性であった。PCR陰性だった148例はいずれも無症状で、そのうち7例は抗体陽性であり、全体での抗体陽性率は23/168=14%、抗体陽性に対するPCRの感度は16/23=70%であった。 有症状者は抗体陽性者の57%だった。 ８．結論 以上から、現在市販されているSARS-CoV-2ウィルスのスパイク抗原に対するIgGないしIgM抗体キットの一部は、中和抗体を測定しており、それはウィルス増殖を阻止できる可能性が高い。 どのくらい抗体が持続し、再感染を防げるのかとか、いわゆる集団免疫の役割を果たすかどうかはまだわからない。 無症候者の不必要な隔離期間を短くする根拠となりうる検査とも考える。 また、疫学的には流行規模や罹患率などについては、PCRより正確に追うことができるものと考える。 抗体検査キットの世界的統一と個人負担の無料化が望まれる。 大手前整肢学園　山本]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>抗体検査（IgM、IgG、IgAなどの血液中の免疫グロブリンタンパクの検査）は最近までの罹患履歴を示す検査であり、公衆衛生上も、個人の感染を振り返る意味でも重要な検査である。<span id="more-4411"></span>一方、ウィルスのどこに対する抗体を測っているのか（例えばコロナの突起か、膜タンパクかなど）や中和抗体なのか、いつ測ったのか（早すぎると陽性にならないし、遅すぎると陰性になるかもしれない）、検査キットによる陽性閾値や感度特異度の問題、測定した抗体は中和抗体か、抗体陽性なら二度と罹らないのかなど、多くの不確定要素も含む（例えば100検査キットが15万円など、商業ベースで用いられるため、品質の差も大きい）。これらも踏まえて、現在まで明らかになってきた点を紹介したい。NEJM, Lancet, JAMA, Nature, ScienceなどのSARS-CoV-2/COVID-19関係論文を中心に、PubMedからCOVID-19/SARS-CoV-2、antibody, seroprevalence、serology surveillance などの抽出論文タイトル900くらいから約50論文をhand　searchし検討した。</p>
<h6>１．感染後どのくらいで陽性となるか?</h6>
<p>図1は中国3病院での有症状者263名、313サンプルでのIgG,　IgM 抗体の出現日時、頻度である。症状出現後20日までにIgG 抗体の100%、IgM抗体の94%が陽性となる。また、IgG抗体の30%は症状出現2-4日で抗体陽性化する。</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-4-1.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-4412" title="538-4-1" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-4-1.png" alt="" width="526" height="354" /></a></p>
<h6>２．抗体上昇でウィルスは消えるか</h6>
<p>図2はウィルス培養を基準にした場合の抗体価との関係を示した。明らかに抗体価が100%近くでウィルスは培養されなくなる。蛇足になるが、右は症状出現後の日数とウィルス培養の関係を示している。症状出現後10日までにウィルスは培養されなくなる。</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-4-2.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-4413" title="538-4-2" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-4-2.png" alt="" width="406" height="295" /></a></p>
<h6>３． 厚労省の抗体検査</h6>
<p>6月1日から7日にかけて、厚労省主導で新型コロナウィルス感染の実態を把握するため、東京都、大阪府、宮城県の無作為抽出7950名に新型コロナウィルスの抗体検査が実施された。3社の検査キットを用い、対象とした宮城県の陽性率の高かった検査キットを除き、抗体陽性率は東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03%という結果であった。人口に対するPCR累積陽性結果からの5月31日までの感染率はそれぞれ0.04%、0.02%、0.004%であり、数字上はPCRに比べ抗体からの新型コロナり患は10-20倍高いという結果であった。が、抗体陽性数は全体でも6名であり、こういった評価は不正確であるが、大半の人は抗体を保有していない（罹っていない)ことは明らかとなった。</p>
<h6>４．各国の献血者の抗体陽性率からみた感染の広がり推定</h6>
<p>献血者の血液抗体は、年齢の画一性、健康体であること、定期的な検体採取が必要などから各国や同じ国の罹患情報の比較をしやすい。</p>
<p>4月実施した日本の日赤献血検体での陽性者は2/500=0.4%であった。</p>
<p>4月から5月にかけてのイングランドでは毎週地方ごとに1000検体を検査し、経時的にフォローしている。それを見るとロンドンでは約14%が抗体陽性を示した（図3）。</p>
<p>デンマークでは4月6-17日9496検体での陽性率は1.7%だった。</p>
<p>以上のように、欧州でも国の差はあるが、おおむね日本より新型コロナウィルス感染が広がっていることが推定される。</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-4-3.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-4414" title="538-4-3" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/538-4-3.png" alt="" width="618" height="375" /></a></p>
<h6>５．都市レベルの陽性率</h6>
<p>ロサンゼルスでは863名中35名が陽性、陽性率0.04%とされた。が、この35名の中には発熱+咳10名、味覚異常7名を含む25名の有症状者が含まれている。</p>
<p>スイスのジュネーブでは広範囲な地域と年齢層で、4月6日から5週間、計2766名に抗体検査、279名の陽性（10%）を得た。対象者選出規模と方法、範囲により陽性率はかなり異なるので、地域の陽性率を比較する場合は条件を均等にする必要がある。なお参考までにジュネーブのPCR実施率は70/1000人である。</p>
<h6>６．医療機関での抗体検査</h6>
<p>神戸中央市民病院では3月31日から4月6日までに通院し年齢層別化した患者さん1000人の血液抗体を調べ、33/1000名が陽性だった。</p>
<p>スウェーデンのカロリンスカ医科大学では11000人の病院職員からPCR5500、抗体3200を採取し、PCRは7%、抗体は10%、両者陽性が2.4%と報告した。医療職員での感染者の多さを示すものと思われる。</p>
<h6>７．PCRと抗体の関係</h6>
<p>クラスターでの濃厚接触者164例の分析で、PCR陽性は16例9.7%、そのうち13例は症状を示し、3名は無症状だった。この16例はいずれも抗体陽性であった。PCR陰性だった148例はいずれも無症状で、そのうち7例は抗体陽性であり、全体での抗体陽性率は23/168=14%、抗体陽性に対するPCRの感度は16/23=70%であった。</p>
<p>有症状者は抗体陽性者の57%だった。</p>
<h6>８．結論</h6>
<p>以上から、現在市販されているSARS-CoV-2ウィルスのスパイク抗原に対するIgGないしIgM抗体キットの一部は、中和抗体を測定しており、それはウィルス増殖を阻止できる可能性が高い。</p>
<p>どのくらい抗体が持続し、再感染を防げるのかとか、いわゆる集団免疫の役割を果たすかどうかはまだわからない。</p>
<p>無症候者の不必要な隔離期間を短くする根拠となりうる検査とも考える。</p>
<p>また、疫学的には流行規模や罹患率などについては、PCRより正確に追うことができるものと考える。</p>
<p>抗体検査キットの世界的統一と個人負担の無料化が望まれる。</p>
<p style="text-align: right;">大手前整肢学園　山本</p>
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		<title>新型コロナウイルス感染症COVID-19 研究論文は批判的評価の基本を忘れずに（NEWS No.538 p05）</title>
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		<pubDate>Tue, 14 Jul 2020 07:03:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
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		<category><![CDATA[538号2020年6月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[新型コロナに関する研究に関して、BMJ誌の記事1）を読んで、この間ともすると忘れていた重大なことを思い出しました。 それは、現在では検討が不可欠になっているはずの、研究論文についての「利益相反がある執筆者」「報告の偏り」「透明性の欠如」という、2009年にタミフルの評価をめぐり問題になったことです。 新型コロナに関するこの問題は、New England Journal of MedicineとLancetという指導的な2つの医学雑誌に掲載された、ハーバード医学校に籍を置く筆頭著者の2つの論文がRetraction（撤回）されたことに端的に現れました。 一つ目の論文は、「5月22日、Lancetは観察研究を発表し、ヒドロキシクロロキンとクロロキンで治療されたCOVID-19の入院患者は、薬物を投与されていない患者よりも死亡と心室性不整脈のリスクが高いことを示しました。」2）という内容です。 もう一つの論文は、New England Journal of Medicineで論文を発表し、「アンジオテンシン変換酵素（ACE）阻害薬とアンジオテンシン受容体遮断薬は、COVID-19患者の危害のリスクが高くないことを発見した」というものでした。3） 著者達は、これらの論文のデータの信憑性が疑わしいことが指摘された後、別の第3者によるピュアレビューをすると公表しました。これには当然、信憑性が疑われたデータの元となったデータの開示が必要となります。しかし、これらの論文の元データを提供していた「Surgisphere」というヘルスケア分析会社が、元データの提出は「機密要件とクライアントとの合意に違反する」と提出を拒否した上に、著者達に論文を撤回するよう指導しました。1） 以上の経過は、タミフルのコクランレビューで問題になったことと同様の構造です。データを掌握していたのはタミフルではロシュ社でしたが今回はヘルスケア分析会社になったものです。タミフルの際は、私たちはコクランレビューが採用した「カイザー論文」の「報告の偏り」データの「透明性の欠如」と「著者の利益相反」を指摘しました。その結果、Tom Jeffersonらの働きと、多くの研究者やBMJ・英国国営放送BBCなどが、元データの提出を求めました。カイザー論文を根拠にした世界的な抗インフルエンザ薬の備蓄などがイギリス国会でも問題になりました。(4 その後の研究には元データの開示が要求されるようになり多くの進歩を遂げました。（5,6,7,8 注目すべきは、この時はWHO、European Medicines Agency 、米CDCはカイザー論文を元に、元データを調べることもなく備蓄を推奨したのです。新型コロナでは、これらの機関が前回の失敗を反省して、このような過ちを犯すべきでありませんし、今回も私たちの努力で、一定の改善を実現できる可能性はあると思われます。 今回の新型コロナでは、洪水のような論文が押し寄せ、雑誌社も先を争ってそれらの論文を掲載としています。例えば、医問研6月例会ではNew England of Medicine電子版が、新型コロナ治療薬の「コンパッショネートユース」として単なる観察研究を掲載した問題点が報告されました。新型コロナに関するデータはこのような環境で発表されていることを十分に注意しながら見る必要があります。 ましてや、これらの『研究』の報道やブログにはより慎重に接すべきです。 Internewsという報道関係のブログには、アビガンの評価では、「過去から学ぶべきだ」として、前述のタミフルの例をあげて著者の利益相反、研究のスポンサー、元データの問題を検討した上で報道するべきであると書いています。その上で、臨床試験を報道する場合の彼らが作成したガイドラインを載せており、我々にも役立つと思います。9) 今後は、『治療薬』『ワクチン』開発結果がどんどん発表されるかと思いますが、それらの洪水に流されないようにしたいと思います。 はやし小児科　林 〈参考文献〉 1) BMJ 2020;369:m2279 doi:10.1136/bmj.m2279 2) Lancet. doi:10.1016/S0140-6736(20) 31324-6. 3) N Engl J Med2020;4. doi:10.1056/NEJMc 2021225. ...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>新型コロナに関する研究に関して、BMJ誌の記事<strong>1）</strong>を読んで、この間ともすると忘れていた重大なことを思い出しました。<span id="more-4416"></span></p>
<p>それは、現在では検討が不可欠になっているはずの、研究論文についての「利益相反がある執筆者」「報告の偏り」「透明性の欠如」という、2009年にタミフルの評価をめぐり問題になったことです。</p>
<p>新型コロナに関するこの問題は、New England Journal of MedicineとLancetという指導的な2つの医学雑誌に掲載された、ハーバード医学校に籍を置く筆頭著者の2つの論文がRetraction（撤回）されたことに端的に現れました。</p>
<p>一つ目の論文は、「5月22日、Lancetは観察研究を発表し、ヒドロキシクロロキンとクロロキンで治療されたCOVID-19の入院患者は、薬物を投与されていない患者よりも死亡と心室性不整脈のリスクが高いことを示しました。」<strong>2）</strong>という内容です。</p>
<p>もう一つの論文は、New England Journal of Medicineで論文を発表し、「アンジオテンシン変換酵素（ACE）阻害薬とアンジオテンシン受容体遮断薬は、COVID-19患者の危害のリスクが高くないことを発見した」というものでした。<strong>3）</strong></p>
<p>著者達は、これらの論文のデータの信憑性が疑わしいことが指摘された後、別の第3者によるピュアレビューをすると公表しました。これには当然、信憑性が疑われたデータの元となったデータの開示が必要となります。しかし、これらの論文の元データを提供していた「Surgisphere」というヘルスケア分析会社が、元データの提出は「機密要件とクライアントとの合意に違反する」と提出を拒否した上に、著者達に論文を撤回するよう指導しました。<strong>1）</strong></p>
<p>以上の経過は、タミフルのコクランレビューで問題になったことと同様の構造です。データを掌握していたのはタミフルではロシュ社でしたが今回はヘルスケア分析会社になったものです。タミフルの際は、私たちはコクランレビューが採用した「カイザー論文」の「報告の偏り」データの「透明性の欠如」と「著者の利益相反」を指摘しました。その結果、Tom Jeffersonらの働きと、多くの研究者やBMJ・英国国営放送BBCなどが、元データの提出を求めました。カイザー論文を根拠にした世界的な抗インフルエンザ薬の備蓄などがイギリス国会でも問題になりました。<strong>(4</strong></p>
<p>その後の研究には元データの開示が要求されるようになり多くの進歩を遂げました。<strong>（5,6,7,8</strong></p>
<p>注目すべきは、この時はWHO、European Medicines Agency 、米CDCはカイザー論文を元に、元データを調べることもなく備蓄を推奨したのです。新型コロナでは、これらの機関が前回の失敗を反省して、このような過ちを犯すべきでありませんし、今回も私たちの努力で、一定の改善を実現できる可能性はあると思われます。</p>
<p>今回の新型コロナでは、洪水のような論文が押し寄せ、雑誌社も先を争ってそれらの論文を掲載としています。例えば、医問研6月例会ではNew England of Medicine電子版が、新型コロナ治療薬の「コンパッショネートユース」として単なる観察研究を掲載した問題点が報告されました。新型コロナに関するデータはこのような環境で発表されていることを十分に注意しながら見る必要があります。</p>
<p>ましてや、これらの『研究』の報道やブログにはより慎重に接すべきです。</p>
<p>Internewsという報道関係のブログには、アビガンの評価では、「過去から学ぶべきだ」として、前述のタミフルの例をあげて著者の利益相反、研究のスポンサー、元データの問題を検討した上で報道するべきであると書いています。その上で、臨床試験を報道する場合の彼らが作成したガイドラインを載せており、我々にも役立つと思います。<strong>9)</strong></p>
<p>今後は、『治療薬』『ワクチン』開発結果がどんどん発表されるかと思いますが、それらの洪水に流されないようにしたいと思います。</p>
<p style="text-align: right;">はやし小児科　林</p>
<p>〈参考文献〉</p>
<p>1)	BMJ 2020;369:m2279 doi:10.1136/bmj.m2279</p>
<p>2)	Lancet. doi:10.1016/S0140-6736(20) 31324-6.</p>
<p>3)	N Engl J Med2020;4. doi:10.1056/NEJMc 2021225.  pmid:32501665</p>
<p>4)	BMJ2009;339:b5387. doi:10.1136/bmj. b5387 pmid:19995818</p>
<p>5)	DJ Sheridan, Evidence-Based Medicine Imperial College Press 2016</p>
<p>6)	J Brown, Influenza. Touchstone 2018</p>
<p>7)	GAllin JI et al.(Edi). Principles and practice of clinical research 4th Edi.Academic press 2018</p>
<p> <img src='http://ebm-jp.com/wp-includes/images/smilies/icon_cool.gif' alt='8)' class='wp-smiley' /> Goldacre B 悪の製薬　青土社2015</p>
<p>9)	<a href="https://internewsCOVID19.org/2020/05/26/rumour-favipiravir-avigan-and-how-to-report-on-new-miracle-drugs/">https://internewsCOVID19.org/2020/05/26/rumour-favipiravir-avigan-and-how-to-report-on-new-miracle-drugs/</a></p>
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