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	<title>医療問題研究会 &#187; 564号2022年8月発行</title>
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	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
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		<title>経口コロナ「薬」ゾコーバの審査で明白になった「緊急承認」制度の危険性（NEWS No.564 p01）</title>
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		<pubDate>Thu, 03 Nov 2022 12:33:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[新型コロナウイルス感染症]]></category>
		<category><![CDATA[564号2022年8月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[6月22日、厚労省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は塩野義製薬の経口コロナ治療「薬」ゾコーバの「緊急承認」を見送りました。そして、7月22日、先の審議会医薬品第二部会と「薬事分科会」の合同会議を公開で開き審査をしましたが、ここでもゾコーバの「緊急承認」を見送りました。このニュースは一般のマスコミまで取り上げられ多くの市民に知られました。 翌23日の塩野義の株価も6105円と1月27日以来の最安値となりましたが、すぐに23日以前に持ち直したことは、今後「緊急承認」認可される可能性が大きいことを示唆するものとして注目しなければなりません。 政府は、塩野義との間で、認可承認を前提にすでに100万人分の購入契約を結んでいます。 すでに、今年2月には塩野義製薬がゾコーバの承認を厚労省に申請し「条件付き早期承認制度」の適応を要望していました。しかし、その後承認制度の適応を「緊急承認」制度に変更して、承認を得ようとしたのですが、上記の経過で今回の承認を認めらなかったわけです。 これらの審議では、医問研例会で議論されたそれを反映したLetterも含めて、3月から4月にかけてBMＪに先発の経口抗コロナ「薬」モルヌピラビル（商品名ラゲブリオ）に対する批判論文の掲載と、それらの記事をまとめた共同通信の記事が5月末から6月末に全国の主な地方紙に掲載されたことも一定の影響を与えたものと考えられます。 この「緊急承認」制度は5月13日の国会で成立、20日に施行したものであり、大変緩い（悪い）日本の薬剤承認方法をさらに大幅に緩め、薬剤評価の科学性を破壊する内容です。その中心は、なんと薬剤の認可に不可欠の臨床的効果を証明していなくても良いとしている所です。その効果が「推定」できれば良いというものです。 塩野義が、この制度での審査に飛びついたのは臨床試験がまだ第Ⅱ相までしか結果が出ていないゾコーバでも「緊急承認」であれば承認されると見込んだものです。 その第Ⅱ相では、その効果とは、患者のウイルス量の抑制が服薬4日目でプラセボより有意に減らせた（6日目では有意差なし）というものです。 臨床的効果として提出されたのは、12項目の臨床症状でした。全項目での評価では効果なしで、そのうち、鼻水・喉の痛み、咳、息切れだけでは効果を示したとしたのです。この議論は、最初にたくさんの評価項目の中から有意差を示す効果を選び出すのは、いわば「後だしジャンケン」で不当だと、審議の中でも批判されています。 ところで、先行する経口コロナ薬の主アウトカムは「入院ないし死亡」です。実は、第三相試験の主アウトカムは、「任意の原因による入院または任意の原因による死亡」です。これは事前に登録している [https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05305547] に明記されています。ですから、この臨床アウトカムで、プラセに対するゾコーバの統計的有意差を証明しなければ、Ⅱ相試験などの一連の臨床試験は意味をなさないのです。単なる、鼻水などの症状の緩和では、この治験薬の有効性は証明されたことにならないのです。 このように、これまで必須だった第Ⅲ相試験の結果なしに、第二相だけのいい加減なアウトカムによる「効果」の「推定」だけでも認可するという、これまでの薬剤認可の基準を破壊する制度であるが明白になりました。 ゾコーバの問題点を、それが明らかにした「緊急承認制度」の危険性を世界に明らかにしなければなりません。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>6月22日、厚労省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は塩野義製薬の経口コロナ治療「薬」ゾコーバの「緊急承認」を見送りました。<span id="more-5223"></span>そして、7月22日、先の審議会医薬品第二部会と「薬事分科会」の合同会議を公開で開き審査をしましたが、ここでもゾコーバの「緊急承認」を見送りました。このニュースは一般のマスコミまで取り上げられ多くの市民に知られました。</p>
<p>翌23日の塩野義の株価も6105円と1月27日以来の最安値となりましたが、すぐに23日以前に持ち直したことは、今後「緊急承認」認可される可能性が大きいことを示唆するものとして注目しなければなりません。</p>
<p>政府は、塩野義との間で、認可承認を前提にすでに100万人分の購入契約を結んでいます。</p>
<p>すでに、今年2月には塩野義製薬がゾコーバの承認を厚労省に申請し「条件付き早期承認制度」の適応を要望していました。しかし、その後承認制度の適応を「緊急承認」制度に変更して、承認を得ようとしたのですが、上記の経過で今回の承認を認めらなかったわけです。</p>
<p>これらの審議では、医問研例会で議論されたそれを反映したLetterも含めて、3月から4月にかけてBMＪに先発の経口抗コロナ「薬」モルヌピラビル（商品名ラゲブリオ）に対する批判論文の掲載と、それらの記事をまとめた共同通信の記事が5月末から6月末に全国の主な地方紙に掲載されたことも一定の影響を与えたものと考えられます。</p>
<p>この「緊急承認」制度は5月13日の国会で成立、20日に施行したものであり、大変緩い（悪い）日本の薬剤承認方法をさらに大幅に緩め、薬剤評価の科学性を破壊する内容です。その中心は、なんと薬剤の認可に不可欠の臨床的効果を証明していなくても良いとしている所です。その効果が「推定」できれば良いというものです。</p>
<p>塩野義が、この制度での審査に飛びついたのは臨床試験がまだ第Ⅱ相までしか結果が出ていないゾコーバでも「緊急承認」であれば承認されると見込んだものです。</p>
<p>その第Ⅱ相では、その効果とは、患者のウイルス量の抑制が服薬4日目でプラセボより有意に減らせた（6日目では有意差なし）というものです。</p>
<p>臨床的効果として提出されたのは、12項目の臨床症状でした。全項目での評価では効果なしで、そのうち、鼻水・喉の痛み、咳、息切れだけでは効果を示したとしたのです。この議論は、最初にたくさんの評価項目の中から有意差を示す効果を選び出すのは、いわば「後だしジャンケン」で不当だと、審議の中でも批判されています。</p>
<p>ところで、先行する経口コロナ薬の主アウトカムは「入院ないし死亡」です。実は、第三相試験の主アウトカムは、「任意の原因による入院または任意の原因による死亡」です。これは事前に登録している</p>
<p>[<a href="https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05305547" target="_blank">https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05305547</a>] に明記されています。ですから、この臨床アウトカムで、プラセに対するゾコーバの統計的有意差を証明しなければ、Ⅱ相試験などの一連の臨床試験は意味をなさないのです。単なる、鼻水などの症状の緩和では、この治験薬の有効性は証明されたことにならないのです。</p>
<p>このように、これまで必須だった第Ⅲ相試験の結果なしに、第二相だけのいい加減なアウトカムによる「効果」の「推定」だけでも認可するという、これまでの薬剤認可の基準を破壊する制度であるが明白になりました。</p>
<p>ゾコーバの問題点を、それが明らかにした「緊急承認制度」の危険性を世界に明らかにしなければなりません。</p>
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		<title>臨薬研・懇話会2022年8月例会報告（NEWS No.564 p01）</title>
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		<pubDate>Thu, 03 Nov 2022 12:33:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[564号2022年8月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[臨薬研・懇話会2022年8月例会報告 シリーズ企画「臨床薬理論文を批判的に読む」71回(2022.8.7)報告 不眠障害 (insomnia disorder) に対する薬物療法以外の治療と薬物療法 今回は、話題提供者自身が深夜に中途覚醒したあと再眠できず苦しんでいる現実からの関心もあり、2022年7月に Lancet 誌に掲載されたシステマティックレビューとネットワークメタ分析の論文と、同時掲載された論説の2つを入口として、この問題に正面から取り組むことを試みました。 例会では活発な議論をいただきました。不眠障害を訴える人はどの統計でも高齢者をはじめかなり多いにかかわらず、この分野は国際的にも適切な診療ガイドラインが存在しません。また、識者の対応も不十分な状態であり、非常に遅れた状況にあることが分かりました。この分野での「根拠に基づく医療」(EBM)の発展を願っています。 文献 1.  Crescenzo FD et al. Lancet 2022; 400:170-84. タイトルは 「成人における不眠障害に対する急性期および長期間管理の薬剤(薬理学的)介入での比較効果: システマティックレビューとネットワークメタ分析」 2.  Samara MT. Lancet 2022; 400: 139-41. 論説のタイトルは「不眠障害に対する正しい医薬品は何か」 文献1 不眠障害を有する成人 (18歳以上)に対する単剤療法として、2021年11月25日までの薬剤またはブラセボを用いた治療研究を含めた。システマティックレビューには170のトライアル (36の介入、47950例の参加者) および154の二重遮へいのランダム化試験 (30の介入、44089例の参加者) がネットワークメタ分析に適合した。 結果は、eszopiclone (註: Z製剤、商品名ルネスタなど) とlemborexant (註: オレキシン受容体拮抗剤、商品名デエビゴ) が望ましいプロファイルを示した。しかしeszopicloneはかなりの有害事象を起こす可能性があり、lemborexantは安全性データが不充分である。Doxepin、seltorexant、zaleplonは耐容性が良かったが、有効性と他の重要なアウトカムのデータは少なく、総じて、はっきりした結論は下せない。 文献2...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong>臨薬研・懇話会2022年8月例会報告<br />
</strong><strong>シリーズ企画「臨床薬理論文を批判的に読む」71回(2022.8.7)報告<br />
</strong><strong>不眠障害 (insomnia disorder) に対する薬物療法以外の治療と薬物療法<span id="more-5227"></span></strong></p>
<p>今回は、話題提供者自身が深夜に中途覚醒したあと再眠できず苦しんでいる現実からの関心もあり、2022年7月に Lancet 誌に掲載されたシステマティックレビューとネットワークメタ分析の論文と、同時掲載された論説の2つを入口として、この問題に正面から取り組むことを試みました。</p>
<p>例会では活発な議論をいただきました。不眠障害を訴える人はどの統計でも高齢者をはじめかなり多いにかかわらず、この分野は国際的にも適切な診療ガイドラインが存在しません。また、識者の対応も不十分な状態であり、非常に遅れた状況にあることが分かりました。この分野での「根拠に基づく医療」(EBM)の発展を願っています。</p>
<h6><strong>文献</strong></h6>
<p>1.  Crescenzo FD et al. Lancet 2022;</p>
<p>400:170-84. タイトルは 「成人における不眠障害に対する急性期および長期間管理の薬剤(薬理学的)介入での比較効果: システマティックレビューとネットワークメタ分析」</p>
<p>2.  Samara MT. Lancet 2022; 400: 139-41.</p>
<p>論説のタイトルは「不眠障害に対する正しい医薬品は何か」</p>
<h6><strong>文献1</strong></h6>
<p>不眠障害を有する成人 (18歳以上)に対する単剤療法として、2021年11月25日までの薬剤またはブラセボを用いた治療研究を含めた。システマティックレビューには170のトライアル (36の介入、47950例の参加者) および154の二重遮へいのランダム化試験 (30の介入、44089例の参加者) がネットワークメタ分析に適合した。</p>
<p>結果は、eszopiclone (註: Z製剤、商品名ルネスタなど) とlemborexant (註: オレキシン受容体拮抗剤、商品名デエビゴ) が望ましいプロファイルを示した。しかしeszopicloneはかなりの有害事象を起こす可能性があり、lemborexantは安全性データが不充分である。Doxepin、seltorexant、zaleplonは耐容性が良かったが、有効性と他の重要なアウトカムのデータは少なく、総じて、はっきりした結論は下せない。</p>
<h6><strong>文献2</strong></h6>
<p>認知行動療法 (Cognitive-behavioral-therapy: CBT) は慢性不眠障害に対する第一選択治療である。それにもかかわらず、この治療について訓練された臨床家は少ない。そうした事情で他の選択肢を求めることが肝要 (imperative) になっている。不眠障害に対する薬物療法の介入は、第2ラインの治療の位置づけである。</p>
<p>著者たちは、 eszopiclone と lemborexant が、 かなりの有害事象を起こす可能性を有するものの、最良のプロファイルを有していると結論した。ほとんどの (most) 他の薬剤に関するデータ、長期のデータ、害作用のデータは希薄であった。将来の研究において、他の根源 (sources) のエビデンス、とりわけこれらの薬剤の害作用プロファイルが考察される必要がある。さらには、３か月以上継続される、直接にそれぞれの薬剤治療を非薬剤治療と比較するトライアルが、臨床家と患者に明確な答えを与えるために行われるべきだ。</p>
<p>薬物治療介入は必要と考えられ、そしてどの薬剤が有効性と害作用のトレードオフを考慮の上投与されるべきかを決定するために、患者と医師の共同意思決定 (shared decision making: SDM) が要である。</p>
<h6><strong>薬物治療について</strong></h6>
<p>文献１はZ剤のeszopiclone とオレキシン受容体拮抗剤lemborexant が、かなりの有害事象を起こす可能性を有するものの、最良のプロファイルを有していると結論している。</p>
<p>しかし、Z剤がベンゾジアゼピンより安全性が高いとの当初の期待はその後のデータで否定されている。オレキシン受容体拮抗剤については、米国の薬害監視団体パブリックシティズン (PC) が2013年に suvolexant (註:商品名ベルソムラ) について公聴会で承認しないよう証言し、さらにはFDAに承認しないよう長文の意見書を提出している。PCは本剤が入眠時間を短縮し睡眠時間を延長する効果はわずか (marginal effect) であるのに、患者と公衆 (general public) に与えるリスクが極めて大きいとしている。とりわけ半減期が極めて長く翌日に効果が持ち越され交通事故などの原因となることを強調している。lemborexantは2019年の承認だが、半減期は suvolexantよりもさらに長い。PCはsuvolexantが自殺企図、コレステロール上昇、幻覚の害作用を有するとともに、一度服用を開始するとリバウンド作用が強く止めるのが困難としている。PCがここであげている以外にもオレキシン受容体拮抗剤は、その薬理作用機序である体内で生理的に重要な役割を果たしているオレキシンの抑制に関連して、臨床試験成績や動物試験から情動脱力発作 (カタプレキシー)のリスクが問題になっている。</p>
<p>しかし、現状は国内外ともにオレキシン受容体拮抗剤の使用が増加している状況がある。</p>
<h6><strong>認知行動療法 (Cognitive-behavioral-therapy: CBT) について</strong></h6>
<p>CBTについては、文献2で慢性不眠障害の第一選択治療と考えられていることが述べられている。しかしこの治療を行える臨床家が少ないので他の治療選択が必要と書かれている。電子教科書 UpToDate もCBTは慢性不眠障害に対する薬剤以外の治療の頼みの綱 (mainstay)であり、第一選択治療としてより好まれていると記載している。</p>
<p>CBTは害作用が問題となっている薬物治療に代替する治療として大いに期待されるのだが、調べてみると残念ながら CBTはまだ発展途上の段階にあり、すぐ応用できる体系化されたものになっていないことが判明した。</p>
<p>参考文献</p>
<p>1.   宗澤岳史　不眠症に対する認知症アプローチの効果、博士(人間科学)学位論文　2008年1月.</p>
<p>2.   宗澤岳史、三島和夫.　不眠症に対する認知行動療法. 精神保健研究2009; 55: 71-8.</p>
<p>3.   小川康弘. 不眠症のケア─睡眠に対する認知的側面を中心に.　森ノ宮医療大学紀要 2022; 16号: 90-7.</p>
<p>4.   北内京子. 不眠症. 森ノ宮医療大学紀要2022;16号: 67-74.</p>
<p>5.   加糖沙弥佳, 嶋元和子, 福添純子, 池田遥. 認知行動療法の実践継続に向けた支援―認知行動療法の実施に対する思いからの一考察. 日本CNS看護学会誌 2022(9); 11-6.</p>
<p>.</p>
<p>睡眠に関する問題は、睡眠ポリグラフ等で捉えられるような客観的な側面と、個人が自分の睡眠に対してどのように感じているかという主観的な側面がある。不眠障害は単なる生理学的な問題ではなく、自分の睡眠をどう捉えるかという認知的な要因も含む複雑かつ多面的な問題である。近年薬物療法以外の治療への関心が高まっている。これまで不眠障害については実証的な基礎研究、臨床実践が欧米でも少なく、このことが不眠障害に対するCBTの発展を遅らせている原因ともなっており、CBTの体系化など一層の発展が望まれる。</p>
<p style="text-align: right;">薬剤師　寺岡章雄</p>
<p>[編集より補足。不眠障害の第一選択治療はCBT-I(不眠に対する認知行動療法)であるが、日本では、CBT-Iを含めて医療現場でCBTは普及していない。CBTに習熟した医師などの治療者の養成が進んでいないこと、その背景として、施設要件、CBTの保険点数の評価が時間と労力に比して低く採算がとれないことが大きな障壁となっている。CBT-Iは保険診療適用にもなっていない。CBT-Iも含めてCBTの実施医療機関では自費診療としている場合もある。]</p>
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		<item>
		<title>2022年7月2日に発生した日本原燃㈱六ヶ所再処理工場における高レベル放射性濃縮廃液の冷却喪失事故について（NEWS No.564 p05）</title>
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		<pubDate>Thu, 03 Nov 2022 12:33:08 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[564号2022年8月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[2022年7月2日に発生した六ヶ所再処理工場の高レベル放射性濃縮廃液の冷却喪失事故に関しては、日本全国で報道されたにも関わらず、深刻に受け止めている人は少ないように思われる。しかし、この事故は、一歩間違えれば、六ヶ所村内や青森県内のみでなく、東日本、さらには日本全国にまで被害を与えた可能性のある「非常に深刻な事故」であることを知っていただきたいと考え、ここに報告させていただくことにした。 日本原燃の第一報によると、「7/3　午前2時26分に、高レベル廃液ガラス固化建屋において、廃液の供給液槽の安全冷却機能が一時喪失していたことを確認した…安全冷却水設備は、（AとBの）2系統あり、A系列は工事のため停止しており、運転中のB系列の仕切弁が閉止されたことにより、2系列がともに、7/2　15時31分から23時44分までの約8時間停止…23時44分に当直員が仕切弁を開け、安全冷却水の流量が復帰したことにより、安全冷却機能は回復した…原因は調査中…環境への影響はなし…」とのことであった。（https://www.jnfl.co.jp/ja/release/press/2022/detail/20220703-1.html） 図1　高レベル放射性濃縮廃液の供給液槽 翌7/4、デーリー東北（青森県東部～岩手県北部の地方紙）は、「…事故を起こした廃液を貯蔵するタンクの容量は５立方メートルで、過去の試運転(アクティブ試験）で発生した約2.6立方メートルの（放射性濃縮）廃液が入っている（図1の⇒）。タンク内を通る配管を水が循環して温度を一定に保つ仕組みで…通常は24度に保つ廃液の温度が、冷却停止トラブルで一時的に32度まで上昇した。日本原燃㈱は廃液を60度以下で管理すると定めている…」と報道した。 現在、六ヶ所再処理工場には、全体で約211m3の高レベル放射性廃液が長期貯蔵されている。今回の事故は、そのうち、5m3蓄えることができる貯槽（供給液槽）のトラブルであり、冷却水の通る配管の仕切弁が閉まっていたことによって、冷却水が循環せずに32℃まで、通常よりも8度も上昇したという事故である。 再処理工場の竣工が遅れているため、「再処理する使用済核燃料は、原発サイトのプールで12年間、六ヶ所再処理工場で3年間冷却、合わせて15年間冷却したものを再処理する」と想定し直しており（図2参照）、アクティブ試験では15年間冷却した使用済核燃料を用いて再処理を行っていた。そのため、高レベル放射性濃縮廃液が沸騰に至る時間余裕は23時間であったため、8時間の冷却停止でも大事に至らなかった。もしもこれが、4年冷却の使用済燃料を再処理していた場合は、高レベル濃縮廃液の沸騰に至るまでの時間余裕は約6時間であり、冷却の復旧前に沸騰を開始し、揮発性の放射性物質が大気中に拡散していた可能性がある（図2及び3参照）。 図2　再処理する使用済核燃料の冷却年数と沸騰に至る時間 図3　高レベル放射性濃縮廃液の沸騰開始　及び　蒸発乾固に至る時間 一旦、揮発性の放射性物質が放出され始めたならば、たとえ「配管の仕切弁が閉じていることが原因である」と判明したとしても、作業員は仕切弁を手動で開くために被曝覚悟で現場に向かわなくてはならない。しかも、不溶解残渣廃液の槽だったとしたら、大惨事に至った可能性がある（図2参照）。ちなみに、故高木仁三郎氏は、「100m3貯蔵しているときに1m3漏れただけで、六ヶ所村の半数死亡、名古屋では１ケ月間で1mSvの被ばく（１年で12mSv）をする」と述べていた。 しかし、それにも関わらず7/7の東奥日報（青森県の地方紙）は、驚くべき記事を掲載した。 「規制委の見解『閉めるべき仕切弁を取り違えたことが原因ではないか』…『冷却管２系統の手動バルブは同じ部屋にあり、一見すると判別が難しい状態だ』…更田豊志委員長は、『冷却が１週間単位で停止しても危険な状態には至らないため、（今回のトラブルの）リスクは大きくない』との認識を示した…」と報道したのだ。原子力規制委員長の軽さと、それを批判もせずに報道する地元紙には呆れるばかりだ。ちなみに、この地元紙・東奥日報は、「日本で一番多くの原発・核燃広告料をもらっている新聞社」として、本間龍氏に暴露されている。（亜紀書房「原発広告」2013） その後、7/19の日本原燃のプレスリリースによると、「高レベル廃液ガラス固化建屋において安全冷却水A系列は6月19日から工事のため計画的に停止中、安全冷却水B系列のみが運転中だった。7/2当日、別室の供給槽保守第1室において、作業員が溶接作業に係る準備作業をしていたが、配管から空気の流出を確認したため、電話で工事監督に連絡。工事監督は、供給槽保守第2室の安全冷却水A系列の2つの手動弁の閉操作を作業員に指示した。・・・当該（B系列の）仕切弁とその近傍にある安全冷却水A系列の弁とを誤認しやすい状況であった」と経緯を説明している。 また、原因については、「工事監督から作業員への指示が口頭であり、操作対象の弁が不明確であった可能性。弁の対象を弁番号で明確に伝えなかった可能性。弁番号の表示が視認しにくい。開閉状態の表示がない。開閉状態が即座に視認しにくい。系列の表示がない」などが指摘され、それぞれに「対策を取る」としている。（https://www.jnfl.co.jp/ja/release/press/2022/detail/file/20220719-1-1.pdf） しかし、この「弁の識別が困難で、誤認しやすい状況にあった」という状態は、ここだけではなく、再処理工場のあらゆる配管において見られることではないのか。このような管理が杜撰な会社に再処理などという危険極まりない事業を任せることなどできない。日本原燃という会社の構造的問題であり、原子力規制委員会は日本原燃㈱の再処理事業認可を即座に取り消すべきである。 遠藤順子]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>2022年7月2日に発生した六ヶ所再処理工場の高レベル放射性濃縮廃液の冷却喪失事故に関しては、日本全国で報道されたにも関わらず、深刻に受け止めている人は少ないように思われる。<span id="more-5231"></span>しかし、この事故は、一歩間違えれば、六ヶ所村内や青森県内のみでなく、東日本、さらには日本全国にまで被害を与えた可能性のある「非常に深刻な事故」であることを知っていただきたいと考え、ここに報告させていただくことにした。</p>
<p>日本原燃の第一報によると、「7/3　午前2時26分に、高レベル廃液ガラス固化建屋において、廃液の供給液槽の安全冷却機能が一時喪失していたことを確認した…安全冷却水設備は、（AとBの）2系統あり、A系列は工事のため停止しており、運転中のB系列の仕切弁が閉止されたことにより、2系列がともに、7/2　15時31分から23時44分までの約8時間停止…23時44分に当直員が仕切弁を開け、安全冷却水の流量が復帰したことにより、安全冷却機能は回復した…原因は調査中…環境への影響はなし…」とのことであった。（<a href="https://www.jnfl.co.jp/ja/release/press/2022/detail/20220703-1.html">https://www.jnfl.co.jp/ja/release/press/2022/detail/20220703-1.html</a>）</p>
<table cellspacing="0" cellpadding="0" width="100%">
<tbody>
<tr>
<td>
<p style="text-align: center;"><strong>図1　高レベル放射性濃縮廃液の供給液槽</strong></p>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-5-11.png"><img class="aligncenter size-full wp-image-5233" title="564-5-1" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-5-11.png" alt="" width="480" height="360" /></a></p>
<p>翌7/4、デーリー東北（青森県東部～岩手県北部の地方紙）は、「…事故を起こした廃液を貯蔵するタンクの容量は５立方メートルで、過去の試運転(アクティブ試験）で発生した約2.6立方メートルの（放射性濃縮）廃液が入っている（<strong>図1</strong>の⇒）。タンク内を通る配管を水が循環して温度を一定に保つ仕組みで…通常は24度に保つ廃液の温度が、冷却停止トラブルで一時的に32度まで上昇した。日本原燃㈱は廃液を60度以下で管理すると定めている…」と報道した。</p>
<p>現在、六ヶ所再処理工場には、全体で約211m<sup>3</sup>の高レベル放射性廃液が長期貯蔵されている。今回の事故は、そのうち、5m<sup>3</sup>蓄えることができる貯槽（供給液槽）のトラブルであり、冷却水の通る配管の仕切弁が閉まっていたことによって、冷却水が循環せずに32℃まで、通常よりも8度も上昇したという事故である。</p>
<p>再処理工場の竣工が遅れているため、「再処理する使用済核燃料は、原発サイトのプールで12年間、六ヶ所再処理工場で3年間冷却、合わせて15年間冷却したものを再処理する」と想定し直しており（<strong>図2</strong>参照）、アクティブ試験では15年間冷却した使用済核燃料を用いて再処理を行っていた。そのため、高レベル放射性濃縮廃液が沸騰に至る時間余裕は23時間であったため、8時間の冷却停止でも大事に至らなかった。もしもこれが、4年冷却の使用済燃料を再処理していた場合は、高レベル濃縮廃液の沸騰に至るまでの時間余裕は約6時間であり、冷却の復旧前に沸騰を開始し、揮発性の放射性物質が大気中に拡散していた可能性がある（<strong>図2</strong>及び<strong>3</strong>参照）。</p>
<div id="_mcePaste" style="text-align: center;"><strong>図2　再処理する使用済核燃料の冷却年数と沸騰に至る時間</strong></div>
<div><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-5-2.png"><img class="aligncenter size-medium wp-image-5234" title="564-5-2" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-5-2-500x323.png" alt="" width="500" height="323" /></a></div>
<div style="text-align: center;"><strong> </strong><strong>図3　高レベル放射性濃縮廃液の沸騰開始　及び　蒸発乾固に至る時間</strong></div>
<div style="text-align: center;"><strong><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-5-3.jpg"><img class="aligncenter size-medium wp-image-5235" title="564-5-3" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-5-3-396x500.jpg" alt="" width="238" height="300" /></a><br />
</strong></div>
<p>一旦、揮発性の放射性物質が放出され始めたならば、たとえ「配管の仕切弁が閉じていることが原因である」と判明したとしても、作業員は仕切弁を手動で開くために被曝覚悟で現場に向かわなくてはならない。しかも、不溶解残渣廃液の槽だったとしたら、大惨事に至った可能性がある（<strong>図2</strong>参照）。ちなみに、故高木仁三郎氏は、「100m<sup>3</sup>貯蔵しているときに1m<sup>3</sup>漏れただけで、六ヶ所村の半数死亡、名古屋では１ケ月間で1mSvの被ばく（１年で12mSv）をする」と述べていた。</p>
<p>しかし、それにも関わらず7/7の東奥日報（青森県の地方紙）は、驚くべき記事を掲載した。</p>
<p>「規制委の見解『閉めるべき仕切弁を取り違えたことが原因ではないか』…『冷却管２系統の手動バルブは同じ部屋にあり、一見すると判別が難しい状態だ』…更田豊志委員長は、『冷却が１週間単位で停止しても危険な状態には至らないため、（今回のトラブルの）リスクは大きくない』との認識を示した…」と報道したのだ。原子力規制委員長の軽さと、それを批判もせずに報道する地元紙には呆れるばかりだ。ちなみに、この地元紙・東奥日報は、「日本で一番多くの原発・核燃広告料をもらっている新聞社」として、本間龍氏に暴露されている。（亜紀書房「原発広告」2013）</p>
<p>その後、7/19の日本原燃のプレスリリースによると、「高レベル廃液ガラス固化建屋において安全冷却水A系列は6月19日から工事のため計画的に停止中、安全冷却水B系列のみが運転中だった。7/2当日、別室の供給槽保守第1室において、作業員が溶接作業に係る準備作業をしていたが、配管から空気の流出を確認したため、電話で工事監督に連絡。工事監督は、供給槽保守第2室の安全冷却水A系列の2つの手動弁の閉操作を作業員に指示した。・・・当該（B系列の）仕切弁とその近傍にある安全冷却水A系列の弁とを誤認しやすい状況であった」と経緯を説明している。</p>
<p>また、原因については、「工事監督から作業員への指示が口頭であり、操作対象の弁が不明確であった可能性。弁の対象を弁番号で明確に伝えなかった可能性。弁番号の表示が視認しにくい。開閉状態の表示がない。開閉状態が即座に視認しにくい。系列の表示がない」などが指摘され、それぞれに「対策を取る」としている。（<a href="https://www.jnfl.co.jp/ja/release/press/2022/detail/file/20220719-1-1.pdf">https://www.jnfl.co.jp/ja/release/press/2022/detail/file/20220719-1-1.pdf</a>）</p>
<p>しかし、この「弁の識別が困難で、誤認しやすい状況にあった」という状態は、ここだけではなく、再処理工場のあらゆる配管において見られることではないのか。このような管理が杜撰な会社に再処理などという危険極まりない事業を任せることなどできない。日本原燃という会社の構造的問題であり、原子力規制委員会は日本原燃㈱の再処理事業認可を即座に取り消すべきである。</p>
<p style="text-align: right;">遠藤順子</p>
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		<title>CDCのミッションと組織、活動内容について（NEWS No.564 p07）</title>
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		<pubDate>Thu, 03 Nov 2022 12:32:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[564号2022年8月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[｢日本版CDC｣については、すでに2020年2月17日の衆院予算委員会で、安倍首相(当時)が、伊佐委員(公明)からの米CDCに相当する組織設置について政府へ提案したことへの答弁として、CDCのような組織の設立を｢検討する｣と述べている。同年2月27日には、日本医師会が安倍首相(当時)に対して、感染症危機管理体制の強化や｢日本型CDC｣創設を含む5項目の要望書を提出し、同年6月には日本製薬工業協会がCOVID-19治療薬・ワクチンの創製に向けた提言のなかで、｢日本版CDC｣の設置を訴えていた。その流れの中で、2022年6月17日に、岸田首相が、第93回新型コロナウイルス感染症対策本部会議で｢日本型CDC｣創設に言及している。 本稿では、日本版CDCのモデルとされる米CDCの組織と活動について検討してみる。 アメリカ疾病予防管理センター( Centers for Disease Control and Prevention、略称: CDC)は、米国ジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所で、公式の日本語訳はないが、本稿では疾病予防管理センターとする。以下、略称で表記する。　　　CDCのミッションは、健康、安全、セキュリティの脅威から米国を守ることであり、一般的な公衆衛生部門でなく、危機管理部門で、軍事的色彩を帯びる。職員数は本部が約7,000人、支部が約8,500人。職種は、医師(感染症専門医)、薬剤師(感染制御専門薬剤師)、獣医師、看護師(感染症対策看護師)、臨床検査技師(感染制御認定臨床微生物検査技師)、生化学者、遺伝子学者、病理学者、法医学者、疫学者、微生物学者、軍人など多種多様。 CDCの活動内容は、調査・研究、情報発信・助言、緊急対応、検疫・隔離、人材育成がある。このうち、COVID-19のような緊急対応のため、Emergency Operations Center(EOC)を常設し、専門家の派遣、現場への物資や機器の配送の調整、レスポンス活動のサーベイランス、州及び地方の公衆衛生部分にリソース提供を行う。また、科学的なガイドライン作成、連邦政府・州政府への情報提供、州の要請に応じたサポート、現場での助言、データ収集補助・データ解析も担っている。 CDCは、感染性疾患関連、非感染性疾患関連(母子保健、環境保健、傷害予防)、産業保健関連、公衆衛生サービスと実践科学(マイノリティの保健、国際保健、危機対応、コミュニティ)、公衆衛生科学とサーベイランス関連などの主要部署(センター)があり(図を参照)、それぞれの専門分野で独立して活動する一方、それぞれの持つ資源と専門知識を組み合わせて分野横断的な課題と特定の健康への脅威に対処している。CDCには文民だけでなく、米国公衆衛生士官部隊の隊員も勤務している。 図　CDCの組織図 米国CDCは、第二次世界大戦後に国防省のマラリア対策部門の後継機関として立ち上がった。現在、強力なCDCを有するのは米国と中国だけだ。CDCより勧告される文書は世界共通ルールと見なされるほどの影響力を持っている。極端に致死率の高いバイオセーフティーレベル4(BSL-4)に対応できるのはレベル4実験室だけで、CDCにあるものがそのひとつだ。エボラウイルスなどバイオハザードへの対策については世界中がCDCに依存している。また危険なウイルスの保存もしており、自然界で撲滅が確認された天然痘ウイルスを公式に保管している機関は、CDCとロシア国立ウイルス学・生物工学研究センターだけだ。 当ニュース7月号で述べたように、日本版CDC創設には反対だが、創設の適否の議論に際して、対象とする疾患や課題、人材育成、科学的中立性の担保が論点と考えられるが、現在の議論の流れからは危機管理が強調され、やはり創設自体に反対せざるを得ない。 梅田忠斉]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>｢日本版CDC｣については、すでに2020年2月17日の衆院予算委員会で、安倍首相(当時)が、伊佐委員(公明)からの米CDCに相当する組織設置について政府へ提案したことへの答弁として、CDCのような組織の設立を｢検討する｣と述べている。<span id="more-5237"></span>同年2月27日には、日本医師会が安倍首相(当時)に対して、感染症危機管理体制の強化や｢日本型CDC｣創設を含む5項目の要望書を提出し、同年6月には日本製薬工業協会がCOVID-19治療薬・ワクチンの創製に向けた提言のなかで、｢日本版CDC｣の設置を訴えていた。その流れの中で、2022年6月17日に、岸田首相が、第93回新型コロナウイルス感染症対策本部会議で｢日本型CDC｣創設に言及している。</p>
<p>本稿では、日本版CDCのモデルとされる米CDCの組織と活動について検討してみる。</p>
<p>アメリカ疾病予防管理センター( Center<span style="text-decoration: underline;">s</span> for Disease Control and Prevention、略称: CDC)は、米国ジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所で、公式の日本語訳はないが、本稿では疾病予防管理センターとする。以下、略称で表記する。　　　CDCのミッションは、<strong>健康、安全、セキュリティの脅威から米国を守ること</strong>であり、一般的な公衆衛生部門でなく、危機管理部門で、軍事的色彩を帯びる。職員数は本部が約7,000人、支部が約8,500人。職種は、医師(感染症専門医)、薬剤師(感染制御専門薬剤師)、獣医師、看護師(感染症対策看護師)、臨床検査技師(感染制御認定臨床微生物検査技師)、生化学者、遺伝子学者、病理学者、法医学者、疫学者、微生物学者、<strong>軍人</strong>など多種多様。</p>
<p>CDCの活動内容は、調査・研究、情報発信・助言、緊急対応、検疫・隔離、人材育成がある。このうち、COVID-19のような緊急対応のため、Emergency Operations Center(EOC)を常設し、専門家の派遣、現場への物資や機器の配送の調整、レスポンス活動のサーベイランス、州及び地方の公衆衛生部分にリソース提供を行う。また、科学的なガイドライン作成、連邦政府・州政府への情報提供、州の要請に応じたサポート、現場での助言、データ収集補助・データ解析も担っている。</p>
<p>CDCは、感染性疾患関連、非感染性疾患関連(母子保健、環境保健、傷害予防)、産業保健関連、公衆衛生サービスと実践科学(マイノリティの保健、国際保健、危機対応、コミュニティ)、公衆衛生科学とサーベイランス関連などの主要部署(センター)があり(<strong>図</strong>を参照)、それぞれの専門分野で独立して活動する一方、それぞれの持つ資源と専門知識を組み合わせて分野横断的な課題と特定の健康への脅威に対処している。CDCには文民だけでなく、<strong>米国公衆衛生士官部隊</strong>の隊員も勤務している。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>図　CDCの組織図</strong></p>
<p style="text-align: center;"><strong><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-7.jpg"><img class="aligncenter size-medium wp-image-5238" title="564-7" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-7-500x264.jpg" alt="" width="500" height="264" /></a><br />
</strong></p>
<p>米国CDCは、第二次世界大戦後に国防省のマラリア対策部門の後継機関として立ち上がった。現在、強力なCDCを有するのは米国と中国だけだ。CDCより勧告される文書は世界共通ルールと見なされるほどの影響力を持っている。極端に致死率の高いバイオセーフティーレベル4(BSL-4)に対応できるのはレベル4実験室だけで、CDCにあるものがそのひとつだ。エボラウイルスなどバイオハザードへの対策については世界中がCDCに依存している。また危険なウイルスの保存もしており、自然界で撲滅が確認された天然痘ウイルスを公式に保管している機関は、CDCとロシア国立ウイルス学・生物工学研究センターだけだ。</p>
<p>当ニュース7月号で述べたように、日本版CDC創設には反対だが、創設の適否の議論に際して、対象とする疾患や課題、人材育成、科学的中立性の担保が論点と考えられるが、現在の議論の流れからは危機管理が強調され、やはり創設自体に反対せざるを得ない。</p>
<p style="text-align: right;">梅田忠斉</p>
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		<title>いちどくを この本『原発事故避難者はどう生きてきたか─被傷性の人類学』（NEWS No.564 p08）</title>
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		<pubDate>Thu, 03 Nov 2022 12:32:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[本の紹介]]></category>
		<category><![CDATA[564号2022年8月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[『原発事故避難者はどう生きてきたか─被傷性の人類学』 竹沢尚一郎 著 東信堂　2800円＋税 2022年2月刊行 本ニュース第562号で原発賠償京都訴訟原告団共同代表の福島敦子氏は、大阪高裁での控訴審へ提出された「放射性物質による健康被害から逃れるための『避難の困難さを少しでも可視化できる』」証拠について記述されるなかで、本書にも触れられていました。 本著者は文化人類学研究に携わっておられる国立民族学博物館名誉教授で専門分野は同ホームページには「宗教人類学・西アフリカ研究」とあります。 本書の意図は「序文」に書かれています。 「避難後の10年を必死になって生きてきた彼ら(筆者注)の試行錯誤を可能なかぎり正確に伝えること、あれほどの不安と恐怖を引き起こした原発事故さえなかったかのように、一切を忘却のなかに押しやろうとする日本という国家と私たち日本人の惰性と忘却のメカニズムに抗いながらそうすること」(注：原発事故避難者のこと) 副題「被傷性の人類学」の示す意味についても「序文」より抜粋して紹介します。 文化人類学は異質な文化をもつ人びとの生き方や考え方、行動様式を研究する学問であり、(中略)現地に住む人びとと直接に向き合うフィールドワークを通じて彼らの文化形態を理解しようとつとめてきたが、『他者の文化の学』としての文化人類学は、1980年代以降大きく変質・方向転換に迫られることになります。 私には、研究者の方々が自らの立ち位置を客観視する作業の中から育まれたと感じられますが、「他者について書くことが否応なく孕む権力作用に対する自省が進んだこと」、グローバル化の進展と表現される現代世界の変質によって「他者の文化と私たちの文化の境界が薄れ、共通する困難・苦悩への傷つきやすさ(被傷性)を共有することで結びつけられている人間共通の性質を理解する学問になったこと」など、人類学の歴史的概観をも提示されます。 そして人類学の目指すべき地点は「人びとが直面している苦難や彼らの痛みをできるだけ彼らの身近なところで描くとともに、彼らにそのような困難を課しているのはいかなる社会的メカニズムであり、それが私たちを含めた人びとをどのように拘束しているかを、可能なかぎり客観的にかつ深層にいたる仕方で示すことである。」との著者の言葉があります。 このような研究者としての裏付け・矜持を有する著者による避難者へのインタビュー内容が掲載されています。 第一章　原発事故が人生を変えた (4名) 第三章　未成年者は避難生活のなかで何を経験したか (4名) 第四章　避難することの悲しさ、避難をつづけることの苦しさ (3名) 第五章　原発事故がもたらした精神的苦痛はいかに大きいか (4名) 最終章「結論」の中に次の文章が出現します。 「私は個人的には、老朽化した原子炉の廃炉は当然として、安全と確認された原子力発電所は稼働を容認してもよいと判断している。稼働させないなら、諸外国より高い電力料金がさらにあがり、日本経済と私たちの生活が打撃を受けることは疑いないからである。」 もちろん著者が再稼働容認に向けて東京電力や政府に課す条件は厳しい内容ですが、電力料金の設定に正確な知識を持たない私には著者の理由付けに反論出来ないものの、原発から得る電力をエネルギー政策に含めることは、人間、地球は貴重なものとの評価と両立するものだろうか？今号のニュースで遠藤順子氏が提起されている使用済み核燃料の危険性も受容することになるのでしょうか？　事故を起こさないと「確認」され正常運転する原発は「安全」と言えるのでしょうか？ 医問研編集の2冊を参照して頂きたいです。 ＊2007年ドイツ環境省、連邦放射線防護庁より公表された (ドイツ語で)KiKK研究：原発周辺の小児がんに関する23年間にわたる疫学調査。原発の半径5km以内では5歳以下の白血病が他地域に比べて2.19倍多く、その他のがんも含めると1.61倍多いとの結果。詳しくは「低線量・内部被曝の危険性 34～40頁」 ＊2015年国際がん研究機関(IARC)より報告された「国際原子力施設労働者調査(INWORKS)」：日本を含む原発推進国による核関連施設労働者約30,8万人を対象として低線量被ばくによる白血病増加と固形がん増加を明らかにした1944年から2005年での疫学調査。原子力緊急事態宣言下で容認されている年間20mSvの被ばく線量がいかに高い水準であるかを示唆しています。詳しくは「甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える 増補改訂版 115～118頁」 健康被害を確実にもたらす原発は廃止するべきで、原発再稼働、原発新設は容認できるものではないと考えます。 伊集院真知子]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-81.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-5243" title="564-8" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/564-81-346x500.jpg" alt="" width="208" height="300" /></a>『原発事故避難者はどう生きてきたか─被傷性の人類学』<br />
竹沢尚一郎 著<br />
東信堂　2800円＋税<br />
2022年2月刊行<span id="more-5240"></span></p>
<p>本ニュース第562号で原発賠償京都訴訟原告団共同代表の福島敦子氏は、大阪高裁での控訴審へ提出された「放射性物質による健康被害から逃れるための『避難の困難さを少しでも可視化できる』」証拠について記述されるなかで、本書にも触れられていました。</p>
<p>本著者は文化人類学研究に携わっておられる国立民族学博物館名誉教授で専門分野は同ホームページには「宗教人類学・西アフリカ研究」とあります。</p>
<p>本書の意図は「序文」に書かれています。</p>
<p>「避難後の10年を必死になって生きてきた彼ら(筆者注)の試行錯誤を可能なかぎり正確に伝えること、あれほどの不安と恐怖を引き起こした原発事故さえなかったかのように、一切を忘却のなかに押しやろうとする日本という国家と私たち日本人の惰性と忘却のメカニズムに抗いながらそうすること」(注：原発事故避難者のこと)</p>
<p>副題「被傷性の人類学」の示す意味についても「序文」より抜粋して紹介します。</p>
<p>文化人類学は異質な文化をもつ人びとの生き方や考え方、行動様式を研究する学問であり、(中略)現地に住む人びとと直接に向き合うフィールドワークを通じて彼らの文化形態を理解しようとつとめてきたが、『他者の文化の学』としての文化人類学は、1980年代以降大きく変質・方向転換に迫られることになります。</p>
<p>私には、研究者の方々が自らの立ち位置を客観視する作業の中から育まれたと感じられますが、「他者について書くことが否応なく孕む権力作用に対する自省が進んだこと」、グローバル化の進展と表現される現代世界の変質によって「他者の文化と私たちの文化の境界が薄れ、共通する困難・苦悩への傷つきやすさ(被傷性)を共有することで結びつけられている人間共通の性質を理解する学問になったこと」など、人類学の歴史的概観をも提示されます。</p>
<p>そして人類学の目指すべき地点は「人びとが直面している苦難や彼らの痛みをできるだけ彼らの身近なところで描くとともに、彼らにそのような困難を課しているのはいかなる社会的メカニズムであり、それが私たちを含めた人びとをどのように拘束しているかを、可能なかぎり客観的にかつ深層にいたる仕方で示すことである。」との著者の言葉があります。</p>
<p>このような研究者としての裏付け・矜持を有する著者による避難者へのインタビュー内容が掲載されています。</p>
<p>第一章　原発事故が人生を変えた (4名)<br />
第三章　未成年者は避難生活のなかで何を経験したか (4名)<br />
第四章　避難することの悲しさ、避難をつづけることの苦しさ (3名)<br />
第五章　原発事故がもたらした精神的苦痛はいかに大きいか (4名)<br />
最終章「結論」の中に次の文章が出現します。</p>
<p>「私は個人的には、老朽化した原子炉の廃炉は当然として、安全と確認された原子力発電所は稼働を容認してもよいと判断している。稼働させないなら、諸外国より高い電力料金がさらにあがり、日本経済と私たちの生活が打撃を受けることは疑いないからである。」</p>
<p>もちろん著者が再稼働容認に向けて東京電力や政府に課す条件は厳しい内容ですが、電力料金の設定に正確な知識を持たない私には著者の理由付けに反論出来ないものの、原発から得る電力をエネルギー政策に含めることは、人間、地球は貴重なものとの評価と両立するものだろうか？今号のニュースで遠藤順子氏が提起されている使用済み核燃料の危険性も受容することになるのでしょうか？　事故を起こさないと「確認」され正常運転する原発は「安全」と言えるのでしょうか？</p>
<p>医問研編集の2冊を参照して頂きたいです。</p>
<p>＊2007年ドイツ環境省、連邦放射線防護庁より公表された (ドイツ語で)KiKK研究：原発周辺の小児がんに関する23年間にわたる疫学調査。原発の半径5km以内では5歳以下の白血病が他地域に比べて2.19倍多く、その他のがんも含めると1.61倍多いとの結果。詳しくは「低線量・内部被曝の危険性 34～40頁」</p>
<p>＊2015年国際がん研究機関(IARC)より報告された「国際原子力施設労働者調査(INWORKS)」：日本を含む原発推進国による核関連施設労働者約30,8万人を対象として低線量被ばくによる白血病増加と固形がん増加を明らかにした1944年から2005年での疫学調査。原子力緊急事態宣言下で容認されている年間20mSvの被ばく線量がいかに高い水準であるかを示唆しています。詳しくは「甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える 増補改訂版 115～118頁」</p>
<p>健康被害を確実にもたらす原発は廃止するべきで、原発再稼働、原発新設は容認できるものではないと考えます。</p>
<p style="text-align: right;">伊集院真知子</p>
]]></content:encoded>
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