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	<title>医療問題研究会 &#187; 577号2023年9月発行</title>
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	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
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		<title>乳幼児への新型コロナワクチン接種拡大キャンペーンに反対の声を集中しよう（NEWS No.577 p01）</title>
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		<pubDate>Mon, 20 Nov 2023 02:44:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[新型コロナウイルス感染症]]></category>
		<category><![CDATA[577号2023年9月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[日本小児科学会は2022年9月19日、「5～17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」を公表し、健康小児への接種について「意義がある」から「推奨します」に立場を変更した。2022年6月、USAのFDAがファイザーとともにMMWR誌上で乳幼児へのワクチン奨励を発表した論文などを受けたものであるが、その後も欧州を中心に小児の接種が伸びないなど、世界的に小児接種の是非が揺れ動く中で、日本小児科学会は、2023年6月19日あらためて「推奨」の継続とその理由を公表した。要点は 世界でワクチンは有効かつ安全 日本は小児の自然感染が少ないと推定。 まれにコロナ感染すると小児に心筋炎や脳症がある。 日本でも発症予防、入院予防効果があり副反応はない。 である。 ワクチンは安全か？厚労省のワクチン被害申請審議会には2021年8月19日の143回以降すでに8000件を超えるコロナワクチン被害が進達され、4300件を超える被害認定がなされている。一方、MDPAを通じた業者、医療者からのコロナワクチン死亡報告はすでに4000名を超えている。最初からⅡ、Ⅲ相の市場調査もなく、安全性の検討が全くというほどなされていないワクチンの当然の帰結である。0-19歳のワクチン接種後死亡は16例を数える。 日本の小児の自然感染は少ないか？9月の厚労省から5-29歳では70%の自然感染があることが発表され、この論理は破綻した。 心筋炎や脳症について　まれな疾患である心筋炎は、ワクチン接種後350名を数えている。通常は数名/人口10万規模の疾患であり、ワクチンで明らかに多く発症する。脳炎については解熱剤使用の是非、早期の搬送などから迫るべきである。 ワクチン効果について。95%を超える有効率(efficacy)と鳴り物入りで世界市場に登壇したコロナワクチンではあるが、real　worldでの有効率(effectiveness)は30日を待たずになくなることなどが明らかとなってきた。欧州を中心に、小児を含め、特に追加接種(ブースター接種)はすすんでいない。小児の重症例は極めて少ない。また、ワクチン接種そのものによる超過死亡の増加も明らかになってきた。 以上のように小児科学会の方針は、このような事実に逆行するものであり、ましてefficacyすらデータがなく、投与量の根拠も曖昧なままという前代未聞の乳幼児への接種推奨は論外である。我々は小児科学会が旗を振る乳幼児への新型コロナワクチン接種拡大キャンペーンへの反対を全国の小児科医だけでなく医療や保育関係者、子どもの保護者やワクチン被害者、支援する方々すべてに訴える。 関連記事]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>日本小児科学会は2022年9月19日、「5～17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」を公表し、健康小児への接種について「意義がある」から「推奨します」に立場を変更した。<span id="more-5595"></span>2022年6月、USAのFDAがファイザーとともにMMWR誌上で乳幼児へのワクチン奨励を発表した論文などを受けたものであるが、その後も欧州を中心に小児の接種が伸びないなど、世界的に小児接種の是非が揺れ動く中で、日本小児科学会は、2023年6月19日あらためて「推奨」の継続とその理由を公表した。要点は</p>
<ul>
<li>世界でワクチンは有効かつ安全</li>
<li>日本は小児の自然感染が少ないと推定。</li>
<li>まれにコロナ感染すると小児に心筋炎や脳症がある。</li>
<li>日本でも発症予防、入院予防効果があり副反応はない。</li>
</ul>
<p>である。</p>
<p>ワクチンは安全か？厚労省のワクチン被害申請審議会には2021年8月19日の143回以降すでに8000件を超えるコロナワクチン被害が進達され、4300件を超える被害認定がなされている。一方、MDPAを通じた業者、医療者からのコロナワクチン死亡報告はすでに4000名を超えている。最初からⅡ、Ⅲ相の市場調査もなく、安全性の検討が全くというほどなされていないワクチンの当然の帰結である。0-19歳のワクチン接種後死亡は16例を数える。</p>
<p>日本の小児の自然感染は少ないか？9月の厚労省から5-29歳では70%の自然感染があることが発表され、この論理は破綻した。</p>
<p>心筋炎や脳症について　まれな疾患である心筋炎は、ワクチン接種後350名を数えている。通常は数名/人口10万規模の疾患であり、ワクチンで明らかに多く発症する。脳炎については解熱剤使用の是非、早期の搬送などから迫るべきである。</p>
<p>ワクチン効果について。95%を超える有効率(efficacy)と鳴り物入りで世界市場に登壇したコロナワクチンではあるが、real　worldでの有効率(effectiveness)は30日を待たずになくなることなどが明らかとなってきた。欧州を中心に、小児を含め、特に追加接種(ブースター接種)はすすんでいない。小児の重症例は極めて少ない。また、ワクチン接種そのものによる超過死亡の増加も明らかになってきた。</p>
<p>以上のように小児科学会の方針は、このような事実に逆行するものであり、ましてefficacyすらデータがなく、投与量の根拠も曖昧なままという前代未聞の乳幼児への接種推奨は論外である。我々は小児科学会が旗を振る乳幼児への新型コロナワクチン接種拡大キャンペーンへの反対を全国の小児科医だけでなく医療や保育関係者、子どもの保護者やワクチン被害者、支援する方々すべてに訴える。</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/2023/11/news-577-2023-09-p04/">関連記事</a></p>
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		<item>
		<title>臨薬研・懇話会2023年9月例会報告　複合エンドポイントの問題点を「勝利比」(Win Ratio)導入で改善したとする論文 ―新規心不全患者へのエンバグリフロジン投与の有効性・安全性（NEWS No.577 p02）</title>
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		<pubDate>Mon, 20 Nov 2023 02:43:55 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[577号2023年9月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[もともとは糖尿病治療剤として開発されたSGLT2(sodium-glucose co-transportor2)阻害剤ですが、近年は心不全治療に関するRCTが数多く報告されています。薬物療法などが奏功しにくいとされている左心室駆出率が維持された心不全患者に、SGLT2阻害剤を投与したEMPEROR-Preserved 試験のまとめの論文が2021年10月NEJM誌に公表されました(参考文献※1)。しかしこの論文は、主要エンドポイントが複合エンドポイントで、ハードエンドポイント (心血管死亡)とソフトエンドポイント (心不全による入院)が組み合わされており、患者にとって切実な心血管死亡に対するSGLT2阻害剤エンパグリフロジン (商品名ジャディアンス) の効果をみられる試験デザインになっていませんでした。複合エンドポイントは各患者で最初に起こったイベントを強調する仕組みであり、心不全による入院が前面に出て、患者にとって切実で重要な心血管死亡に対する効果が分からないからです。 NEJM誌への公表から半年にもならない翌年の3月、同様の心不全患者対象に「勝利比」(Win Ratio)を用いた今回取り上げる論文が公表されました。推測では、(※1)をNEJM誌に強引に公表したが、批判を予想して今回の研究を追走させていたのでないかと思われます。今回はこの論文をとりあげ検討しました。例会当日は、改善の意図はうなずけるものがあるが、実際に解決に向かうかは極めて疑問との結論となりました。 論文 Voors AA et al.  The SGLT2 inhibitor empagliflozin in patients hospitalized for acute heart failure: a multinational randomized trial (急性心不全で入院した患者におけるSGLT2 阻害剤エンパグリフロジン; 多国籍ランダム化トライアル ) (EMPULS)  Nature Medicine 2022; 28: 568-574 参考文献 ※1 Anker et al.  for the EMPEROR-Preserved Trial Investigators NEJM 2021; 385 (16); 1451-1461 ※2 EMPULSのプロトコル文献2021...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong> </strong>もともとは糖尿病治療剤として開発されたSGLT2(sodium-glucose co-transportor2)阻害剤ですが、近年は心不全治療に関するRCTが数多く報告されています。<span id="more-5598"></span>薬物療法などが奏功しにくいとされている左心室駆出率が維持された心不全患者に、SGLT2阻害剤を投与したEMPEROR-Preserved 試験のまとめの論文が2021年10月NEJM誌に公表されました(参考文献※1)。しかしこの論文は、主要エンドポイントが複合エンドポイントで、ハードエンドポイント (心血管死亡)とソフトエンドポイント (心不全による入院)が組み合わされており、患者にとって切実な心血管死亡に対するSGLT2阻害剤エンパグリフロジン (商品名ジャディアンス) の効果をみられる試験デザインになっていませんでした。複合エンドポイントは各患者で最初に起こったイベントを強調する仕組みであり、心不全による入院が前面に出て、患者にとって切実で重要な心血管死亡に対する効果が分からないからです。<strong> </strong></p>
<p><strong> </strong>NEJM誌への公表から半年にもならない翌年の3月、同様の心不全患者対象に「勝利比」(Win Ratio)を用いた今回取り上げる論文が公表されました。推測では、(※1)をNEJM誌に強引に公表したが、批判を予想して今回の研究を追走させていたのでないかと思われます。今回はこの論文をとりあげ検討しました。例会当日は、改善の意図はうなずけるものがあるが、実際に解決に向かうかは極めて疑問との結論となりました。</p>
<p><strong>論文</strong> Voors AA et al.  The SGLT2 inhibitor empagliflozin in patients hospitalized for acute heart failure: a multinational randomized trial (急性心不全で入院した患者におけるSGLT2 阻害剤エンパグリフロジン; 多国籍ランダム化トライアル ) (EMPULS)  Nature Medicine 2022; 28: 568-574</p>
<p><strong>参考文献</strong><strong> </strong><strong>※1 </strong>Anker et al.  for the EMPEROR-Preserved Trial Investigators</p>
<p>NEJM 2021; 385 (16); 1451-1461</p>
<p><strong>※2 </strong>EMPULS<strong>の</strong><strong>プロトコル文献2021</strong> Jasper Tromp et al. EMPULSE試験の根拠とデザイン Eup J Heart Failure 2021; 23(5): 826-834</p>
<p><strong> </strong></p>
<p><strong>「勝利比」</strong>(Win Ratio)</p>
<p>統計学者たちによる提起。Pocock SJ et al.</p>
<p>「勝利比: 臨床で重視すべきアウトカムに焦点を当てた複合エンドポイント分析への新たなアプローチ」   European Heart Journal 2012; 33: 176-182</p>
<p><strong> </strong>臨床試験における複合エンドポイントの従来の報告には、各患者の最初のイベントを強調するという固有の限界があり、それは臨床的重要性の低い結果であることが多い。この問題を克服するために、複合エンドポイントを報告するための「勝率」の概念を導入する。新しい治療群と対照群の患者は、それぞれのリスクプロファイルに基づいてマッチしたペアに形成される。一次複合エンドポイント、例えば心不全試験における心血管 (CV) 死亡および心不全入院 (HF hosp) を考える。マッチングされたペアごとに、新しい治療患者は、最初にCV死を迎えた人に応じて 「勝者」 または 「敗者」 のラベルが付けられる。それがわからない場合にのみ、誰が最初にHF病院に入院したかに応じて、その人は「勝者」または「敗者」のレッテルを貼られる。それ以外の場合は、引き分けとする。勝率は勝者の総数を敗者の総数で割ったものである。95%信頼区間と勝率のP値は容易に得られる。マッチしたペアの形成が現実的でない場合は、すべての可能なマッチしていないペアを比較することによって、別の勝率を求めることができる。この方法は、EMPHASIS-HF、PARTNER B、CHARMの試行の再分析によって示されている。勝率は複合エンドポイントを報告するための新しい方法であり、これは使いやすく、例えば死亡率のような臨床的に重要なイベントに適切な優先順位を与える。今後の試験報告での使用を推奨する。</p>
<p>Dung G et al. 層別化した勝率<br />
J Biopharmaceutical statistics 2018; 28(4): 778-796</p>
<p>勝率は2012年にPocockらによって初めて提案されたもので、複合エンドポイントを、その構成要素の臨床的重要性の順序と相対的なタイミングを考慮しながら分析するものである。それ以来、応用面でも方法論でもかなりの注目を集めてきた。原則として、層別勝率分析の考え方は、予後変数（すなわち、層）を調整またはコントロールすることである。データはまず、予後変数に関して比較的均質な層に分けられる。そして、勝敗は各層内で別々に調整して計算され（すなわち、層固有の勝敗）、予後変数の潜在的なコンフォメーション効果は分析から排除される。その後、階層固有の勝利を組み合わせて、階層化された勝率を推定する。</p>
<p>臨床試験では層別解析を必要とする場合も多いが、「勝率」ではリスクプロファイルで層別した「層別化した勝率統計量」として、マンテル・ヘンツェル層別オッズ比と同様の方法で統計的に扱う(評価する)ことができるとしている。</p>
<h5><strong>今回の論文の抄録</strong></h5>
<p>ナトリウム・グルコース共輸送体2（SGLT2）阻害剤であるエンパグリフロジンは、左心室駆出率が低下した慢性心不全患者に有効性が示されてきているが、駆出率が保持された患者での有効性は明らかでない。また心不全の新規患者の入院の初期段階におけるSGLT2 阻害剤による治療の開始が安全かどうかも明らかでない。我々は本研究を、急性心不全で入院した患者における3つの基本的なケア目標（生存時間の改善、心不全イベントの減少、症状の改善）に対するエンパグリフロジンの効果を評価すべく計画した。</p>
<p>今回の二重遮蔽試験（EMPULSE）では、駆出率に関係なく、急性新規または慢性非代償性心不全と診断された患者530例を、エンパグリフロジン10mgを1日1回投与する群とプラセボを投与する群にランダムに割り付けた。</p>
<p>患者は臨床的に安定した時点で病院内でランダムに割り付けられ（入院からランダム化までの時間中央値3日）、最長90日間治療された。主要アウトカムは、臨床的有用性であり、あらゆる要因による死亡、心不全イベント発生数、最初の心不全イベント発生までの時間の階層的複合、または90日後のカンザスシティ心筋症質問票の全症状スコアのベースラインからの変化における5ポイント以上の差と定義され、勝率を用いて評価された。試験は2020年6月から2021年2月にかけて、15か国118施設で合計566例の患者をスクリーニングした。解析は治療意図の原則によるITT解析で行った。エンパグリフロジン投与群ではプラセボ投与群と比較してより多くの患者で臨床的有用性が認められ（層別化勝率、1.36；95％信頼区間、1.09-1.68；P = 0.0054）、主要評価項目を達成した。エンパグリフロジンの臨床的有用性は、急性心不全と代償性心不全の両方に認められ、駆出率や糖尿病の有無に関係なく観察された。エンパグリフロジンの忍容性は良好で、重篤な有害事象はエンパグリフロジン投与群で32.3％、プラセボ投与群で43.6％に報告された。これらの所見から、急性心不全で入院した患者におけるエンパグリフロジンの投与開始は忍容性が良好であり、開始後90日間に有意な臨床的有益性をもたらすことが示された。</p>
<h5><strong>今回の論文の本文記載から</strong></h5>
<p>新規心不全患者は、SGLT2 阻害剤を用いた以前の試験に参加する資格がなかった。</p>
<p>表1にランダム化された患者のベースライン特性を示す。年齢中央値は71歳（四分位範囲61-78歳）、34％が女性、78％が白人であった。入院からランダム化までの時間の中央値は3日（四分位範囲、2～4日）であった。その他の患者特性およびベースライン時の薬物療法は治療群間で均衡がとれていた。</p>
<p>合計 530 人の患者が治療意図の原則を使用した有効性分析に含まれた。試験薬剤の早期中止は114人の患者（21.8％）で発生し、エンパグリフロジン群では52人（20.0％）、プラセボ群では62人（23.5％）であった。 11 人の患者 (2.1%) は追跡調査ができなかった。</p>
<p>合計33例（6.2％）が死亡し、エンパグリフロジン群11例（4.2％）、プラセボ群22例（8.3％）であった。67例（12.6％）が少なくとも1つの心不全イベントを有していた（エンパグリフロジン群：28例、10.6％；プラセボ群：39例、14.7％）。</p>
<p>安全性分析では，両群でケトアシドーシスは発生しなかった。エンパグリフロジン群ではヘマトクリットとヘモグロビンが大幅に増加した。このことは、利尿作用と関係があるかもしれない。それは、エンパグリフロジン投与群では15日目、90日目ともに利尿反応が大きかったことからも支持される。ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリーがこのトライアルのスポンサーとなった。</p>
<p>急性心不全で入院した患者にSGLT2阻害剤エンパグリフロジンを投与開始したところ、ランダム化後90日目に統計学的に有意かつ臨床的に意味のある利益が得られた。P値または信頼区間は多重比較用に調整されていない。全要因死亡および心不全イベントの減少とQOL(生の質)の改善が、エンパグリフロジン群の勝利数の増加に寄与した。結論として、今回の結果は、急性心不全で入院している患者の通常のケアの一環としてエンパグリフロジンの投与を開始すると、安全性への懸念なく90日以内に臨床的に意味のある利益が得られることを示唆している。</p>
<h5><strong>当日のディスカッションから</strong></h5>
<p>勝利比の導入による統計学者たちの複合エンドポイントの問題点克服の意図は分かるが、実際の解決に向かうかは極めて疑わしいのでないかとの、結論となりました。</p>
<h5><strong>出された意見 (順不同)</strong></h5>
<ul>
<li>解析方法以前に「二重遮蔽ランダム化トライアル」としているデータが信用おけない。SGLT2阻害剤の利尿作用で、投与されている試験薬剤が、実薬かプラセボかはバレバレでないか。</li>
</ul>
<ul>
<li>心不全イベントが実薬群28例、10.6％、プラセボ群39例、14.7％とプラセボ群が多いのは不自然でないか。</li>
</ul>
<ul>
<li>勝利比の計算に際して、ペアの組み合わせをどのように公正に行うのか。人の手で行うのでなく、コンピューターで行われる。いろいろな組み合わせをコンピューターで隈なく行って、その内最もスポンサーにとって都合の良いデータが論文とされてもわからないのでないか。</li>
</ul>
<ul>
<li>90日後のカンザスシティ心筋症質問票の全症状スコアのベースラインからの変化における5ポイント以上の差が臨床的有用性のひとつに用いられている。しかし心不全にこれを用いるのには疑問がある。</li>
</ul>
<ul>
<li>SGLT2阻害剤に利尿作用などの薬理作用を超える心不全に対する特異的な臨床作用があるという、考えそのものを疑ってみる必要があるのでないか。</li>
</ul>
<ul>
<li>臨床試験データはますますその実体が分からないものになっていく大きな傾向がある。臨床論文が信じられないとすれば何を信じたら良いのか、暗澹となるときがある。</li>
</ul>
<ul>
<li>医学ジャーナルはこの傾向に流されるのでなく、もっと毅然とした態度をとってほしい。(日本医学雑誌編集者会議JAMJEの方向の徹底)</li>
</ul>
<p style="text-align: right;">薬剤師・MPH ( 公衆衛生大学院修士)　寺岡章雄</p>
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		</item>
		<item>
		<title>小児へのコロナワクチンは不必要；8月応用心理学会での講演紹介（NEWS No.577 p04）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2023/11/news-577-2023-09-p04/</link>
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		<pubDate>Mon, 20 Nov 2023 02:43:44 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[新型コロナウイルス感染症]]></category>
		<category><![CDATA[577号2023年9月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[2023年8月、第89回応用心理学会の「コロナ禍での小どもたちの発達と健康」に参加し、「新型コロナウイルス感染症の実態とワクチンの問題点」について話題提供した。その際の講演内容から抜粋し、紹介する。この内容は本号一面主張の資料でもある。 1.世界でのコロナワクチンブースター接種はコロナ感染を防げない 2022年に入り、欧米を中心にワクチンのブースター接種（3回目以降の接種）が始まったが、ドイツ、UK、オーストラリアなど、接種率が70％を超えてもコロナ流行は無関係に発生。接種率が40%のUSAでは逆に大きな流行は起こっていないなど、接種率と感染流行は無関係である。接種が130%を超えた日本では2022年8月、世界一の感染率を記録した例を示す。(図1) 2.小児へのワクチン効果は早期に減弱し、実践的意味を持たない ニューヨーク州の調査によると5-11歳へのオミクロン株ワクチンは、接種後30日で効果はなくなる。このようなワクチンは実践的意味を持たないことは明らかである。(図2) 3.小児のコロナ罹患致死率は極端に低い 厚労省統計によると、2022年1月から2022年9月までの致死率をみると、0-9歳までで6.4/100万人、10-19歳4.9/100万人、全年齢1586/100万と19歳以下は致死率が低い。小児にとってコロナは重症化の負荷は小さい(表1)。 4．ワクチン接種後の認定被害 日本でのコロナワクチン接種開始後、被害請求件数は8000を超えた（被害者からの被害請求が必要）。被害認定の審議会で審議されているが、2021年2月以降、23年9月までに、被害認定4350件、否認605件、保留77件となっている。審議まだが3000件以上存在している。（表2） 19歳以下の死亡認定推定16件を示す(表３)。 5．PMDAを通じた被害―死亡例多い ワクチン接種後の副作用については全死亡例を含め、ワクチン接種医療機関、製造業者は、PMDAを通じて報告しなければならない。これまでのワクチン被害者の戦いの中で勝ち取ってきたものである。この副作用については厚労省評価部会で論議される。死亡報告を見ると、2023年9月19日の第94回評価部会までにファイザーから1843件、モデルナから225件、タケダから3件、計2071件の報告があるが、評価部会で因果関係が否定できないとされた例はわずか2件、どちらともいえないが11件、関係ないが2058件である。偶然ワクチン以外の原因で死亡したとされるが、接種から死亡までの日数を見ても、ワクチン以外の原因による死亡とは到底判断できない。(図3) 審議会での認定論議、PMDA評価部会双方のデータからも、新型コロナワクチンは疾患の恐怖を傘にしているが、危険度の高いワクチンである。 ６．超過死亡はワクチン接種によるのではないか？ 2021年から世界中で超過死亡が増加し2022年には過去最大となった。コロナ関連ではなくワクチン接種の副反応ではないかという観点からの分析が言われてきた。医問研はドイツの研究者とともに、ドイツ、日本でのワクチン超過死亡とワクチン接種率との量的関係を示し、論文化した(図4)。 (表４)。超過死亡のかってない規模の増加はコロナの流行でなく、ワクチン接種の影響がはるかに大きいことを示した。 ７．最後にX-B株も含めた乳幼児接種に対するオーストラリアのATAGIからの6か月から5歳未満への臨床調査からの安全性を踏まえた勧告を紹介する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>2023年8月、第89回応用心理学会の「コロナ禍での小どもたちの発達と健康」に参加し、「新型コロナウイルス感染症の実態とワクチンの問題点」について話題提供した。その際の講演内容から抜粋し、紹介する。この内容は<a href="http://ebm-jp.com/2023/11/news-577-2023-09-p01/">本号一面主張</a>の資料でもある。<span id="more-5600"></span></p>
<p><strong> </strong></p>
<h5><strong>1.</strong><strong>世界でのコロナワクチンブースター接種はコロナ感染を防げない</strong></h5>
<p>2022年に入り、欧米を中心にワクチンのブースター接種（3回目以降の接種）が始まったが、ドイツ、UK、オーストラリアなど、接種率が70％を超えてもコロナ流行は無関係に発生。接種率が40%のUSAでは逆に大きな流行は起こっていないなど、接種率と感染流行は無関係である。接種が130%を超えた日本では2022年8月、世界一の感染率を記録した例を示す。(図1)</p>
<div id="attachment_5601" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-1.png"><img class="size-medium wp-image-5601" title="577-2-1" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-1-500x287.png" alt="" width="500" height="287" /></a><p class="wp-caption-text">図１</p></div>
<h5><strong>2.</strong><strong>小児へのワクチン効果は早期に減弱し、実践的意味を持たない</strong></h5>
<p>ニューヨーク州の調査によると5-11歳へのオミクロン株ワクチンは、接種後30日で効果はなくなる。このようなワクチンは実践的意味を持たないことは明らかである。(図2)</p>
<div id="attachment_5602" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-2.png"><img class="size-medium wp-image-5602" title="577-2-2" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-2-500x275.png" alt="" width="500" height="275" /></a><p class="wp-caption-text">図２</p></div>
<h5><strong>3.</strong><strong>小児のコロナ罹患致死率は極端に低い</strong></h5>
<p>厚労省統計によると、2022年1月から2022年9月までの致死率をみると、0-9歳までで6.4/100万人、10-19歳4.9/100万人、全年齢1586/100万と19歳以下は致死率が低い。小児にとってコロナは重症化の負荷は小さい(表1)。</p>
<div id="attachment_5603" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-3.png"><img class="size-medium wp-image-5603" title="577-2-3" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-3-500x184.png" alt="" width="500" height="184" /></a><p class="wp-caption-text">表１</p></div>
<p><strong>4</strong><strong>．ワクチン接種後の認定被害</strong></p>
<p>日本でのコロナワクチン接種開始後、被害請求件数は8000を超えた（被害者からの被害請求が必要）。被害認定の審議会で審議されているが、2021年2月以降、23年9月までに、被害認定4350件、否認605件、保留77件となっている。審議まだが3000件以上存在している。（表2）</p>
<div id="attachment_5604" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-4.png"><img class="size-medium wp-image-5604" title="577-2-4" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-4-500x245.png" alt="" width="500" height="245" /></a><p class="wp-caption-text">表２</p></div>
<p style="text-align: center;">
<p>19歳以下の死亡認定推定16件を示す(表３)。</p>
<div id="attachment_5606" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-5.png"><img class="size-medium wp-image-5606" title="577-2-5" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-5-500x403.png" alt="" width="500" height="403" /></a><p class="wp-caption-text">表３</p></div>
<p style="text-align: center;">
<h5><strong>5</strong><strong>．PMDAを通じた被害―死亡例多い</strong></h5>
<p>ワクチン接種後の副作用については全死亡例を含め、ワクチン接種医療機関、製造業者は、PMDAを通じて報告しなければならない。これまでのワクチン被害者の戦いの中で勝ち取ってきたものである。この副作用については厚労省評価部会で論議される。死亡報告を見ると、2023年9月19日の第94回評価部会までにファイザーから1843件、モデルナから225件、タケダから3件、計2071件の報告があるが、評価部会で因果関係が否定できないとされた例はわずか2件、どちらともいえないが11件、関係ないが2058件である。偶然ワクチン以外の原因で死亡したとされるが、接種から死亡までの日数を見ても、ワクチン以外の原因による死亡とは到底判断できない。(図3)</p>
<div id="attachment_5607" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-6.png"><img class="size-medium wp-image-5607" title="577-2-6" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-6-500x252.png" alt="" width="500" height="252" /></a><p class="wp-caption-text">図３</p></div>
<p>審議会での認定論議、PMDA評価部会双方のデータからも、新型コロナワクチンは疾患の恐怖を傘にしているが、危険度の高いワクチンである。</p>
<h5><strong>６．超過死亡はワクチン接種によるのではないか？</strong></h5>
<p>2021年から世界中で超過死亡が増加し2022年には過去最大となった。コロナ関連ではなくワクチン接種の副反応ではないかという観点からの分析が言われてきた。医問研はドイツの研究者とともに、ドイツ、日本でのワクチン超過死亡とワクチン接種率との量的関係を示し、論文化した(図4)。</p>
<div id="attachment_5608" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-7.png"><img class="size-medium wp-image-5608" title="577-2-7" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-7-500x179.png" alt="" width="500" height="179" /></a><p class="wp-caption-text">図４</p></div>
<div id="attachment_5609" class="wp-caption aligncenter" style="width: 510px"><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-8.png"><img class="size-medium wp-image-5609 " title="577-2-8" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-8-500x233.png" alt="" width="500" height="233" /></a><p class="wp-caption-text">表４</p></div>
<p style="text-align: center;">(表４)。超過死亡のかってない規模の増加はコロナの流行でなく、ワクチン接種の影響がはるかに大きいことを示した。</p>
<p><strong>７．</strong>最後にX-B株も含めた乳幼児接種に対するオーストラリアのATAGIからの6か月から5歳未満への臨床調査からの安全性を踏まえた勧告を紹介する。</p>
<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-9.png"><img class="aligncenter size-medium wp-image-5610" title="577-2-9" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-2-9-500x301.png" alt="" width="500" height="301" /></a></p>
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		<title>食の問題シリーズ　その④ 〜危険なGMOとその規制緩和〜（NEWS No.577 p06）</title>
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		<pubDate>Mon, 20 Nov 2023 02:42:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[577号2023年9月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[前回「GMOの安全性」について取り上げました。結論としてGMOは安全とは言えず、従来の農作物と比べて「実質的に同等」とは決して言えないということでした。前回挙げた内容以外にも、GMOには未だ解決されていない様々な懸念点があります。例えばGMOに組み込まれている「プロモーター遺伝子」（あるタンパク質産生を促すスイッチのような役割をする遺伝子）がターゲット以外の遺伝子にも働き、他のタンパク質を新たに過剰に産生させてしまう可能性があります。1989年には、米国農務省研究センターが中心となって、約8000個の豚受精卵に、ヒト由来成長ホルモン遺伝子を挿入する実験が行われました（V.G.Pursel et al. Science. 1989）。結果は、約8000個の受精卵から、たった43例のGMブタしか作成できませんでした。そして、生まれてきたブタには関節炎が多発し、立ち上がれないほどという特徴もありました。このような異常所見から、遺伝子挿入した成長ホルモン自体やプロモーター遺伝子が代謝系や免疫系にも思わぬ影響を及ぼした可能性が考えられます。他にも、ニュージーランドのアグリサーチ研究所が、GM動物で出産率の低下・発育不全や奇形・呼吸器異常などが認められたことを報告しています（Green Party of Aotearoa New Zealand.2008/9/4）。これらは、生命が「複雑系」であり、たった一つの遺伝子操作でも、生命全体では予測もつかない反応が起こってしまう可能性があるということを明確に示しています。さらに、スウェーデンのイエテボリ大学で「GMサケの生態学的影響評価」プロジェクトの一環として行われた研究で、GMサケが環境中に放出された際の、生態系や人間の健康への影響に対する懸念が示されています（European Research Headlines.2009/9/16）。この「GMサケ」は成長ホルモン調節遺伝子を改変し、成長が早く、病気への耐性を得るようにされていますが、そのような魚は身体が大きくなりやすい分、環境中の毒素の蓄積も多く、成長ホルモン濃度も高くなります。このようなGM魚の人体への影響が懸念されるのは当然ですし、自然環境に放たれた場合に自然魚より生存率が高くなる可能性があり、生態系にも影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。すなわち、GMOは人体だけではなく、生態系や環境にも悪影響を与える可能性があるということです。そのことをよくわかっている専門家・有識者、そして様々な市民団体や行政機関（の一部）の人たちは、これまでGMOやゲノム編集食品に明確に「NO!」を突きつけてきました。 しかし、モンサントを代表とするGMOを作成してきたアグリバイオ多国籍企業は、利害関係のない第三者機関や研究者には種子の提供を拒む一方で、自身のコントロール下にある政府機関に限って、短期間のテストのみを行い安全性をアピールし、激しいロビー活動によってその承認や規制緩和を得て、世界中にGMOの販売を促進してきました。その甲斐あってか、各国政府は近年こぞってGMOやゲノム編集の規制緩和を行なってきました。例えば、米国・オーストラリア・ブラジル・アルゼンチンでは、ゲノム編集を含めて種子の遺伝子組み換え・編集に関して、外から別の遺伝子を挿入しない限り、規制は要らないという立場をとっています。同様に、ロシアでも2019年に遺伝子編集動植物を開発する巨大プロジェクトが立ち上げられ、10年で17億ドルもの国家予算が付けられています。また、これまで「遺伝子操作された動植物を厳しく規制する」という立場だった欧州委員会（ゲノム編集検討会）ですら、企業ロビイストやビル・ゲイツなどバイオ技術の急先鋒によって送り込まれた御用学者たちに毒され、今後はゲノム編集作物に対する規制を緩めていく方針を固めています。ここ日本でも2017年度に実施された遺伝子組換え表示に関する検討会の内容に基づいて法改正が完了し、新たな制度が本年4月から施行されています。これにより、実質的に「遺伝子組み換えでない」という食品表示ができないことになり、今後日本の食品市場には、さらにGMOが流通しやすい状況が作られていくことになると思われます。 さて、ここまで数回に亘って、遺伝子組み換え作物＝GMOについて書いてきました。ここまで読んでいただいた方であれば、GMOなど不自然な食品を食べたいと思われることはないとは思いますが、実は「緑の革命」から始まった“食の支配”においては、GMOなどまだまだ序の口です。次回以降は、ゲノム編集と日本の食の危機について書いていきたいと思います。 医療法人聖仁会松本医院　松本有史]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>前回「GMOの安全性」について取り上げました。結論としてGMOは安全とは言えず、従来の農作物と比べて「実質的に同等」とは決して言えないということでした。前回挙げた内容以外にも、GMOには未だ解決されていない様々な懸念点があります。<span id="more-5612"></span>例えばGMOに組み込まれている「プロモーター遺伝子」（あるタンパク質産生を促すスイッチのような役割をする遺伝子）がターゲット以外の遺伝子にも働き、他のタンパク質を新たに過剰に産生させてしまう可能性があります。1989年には、米国農務省研究センターが中心となって、約8000個の豚受精卵に、ヒト由来成長ホルモン遺伝子を挿入する実験が行われました（V.G.Pursel et al. Science. 1989）。結果は、約8000個の受精卵から、たった43例のGMブタしか作成できませんでした。そして、生まれてきたブタには関節炎が多発し、立ち上がれないほどという特徴もありました。このような異常所見から、遺伝子挿入した成長ホルモン自体やプロモーター遺伝子が代謝系や免疫系にも思わぬ影響を及ぼした可能性が考えられます。他にも、ニュージーランドのアグリサーチ研究所が、GM動物で出産率の低下・発育不全や奇形・呼吸器異常などが認められたことを報告しています（Green Party of Aotearoa New Zealand.2008/9/4）。これらは、生命が「複雑系」であり、たった一つの遺伝子操作でも、生命全体では予測もつかない反応が起こってしまう可能性があるということを明確に示しています。さらに、スウェーデンのイエテボリ大学で「GMサケの生態学的影響評価」プロジェクトの一環として行われた研究で、GMサケが環境中に放出された際の、生態系や人間の健康への影響に対する懸念が示されています（European Research Headlines.2009/9/16）。この「GMサケ」は成長ホルモン調節遺伝子を改変し、成長が早く、病気への耐性を得るようにされていますが、そのような魚は身体が大きくなりやすい分、環境中の毒素の蓄積も多く、成長ホルモン濃度も高くなります。このようなGM魚の人体への影響が懸念されるのは当然ですし、自然環境に放たれた場合に自然魚より生存率が高くなる可能性があり、生態系にも影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。すなわち、GMOは人体だけではなく、生態系や環境にも悪影響を与える可能性があるということです。そのことをよくわかっている専門家・有識者、そして様々な市民団体や行政機関（の一部）の人たちは、これまでGMOやゲノム編集食品に明確に「NO!」を突きつけてきました。</p>
<p>しかし、モンサントを代表とするGMOを作成してきたアグリバイオ多国籍企業は、利害関係のない第三者機関や研究者には種子の提供を拒む一方で、自身のコントロール下にある政府機関に限って、短期間のテストのみを行い安全性をアピールし、激しいロビー活動によってその承認や規制緩和を得て、世界中にGMOの販売を促進してきました。その甲斐あってか、各国政府は近年こぞってGMOやゲノム編集の規制緩和を行なってきました。例えば、米国・オーストラリア・ブラジル・アルゼンチンでは、ゲノム編集を含めて種子の遺伝子組み換え・編集に関して、外から別の遺伝子を挿入しない限り、規制は要らないという立場をとっています。同様に、ロシアでも2019年に遺伝子編集動植物を開発する巨大プロジェクトが立ち上げられ、10年で17億ドルもの国家予算が付けられています。また、これまで「遺伝子操作された動植物を厳しく規制する」という立場だった欧州委員会（ゲノム編集検討会）ですら、企業ロビイストやビル・ゲイツなどバイオ技術の急先鋒によって送り込まれた御用学者たちに毒され、今後はゲノム編集作物に対する規制を緩めていく方針を固めています。ここ日本でも2017年度に実施された遺伝子組換え表示に関する検討会の内容に基づいて法改正が完了し、新たな制度が本年4月から施行されています。これにより、実質的に「遺伝子組み換えでない」という食品表示ができないことになり、今後日本の食品市場には、さらにGMOが流通しやすい状況が作られていくことになると思われます。</p>
<p>さて、ここまで数回に亘って、遺伝子組み換え作物＝GMOについて書いてきました。ここまで読んでいただいた方であれば、GMOなど不自然な食品を食べたいと思われることはないとは思いますが、実は「緑の革命」から始まった“食の支配”においては、GMOなどまだまだ序の口です。次回以降は、ゲノム編集と日本の食の危機について書いていきたいと思います。</p>
<p style="text-align: right;">医療法人聖仁会松本医院　松本有史</p>
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		<title>アルツハイマー病用剤レカネマブ承認は許せない（NEWS No.577 p07）</title>
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		<pubDate>Mon, 20 Nov 2023 02:42:41 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[577号2023年9月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[厚生労働省の専門部会は8月21日、エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病(AD)用剤「レカネマブ」（商品名レケンビ）の製造販売の薬事承認について了承した。近く厚労相が承認して、年内にも実用化される可能性がある。適応は、脳内にアミロイドβ（Aβ）の蓄積が確認されている｢ADによる軽度認知障害（MCI）及び軽度の認知症の進行抑制｣。症状が進行した患者は適応外。 エーザイは、2025年以降にMCIの人と早期ADの患者が、合計約600万人で推移して、レカネマブが実際に投与されるのは、30年ごろにMCIの人または早期ADの患者の1％（約6万人）になると推計する。 しかし、ADの悪化は防げない。ピッツバーグ大学教授のカール・ヘラップ氏は、ADの専門家で、『アルツハイマー病研究、失敗の構造』（みすず書房）という著書もあるが、FDAは承認すべきではなかったと主張する。以下に氏の主張の要旨を示す。（https://diamond.jp/articles/-/329083など参照） ・開発した製薬会社は「レカネマブ群はプラセボ群に比べて認知機能の低下が(18か月後に)27％抑制された」と喧伝しているが、巧みなマーケティング戦略だ。ADの進行度を評価するために今回使われたのは、認知症の重症度を評価する尺度CDR（Clinical Dementia Rating）。18点満点で、数値が高いほど症状が進行していることを示すが、レカネマブとプラセボとの差は0.45。前者は1.21点分、後者は1.66点分の悪化で、どちらも症状が悪くなったが、レカネマブの悪化の度合いが0.45点分小さかったので、27%抑制して「改善」したとされた。この研究が発表される前は、少なくとも専門家たちの間では、1点の変化は有意であると考えられていた。しかし、レカネマブの差はその半分だった。統計学的には有意な進行抑制であっても、生物学的には実質のない差であることを示すデータといえる。 ・レカネマブが前提としている「アミロイドカスケード仮説」では、レカネマブはAβを除去する作用を持っているが、これはAβの蓄積がAD発症の主な引き金になり、さまざまな事象のカスケードが起きてADが発症するという前提に立っている。ところが実際には、ヒトでもマウスでも、健康な脳にアミロイドを加えたからといって、アミロイドカスケードが始動するわけではない。ヒトの場合、AD患者の脳からアミロイドを除去しても病気の進行は止まらないし、アミロイドの前駆体であるAPPからアミロイドを切り出せないようにしても、病気を食い止められないばかりか、ヒトでもマウスでも健康を損なう。 ・さらに、2018年、米国立老化研究所とアルツハイマー病協会が新たに出したガイドラインでは、「Aβが蓄積されていなければADではない」という定義に変えてしまった。この論法を用いてADの定義を仮説に合致するように変えてしまった。症状がない場合でもAβの蓄積があればADであるという、ひどい定義だ。 ・また、レカネマブには深刻な副作用があり、治験に参加した被験者約1800人のうち、約13％の人に脳の浮腫、約17％の人に脳内出血が生じた（プラセボではそれぞれ約2％と約9％）。さらに治験後の試験で死亡例が報告されている。 ・価格がすこぶる高い。米国ではレカネマブの薬代に年間2万6500ドルかかるといわれているが、これにこの「薬」を服用できるかどうかの事前検査、実際に服用が始まると、副作用が生じていないかを調べるために、定期的に行われるMRI検査なども含めると年間5万ドルほどコストがかかる。日本でもレカネマブが保険適用になれば、社会保障の財政が圧迫されるのは目に見えている。 ・私のADに対する見方は、もっと相互につながったプロセスのネットワーク的な現象で、そのネットワークの1カ所に薬で介入しても、ネットワークがそれを回避するように適応して、病気は悪化の道をひたすらたどるというもの。だからこれからの研究は、多焦点のものでなければならない。DNA破損、酸化、髄鞘形成、炎症など複数の現象に焦点を当てて、研究の範囲をもっと広げなければならない。 効果の実感が乏しく、深刻なリスクがあり、しかもすこぶる高額である、というトリプルパンチだから、患者や家族にとって良いことはない、と氏の主張は明確だ。（日本で保険診療になった場合、薬価は米国よりも低くなると予想されるが、それでも年間百万円単位になるとみられる。自己負担は、高額療養費制度で、70歳以上の一般所得層（年収156万～約370万円）の場合は、年14.4万円が上限になる。しかし、保険外のPET検査が1回30万円程度と検査費用は高額。） メガファーマがマーケティング戦略として病態仮説と無効で有害な｢薬｣を売り込み、患者、家族は得られるものが少なく、経済の負荷は計り知れない。承認は許せない。 精神科医　梅田]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>厚生労働省の専門部会は8月21日、エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病(AD)用剤「レカネマブ」（商品名レケンビ）の製造販売の薬事承認について了承した。近く厚労相が承認して、年内にも実用化される可能性がある。<span id="more-5614"></span>適応は、脳内にアミロイドβ（Aβ）の蓄積が確認されている｢ADによる軽度認知障害（MCI）及び軽度の認知症の進行抑制｣。症状が進行した患者は適応外。</p>
<p>エーザイは、2025年以降にMCIの人と早期ADの患者が、合計約600万人で推移して、レカネマブが実際に投与されるのは、30年ごろにMCIの人または早期ADの患者の1％（約6万人）になると推計する。</p>
<p>しかし、ADの悪化は防げない。ピッツバーグ大学教授のカール・ヘラップ氏は、ADの専門家で、『アルツハイマー病研究、失敗の構造』（みすず書房）という著書もあるが、FDAは承認すべきではなかったと主張する。以下に氏の主張の要旨を示す。（https://diamond.jp/articles/-/329083など参照）</p>
<p>・開発した製薬会社は「レカネマブ群はプラセボ群に比べて認知機能の低下が(18か月後に)27％抑制された」と喧伝しているが、巧みなマーケティング戦略だ。ADの進行度を評価するために今回使われたのは、認知症の重症度を評価する尺度CDR（Clinical Dementia Rating）。18点満点で、数値が高いほど症状が進行していることを示すが、レカネマブとプラセボとの差は0.45。前者は1.21点分、後者は1.66点分の悪化で、どちらも症状が悪くなったが、レカネマブの悪化の度合いが0.45点分小さかったので、27%抑制して「改善」したとされた。この研究が発表される前は、少なくとも専門家たちの間では、1点の変化は有意であると考えられていた。しかし、レカネマブの差はその半分だった。統計学的には有意な進行抑制であっても、生物学的には実質のない差であることを示すデータといえる。</p>
<p>・レカネマブが前提としている「アミロイドカスケード仮説」では、レカネマブはAβを除去する作用を持っているが、これはAβの蓄積がAD発症の主な引き金になり、さまざまな事象のカスケードが起きてADが発症するという前提に立っている。ところが実際には、ヒトでもマウスでも、健康な脳にアミロイドを加えたからといって、アミロイドカスケードが始動するわけではない。ヒトの場合、AD患者の脳からアミロイドを除去しても病気の進行は止まらないし、アミロイドの前駆体であるAPPからアミロイドを切り出せないようにしても、病気を食い止められないばかりか、ヒトでもマウスでも健康を損なう。</p>
<p>・さらに、2018年、米国立老化研究所とアルツハイマー病協会が新たに出したガイドラインでは、「Aβが蓄積されていなければADではない」という定義に変えてしまった。この論法を用いてADの定義を仮説に合致するように変えてしまった。症状がない場合でもAβの蓄積があればADであるという、ひどい定義だ。</p>
<p>・また、レカネマブには深刻な副作用があり、治験に参加した被験者約1800人のうち、約13％の人に脳の浮腫、約17％の人に脳内出血が生じた（プラセボではそれぞれ約2％と約9％）。さらに治験後の試験で死亡例が報告されている。</p>
<p>・価格がすこぶる高い。米国ではレカネマブの薬代に年間2万6500ドルかかるといわれているが、これにこの「薬」を服用できるかどうかの事前検査、実際に服用が始まると、副作用が生じていないかを調べるために、定期的に行われるMRI検査なども含めると年間5万ドルほどコストがかかる。日本でもレカネマブが保険適用になれば、社会保障の財政が圧迫されるのは目に見えている。</p>
<p>・私のADに対する見方は、もっと相互につながったプロセスのネットワーク的な現象で、そのネットワークの1カ所に薬で介入しても、ネットワークがそれを回避するように適応して、病気は悪化の道をひたすらたどるというもの。だからこれからの研究は、多焦点のものでなければならない。DNA破損、酸化、髄鞘形成、炎症など複数の現象に焦点を当てて、研究の範囲をもっと広げなければならない。</p>
<p>効果の実感が乏しく、深刻なリスクがあり、しかもすこぶる高額である、というトリプルパンチだから、患者や家族にとって良いことはない、と氏の主張は明確だ。（日本で保険診療になった場合、薬価は米国よりも低くなると予想されるが、それでも年間百万円単位になるとみられる。自己負担は、高額療養費制度で、70歳以上の一般所得層（年収156万～約370万円）の場合は、年14.4万円が上限になる。しかし、保険外のPET検査が1回30万円程度と検査費用は高額。）</p>
<p>メガファーマがマーケティング戦略として病態仮説と無効で有害な｢薬｣を売り込み、患者、家族は得られるものが少なく、経済の負荷は計り知れない。承認は許せない。</p>
<p style="text-align: right;">精神科医　梅田</p>
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		<title>いちどくを この本『武器としての国際人権　日本の貧困・報道・差別』（NEWS No.577 p08）</title>
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		<pubDate>Mon, 20 Nov 2023 02:42:30 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[本の紹介]]></category>
		<category><![CDATA[577号2023年9月発行]]></category>

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		<description><![CDATA[『武器としての国際人権　日本の貧困・報道・差別』 藤田 早苗 著 集英社　1,100円（税込） 2022年12月刊行 8月5日の新聞第一面に､ジャニーズ事務所前社長による性虐待を訪日調査した国連人権理事会｢ビジネスと人権｣作業部会の専門家*による日本記者クラブでの発言内容｢日本政府が主な義務を担う主体として捜査と救済方法の確保をすべきだ｣が報じられ､第二面には｢日本政府に救済迫る｣との大見出し､二名の特別報告者と｢ジャニーズ性加害問題当事者の会｣会員の写真を伴う｢検証｣と題した記事を掲載していました｡　(⋆)｢特別報告者｣(｢国連人権理事会によって任命された独立した人権の専門家｣) ようやく､ここに至られた被害者の方々への敬意と共に､福島原発事故に関係する｢国内避難民の人権に関する国連特別報告者｣セシリア・J・ダマリー氏の記者クラブでの会見(‘22年10月7日)の新聞報道はあったかな？と､取扱いに｢えらい違いやなぁ～｣と感じていました｡ 政府はどう対応するのでしょうか？2012年11月福島原発事故後の人権状況を調査した｢達成可能な最高水準の心身の健康の享受する権利に関する国連人権理事会特別報告者｣アナンド・グローバー氏の勧告に対してのように｢特別報告者の個人的見解｣とするのでしょうか？ ｢自己責任｣､公助に先立つ｢自助・共助｣の言葉を浴びせられ続けている者にとっては､この記事に何か新しい判断の基準を感じたり､国連がなぜ関与するの？と疑問を抱いてしまいます｡そのように感じる事の由来や疑問を､本書は解きほぐしてくれます｡ 本書第二部では､｢国際人権から見た日本の問題｣を貧困､経済活動､情報・表現の自由､男性の問題でもある女性の権利､入管問題など具体的な日本の状況を通じて明らかにします｡人権に対する国際的な到達基準､本来私たちが持つべき自身に対する価値観､人権を提示しています｡そして｢人権の実現には､政府が義務を遂行する必要があるのだ｣と説いています｡ 本ニュース第552号(‘21年8月)で原発賠償京都訴訟原告団(編・発行)の冊子｢国際社会から見た福島第一原発事故 国際人権法・国連勧告をめぐって私たちにできること｣を紹介しました｡原発事故による放射能災害に対しては2012年6月成立した｢子ども・被災者支援法｣がありますが､｢被災者の生活支援｣を具体化する法律は立法化されず､行政は｢災害救助法｣を根拠に被災者を避難住居から追い出す為に提訴するなど非人道的手段も辞していません｡ところが､国連人権理事会で日本政府は｢『支援法』に基づき必要な支援を行っている｣と回答しているのです｡原告団の冊子では｢国内外で二枚舌を使っている｣と批判しています｡ (避難者の権利擁護に尽力されている柳原敏夫弁護士によると､かつて1975年の｢公害国会｣では､被害者救済のため14件もの法律が成立していました｡) 私はこの冊子で｢国家には､国内避難民になる可能性のある国民を保護する第一義的責任を有する｣とする｢国内避難に関する指導原則｣が1998年｢国際人権法｣に基づいて定められていることを学びました｡あとがきに｢国連がたくさんの勧告を出してくれたのだから､まとめを出した方がいいと提案してくださった英国エセックス大学人権センターフェローの藤田早苗先生｣との紹介があり著者を知る事となりました｡ 著者は1999年｢国際人権法｣を同大学で学ぶために渡英｡本書には日本政府の｢特定秘密保護法案(2013年)､共謀罪法案(2017年)を英訳して国連に通報し､その危険性を国際社会に周知した経過も述べられています｡2016年の国連特別報告者(表現の自由)日本調査実現にも尽力され､また｢福島原発事故避難者に関する国際社会の動向と国内での応用｣と題する講演活動も続けておられます｡ 本書第一部は｢国際人権とは何か｣です｡ ｢国際人権｣とは国際的な条約､宣言､決議などによって示された人権の規範と制度の総称｡世界人権宣言に基づく人権条約(社会権規約・自由権規約)・人種差別､女性差別撤廃条約・子ども､障害者の権利条約など九つの条約のうち日本は八つを批准しており､日本国憲法(第九八条二項)は､条約を誠実に遵守することを定めている､なので｢国内でも法的拘束力｣を持ち､｢条約は法律に優位する｣とあります｡ しかし個人が条約機関の｢個人通報制度｣にて国際人権法に基づく救済を得る､即ち｢最高裁の後の救済制度｣を行使するのに必要な｢選択議定書｣を日本政府は批准していないのです｡ 国際人権法は､司法試験の労働法・環境法など選択8科目中の｢国際公法｣の一部ですが選択されることは少なく､2021年も合格者の約1.3%が選択したのみ｡日本の法曹界では､国際的な人権基準｢国際人権法｣を学んでいる人間が少ない事にも繋がっていると感じます｡ 第二次世界大戦中に欧州でナチスによる｢ホロコースト｣という大規模人権侵害を止めることができなかった反省から､国際社会は一国の人権問題は内政干渉してはいけない｢国内関心事｣ではなく｢国際関心事｣と決め､国連憲章・世界人権宣言の採択､｢国際人権｣を創出したことを学び､｢今どきは､そんなこと言っても・・｣に抵抗する元気を頂きました｡ 伊集院]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-8.jpg"><img class="alignleft size-medium wp-image-5617" title="577-8" src="http://ebm-jp.com/wp-content/uploads/577-8-306x500.jpg" alt="" width="184" height="300" /></a>『武器としての国際人権　日本の貧困・報道・差別』<br />
藤田 早苗 著<br />
集英社　1,100円（税込）<br />
2022年12月刊行<span id="more-5616"></span></p>
<p>8月5日の新聞第一面に､ジャニーズ事務所前社長による性虐待を訪日調査した国連人権理事会｢ビジネスと人権｣作業部会の専門家*による日本記者クラブでの発言内容｢日本政府が主な義務を担う主体として捜査と救済方法の確保をすべきだ｣が報じられ､第二面には｢日本政府に救済迫る｣との大見出し､二名の特別報告者と｢ジャニーズ性加害問題当事者の会｣会員の写真を伴う｢検証｣と題した記事を掲載していました｡　(⋆)｢特別報告者｣(｢国連人権理事会によって任命された独立した人権の専門家｣)</p>
<p>ようやく､ここに至られた被害者の方々への敬意と共に､福島原発事故に関係する｢国内避難民の人権に関する国連特別報告者｣セシリア・J・ダマリー氏の記者クラブでの会見(‘22年10月7日)の新聞報道はあったかな？と､取扱いに｢えらい違いやなぁ～｣と感じていました｡</p>
<p>政府はどう対応するのでしょうか？2012年11月福島原発事故後の人権状況を調査した｢達成可能な最高水準の心身の健康の享受する権利に関する国連人権理事会特別報告者｣アナンド・グローバー氏の勧告に対してのように｢特別報告者の個人的見解｣とするのでしょうか？</p>
<p>｢自己責任｣､公助に先立つ｢自助・共助｣の言葉を浴びせられ続けている者にとっては､この記事に何か新しい判断の基準を感じたり､国連がなぜ関与するの？と疑問を抱いてしまいます｡そのように感じる事の由来や疑問を､本書は解きほぐしてくれます｡</p>
<p>本書第二部では､｢国際人権から見た日本の問題｣を貧困､経済活動､情報・表現の自由､男性の問題でもある女性の権利､入管問題など具体的な日本の状況を通じて明らかにします｡人権に対する国際的な到達基準､本来私たちが持つべき自身に対する価値観､人権を提示しています｡そして｢人権の実現には､政府が義務を遂行する必要があるのだ｣と説いています｡</p>
<p>本ニュース第552号(‘21年8月)で原発賠償京都訴訟原告団(編・発行)の冊子｢国際社会から見た福島第一原発事故 国際人権法・国連勧告をめぐって私たちにできること｣を紹介しました｡原発事故による放射能災害に対しては2012年6月成立した｢子ども・被災者支援法｣がありますが､｢被災者の生活支援｣を具体化する法律は立法化されず､行政は｢災害救助法｣を根拠に被災者を避難住居から追い出す為に提訴するなど非人道的手段も辞していません｡ところが､国連人権理事会で日本政府は｢『支援法』に基づき必要な支援を行っている｣と回答しているのです｡原告団の冊子では｢国内外で二枚舌を使っている｣と批判しています｡</p>
<p>(避難者の権利擁護に尽力されている柳原敏夫弁護士によると､かつて1975年の｢公害国会｣では､被害者救済のため14件もの法律が成立していました｡)</p>
<p>私はこの冊子で｢国家には､国内避難民になる可能性のある国民を保護する第一義的責任を有する｣とする｢国内避難に関する指導原則｣が1998年｢国際人権法｣に基づいて定められていることを学びました｡あとがきに｢国連がたくさんの勧告を出してくれたのだから､まとめを出した方がいいと提案してくださった英国エセックス大学人権センターフェローの藤田早苗先生｣との紹介があり著者を知る事となりました｡</p>
<p>著者は1999年｢国際人権法｣を同大学で学ぶために渡英｡本書には日本政府の｢特定秘密保護法案(2013年)､共謀罪法案(2017年)を英訳して国連に通報し､その危険性を国際社会に周知した経過も述べられています｡2016年の国連特別報告者(表現の自由)日本調査実現にも尽力され､また｢福島原発事故避難者に関する国際社会の動向と国内での応用｣と題する講演活動も続けておられます｡</p>
<p>本書第一部は｢国際人権とは何か｣です｡</p>
<p>｢国際人権｣とは国際的な条約､宣言､決議などによって示された人権の規範と制度の総称｡世界人権宣言に基づく人権条約(社会権規約・自由権規約)・人種差別､女性差別撤廃条約・子ども､障害者の権利条約など九つの条約のうち日本は八つを批准しており､日本国憲法(第九八条二項)は､条約を誠実に遵守することを定めている､なので｢国内でも法的拘束力｣を持ち､｢条約は法律に優位する｣とあります｡</p>
<p>しかし個人が条約機関の｢個人通報制度｣にて国際人権法に基づく救済を得る､即ち｢最高裁の後の救済制度｣を行使するのに必要な｢<strong>選択議定書</strong>｣を日本政府は批准していないのです｡</p>
<p>国際人権法は､司法試験の労働法・環境法など選択8科目中の｢国際公法｣の一部ですが選択されることは少なく､2021年も合格者の約1.3%が選択したのみ｡日本の法曹界では､国際的な人権基準｢国際人権法｣を学んでいる人間が少ない事にも繋がっていると感じます｡</p>
<p>第二次世界大戦中に欧州でナチスによる｢ホロコースト｣という大規模人権侵害を止めることができなかった反省から､国際社会は一国の人権問題は内政干渉してはいけない｢国内関心事｣ではなく｢国際関心事｣と決め､国連憲章・世界人権宣言の採択､｢国際人権｣を創出したことを学び､｢今どきは､そんなこと言っても・・｣に抵抗する元気を頂きました｡</p>
<p style="text-align: right;">伊集院</p>
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