<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>医療問題研究会 &#187; 542号2020年10月発行</title>
	<atom:link href="http://ebm-jp.com/tag/542%e5%8f%b72020%e5%b9%b410%e6%9c%88%e7%99%ba%e8%a1%8c/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>http://ebm-jp.com</link>
	<description>エビデンスに基づく保健・医学・薬学（EBM）の実践的研究を！</description>
	<lastBuildDate>Thu, 26 Mar 2026 06:57:20 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
	<generator>http://wordpress.org/?v=3.0.3</generator>
		<item>
		<title>日本学術会議任命拒否を許さない声を上げよう！学問の自由の侵害に抗する世界の流れに応えて（NEWS No.542 p01）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p01/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p01/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 18 Dec 2020 05:41:16 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[542号2020年10月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4516</guid>
		<description><![CDATA[日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題は大きな広がりを見せています。 この問題は、任命されなかった6人の学者は、安全保障関連法や特定秘密保護法など政府方針に批判的な研究、活動をしていた人として報道されています。問題の根本は、政府の政策に批判的だった学者を自らの思惑に反するとして排除したことです。このことは日本学術会議の独立性が脅かされ、また、憲法第23条「学問の自由は、これを保障する」と保障されている国民の権利に対する侵害です。 これに対して、日本学術会議は。1）任命拒否の理由の説明、2）任命されなかった学者の任命を求めて要望書を10月2日、菅総理に提出しています。 日本学術会議の当然の要望に対して、政府や政治家、御用評論家は、問題の核心は任命拒否により学問の自由が侵害されたことであるのに、唐突な問題のすり替えと学術会議自体を攻撃する言動を繰り返しています。許せない限りです。 突然「学術会議のあり方問題」を持ち出してきました。河野行政改革担当大臣は学術会議を行政改革の対象にし「聖域なき追求」を行うと言います（すなわち人と予算を削るぞと脅していることにほかなりません）。負けじと自民党は党内に学術会議のあり方を見直すプロイジェクトチ-ムを立ち上げ、非政府組織化も含め検討すると言います。これらは、人々の関心をそちらに誘導し、首相の任命拒否問題という核心から人々の目をそらそうという論点ずらしです。 与党議員やテレビの評論家が「学術会議会員が退任後、学士院会員になり終身年金をうけとる」と発言したり、御用政治家が「英米の学術団体に税金は投入されていない」「中国の千人計画に積極的に協力している（中国の科学技術入手に協力し軍事転用の恐れがある）」と吹聴しましたが、これは事実に反するデマでした。菅首相は「現在の会員が自分の後任を指名する」と言いましたが、実際は多くの候補者から選考委員会が選考します。事実誤認のキャンペ-ンのオンパレードとなっています。任命拒否での学術会議への切り崩しから、正面から解体攻撃を仕掛けています。 なぜここまでの学術会議への切り崩しがおこなわれるのでしょうか？　この事がよくわかる出来事-10月23日の「読売」「産経」「日経」新聞に出された意見広告がありました。「日本学術会議は廃止せよ」広告主は改憲右翼団体「日本会議」の関連団体です。その理由に日本学術会議が「軍事目的の科学研究は絶対に行わない」との声明を何度も出してきたことを挙げています。軍事研究を推進する上で日本学術会議が大きな障害になっており、そのために学術会議を解体しようという狙いが示されています。 一方で、今回任命拒否された6名の学者が、10月23日に日本外国特派員協会で記者会見をされています。「総理は国民を代表し自由に公務員を選定罷免できると宣言した。ナチスのヒットラーでさえ全権掌握のために新憲法を作ろうとしたが、総理は現行の憲法でやろうとしている。独裁者になろうとしているのか」（松宮・立命大教授）。「大学での軍事研究を推進したい政府に明確に反対した会議が大きな問題になった。日本の科学技術のあり方を政府が支配しようとしている」（芦名・京大教授）。などと「総理の任命拒否は違憲、違法だ。拒否を撤回すべきだ」と政府の対応を批判されています。 今回のように拒否した理由も説明がないまま違法な介入が放置されれば、「税金を使っているのにたてつくな」「権力の言うことを聞け」と言う声が大手を振ってまかり通ります。異論が表に出ることを封じ込めてしまいます。政府の補助金が頼みの学術界や大学は今後様々な場面で萎縮や自粛をせざるを得なくなります。学問だけに留まらず、文化、芸術など公的資金が投入されているところに萎縮効果が広がっていきます。 このような強権的で理不尽な対応に、今回は多数の学会が任命拒否の撤回などを求める批判の声を上げています。10月18日現在、任命拒否に対して、理系、文系、医学系の各々100近くの学会、協議会が声明を上げています（安全保障関連法に反対する学者の会調べ）。 多くの国民は怒っています。多くの文化芸術関係者が、国民が声を上げています。 海外の科学誌は今回の菅政権の学術会議任命拒否の問題を批判的に報じています。英科学誌ネイチャー10月6日付の「ネイチャー誌が政治を今まで以上に扱う必要がある理由」と題した論説で言及しています。背景には、世界各国でも、同様な学問の自由を侵害し、時の政権が科学を蹂躙する事態が生じている流れがあります。米国トランプ政権の科学軽視、｢ブラジルのトランプ」と言われるボルソナロ大統領が、ブラジルの森林が縮小したと報告した国立研究所のトップを解任した19年の事例と同様に、今回の菅政権の対応を批判的に報じて「科学と政治家の関係を導いてきた慣例が脅かされている。ネイチャー誌は沈黙して傍観できない」と結んでいます。 また、ネイチャー誌は、6月9日付の論説で、「体系的人種差別:科学は耳を傾け、学び、変化しなければならない」と主張しました。ミネアポリス警察の手によるジョージフロイドの殺害、およびドナルドトランプ大統領による全米での抗議行動の鎮圧に対して、世界中の都市で抗議行動が起こったことに言及し、「ネイチャー誌は、科学研究における黒人差別を終わらせる取り組みに全力を注ぐことを約束する」としています。いま世界の科学誌では、民衆の怒り、声、批判に応えようとの動きが高まっています。 日本でも、声を上げていきましょう。 *日本学術会議は約87万人の国内の科学者を代表する機関で、日本学術会議法に基づき首相が所轄し経費を国が負担しています。同法は、会議が政府から独立して科学に関する審議などを行うことを明記しています。同会議はこれまで、政府に対する多くの勧告や提言を行っています。 髙松　勇（たかまつこどもクリニック）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題は大きな広がりを見せています。<span id="more-4516"></span></p>
<p>この問題は、任命されなかった6人の学者は、安全保障関連法や特定秘密保護法など政府方針に批判的な研究、活動をしていた人として報道されています。問題の根本は、政府の政策に批判的だった学者を自らの思惑に反するとして排除したことです。このことは日本学術会議の独立性が脅かされ、また、憲法第23条「学問の自由は、これを保障する」と保障されている国民の権利に対する侵害です。</p>
<p>これに対して、日本学術会議は。1）任命拒否の理由の説明、2）任命されなかった学者の任命を求めて要望書を10月2日、菅総理に提出しています。</p>
<p>日本学術会議の当然の要望に対して、政府や政治家、御用評論家は、問題の核心は任命拒否により学問の自由が侵害されたことであるのに、唐突な問題のすり替えと学術会議自体を攻撃する言動を繰り返しています。許せない限りです。</p>
<p>突然「学術会議のあり方問題」を持ち出してきました。河野行政改革担当大臣は学術会議を行政改革の対象にし「聖域なき追求」を行うと言います（すなわち人と予算を削るぞと脅していることにほかなりません）。負けじと自民党は党内に学術会議のあり方を見直すプロイジェクトチ-ムを立ち上げ、非政府組織化も含め検討すると言います。これらは、人々の関心をそちらに誘導し、首相の任命拒否問題という核心から人々の目をそらそうという論点ずらしです。</p>
<p>与党議員やテレビの評論家が「学術会議会員が退任後、学士院会員になり終身年金をうけとる」と発言したり、御用政治家が「英米の学術団体に税金は投入されていない」「中国の千人計画に積極的に協力している（中国の科学技術入手に協力し軍事転用の恐れがある）」と吹聴しましたが、これは事実に反するデマでした。菅首相は「現在の会員が自分の後任を指名する」と言いましたが、実際は多くの候補者から選考委員会が選考します。事実誤認のキャンペ-ンのオンパレードとなっています。任命拒否での学術会議への切り崩しから、正面から解体攻撃を仕掛けています。</p>
<p>なぜここまでの学術会議への切り崩しがおこなわれるのでしょうか？　この事がよくわかる出来事-10月23日の「読売」「産経」「日経」新聞に出された意見広告がありました。「日本学術会議は廃止せよ」広告主は改憲右翼団体「日本会議」の関連団体です。その理由に日本学術会議が「軍事目的の科学研究は絶対に行わない」との声明を何度も出してきたことを挙げています。軍事研究を推進する上で日本学術会議が大きな障害になっており、そのために学術会議を解体しようという狙いが示されています。</p>
<p>一方で、今回任命拒否された6名の学者が、10月23日に日本外国特派員協会で記者会見をされています。「総理は国民を代表し自由に公務員を選定罷免できると宣言した。ナチスのヒットラーでさえ全権掌握のために新憲法を作ろうとしたが、総理は現行の憲法でやろうとしている。独裁者になろうとしているのか」（松宮・立命大教授）。「大学での軍事研究を推進したい政府に明確に反対した会議が大きな問題になった。日本の科学技術のあり方を政府が支配しようとしている」（芦名・京大教授）。などと「総理の任命拒否は違憲、違法だ。拒否を撤回すべきだ」と政府の対応を批判されています。</p>
<p>今回のように拒否した理由も説明がないまま違法な介入が放置されれば、「税金を使っているのにたてつくな」「権力の言うことを聞け」と言う声が大手を振ってまかり通ります。異論が表に出ることを封じ込めてしまいます。政府の補助金が頼みの学術界や大学は今後様々な場面で萎縮や自粛をせざるを得なくなります。学問だけに留まらず、文化、芸術など公的資金が投入されているところに萎縮効果が広がっていきます。</p>
<p>このような強権的で理不尽な対応に、今回は多数の学会が任命拒否の撤回などを求める批判の声を上げています。10月18日現在、任命拒否に対して、理系、文系、医学系の各々100近くの学会、協議会が声明を上げています（安全保障関連法に反対する学者の会調べ）。</p>
<p>多くの国民は怒っています。多くの文化芸術関係者が、国民が声を上げています。</p>
<p>海外の科学誌は今回の菅政権の学術会議任命拒否の問題を批判的に報じています。英科学誌ネイチャー10月6日付の「ネイチャー誌が政治を今まで以上に扱う必要がある理由」と題した論説で言及しています。背景には、世界各国でも、同様な学問の自由を侵害し、時の政権が科学を蹂躙する事態が生じている流れがあります。米国トランプ政権の科学軽視、｢ブラジルのトランプ」と言われるボルソナロ大統領が、ブラジルの森林が縮小したと報告した国立研究所のトップを解任した19年の事例と同様に、今回の菅政権の対応を批判的に報じて「科学と政治家の関係を導いてきた慣例が脅かされている。ネイチャー誌は沈黙して傍観できない」と結んでいます。</p>
<p>また、ネイチャー誌は、6月9日付の論説で、「体系的人種差別:科学は耳を傾け、学び、変化しなければならない」と主張しました。ミネアポリス警察の手によるジョージフロイドの殺害、およびドナルドトランプ大統領による全米での抗議行動の鎮圧に対して、世界中の都市で抗議行動が起こったことに言及し、「ネイチャー誌は、科学研究における黒人差別を終わらせる取り組みに全力を注ぐことを約束する」としています。いま世界の科学誌では、民衆の怒り、声、批判に応えようとの動きが高まっています。</p>
<p>日本でも、声を上げていきましょう。</p>
<p>*日本学術会議は約87万人の国内の科学者を代表する機関で、日本学術会議法に基づき首相が所轄し経費を国が負担しています。同法は、会議が政府から独立して科学に関する審議などを行うことを明記しています。同会議はこれまで、政府に対する多くの勧告や提言を行っています。</p>
<p style="text-align: right;">髙松　勇（たかまつこどもクリニック）</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p01/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>臨床薬理研・懇話会10月例会報告（NEWS No.542 p02）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p02/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p02/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 18 Dec 2020 05:41:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[542号2020年10月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4518</guid>
		<description><![CDATA[臨床薬理研・懇話会10月例会報告 シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第61回 パンデミックのもとスピード感を持って求められる臨床エビデンス生成の質とその報告のあり方 新型コロナウイルス感染症 （COVID-19）のもとで、治療剤の研究文献が洪水のように出版されています。しかしそのほとんどは対照群とのランダム比較がされておらず、少人数のデータで、診療方針の決定に利用できるのは「わずかに6%に過ぎず」、臨床試験のあり方が問われています（米国FDAのウッドコック氏の指摘）。 このまさに痛切な課題を、インフルエンザA（H1N1）パンデミック2009での教訓から真正面から論じた興味ある文献です。英国オックスフォード大学とオーストラリアの著者たちによる論文です。 Rojek AM et al. Compassionate drug （mis）use during pandemics: lessons for COVID-19 from 2009. BMC Medicine 2020. https://bmcmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12916-020-01732-5 時宜を得た重要な内容と考えますが、部分的には疑問を生じた記載があります。「インフルエンザパンデミック2009では、その使用を支持する適切な安全性有効性データが無いにもかかわらず、抗ウイルス剤ノイラミダーゼ阻害剤に関心がもたれた。このエビデンスはその後強化されてはいるが、それはパンデミックが終わってから生成されたものである」と書かれています。しかしエビデンスがその後強化されたとしていいかの疑問です。 著者たちはパンデミックの下で求められる臨床エビデンス生成の質とスピード、報告のあり方について教訓を得る目的で、インフルエンザパンデミックA（H1N1）pdm09 （以下pdm09と記載） に対する出版物の統計的分析システマティックレビューを行いました。パブメドで患者の治療について記載されたすべての臨床データ （臨床試験、観察研究およびケースシリーズを含む）について調べるとともに、ClinicalTrials.govで患者の登録を目的とする研究について調べました。結果は、pdm09で入院した患者のための33869の治療コースが160の出版物に記載されていました。そのほとんどが後ろ向きの観察研究もしくはケースシリーズでした。592例の患者が治療 （またはプラセボ）を、結果が公表された登録された介入臨床試験の参加者として受けていました。しかし、これらの介入試験の結果はpdm09の流行中には出版されず、出版は公衆衛生緊急事態が終わってから中央値で213日後でした。 著者たちは、このシステマティックレビューの目的は、pdm 09の最中にその薬物治療のために役立つデータが得られたかを研究することにあるとしています。pdm09患者の診療にあたる医師たちに必要なのは質の高いエビデンスを示すデータで、それらはpdm09の流行中に医師たちに伝達される必要があると述べています。 出版された文献からの所見では、レビューは160論文を含みます。pdm09入院患者39577例と33869の治療コースが含まれます。12の異なった治療が用いられ、オセタミビルが最多でした。含まれた160論文のうち2つが介入試験 （n=73、報告された患者の0.2%に相当）でした。28は前向きの観察研究 （n=6102、15.4%相当）、129は後ろ向きの観察研究ないしはケースレポート （n=33342、84.2%相当）、1つは前向きと後ろ向き両方の患者を含んでいました （n=98、0.2%相当）。 前向きの研究の早期開始は、感染症が衰退する前に目標とするサンプルサイズ達成の可能性を最大にします。しかしpdm09が確認されてから前向きの観察研究が開始されるまで中央値で102日、2つの臨床試験の開始までは244日と275日かかっています。 出版日については、2つの介入研究のいずれも WHO が公衆衛生緊急事態 （PHEIC: Public Health Emergency...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>臨床薬理研・懇話会10月例会報告<br />
シリーズ「臨床薬理論文を批判的に読む」第61回<br />
パンデミックのもとスピード感を持って求められる臨床エビデンス生成の質とその報告のあり方<span id="more-4518"></span></p>
<p>新型コロナウイルス感染症 （COVID-19）のもとで、治療剤の研究文献が洪水のように出版されています。しかしそのほとんどは対照群とのランダム比較がされておらず、少人数のデータで、診療方針の決定に利用できるのは「わずかに6%に過ぎず」、臨床試験のあり方が問われています（米国FDAのウッドコック氏の指摘）。</p>
<p>このまさに痛切な課題を、インフルエンザA（H1N1）パンデミック2009での教訓から真正面から論じた興味ある文献です。英国オックスフォード大学とオーストラリアの著者たちによる論文です。</p>
<p>Rojek AM et al. Compassionate drug （mis）use during pandemics: lessons for COVID-19 from 2009. BMC Medicine 2020. https://bmcmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12916-020-01732-5</p>
<p>時宜を得た重要な内容と考えますが、部分的には疑問を生じた記載があります。「インフルエンザパンデミック2009では、その使用を支持する適切な安全性有効性データが無いにもかかわらず、抗ウイルス剤ノイラミダーゼ阻害剤に関心がもたれた。このエビデンスはその後強化されてはいるが、それはパンデミックが終わってから生成されたものである」と書かれています。しかしエビデンスがその後強化されたとしていいかの疑問です。</p>
<p>著者たちはパンデミックの下で求められる臨床エビデンス生成の質とスピード、報告のあり方について教訓を得る目的で、インフルエンザパンデミックA（H1N1）pdm09 （以下pdm09と記載） に対する出版物の統計的分析システマティックレビューを行いました。パブメドで患者の治療について記載されたすべての臨床データ （臨床試験、観察研究およびケースシリーズを含む）について調べるとともに、ClinicalTrials.govで患者の登録を目的とする研究について調べました。結果は、pdm09で入院した患者のための33869の治療コースが160の出版物に記載されていました。そのほとんどが後ろ向きの観察研究もしくはケースシリーズでした。592例の患者が治療 （またはプラセボ）を、結果が公表された登録された介入臨床試験の参加者として受けていました。しかし、これらの介入試験の結果はpdm09の流行中には出版されず、出版は公衆衛生緊急事態が終わってから中央値で213日後でした。</p>
<p>著者たちは、このシステマティックレビューの目的は、pdm 09の最中にその薬物治療のために役立つデータが得られたかを研究することにあるとしています。pdm09患者の診療にあたる医師たちに必要なのは質の高いエビデンスを示すデータで、それらはpdm09の流行中に医師たちに伝達される必要があると述べています。</p>
<p>出版された文献からの所見では、レビューは160論文を含みます。pdm09入院患者39577例と33869の治療コースが含まれます。12の異なった治療が用いられ、オセタミビルが最多でした。含まれた160論文のうち2つが介入試験 （n=73、報告された患者の0.2%に相当）でした。28は前向きの観察研究 （n=6102、15.4%相当）、129は後ろ向きの観察研究ないしはケースレポート （n=33342、84.2%相当）、1つは前向きと後ろ向き両方の患者を含んでいました （n=98、0.2%相当）。</p>
<p>前向きの研究の早期開始は、感染症が衰退する前に目標とするサンプルサイズ達成の可能性を最大にします。しかしpdm09が確認されてから前向きの観察研究が開始されるまで中央値で102日、2つの臨床試験の開始までは244日と275日かかっています。</p>
<p>出版日については、2つの介入研究のいずれも WHO が公衆衛生緊急事態 （PHEIC: Public Health Emergency of International Concern） の終了を宣言してからの出版です。前向き観察研究の 25% （7/28）、後ろ向きの観察研究またはそれらの複合の観察研究の 22% （28/130） の文献がPHEICの終了までに出版されています。米国、中国、スペインなど32か国が治療データを報告しました。論文の 23% （36/160） が治療時の有害事象を記載しています。症例の 42% が有害事象または重度の有害事象を示しています。耐性について調べた文献は 13% （21/51） でした。</p>
<p>H1N1トライアル登録からの所見では、15のH1N1研究登録記録がレビューに含まれています。10が介入研究、5つが観察研究です。観察研究の2つが治療効果アウトカムを、3つが general acute clinical outcome を記載しています。</p>
<p>著者たちは、パンデミックでの研究が部分的 （fractured）であり、時期遅れ （delayed）であるとの批判があるが、この論文のように具体的な数字で示したものはほとんどないとしています。この研究はpdm09の入院患者で33000治療コースが存在したにもかかわらず、ピアレビュー文献における登録された介入研究で治療剤 （またはプラセボ） を投与しているのは、「33000治療コース中600以下」であることを示しています。そしてわずかの観察研究においては存在するものの、結果がパンデミック期に得られたものは、登録された介入臨床試験では皆無でした。総じてこのことは質の高いデータの収集に失敗したことを示しています。</p>
<p>この所見は、Covid-19を含むパンデミックの期間内に、エビデンスに基づく患者ケアを臨床医が提供するためには改善が必要なことを証明しました。著者たちは次のように述べています。pdm09の教訓を汲み取り、治療剤の臨床試験は将来の実地診療に役立つ質の高い説明可能なデータの収集を可能とする条件下で行うのが肝要です。アダプティブ （適応力のある）デザイン、プラットホームトライアルのような新しいトライアルデザインが研究促進のために用いられるべきです。実際に､Covid-19治療剤のための2つの大規模なプラットホームトライアルが進行中であり （英国のRECOVERYと WHOのSOLIDARITY ） 、これらはすでに質の高いエビデンスを生成しています。</p>
<p>出版の遅れを最少にするための改善策 （initiatives） も原稿の迅速 （fast-track） レビューを含め活発に試みられつつあります。このアプローチはCovid-19パンデミックの最中にジャーナルによって広く用いられつつあります。まだその評価の確立にはさらに検討が必要ですが、メドアーカイブ （medRxiv） のような pre-publication servers （出版前サーバー） の利用が増加し、プレプリントに対するいくつかの速やかなオープンのピアレベルプラットホームが発達するなど、注目される動きがあります。</p>
<p style="text-align: right;">薬剤師　寺岡章雄</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p02/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>インフルエンザワクチンと新型コロナ感染症COVID-19との関連は？（NEWS No.542 p05）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p05-2/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p05-2/#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 18 Dec 2020 05:38:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[542号2020年10月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4520</guid>
		<description><![CDATA[今年は、新型コロナと関連して？インフルエンザワクチンがひどく宣伝されています。 さて、COVID-19との関連では、インフルエンザワクチンをすると何が良いのでしょうか？ 発熱や咳などが出ないからコロナと間違われない=インフルエンザないしインフルエンザ様症状にならないだろう。 コロナだけでもうっとうしいので、インフルエンザにまでかかりたくない。 などと思われているからでしょうか？ どちらでも、前提になっているのが、インフルエンザワクチンを接種するとインフルエンザ（以下、インフル）や、インフルエンザ様の症状（以下、ILI）にかからないかかかりにくくなる、ことです。 コクランレビューによれば、健康成人で一人のインフルエンザ患者を減らすためには71人に接種が必要、1人のILIを減らすためには29人に接種が必要。健康小児ではそれぞれ5人、12に接種が必要。65歳以上の高齢者にはそれぞれ30人、42人必要という結果が出ています。そのためレビューアーはインフルエンザワクチンの効果は限定的で推奨できないとしています。 私はこれらのレビュー結果を導いた全ての文献を検討しましたが、結構問題のあるものも含めています。例えば、インフルの診断に血清抗体検査を使っているものです。これは、高橋晄正先生が問題点を明確に証明していますが、インフルエンザワクチンの大規模なシステマティックレビューを実施したミネソタ大学のグループ（CIDRAP）は血清抗体で診断をしているRCTは不正確だと除外しています。 また、高齢者施設職員への接種では、施設入所患者の感染率も死亡率も下げることはできない結果となっています。さらに、2歳未満を対象としたRCTは世界でたった一つしかなく、ILIにも中耳炎にも効果なしでした。 厚労省がインフルエンザワクチンを推奨する根拠にしているのが、まず元大阪市立大学公衆衛生学廣田教授が「予防接種の検討会（第5回）」に出した資料で、65歳未満健常者では発病がRR=0.1-0.3に減る、一般高齢者の入院RR=0.3-0.7に減る、高齢者施設入所者で死亡RR=0.2に減るというものです。この根拠を調べていませんが、コクランや先のミネソタ大学のレビューでもこれらの数字とはまるきり違う結果ですので、嘘のデータと言えます。 日本のワクチンに関しては、RCTはたった一つしかなく、結論は効果なしでした。厚労省が効果ありとする根拠は神谷齋を主任研究とする研究ですが、RCTではなく、単に接種したい人に接種して、したくない人と比較したという研究です。この研究は高齢者と小児を対象としたものがあります。いずれもデータはひどいもので実験参加者の背景もきちんと示されていません。これにより、高齢者の死亡リスクを82%へらす、などとしているのです。 もう一つの問題は、先の神谷研究でさえ、ワクチン株と流行ウイルス株は一致していた、とされていますが、最近のワクチンではその製造過程でその「一致」がなくなっているのです。 近年一番流行しているA香港株が一致せず、B型でも一致しない年があります。詳しくは、これまでの医問研ニュースをご覧ください。 〔2019年12月号〕 http://ebm-jp.com/2020/02/news-532-2019-12-p08/ 〔2019年1月号〕 http://ebm-jp.com/2019/03/news-521-2019-01-p06/ 〔2018年12月号〕 http://ebm-jp.com/2019/03/news-520-2018-12-p08/ このようにワクチン株が流行株と合わないと、子どもでのデータでは2年連続して接種すると、1年だけ接種したより多くインフルエンザに感染したとのデータがあります。これはワクチンの世界では大変権威のあるVaccineという雑誌に載った論文で、著者の一人が当誌に解説を書いてくれています。（2018年1月号） http://ebm-jp.com/2018/06/news-510-2018-01-p04/ 以上、どこから見てもインフルエンザワクチンの効果はほぼなく、特に日本のワクチンは効果を証明した科学的研究は皆無なわけです。 極めて長期間開発に費やし、人で膨大な研究がされてきたインフルエンザワクチンでさえその効果がほとんど証明されていないのです。 2009年での新しい製法のインフルエンザワクチンは北欧で多数のナルコレプシーを出し、今年は韓国で多数が死亡したと報道されています。 ごく短時間で、しかもワクチンの歴史でほんのわずかの期間しか研究されていないコロナワクチンの開発がいかに危ういものかがわかります。 はやし小児科　林]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>今年は、新型コロナと関連して？インフルエンザワクチンがひどく宣伝されています。<span id="more-4520"></span></p>
<p>さて、COVID-19との関連では、インフルエンザワクチンをすると何が良いのでしょうか？</p>
<ol>
<li>発熱や咳などが出ないからコロナと間違われない=インフルエンザないしインフルエンザ様症状にならないだろう。</li>
<li>コロナだけでもうっとうしいので、インフルエンザにまでかかりたくない。</li>
</ol>
<p>などと思われているからでしょうか？</p>
<p>どちらでも、前提になっているのが、インフルエンザワクチンを接種するとインフルエンザ（以下、インフル）や、インフルエンザ様の症状（以下、ILI）にかからないかかかりにくくなる、ことです。</p>
<p>コクランレビューによれば、健康成人で一人のインフルエンザ患者を減らすためには71人に接種が必要、1人のILIを減らすためには29人に接種が必要。健康小児ではそれぞれ5人、12に接種が必要。65歳以上の高齢者にはそれぞれ30人、42人必要という結果が出ています。そのためレビューアーはインフルエンザワクチンの効果は限定的で推奨できないとしています。</p>
<p>私はこれらのレビュー結果を導いた全ての文献を検討しましたが、結構問題のあるものも含めています。例えば、インフルの診断に血清抗体検査を使っているものです。これは、高橋晄正先生が問題点を明確に証明していますが、インフルエンザワクチンの大規模なシステマティックレビューを実施したミネソタ大学のグループ（CIDRAP）は血清抗体で診断をしているRCTは不正確だと除外しています。</p>
<p>また、高齢者施設職員への接種では、施設入所患者の感染率も死亡率も下げることはできない結果となっています。さらに、2歳未満を対象としたRCTは世界でたった一つしかなく、ILIにも中耳炎にも効果なしでした。</p>
<p>厚労省がインフルエンザワクチンを推奨する根拠にしているのが、まず元大阪市立大学公衆衛生学廣田教授が「予防接種の検討会（第5回）」に出した資料で、65歳未満健常者では発病がRR=0.1-0.3に減る、一般高齢者の入院RR=0.3-0.7に減る、高齢者施設入所者で死亡RR=0.2に減るというものです。この根拠を調べていませんが、コクランや先のミネソタ大学のレビューでもこれらの数字とはまるきり違う結果ですので、嘘のデータと言えます。</p>
<p>日本のワクチンに関しては、RCTはたった一つしかなく、結論は効果なしでした。厚労省が効果ありとする根拠は神谷齋を主任研究とする研究ですが、RCTではなく、単に接種したい人に接種して、したくない人と比較したという研究です。この研究は高齢者と小児を対象としたものがあります。いずれもデータはひどいもので実験参加者の背景もきちんと示されていません。これにより、高齢者の死亡リスクを82%へらす、などとしているのです。</p>
<p>もう一つの問題は、先の神谷研究でさえ、ワクチン株と流行ウイルス株は一致していた、とされていますが、最近のワクチンではその製造過程でその「一致」がなくなっているのです。</p>
<p>近年一番流行しているA香港株が一致せず、B型でも一致しない年があります。詳しくは、これまでの医問研ニュースをご覧ください。</p>
<p>〔2019年12月号〕<br />
<a href="http://ebm-jp.com/2020/02/news-532-2019-12-p08/">http://ebm-jp.com/2020/02/news-532-2019-12-p08/</a></p>
<p>〔2019年1月号〕<br />
<a href="http://ebm-jp.com/2019/03/news-521-2019-01-p06/">http://ebm-jp.com/2019/03/news-521-2019-01-p06/</a></p>
<p>〔2018年12月号〕<br />
<a href="http://ebm-jp.com/2019/03/news-520-2018-12-p08/">http://ebm-jp.com/2019/03/news-520-2018-12-p08/</a></p>
<p>このようにワクチン株が流行株と合わないと、子どもでのデータでは2年連続して接種すると、1年だけ接種したより多くインフルエンザに感染したとのデータがあります。これはワクチンの世界では大変権威のあるVaccineという雑誌に載った論文で、著者の一人が当誌に解説を書いてくれています。（2018年1月号）<br />
<a href="http://ebm-jp.com/2018/06/news-510-2018-01-p04/">http://ebm-jp.com/2018/06/news-510-2018-01-p04/</a></p>
<p>以上、どこから見てもインフルエンザワクチンの効果はほぼなく、特に日本のワクチンは効果を証明した科学的研究は皆無なわけです。</p>
<p>極めて長期間開発に費やし、人で膨大な研究がされてきたインフルエンザワクチンでさえその効果がほとんど証明されていないのです。</p>
<p>2009年での新しい製法のインフルエンザワクチンは北欧で多数のナルコレプシーを出し、今年は韓国で多数が死亡したと報道されています。</p>
<p>ごく短時間で、しかもワクチンの歴史でほんのわずかの期間しか研究されていないコロナワクチンの開発がいかに危ういものかがわかります。</p>
<p style="text-align: right;">はやし小児科　林</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/12/news-542-2020-10-p05-2/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
		<item>
		<title>コロナ下における予防医療の重要性（NEWS No.542）</title>
		<link>http://ebm-jp.com/2020/11/news-542-2020-10/</link>
		<comments>http://ebm-jp.com/2020/11/news-542-2020-10/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 17 Nov 2020 10:46:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[医問研ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[542号2020年10月発行]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ebm-jp.com/?p=4513</guid>
		<description><![CDATA[新型コロナウイルス（COVID-19）は医療、政治、経済、教育等、各方面に亘って多大な影響を及ぼしている。COVID-19による死者数が世界で100万人を超えたというニュースが報道されてからまだ日が浅い。欧州では第2波、アフリカ各国や北南米では感染者の増加を抑制できず、被害は深刻である。感染や重症化リスクを抑えるため、世界中でワクチンの開発が進められている。リスクがベネフィットを上回る可能性があると疑問視されたワクチンはこれまでにもあるが（Clin Rheumatol 2017;36:2169-2178）、COVID-19ワクチンにおいては十分な臨床試験を行い、安全性と効果を担保した上で承認されることを強く願う。 予防医学の中でワクチンは重要な分野であるが、疾病予防や健康増進において、食生活、運動、睡眠等の生活習慣も重要である。生活習慣の乱れが、肥満、糖尿病、高血圧症、心疾患、脳卒中等のリスクと関わることは過去の研究で明らかになっている（Lancet 2020;396:1223-1249）。糖尿病や心疾患等の慢性疾患がCOVID-19感染者の重症化リスク増大と関連することも報告されている（Diabetes Metab Res Rev 2020:e3319; Nat Rev Cardiol 2020;17:543-558）。そのためこれらの疾患を予防することは、COVID-19による被害を抑える上で重要であると考える。 しかしながら、生活習慣の改善を実行に移すことは容易ではない。多忙なスケジュール、ニコチン依存、運動場所の欠如等、生活習慣改善の取り組みを阻む要因は多々存在する。特に今年はCOVID-19の影響で外出を控える人が増え、以前のように屋外で運動ができなかったり、収入減により十分な食品を購入できなかったりする人が多いと思われる。中には医療機関への通院を控え、適切な治療を受けられていない人もいる（Intern Emerg Med 2020;15:787-790）。COVID-19により慢性疾患罹患患者の増加も危惧される。 2020年10月に世界的に影響力のある科学誌The Lancetから衝撃的な報告がなされた。世界の疾病負担研究（Global Burden of Disease Study）2019の結果を踏まえ、生活習慣の改善がなければ、慢性疾患罹患患者の増加により今後平均寿命が短くなる可能性があるというのだ（Lancet 2020;396:1135-1159）。医療が進歩しても、慢性疾患に罹患した人を健康な状態に戻すことは困難であることをこの報告は示唆していると思う。疾病を発症する前に予防することの重要性が一層増している。 現在の危機的な状況を打開するにはどうすればいいだろうか。国民一人一人が、病気は自分で予防していくものであるという認識を持ち、実行に移していくことが重要であると考える。また、運動する環境の整備、食品を安価で購入できるように支援すること、食生活改善を促す栄養指導や料理教室等、不健全な生活習慣に陥りやすい現在の状況を変革する政策を、国や自治体が打ち立て実行していく必要があると考える。感染症の治療と違い、生活習慣改善による効果はすぐに結果が見えてこない。長期的な視点に立って国民の意識改革を行い、健康寿命を延ばし、医療費の削減や医療の逼迫防止に努めることは、コロナ感染流行中も収束後も大事であると考える。 テレビを通してCOVID-19関連のニュースを見て時事問題について詳しくなることも大事であるが、その時間の一部を散歩や運動の時間にあててみてはいかがだろうか。 神奈川県　医師 引用文献： Martínez-Lavín M, Amezcua-Guerra L. Serious adverse events after HPV vaccination: a critical review of randomized trials and...]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>新型コロナウイルス（COVID-19）は医療、政治、経済、教育等、各方面に亘って多大な影響を及ぼしている。<span id="more-4513"></span>COVID-19による死者数が世界で100万人を超えたというニュースが報道されてからまだ日が浅い。欧州では第2波、アフリカ各国や北南米では感染者の増加を抑制できず、被害は深刻である。感染や重症化リスクを抑えるため、世界中でワクチンの開発が進められている。リスクがベネフィットを上回る可能性があると疑問視されたワクチンはこれまでにもあるが（Clin Rheumatol 2017;36:2169-2178）、COVID-19ワクチンにおいては十分な臨床試験を行い、安全性と効果を担保した上で承認されることを強く願う。</p>
<p>予防医学の中でワクチンは重要な分野であるが、疾病予防や健康増進において、食生活、運動、睡眠等の生活習慣も重要である。生活習慣の乱れが、肥満、糖尿病、高血圧症、心疾患、脳卒中等のリスクと関わることは過去の研究で明らかになっている（Lancet 2020;396:1223-1249）。糖尿病や心疾患等の慢性疾患がCOVID-19感染者の重症化リスク増大と関連することも報告されている（Diabetes Metab Res Rev 2020:e3319; Nat Rev Cardiol 2020;17:543-558）。そのためこれらの疾患を予防することは、COVID-19による被害を抑える上で重要であると考える。</p>
<p>しかしながら、生活習慣の改善を実行に移すことは容易ではない。多忙なスケジュール、ニコチン依存、運動場所の欠如等、生活習慣改善の取り組みを阻む要因は多々存在する。特に今年はCOVID-19の影響で外出を控える人が増え、以前のように屋外で運動ができなかったり、収入減により十分な食品を購入できなかったりする人が多いと思われる。中には医療機関への通院を控え、適切な治療を受けられていない人もいる（Intern Emerg Med 2020;15:787-790）。COVID-19により慢性疾患罹患患者の増加も危惧される。</p>
<p>2020年10月に世界的に影響力のある科学誌The Lancetから衝撃的な報告がなされた。世界の疾病負担研究（Global Burden of Disease Study）2019の結果を踏まえ、生活習慣の改善がなければ、慢性疾患罹患患者の増加により今後平均寿命が短くなる可能性があるというのだ（Lancet 2020;396:1135-1159）。医療が進歩しても、慢性疾患に罹患した人を健康な状態に戻すことは困難であることをこの報告は示唆していると思う。疾病を発症する前に予防することの重要性が一層増している。</p>
<p>現在の危機的な状況を打開するにはどうすればいいだろうか。国民一人一人が、病気は自分で予防していくものであるという認識を持ち、実行に移していくことが重要であると考える。また、運動する環境の整備、食品を安価で購入できるように支援すること、食生活改善を促す栄養指導や料理教室等、不健全な生活習慣に陥りやすい現在の状況を変革する政策を、国や自治体が打ち立て実行していく必要があると考える。感染症の治療と違い、生活習慣改善による効果はすぐに結果が見えてこない。長期的な視点に立って国民の意識改革を行い、健康寿命を延ばし、医療費の削減や医療の逼迫防止に努めることは、コロナ感染流行中も収束後も大事であると考える。</p>
<p>テレビを通してCOVID-19関連のニュースを見て時事問題について詳しくなることも大事であるが、その時間の一部を散歩や運動の時間にあててみてはいかがだろうか。</p>
<p style="text-align: right;">神奈川県　医師</p>
<p>引用文献：</p>
<p>Martínez-Lavín M, Amezcua-Guerra L. Serious adverse events after HPV vaccination: a critical review of randomized trials and post-marketing case series. Clin Rheumatol 2017;36:2169-2178.</p>
<p>GBD 2019 Risk Factors Collaborators. Global burden of 87 risk factors in 204 countries and territories, 1990-2019: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2019. Lancet 2020;396:1223-1249.</p>
<p>Guo W, Mingyue L, Dong Y, et al. Diabetes is a risk factor for the progression and prognosis of COVID-19. Diabetes Metab Res Rev 2020:e3319.</p>
<p>Nishiga M, Wang DW, Han Y, et al. COVID-19 and cardiovascular disease: from basic mechanisms to clinical perspectives. Nat Rev Cardiol 2020;17:543-558.</p>
<p>Mauro V, Lorenzo M, Paolo C, et al. Treat all COVID 19-positive patients, but do not forget those negative with chronic diseases. Intern Emerg Med 2020;15:787-790.</p>
<p>GBD 2019 Viewpoint Collaborators. Five insights from the Global Burden of Disease Study 2019. Lancet 2020;396:1135-1159.</p>
]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://ebm-jp.com/2020/11/news-542-2020-10/feed/</wfw:commentRss>
		<slash:comments>0</slash:comments>
		</item>
	</channel>
</rss>
