薬のコラムNo.132:ベネット錠の副作用について

ベネット錠(リセドロン酸ナトリウム水和物錠)は武田薬品工業㈱が販売していますが,まったく同成分の錠剤をアクトネル錠としてアベンティスファーマ㈱も販売しています.

医薬品は臨床試験(治験)を行い.そのデータを吟味して,承認されます.その後薬価収載され,発売されます.そして市販直後調査(2001年10月から 実施.市販後,急激に使用患者数が増加し,承認前には予測できなかった重大な副作用や感染症が発生するケースに備え,新薬の発売後6ヶ月間,製薬企業の適 正使用に向けた説明や副作用の重点チェックなどを義務づけた制度)が義務付けられています.その結果「使用上の注意」が2003年2月改訂(第3版)さ れ,『食道狭窄』が重大な副作用の項に追加されました.

市販直後調査(企業報告)によると,両剤合わせて,推定患者数約15万8千人の内,副作用報告は690例921件で,内,重篤症例は2.5%(17例 29件)でした.胃腸障害が最も多く全副作用症例の52.0%(359例414件)でした(重篤症例は2.5%,9例11件).
ベネットには元々[禁忌]項目があります.

  • 食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者さん《食道通過の遅延や上部消化管粘膜刺激による基礎疾患の悪化をきたすおそれあり》.
  • 服薬時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者さん《本剤が速やかに胃に到達するように.服用後に横になると薬剤が食道に逆流し,食道が刺激を受ける危険性あり》.
  • 低カルシウム血症が悪化するおそれがある.[禁忌]

また,服用上の注意に

    「本剤の吸収を高めるために空腹時に服用する必要があります.また,本剤が食道に滞留しないように十分量の水で服用してください.」
    「コーヒーや紅茶,日本茶,牛乳,ジュースなどは本剤の吸収を妨げます.また,ミネラルウォーターにはカルシウムやマグネシウムなどが多く含まれるものがあり,このようなミネラルウォーターでのむと,本剤が吸収されにくくなることがあります.」
    「服用後,少なくとも30分間は水以外の飲食はしないでください.朝食は本剤を服用して30分以上たってから摂ってください.」
    「口腔咽頭を刺激する可能性があります.」
    「特に食道疾患の症状(嚥下困難や嚥下痛,胸骨後部の痛み,持続する胸やけ等)に注意し,異常があれば軽微なものでも早めに主治医に連絡するようご指導ください.」

とあります.この様な多くの注意を6ヶ月間徹底したのに『食道狭窄』の警告を発しなければならなかったのです.ちょっと怖くないですか?
臨床試験でも極めて多くの人が脱落していますが,胃腸障害がその多さの原因ではないかと疑われます.服用される方は十分注意してください.

医問研ニュース 2003年4月号