ZENKO「国の原発事故の責任を認めさせ、原発再稼働を止めよう」分科会報告(NEWS No.588 p04)

ZENKO「原発問題」分科会ではまず子ども甲状腺がん裁判弁護団長の井戸謙一氏が「放射線被ばくの健康被害を認めさせるために」と題し講演された。氏はまず、福島はチェルノブイリに比べ放射線量が低く、経口摂取も少ない、したがって安全であるというような安全神話が政府主導で意図的に広められたと指摘。例えば2011年3月12日-14日の三つの原子炉爆発があり、3月17日にはアメリカは80㎞圏外への避難勧告をだしたが、福島県健康管理アドバイザーに就任した山下俊一氏は3月20日から「子どもは外で遊ばせろ」「100mSv/年までは安全(100mSv/ 累積というべきところ) 」などを講演して回った。住民は危険も知らされず、そのため例えば福島県内の各高校では3月16日にグラウンドでの合格発表が強行された。また家庭菜園の野菜、井戸水も飲まされた。線量との関係だけでなく、小児甲状腺がんの多発についてはベラルーシやウクライナでは認められたのに、日本では線量が少ないので多発は起こらないとして多発すら認めていない。次いで子ども甲状腺がん裁判の原告を紹介し、再発、転移への不安、生活への影響などが紹介された。現在も多くの困難を抱えているが、裁判傍聴支援、署名、資金援助など多くの支援に励まされていることも紹介された。現在の裁判を巡る論点の一角が、すっきりと分かり易くまとめられた講演であった。同時に小児甲状腺がん、低出生体重児、周産期死亡など、福島の放射線汚染に伴う明らかな被害増加の実態など、私たち医問研の側からのデータをもっと皆に広めていく必要性を強く感じた。

井戸謙一氏に続いて、福島原発かながわ訴訟原告団長の村田弘氏から「最高裁共同行動の成果と今後の方向」についての講演があった。2024年6.17最高裁ヒューマンチェーンを1000名で成功させた共同行動の意義、今後の方向性について、飾らない言葉で語っていただいたことが印象に残った。

ついで、「自主避難」で福島から京都に来られている3名の京都訴訟原告団メンバーからの報告があった。

写真は週刊MDSより

医問研も2011年の避難当時より京都訴訟に関わらせてもらってはきたが、今回の発言は、当初の「こんなに健康被害が大きかった」だけでなく、「健康被害を認めない」行政に対する憤りを明確に鮮明にしたものであった。

総じて今回のZENKOでの原発問題分科会ではこれまでにない多くの課題をもらった点を強調させていただく。