ガザでのポリオ流行~即時停戦と2回目接種実現が必要(NEWS No.589 p01)

イスラエルの住民皆殺し攻撃を受けているガザでは、すでに7月に下水からポリオウイルスが検出され、早急なポリオワクチン接種が求められていました。8月中旬、ガザでは25年ぶりに四肢麻痺の乳児を含め、少なくとも3人の麻痺患者が発生したことが報道されていました。しかし、イスラエルの妨害により、ワクチン接種は9月1日になりやっと実現しました。ポリオが流行した原因は、イスラエルの攻撃開始後、ワクチンの接種ができず、ポリオワクチンを受けていない子が多数いたこと、何よりも住宅も無差別に爆撃や砲撃を受け、衛生環境は壊滅的で、逃げまどい疲弊し栄養状態の悪化など、ポリオが流行するのは当然でした。

ところで、ポリオウイルスには1型、2型、3型があります。自然に存在した「野生株」では地球上で残っているのは、1型だけです。その他の型は根絶されています。アフガニスタンでは20年程前から根絶できる可能性がありましたが、米軍などの占領と戦闘で遅れて最近根絶できる可能性が出てきたとされています。

ガザで流行しているのは生ワクチンが強毒化した2型です。報道には「生」ワクチンを飲んでいる写真が載っています。日本では2011年までは、生ワクチンでしたが以後は注射の不活化ワクチンです。すでに流行しているのを抑えられるのは、免疫力の強い生ワクチンです。今回は「2型」の生ワクチンが使用されています。

9月の医問研例会に高松氏から、今回の流行と、2016年にWHOが生ワクチンから2型を除外したこととの関連が報告されました。その後、ワクチン株2型による麻痺患者が急増、米CDCによれば昨年のポリオ麻痺患者の数は、野生株が12件、ワクチン株が524件です。ガザのもエジプトなどで流行した2型です。これは、明らかに2型株を除去したことの失敗と思われます。

ポリオだけの問題ではありません。世界的に言えばごくまれなポリオが流行したことは、はるかに高い頻度で発生する下痢・嘔吐症や肺炎など呼吸器疾患がガザで流行しており、イスラエルの爆撃や砲弾で壊滅状態になっている医療環境のため、日本では決して死亡するようなことのないそれらの病気のために多数の特に子どもが死亡していることは想像に難くありません。

さて、生ワクチン接種は2回する必要があります。2回目は10月中旬の予定ですが、合意に達したかどうか現在のところ不明です。直ちに停戦し、ポリオの2回目接種の実施と、和平を実現することが必要です。