日本小児科学会理事会御中
日頃のご活躍に感謝いたします。
さて、日本小児科学会学術集会が迫ってまいりました。昨年の通常総会で、林は小児に対するコロナワクチンの接種について2023年10月発表の小児への「新型コロナワクチン接種に対する考え方 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会」(以下「考え方」)について発言させていただきました。それに対して斎藤担当理事から丁寧なご回答をいただきありがとうございました。(日本小児科学会雑誌・第128巻7号1020-21)
昨年10月発表の同「考え方」は、これまでとは違い、コロナワクチンの「推奨」は「基礎疾患を有する児」に限定され、生後6か月から17歳のすべての小児への新型コロナワクチンの接種が「推奨します。」から「望ましいと考えます。」に変更され、接種を勧める程度が弱くなったと考えられます。
私達はこの「考え方」の変更を正確に小児科や市民の方々に伝えることが必要であると考えますが、さらに「考え方」の科学的根拠について一層厳密に検討をお願いしたく、以下を要望いたします。
1. コロナワクチン「接種を推奨します。」と、その「接種が望ましい」との違いを明確にして、会員に周知して下さい。
2.「推奨」を「基礎疾患あり」のお子さんにだけ、その他のお子さんには「望ましいと考えます。」に変更した科学的理由を教えて下さい。
3.昨年の総会で、斎藤理事は既感染率調査の対象は「特殊な集団」であることを強調されましたが、昨年10月の「考え方」でも、5歳以上の小児の既感染者を表す抗N抗体保有割合が約9割だとのデータを出された上での議論をしています。斎藤理事のおっしゃるように、この調査対象集団が「特殊」であり、そのデータは「感染率として注意が必要」なら、なぜ再びその調査を「考え方」が引用しているのかその理由を教えて下さい。
4.また、「考え方」は小児の大半を占める、既感染者に対してのワクチン接種について「発症予防や重症化(入院)抑制、そして再感染予防の効果があることが国内外の複数の報告で確認されてきました。」として6文献を上げていまが、問題である再感染について触れている論文は2つだけです。両者の「効果」の程度は大変違っており、この2論文では信頼できません。その他に、再感染予防のRCTを含めたデータがあれば教えて下さい。
5.③で「小児においても、重症例・死亡例が発生している」として論文を紹介し、「この 46 例 について 、(中略)、ワクチン接種対象者の 8 7.5 %が未接種 でした。」としています。他方、この論文の著者は「ワクチンの効果を評価することはできませんでした。」と明確に書いています。このような例示の文章は、この論文が「ワクチンが重症例・死亡例を減少させる」としているかの誤解を招くので、止めていいただくようお願いします。
6.⑤で「コロナ感染症に対するワクチンの安全性は複数のランダム化比較試験で検討されました。」とされています。しかし、これらのRCTの論文では、ファイザー社やモデルナ社の社員や両者との利益相反がある著者が多くを占めており、信頼できません。昨年の総会での発言とその際にお配りしたパンフレット内容を繰り返しますが、それは、大人のRCT論文の著者達が同様であり、それらの元データを分析したJ Fraimanら(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36055877/)は、死亡の危険性があり入院することが多い「重篤な有害作用SAE」が、ワクチンが減少させたとする「入院」リスクよりも約2.4倍多いとしています。また、同様に裁判判決により開示された元データを解析したCorine Mechelsら(https://ijvtpr.com/index.php/IJVTPR/article/view/86/224)も大人の同RCTでの循環器死亡率はワクチン群が対照群の3.7倍であったことを報告しています。
以上を考慮しますと、販売企業の影響下で作成された論文は信用できません。日本の小児を守る立場から、論文の元データの開示を求めることも含め、いっそう厳密な根拠に基づく見解を要望いたしします。
この問題につきましては、斎藤理事から「検討させていただきます。」とのお返事をいただいておりますので、再度要望させていただきます。
以上、よろしくお願いいたします。
2025年4月7日
林敬次、伊集院真知子、入江紀夫、高松勇、森国悦、山本英彦
(この要請文は、日本小児科学会に送付し、4月19日に開催された同学会総会の代議員に討議資料として配布、林が総会で発言し、今年度の担当理事の回答を得ました。この応答は日本小児科学会雑誌に掲載される予定です。)
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