「3.8 国際女性デーのつどい」報告 世界中の女性たちと手を結び、戦争ストップ、 ジェンダー平等の社会をつくろう!(NEWS No.596 p08)

1900年代初頭から続く女性たちの「パンとバラ」を求める闘いの記録が積み重なっています。「パン」は貧困のない豊かな暮らし、「バラ」は参政権を始めとする諸権利や社会参加、文化の享受を示しています。日本では1923年に初の集会が開かれました。女性たちの取り組みを踏まえて、国連は1975年の国際婦人年に3月8日を「国際女性デー」と定めました。日本の新聞にも近年やっと、3月8日の紹介記事が載るようになったと感じます。

女性デーのつどいは「国際的な視点でジェンダー平等の社会の実現をめざす運動を作り出そう」と毎年開催されています。

今年のつどいは、戒厳令宣布した韓国のユン大統領を退陣させる運動に参加した多くの市民の中で、若い女性たちが歌った「Into The New World (また巡り逢えた世界)」をペンライトを振りながらの合唱から始まりました。

基調報告はOPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)代表の山本由子さんから提起されました。

「女性の命と権利を奪うのは戦争と軍事的な占領」との言葉が現実となっているパレスチナでは、女性たちの「『生きていくこと』そのものが抵抗とたたかい」、また「イスラエルの軍事侵攻と占領による生活の破壊や極度の緊張の中で『家長』による支配が強まっている」との報告。

昨年12月の韓国では、デモ・集会に多くの若い女性たちが参加。ユン政権下で、女性を敵視し嫌悪する風潮(「女嫌」)が高まっていることへの抵抗の現れ。背景には、軍事的な独裁に反対し、民主主義を守ろうとする歴史的な世代を引き継ぐ韓国民衆のたたかいが、深く根付いているのではないかとの指摘がありました。

「日本でのたたかい」が目指すことは?

#1 日本のジェンダーをめぐる状況を国際的な水準に押し上げていこう

#2 選択的夫婦別姓制度を実現させよう

#3 沖縄の米軍を始めとする性暴力の根絶と、性暴力救援センター・大阪(SACHICO)の存続を求める運動を続けよう

#4 高齢の単身女性の相対的貧困率が44.1%と際立っている。背景として女性の53.2%が非正規雇用。来年度予算案の軍事費は8兆7千億円、「ミサイルより暮らし!」税金は社会保障、福祉に回させよう。

続いて、つどいの主要な講演です。

昨年10月国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)による第9回日本政府報告書審査が8年ぶりにジュネーブで開かれました。審査傍聴と共に日本の女性の現状を訴えるためNGOとして参加された小森恵さん(反差別国際運動IMADR事務局長代行)が「CEDAWの日本への勧告を受けて ジェンダー、マイノリティ、CEDAW審査から見えてきたこと」と題して講演されました。

1979年国連で採択された女性差別撤廃条約を日本は’85年に批准していますが、条約違反を個人が条約機関に通報できる「選択議定書」を未だに批准していません。

CEDAWが繰り返し勧告してきたにも関わらず、日本政府は国連勧告には「法的拘束力はないから従う義務がない」と閣議決定(2013年6月第2次安倍内閣)して先延ばしを続けており、「検討に時間をかけすぎ」と批判されています。

<筆者による付記>藤田早苗著「武器としての国際人権」によると、 選択議定書の批准をして初めて使える個人通報制度は「最高裁の後の救済制度」であり、社会権規約委員会シン・ヘイスー委員は「個人通報制度を受諾しなければ、条約の完全な実施とは言えない」と述べています。

また昨年、皇位継承を男系の男子に限る「皇室典範」の改正を求める勧告を出したCEDAWに対抗し日本政府はCEDAWへの拠出金を除外する措置をとり、「女性の人権に対する政治的意思の欠如」との批判がでています。

小森さんの資料には、アイヌ・部落・在日コリアン女性への深刻な複合差別に対する立法措置、司法関係者への「国際人権」トレイニング、国内人権機関の設置、マイノリティ女性の実態把握と差別撤廃の政策的枠組みや特別措置など、CEDAWからの勧告内容の紹介があり、日本のジェンダー平等の進みが国際的な視点からは遅れていることを実感しました。

特別報告「SACHICOの設立と存続について」は筆者が担当しました。①なぜ日本で最初の「性暴力被害者へのワンストップ支援センター」が阪南中央病院に設立できたのか? ②SACHICO存続をもたらした力についての私見を述べさせて頂きました。

(小児科医 伊集院真知子)