RCTとは名ばかり。HPVワクチンに効果があるように見せるNEJM evidence誌の論文は信用できない(NEWS No.597 p01)

2024年1月、15歳から26歳までのUSA女性に対して、ヒトパピローマウイルス(以下HPV)ワクチン「15-26歳の米国女性にとって9価HPVワクチンの2回接種が良いか3回接種が良いか」がNEJM Evidence誌に掲載された。すでに2006年にはUSAで最初の子宮頸がんワクチン、サーバリックスが承認され、今の9価ワクチンであるシルガードでも2014年に承認されていたのに何をいまさらの感のある掲載であった。この論文はPhase4の単目隠しRCT論文であるが、発売承認10年経ってもまだ有効であるか否かの論議をしているワクチン(実際の目標は非劣勢試験と言って、ワクチン接種群とプラセボ群での優位の差を証明できない=同等?であろうという試験)について論じたものである。この論文はRCT開始6か月でもまだ最終結果が出ていない中間解析中というものであるが、このような非科学的ともいえる論文を出さざるを得ないということの理由の一つは、16型や18型に代わる可能性のある他の常在ウイルスとしてのHPVが続々と検出されてきたからである。また、分析すべきデータがすべて3,4相試験を行った製造業者からのデータであり、データに対する批判は製造業者の了承がなければ許されない仕組みになっている。専門家といわれる研究者たちが、論文として発表するかどうかの権限も製造業者にある中で彼らのデータを使い、自らの研究者としての地位を確立するという自作自演ともいうべき関係の中で行われている。例えばこの論文では治験参加者850名中、実に54%は途中脱落した。初めのプロトコールでは20%までの脱落は解析上許容範囲とされたが、実際の脱落は54%と2.5倍を超えた。6か月を超える長期の検査観察期間によって観察者数を確保し何とか非劣勢試験としての体裁を保ったものであり、それに対する議論もないRCTとは名ばかりの論文である。

日本の現状は、NEJM Evidence誌のでたらめRCTの傍証となり得る。日本では2009年の子宮頸がんワクチン承認から2013年4月の定期接種化、直後の同年6月副作用の多さにより子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を中止した。その後厚労省が2022年4月再開したが、経過の中で、基幹統計であるe-Stat によって子宮頸がんによる年別、年齢群別死亡者のワクチンの影響を見ることができる。

年齢群別の2020-23年までの子宮頸がん死亡を見てみると、図表のようになる。

これを見ると、各年齢群での死亡数は年齢とともに増加、70歳以上は増加しているが0-39歳は年による変化はほとんどない。

以上みてきたように、NEJM Evidence誌のRCTは信用に値しないRCTである。