第3分科会報告:危険な夢洲での万博・カジノ中止、公費・税金を被災地支援と住民生活に回せ 維新政治を終わらせよう(NEWS No.600 p06)

まず初めに山川氏からは以下のように基調提起がありました。元来は北港処分場である夢洲での有毒ガス発生隠蔽、救急体制不備などの安全性軽視や、工事未払い問題など、万博の問題点が噴出していますが、万博・カジノはグローバル資本の利潤追求のためであり、能登半島地震被災者が切り捨てられ、住民福祉切り捨ては必至で、カジノはギャンブル障害など社会問題をもたらすものです。カジノ誘致は全国課題であり、オンラインカジノ解禁および水とさせてはならない。運動を大阪府民をはじめ全国へ広げる。維新府市政を終わらせる。そのために議論しようと提起。

基調に引き続き、オンラインカジノの現状と問題点について梅田が話題提供しました。内容は以下のようなものです。

新型コロナ禍以降、オンラインギャンブル(OLG)、オンラインカジノ(OLC)の相談件数が急増しており、「ギャンブル依存症を考える会」に寄せられる相談件数は5年間で11倍となっています。日本の依存症治療のナショナルセンターである久里浜医療センター初診時に主にやっているギャンブルの変遷を見ると、2017年4月から2017年3月まではパチンコ・パチスロ6割、公営OLGおよび非合法OLG合計で14%程度だったのが、22年6月から23年5月までの調査では公営OLGが最多の40%、非合法OLG19%で、オンラインギャンブルというくくりでは50%を超えていました。

OLCに特徴的な問題として、3分の2ほどが始めてから1か月以内というごく短期間で借金を始めています(ほかのギャンブルでは平均7年)。ギャンブル障害(GD)には嘘と借金がつきものですが、OLGではスマホさえあればいつでもどこでも誰でも始められ、闇バイトなどの犯罪にはまりこんでしまう場合もあります。OLCは射幸性(ギャンブル性)簡便性、即時性が顕著で、依存になるまでの時間が早い、借金総額が多い、まとめると「早い、多い、ヤバい」のです。OLGはほかのギャンブルに比べて「うつ」を併発しやすく、自殺念慮や自殺行動にいたることも稀ではありません。OLGは犯罪行為を誘発するリスクが高く、いわゆる闇バイトに誘導されることも少なくありません。

違法なOLCの規制を強化する「改正ギャンブル等依存症対策基本法」が2025年6月18日に成立しましたが、OLCへの誘導を禁じる等としているものの、罰則規定なく実効性が乏しいと考えられます。OLCの規制の対策として、アクセスと支払いのブロッキングという手段はありますが、通信の秘密などの法的な問題の壁があるようです。また、OLCを含むGD対策としては、供給側(OLCなどの運営者)への対策だけでなく(分科会では触れていませんが)需要側(GD予備軍ないしGD当事者)への予防、治療対策も必要で、依存症に関する精神保健医療は啓発や予防、治療の方法の開発や普及と実践を担う役割を負うと考えます。

OLCで事業者が次に展開しようとしているものについては、舞洲での大阪IRの事業者として、ラスベガスなどでカジノを展開するMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスによるMGM大阪が選定されたことに見られるように、スポーツベッティングの大々的な展開を狙っていることが考えられます。また国際カジノ研究所所長の木曽氏は、欧米や一部アジア諸国で、OLCの合法化と厳格な規制が進められ、その一部は公共サービスの充実に寄与していると述べていて、OLCの合法化と規制を進めて、自治体の主要な財源としてカジノ・ギャンブル依存社会となることを狙っているとも考えられます。

議論の中では、精神科分野でのOLGに対する認識について質問がありました。ことしの日本精神神経学会学術総会でGDのシンポジウムがあり、「ギャンブル依存症を考える会」と連携医療機関の医師らが登壇しており、精神科領域でも取り組むべき重大な課題に挙げられていることを伝えました。ランドカジノは世界的に斜陽で、今後はOLCを主流にしてさらに市民から効率よく金を巻き上げる狙いがあるのではないかとも伝えています。

各地域での運動からは、万博よりも被災者支援が優先だ、大阪では病院も減らされ道路整備もできていないのに万博後処理に税金をつぎ込ませない、といった報告がありました。OLCの危険性も訴えつつ、「人を不幸にするカジノという文化を日本でつくるな」「住民を幸せにする自治体をつくろう」と、維新府市政打倒、カジノ中止の決意で締めくくられました。

精神科医 梅田