●概括:
例年と同じく、1月11日の医問研例会・新年会で医問研ニュースの2025年の1年間の記事内容や編集作業などについて報告しました。みなさんのご寄稿により1年間を通じて紙面を充実させることができました。また、月内発行も維持することができました。原稿のテーマ設定と分担について概ね毎回四苦八苦していたり、字数調整や図表などの割付にてこずったりしていますが、紙媒体の制約がある中でも紙面割り付けは工夫したつもりです。医問研ニュースは例会を軸とする医問研活動や医問研の主張の発信の場であり、医問研例会に力点を置きつつ、EBMに関するテーマや放射線障害、全交運動なども位置付けて紹介しています。
<記事、テーマについて>
●例会報告について:
基本的には寺岡さんが隔月で例会に話題提供され、寺岡さんの報告がない月は医問研会員が中心に話題提供しています。寺岡さんからの申し出があり、例会シリーズ報告の内容の豊富化もあって、シリーズ報告には基本的には2ページ半を割り当てさせていただくことになりました、(ただ、編集者に、2ページ半が基本だということへの認識不足があり、寺岡さんとのやり取りで齟齬が生じることがありました。この点は大変申し訳ありませんでした。)例会は医問研活動の大きな柱の一つであり、医問研ニュースの紙面上でもやはり大きな柱で、かつ寺岡さんのシリーズ報告は例会とニュース編集上でのどちらにとっても屋台骨であることを十分に弁えたいと思います。
例会のテーマは、寺岡さんからの報告では、「アルツハイマー病用剤レカネマブ」や「アトピー性皮膚炎用剤デュピルマブ」の検討を継続しています。効果や害作用の評価、承認の経緯などについて批判的に検討することができたと思います。医問研会員以外では、「全国HPV被害者の会」の梅本さんの特別報告を掲載しました。
例会のテーマとしては、ほかに、「コロナワクチンによる超過死亡」、「VZVワクチンの批判的検討」、「カジノとギャンブル依存症」、「自閉症スペクトラム障害の診断と疫学の変遷」、「パレスチナ アローシュさんの提起」も取りあげました。
●1面について:
1月号は医問研活動方針で、ほかの号でもおもに医療情勢や重大な医療関連のテーマを取りあげました。1月号以外のタイトルを列記します。
「政府が薬機法改正法案を国会に提出」(2月号):薬機法改悪の問題を寺岡さんに報告していただきました。
「福島第一原発事故から14年 健康被害を明らかにして原発再稼働阻止・廃止へ貢献したい」(3月号)
「利権がらみ、危険な夢洲万博 IRカジノへの強行開催を許すな」(4月号)
「RCTとは名ばかり。HPVワクチンに効果があるように見せるNEJM evidence誌の論文は信用できない」(5月号)
「2025ZENKOin相模原にご参加を! 」(6月号)
「病床11万床削減反対、医療内容充実を!」(7月号)
「2025ZENKOin相模原大成功!国際連帯の力で1日も早く虐殺・戦争を止め、東アジア・中東に平和を」(8月号)
「柏崎刈羽原発再稼働の「地元同意」をすべきではない。」(9月号)
「世界中の抗議行動がイスラエルのパレスチナ人ジェノサイド戦争の停止を実現!」(10月号)
「高市所信表明批判 国民の負担拡大で受診抑制、製薬・医療関連産業の儲け拡大 公費負担拡充と科学的根拠に基づく医療で対峙を」(11月号)
「日本小児科学会は、私たちの要望に沿い、コロナワクチンのハイリスクでない小児への接種を勧めないことを発表!」(12月号)
テーマ別でみると、福島第一原発事故や原発再稼働と放射線障害の問題、カジノによる利権と医療・公衆衛生の切り捨ての問題、HPVやコロナのワクチンへの反対、医療切り捨て反対といった内容で、ZENKO大会への呼びかけと報告も載せました。
●1面と例会報告以外の記事について。
※薬剤・ワクチンや治療法の検討:
「精神関連用剤-その2:双極症(双極性障害)と不安症群(不安関連障害)」:非薬物療法や必須薬剤の概括。
「予防接種の問題点について-枚方市での発表報告」
「乳児に保湿剤を塗ってもアトピー性皮膚炎を予防できない」
※福島原発事故・放射線障害関連:
「原発賠償京都訴訟、国の断罪までがんばります」:福島第一原発事故避難者の福島さんからの寄稿。
「福島第一原発事故・放射線障害について医問研ニュースの報告を振り返って」:医問研ニュースで取りあげた原発・放射線障害関連の記事のタイトルの一覧。
「6.17最高裁共同行動2025』に参加して… 」:全交・関電前プロジェクトの安井さんからの寄稿。
「バンカーバスター爆弾は原発が作り出す放射性物質の武器」「劣化ウラン弾について」
福島原発避難者の福島さんや全交関電前プロジェクトからも寄稿していただきました。劣化ウラン弾、米国がイランに対して使用したバンカーバスター弾についても取りあげました。これまでの福島原発事故や放射線障害を取りあげたニュースの記事も振り返っています。
※ガザへのジェノサイド問題やワクチン問題での学会活動:
「―リスクなし乳児では不要・有害、ありでも予防は不可―<日本小児科学会へのコロナワクチンについての要請文>」
「ガザで拘留されている小児科医・フサム・アブ・サフィア博士の拘留からの即時解放」「ガザのパレスチナ人小児科医の逮捕に関する IPA 声明への賛同、周知」を求め、日本小児科学会に対する要請行動にご協力を!」;「ガザで拘留されている小児科医・フサム・アブ・サフィア博士の拘留からの即時解放」「ガザのパレスチナ人小児科医の逮捕に関する IPA 声明への賛同、周知」を求め、4月、日本小児科学会総会で発言し要請しました。」 :ガザで拘留されている小児科医の即時解放などを求めるIPA声明への賛同を日本小児科学会に求める活動を高松さんから報告していただきました。
※ワクチン関連:
「百日咳の流行:その治療・予防(ワクチンなど)」
「HPVワクチン効果の根拠とされる2024年NEJMエビデンス誌論文データへの疑問」
「現行DPTワクチンの小学生・成人への接種は問題あり」
「コロナワクチンとの関連を示唆する超過死亡の分析」
「米国でのインフルエンザワクチン接種の科学的根拠なしとのBMJ論文紹介」
百日咳、HPV、DPT、新型コロナ、インフルエンザについて取り上げました。
※書評:伊集院さんからの紹介が主ですが、梅田も紹介しています。タイトルを列記します。
「原発・核燃と地域社会——弘前大学の核燃講義——福田進治・宮永崇史 編」「ルポ 食が壊れる」「食品添加物よりはるかにこわい ゲノム編集食品 天笠啓祐」:食やゲノム編集、原発関連の本の紹介。
「ギャンブル脳 帚木蓬生」「精神科の薬について知っておいてほしいことジョアンナ・モンクリフ=著 石原孝二ほか=訳」「子どもの自殺はなぜ増え続けているのか 渋井哲也」:ギャンブル障害や精神科薬剤、子どもの自殺をテーマにした本を紹介。
※医療情勢
「高額療養費に関する問題点:同じ効果の薬剤が大変違う価格」
※カジノ・ギャンブル障害、全交運動関連:
「IRカジノへ政治利用される夢洲関西万博」
「第3分科会 危険な夢洲での万博、カジノ中止 公費・税金を被災地支援と住民生活に回せ 維新政治を終わらせよう 報告」:全交分科会で話題提供しました。8月号ではほかの分科会についても報告。
「10・13団結まつり成功!ガザ虐殺をとめる!カジノも止める!」:交流の広場での話題提供。
「「3.8 国際女性デーのつどい」報告 世界中の女性たちと手を結び、戦争ストップ、ジェンダー平等の社会をつくろう!」
※その他:
「当事者を搾取するポピュラー心理学」、「逆境的小児期体験(ACE)は子どもにも成人になっても健康問題や社会的困難をもたらす」:ポピュラー心理学の罠とトラウマを含む逆境的小児期体験について紹介しました。
<紙面構成、原稿依頼と原稿集約、編集の作業について>
●取りあげるテーマは月初めに決めて月内発行がなんとかできています。書き手やテーマの設定、予備原稿のストックは引き続き課題ですが、医療や原発、国際情勢も大きな変動を見せており、EBMの立脚点を再確認しつつ、医療関連や全交関連などの民主団体とも連携しながら、重要なテーマを取り上げていくようにします。
●林さんからは、紙媒体での発行を続けるか、PDF化してメールで配信することも検討するか、という提起がありました。また読者や執筆者の拡大にも取り組む必要があると考えています。薬剤評価や臨床で遭遇する様々な問題もできる限りとりあげたいと考えます。ZENKOや様々な運動団体、研究者らとも連携を深めつつ、原発・放射線障害の問題、ガザでのジェノサイドと子どもの命と健康を守るための取り組み、カジノとギャンブル依存症の問題なども医療的な見地から記事を発信していく取り組みを続けたいと思います。
●新年会当日は、2025年の1年間の記事内容を改めて見返して、非常に重要なテーマを取り上げていることに参加者から思いが語られました。また編集の労をねぎらっていただき、励みになりました。
精神科医 梅田